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2025.04.08 Tue

日本の電源構成と第7次エネルギー基本計画から学ぶ!再エネ時代の賢い選択と未来戦略

 
エネルギーイメージ
 
日本のエネルギー政策は大きな転換期を迎えています。特に第7次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの拡大や脱炭素社会の実現に向けた具体的な方針が示されました。本記事では、日本の発電電力の電源構成を踏まえながら、エネルギー基本計画の内容と今後の展望をわかりやすく解説します。再エネ事業を検討している中小企業の経営者必見の情報をお届けします。
 


 
1.日本の電源構成の現状を把握しよう
1 火力・原子力・再エネの割合とは
日本の発電電力量は、火力発電が依然として大きな割合を占めています。2023年度の実績では、以下のような構成となっています。
・火力発電(化石燃料):約68.6%
・天然ガス(LNG):約32.8%
・石炭:約28.4%
・石油等:約7.2%
・再生可能エネルギー:約22.9%
・太陽光発電:約9.2%
・水力発電:約7.6%
・バイオマス発電:約3.7%
・風力発電:約0.9%
・地熱発電:約0.3%
・原子力発電:約8.5%
火力の中でもLNGは環境負荷が比較的低く、GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル)※などの高効率技術の普及も進んでいます。再生可能エネルギーの割合は着実に増加しており、原子力の比率も徐々に回復傾向にあります。
※GTCCとは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた複合発電方式で、一度の燃料燃焼で2段階の発電を行うため、従来型火力よりも高効率かつ環境負荷の少ない発電が可能です。
 
2 CO2排出量とエネルギー自給率の課題
火力発電に依存する現状では、発電に伴うCO2排出量が多く、地球温暖化の要因のひとつであると言われています。特に石炭火力はCO2排出係数が高く、温室効果ガス削減の観点からも早急な対策が必要です。加えて、日本のエネルギー自給率は2022年度で約13%と極めて低く、主要エネルギー資源の多くを輸入に頼っている状況です。これはOECD加盟国の中でも最下位に近い水準であり、国際的にも脆弱なエネルギー構造といえます。エネルギー安全保障の観点からも、再生可能エネルギーの導入拡大と国産エネルギー源の多様化が急務となっています。
 


 
2.第7次エネルギー基本計画の概要
1 基本方針と「再エネ最優先原則」
2025年2月18日に閣議決定された第7次エネルギー基本計画は、国内外のエネルギー環境が大きく変化する中で、日本が持続可能なエネルギー社会を築くための中長期的な政策指針として策定されました。特に「2050年カーボンニュートラルの実現」を明確に掲げたうえで、「再エネ最優先の原則」を中心に据え、再生可能エネルギーを日本の電力供給の柱に据える方針が打ち出されました。
ここでいう「主力電源」とは、単に補助的な位置づけではなく、エネルギー供給の中心を担う存在として、常に安定的・継続的に電力を供給できる能力を有する電源を意味します。これまでは火力や原子力がその役割を担ってきましたが、今後は再エネがこれに取って代わることが求められています。
第7次計画では、2030年度の電源構成として再エネの比率を36〜38%まで引き上げることを目標に設定し、具体的には太陽光や風力の大規模導入、送電網整備、地域分散型エネルギーの推進などを政策手段として明示しています。これにより、環境負荷の低減とエネルギー安全保障の両立を図るとともに、経済成長とも調和するエネルギー転換を目指しています。
 
2 原子力・水素・アンモニアの役割は
再エネのほか、原子力も一定の割合で活用しつつ、水素・アンモニアなどのゼロエミッション燃料の導入も計画されています。これはエネルギーの安定供給とCO2排出削減の両立を狙ったもので、多様なエネルギー源を活用する「ベストミックス」が求められています。
 


 
3.再生可能エネルギー拡大に向けた施策
1 FIT/FIP制度の見直しと今後の方向性
固定価格買取制度(FIT)に代わり、FIP(フィードイン・プレミアム)制度が本格的に導入され始めています。市場価格に応じた収益構造となるため、発電者には市場への対応力と自立的な経営が求められます。これはビジネスとして再エネを捉える重要な転換点です。さらに、2025年10月からはFIP制度において「早期回収スキーム」の導入も予定されています。これは、一定の条件を満たす再エネ発電事業者に対して、導入初期の収益確保を目的としたプレミアムの上乗せを可能にする制度であり、特に事業初期における資金回収リスクの軽減が期待されています。中小企業や新規参入事業者にとっては、参入障壁を下げる施策として注目されており、再エネ導入の後押しとなるでしょう。
 
