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2025.04.18 Fri

市場連動型電気料金とは?月次連動型料金は本当にお得?注意点と情熱電力の考え方

 
電気料金プラン
 
最近、電気料金の見直しを考えている方の間で注目されている「市場連動型」プラン。特に、月ごとに料金が変動する「月次連動型」は、”安くなるかも”と期待を集める一方で、”逆に高くなるリスクもある”という声も聞かれます。
市場連動型とは、卸電力市場の価格変動を電気料金に反映させる仕組みであり、需給バランスをよりリアルに反映した料金設計が特徴です。しかし、その仕組みを正しく理解しないまま契約してしまうと、思わぬ高額請求に驚くことも。特に月次連動型は「一見シンプル」に見えて、実は多くのリスクが潜んでいます。
本記事では、市場連動型電気料金とはどんな仕組みか、月次連動型にはどんなメリットと注意点があるのかを詳しく解説します。あわせて、情熱電力が考える「安定した電気料金提供のあり方」についてもご紹介します。
電気料金の見直しを検討中の方、そして安心して使える電力会社を選びたい方へ、ぜひ参考にしていただきたい内容です。
 


 
1. 市場連動型電気料金とは?
これまで私たちが利用してきた電気料金プランは、多くが「固定単価」型でした。
ご家庭向けでは、季節や時間帯に関係なく、一定の単価で電気を使うことができました。また、お仕事で使用される業務用の電気料金プランでも、夏や冬などに「季節単価」が設定されているケースはあるものの、年間を通して1kWhあたりの料金はおおむね安定しており、電気料金の管理がしやすい環境が整っていました。
しかし近年、電力の需給バランスが大きく変化し、発電コストも不安定になる中で、電気料金の新たな形が登場しています。それが「市場連動型電気料金」です。
市場連動型とは、電力の卸売市場(JEPX=日本卸電力取引所)で取引される電力価格の変動を、電気料金にリアルタイムで反映させる仕組みを指します。電力会社が市場から調達する価格が高くなれば、私たちの支払う電気料金も上がり、反対に市場価格が下がれば、料金も下がるという非常にダイレクトな料金モデルです。
従来型の電気料金では、市場価格の変動リスクを電力会社が吸収していました。しかし市場連動型では、そのリスクをred: 「需要家(電気を使用する側)」が直接引き受ける設計になっています。リスクを負う代わりに、状況によっては通常よりも安価に電気を使える可能性がある──これが市場連動型の大きな特徴です。
 
さらに市場連動型は、料金の連動方法によって次の2つに分かれます。
30分連動型:30分ごとに市場価格に合わせて料金単価が変わるタイプ
月次連動型:ひと月ごとの市場価格の平均値などに基づき、月単位で単価が変わるタイプ
今回のブログでは、現在多くの新電力会社が導入を進めている「月次連動型」に焦点を当て、その仕組みや注意すべきポイントについて詳しく見ていきます。
 
2. 月次連動型とは?
市場連動型電気料金には、「30分連動型」と「月次連動型」という2つの種類が存在します。
このうち、近年特に多くの新電力会社が採用しているのが「月次連動型」です。
月次連動型とは、電力の卸売市場(JEPX)で取引されるひと月あたりの平均価格などを基準に、その月の電力量料金単価を決める仕組みです。
市場価格が日々変動しても、月単位で単価が決まるため、ひと月の間は電気料金単価が変わらないのが特徴です。
 
これにより、
・請求額の変動が緩やかになり、家計や経費管理がしやすい
・毎日の電気使用時間帯を気にする必要がない といったメリットが生まれます。
 特に、家庭やオフィスなど、使用パターンが固定的な場合には、30分単位で変動するよりも扱いやすいと感じられるかもしれません。
しかし、月次連動型にはいくつか重要な注意点も存在します。
多くの電力会社では、「上限価格」と「下限価格」を設定しており、市場価格がこの範囲内に収まっている場合は電気料金に影響しない設計になっています。
しかし、市場価格が上限を超えたり下限を下回った場合には、その差額が電気料金に反映されます。
 
