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2025.06.04 Wed

「昼間の電気が安い」は本当?家庭の30分連動型プランに潜む落とし穴とは

 
Businessman invests in electric power stocks, on a background with network antennas and wind turbines.
 
日経エネルギーNEXTに気になる記事があったので調べてみました。
 
出典:日経エネルギーNEXT 「家庭の電気料金、安価な時間への需要シフトでどこまで安くなる?
 
近年、電気料金が「30分ごとに変わる」市場連動型プランが登場し、「電気を安い時間に使えばおトクになる」といった宣伝も見られます。とくに、太陽光発電が多く稼働する昼間は電気料金が安くなる傾向があり、こうした時間帯に合わせて使えば節約できるというのがその主張です。
しかし実際のところ、家庭では本当に「安い時間に電気を使う」ことができるのでしょうか?この記事では、電気の使い方を見直す「需要シフト」の現実的なハードル、導入時に注意すべきポイントをデータをもとに整理しました。見かけの安さに飛びつく前に、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
 


 
目次
1.30分連動型プランとは?
2.「安い時間に使えば得」の理屈とその現実
3.家庭での需要シフトには4つの壁がある
4.結局、従来プランと比べて安くなるのか?
5.注意すべきポイントと今後の展望
 


 
1. 30分連動型プランとは?
市場連動型の電気料金プランには「月次連動型」と「30分連動型」の2種類があります。
今回のテーマである「30分連動型」は、30分単位で変化する市場価格(JEPX)に応じて電気料金が上下するしくみです。安い時間に使えば電気代を抑えられる一方で、高騰時には電気代も上がります。リスクとリターンが隣り合わせのプランです。
 


 
2. 「安い時間に使えば得」の理屈とその現実
確かに、日中の市場価格は安くなりやすい傾向があります。ですが、家庭の電気使用は主に朝と夕方~夜。実際に多くの家庭で使う時間帯と市場価格の安い時間がかみ合っていないのが現実です。共働き家庭が多い日本では、昼間は家が無人で電気を使わないケースも多く、そもそも「安い時間に電気を使う」という発想が成立しにくいのです。
 


 
3. 家庭での需要シフトには4つの壁がある
① 多くの家庭で電気を使う時間=市場価格が高い時間
② 照明・冷暖房・調理などは使うタイミングが限定的でシフトが難しい
③ エコキュート(深夜電力での給湯)でも、従来の深夜電力の方が安い
④ マイナス価格が導入されても、価格メリットは限定的
※マイナス価格-電力供給が多すぎると需給バランスを保つため、市場で「電気を買ってくれる人にお金を払う(=マイナス価格)」ということが起こります。海外ではすでに導入されており、日本でも再エネの大量導入により同様の制度が検討されています。
 
たとえばエコキュートを使って日中にお湯を沸かしても、従来の深夜電力契約の方がトータルで安くなるケースが多く、昼間への切り替えには経済的なメリットがありません。
 


 
4. 結局、従来プランと比べて安くなるのか?
市場価格が安定していた2024年において、30分連動型の料金は大手電力のスタンダードプランとほぼ同等か、むしろ高くなる傾向がありました。さらに、仮にマイナス価格が導入されたとしても、年間で1000~2000円程度の節約にとどまり、コスト面での優位性は限定的です。
 


 
5. 注意すべきポイントと今後の展望
現時点では、30分連動型の導入は慎重に判断すべきです。将来的に家庭用蓄電池の普及や、託送料の見直しが進めば、昼間の電気を活用しやすくなる可能性はあります。しかし、今のところ「一般家庭の使い方」では、このプランでの節約効果は限定的と言わざるを得ません。
 


 
まとめ
電気は「安い時間に使えばおトク」というのは一見もっともらしく聞こえますが、家庭のライフスタイルと噛み合わなければ意味がありません。特に冷暖房や調理、照明などの主要な電力使用は、時間をずらすことが難しいため、需要シフトが現実的に機能しないのです。
現在の制度・技術・ライフスタイルでは、30分連動型プランの経済的メリットを引き出すのは難しい状況です。
「何となく安そうだから」と安易に契約せず、自分の生活スタイルとしっかり照らし合わせた上で、電気料金プランを選ぶようにしましょう。
 
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ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 
参考ページ
出典:経済産業省 国内外におけるDR・電気料金メニューの調査