2 地域主導型エネルギーと分散型システム
国は「地域脱炭素ロードマップ」において、地域主体の再エネ導入を推進しています。このロードマップは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、地方自治体が主導して取り組むべき脱炭素化の具体的な道筋を示した政策文書であり、2021年6月に国が策定しました。特に、先行して脱炭素化を目指す「脱炭素先行地域」の選定や、地域資源を活かした再エネ導入、交通・建築・産業分野の電化といった包括的な施策が盛り込まれています。分散型エネルギーシステム(マイクログリッド等)の整備や、地元企業・自治体による自立的なエネルギー管理も注目されており、中小企業にとっては地域との連携による新たなビジネスチャンスの創出が期待されています。
 


 
4.中小企業が知っておきたい導入メリット
1 自家消費型太陽光の経済効果
企業が導入しやすい再エネの代表格が、自家消費型の太陽光発電です。これは、発電した電力を売電せずに自社施設内で直接利用する方式で、電力会社からの購入電力量を減らすことができ、電気代の大幅な削減につながります。発電した電力が即時に消費されるため、送電ロスが少なく、効率的なエネルギー利用が可能です。また、太陽光発電設備の価格低下や、補助金制度の活用により、初期投資のハードルも下がりつつあります。長期的には導入コストの回収も十分に見込め、特に電気料金の高騰が続く今、導入メリットは年々増しています。さらに、環境配慮や脱炭素経営の観点からも企業価値を高める要素として注目されています。
 
2 蓄電池やPPAモデルによる収益化
蓄電池を活用すればピークカットによる電力コスト削減だけでなく、停電時のBCP(事業継続計画)対策にもなります。また、初期投資ゼロで導入できるPPA(電力購入契約)モデルを活用すれば、手軽に再エネビジネスをスタートできます。PPAモデルでは、第三者(PPA事業者)が発電設備を設置・所有・運用し、発電された電力を契約先企業に一定価格で販売します。これにより、企業は初期費用をかけずに再エネ電力を利用でき、長期契約により安定した電力価格で電力を確保することが可能になります。また、設備の運用や保守もPPA事業者が担うため、導入後の手間やリスクも最小限に抑えられます。特に、再エネ導入に慎重な中小企業にとっては、導入ハードルの低い実効的な選択肢となっています。
 


 
5.今後の展望と経営判断のポイント
1 2030年、2050年に向けた電源構成の変化予測
2030年には再エネ比率が約4割まで引き上げられる見込みです。これを達成するために、政府は複数の具体策を講じています。例えば、大規模な太陽光発電や洋上風力発電の導入拡大、FIP制度の本格運用とその早期回収スキームの導入、再エネの系統接続強化や蓄電池導入の補助などが挙げられます。また、地方自治体と連携した「脱炭素先行地域」の取り組みや、分散型エネルギーの導入促進、地熱・バイオマスなど地域資源を活かした電源開発の推進も進められています。さらに、企業や家庭への省エネ設備導入の支援など需要側の対策も強化されつつあります。これらの総合的な施策によって、持続可能なエネルギー社会への転換が加速される見通しです。さらに2050年のカーボンニュートラルに向け、火力の大幅削減と再エネ+水素・アンモニアの拡大が進みます。企業のエネルギー戦略も、長期的視点での見直しが必要です。
 
2 再エネ事業への参入を検討する際の視点
単なるコスト削減ではなく、環境配慮・地域貢献・企業価値の向上という側面も含めて、再エネ導入を検討することが重要です。補助金制度や専門家の活用も視野に入れ、中小企業でも無理なく取り組める選択肢を探りましょう。
 


 
まとめ
第7次エネルギー基本計画を読み解くことで、今後の日本のエネルギー政策の方向性が明確になり、企業の経営判断にも直結するヒントが得られます。再生可能エネルギーは単なる環境対策にとどまらず、コスト削減、事業継続性の向上、地域経済への貢献、そして企業のブランド価値向上にもつながる戦略的資源です。
特に中小企業にとっては、初期投資を抑えた導入モデルや補助金制度、地域との連携による事業スキームなど、取り組みやすい選択肢が年々整備されてきています。再エネ導入は、将来の電力価格高騰リスクの回避にもなり、長期的な経営の安定性を高める施策として位置づけられます。
再エネはもはや「選択肢」ではなく「戦略」です。環境・経済・社会の三方良しを実現する持続可能な経営のために、今こそ自社のエネルギー戦略を見直し、未来に向けた一歩を踏み出す絶好のタイミングです。
 
参考ページ
出典:経済産業省 第7次エネルギー基本計画が閣議決定されました(リンク)
出典:経済産業省令和5年度(2023年度)エネルギー需給実績を取りまとめました(速報)
 


 
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