たとえば、
上限価格が14円/kWhに設定されている場合、市場価格の月平均が17円/kWhになれば、3円/kWh分が電力量料金単価に加算されます。
逆に、市場価格が5円/kWhまで下がった場合は、下限7円/kWhとの差額2円/kWh分が単価から減額される、という仕組みです。
また、会社によっては「調整係数」と呼ばれる割合設定を加えるケースもあります。
これは、たとえば0.8倍などに設定することで、価格変動の影響を小さくする工夫ですが、逆に1.2倍などに設定して影響を強めている場合もあり、各社で方針が異なります。
 
ここで押さえておきたいのは、
月次連動型は「市場価格が下がれば料金が下がる」だけではないということです。
実際には、
上昇リスクだけはしっかり需要家側に転嫁されている
下降メリットは小さかったり、全く還元されないプランもある というケースが少なくありません。
つまり、市場価格が安定していればメリットを感じやすい反面、予期せぬ市場高騰が起きた場合には、一般的な固定単価型のプランよりも大幅に高額な請求になるリスクがあるのです。
「月単位で料金が変わる」というシンプルな表現の裏には、
需要家側が市場リスクを背負う設計が隠れている──
これが月次連動型の本質です。
次の章では、こうした月次連動型の「具体的なメリットとリスク」について、さらに掘り下げていきます。
 


 
3. 月次連動型プランのメリットとリスク
3-1. 月次連動型プランのメリット
まず、月次連動型のプランには以下のようなメリットがあります。
① 市場価格が安定・低下しているときは料金を抑えられる可能性がある
市場の平均価格が一定水準で推移している期間は、一般的な固定単価型プランよりも安い料金で電気を利用できる場合があります。特に、燃料価格が安定している、再生可能エネルギーの供給量が多い、といった時期には恩恵を受けやすくなります。
② 毎月単価が更新されるため、市場価格の下落メリットも理論上は享受できる
月単位で市場価格を反映するため、もし電力需給が緩和され市場価格が下がった場合、翌月にはそれが電気料金に反映される可能性があります。
③ 30分単位での価格変動を気にしなくてよい
30分連動型と違い、1か月間の単価は固定されるため、時間帯ごとの電力使用を細かく調整する必要がなく、生活スタイルを大きく変えずに済みます。
 
3-2. 月次連動型プランのリスク
一方で、月次連動型プランには次のようなリスクが伴います。
① 市場価格の高騰による料金急上昇リスク
大きなリスクは、電力需給のひっ迫や燃料価格の高騰などにより、卸電力市場価格が急騰した場合、その影響が翌月の電気料金に直接跳ね返ってくる点です。
特に、極端な寒波や猛暑、燃料供給リスク(国際情勢の変動など)が起きた場合、予想を超える負担増になることもあります。
② リスクは負担しても、リターンは限定的な場合がある
多くの月次連動型プランでは、市場価格が上がった場合の負担は需要家が負う一方、市場価格が下がった場合には十分な還元がなされない設計になっています。
上限価格・下限価格や調整係数といった条件により、実際には「上がるときだけ上がる」不公平な仕組みになっているプランも存在します。
③ プラン内容が複雑で、リスクの見極めが難しい
上限・下限価格、調整係数、燃料費調整との併用有無など、各社の設計がバラバラなため、どの程度のリスクがあるかを契約前に正確に見極めるのは簡単ではありません。
一般のご家庭や小規模事業者が、自力でリスクを比較・判断するのは非常にハードルが高いのが実情です。
 
まとめ:メリットもリスクも「バランス」を見極めることが重要
月次連動型は、「うまく市場が安定している間だけ」なら経済的メリットを享受できる可能性はあります。
しかし、その裏には「市場価格高騰時に重い負担を背負うリスク」も必ず存在しています。
しかも、過去の事例を見る限り、市場が安定している年ですら、月次連動型プランの経済メリットは限定的であり、
場合によっては通常の固定単価プランより高くつくことも珍しくありません。
したがって、月次連動型プランの選択は慎重に、
そして、リスクとリターンのバランスをよく見極めたうえで検討することが大切です。
次章では、こうしたリスクを踏まえた上で、
【月次連動型プランを選ぶ際にチェックすべきポイント】についてさらに詳しく解説していきます。
 


 
4. 月次連動型を選ぶ際のチェックポイント
月次連動型プランには、一定のメリットがある一方で、大きなリスクも潜んでいることを見てきました。
では、もし月次連動型プランを検討する場合、どのような点に注意して選べばよいのでしょうか。
ここでは、契約前に必ず確認しておきたいポイントを整理します。
 
4-1. 上限価格・下限価格の設定を確認する
まず最も重要なのは、プランに設定されている上限価格と下限価格を確認することです。
・上限価格が低すぎる場合:市場価格が少し上がっただけでも、すぐに料金が上昇するリスクがあります。
・下限価格が設定されていない場合:市場価格が大きく下がっても、料金があまり下がらないケースがあります。
特に注意したいのは、「上限価格はあるが下限価格がない」という設計です。この場合、リスクだけを負わされ、メリットを享受しにくくなるため、慎重に判断する必要があります。
 
4-2. 価格転嫁の「調整係数」をチェックする
次に注目すべきは、価格変動をどの程度電気料金に反映させるかを示す調整係数です。
・調整係数が1.0以上の場合:市場価格の変動がそのまま、または増幅されて料金に反映されます。
・調整係数が1.0未満の場合:市場価格の変動幅をある程度抑える設計になっています。
調整係数が高いプランは、一見すると市場価格に忠実な反映が期待できそうに見えますが、実際には価格高騰時の負担リスクが大きくなるため注意が必要です。
 
4-3. 電源構成を調べる
電力会社がどのような電源から電気を調達しているかも、重要な判断材料になります。
・卸電力市場への依存度が高い会社ほど、市場価格の影響を受けやすい
・自社で発電設備(再エネ・火力など)を保有している会社は、市場価格の変動リスクをある程度吸収できる
インターネット検索などで「電力会社名+電源構成」で調べると、調達の内訳が公開されていることが多いので、事前に確認することをおすすめします。
 
4-4. 契約約款・料金表の細部を確認する
月次連動型プランは、名前や表面的な料金単価だけでは内容がわかりづらい場合があります。
・市場価格の平均値の取り方(全時間帯平均か、ピーク時重視か)
・市場価格調整額の上限設定の有無
・燃料費調整との二重転嫁があるか
こうした細かい条件が、実際の請求額に大きな差を生みます。
必ず公式サイトの「料金表」や「契約約款」に目を通し、不明点があれば契約前に確認しましょう。
 
4-5. 情報開示姿勢もチェックポイントに
最後に、電力会社自身の情報開示姿勢も大きなヒントになります。
・ホームページや資料で料金設計がわかりやすく説明されているか
・不明確な部分がないか
・問い合わせ対応が丁寧か
市場連動型はリスクのあるプランだからこそ、誠実な情報開示をしている会社かどうかも重要な判断材料になります。
「説明が不十分」「条件が曖昧」な会社は避けた方が無難でしょう。
 
まとめ:プランをよく比較し、リスクを理解した上で選ぶことが大切
月次連動型プランを選ぶ際は、単純な料金単価の安さだけで決めるのではなく、
リスク要素や契約条件をしっかり比較し、自分にとって許容できるかを冷静に判断することが大切です。
次章では、こうした慎重な選択を前提としたうえで、情熱電力が考える「安定した電気料金提供のあり方」についてご紹介します。
 


 
5. 情熱電力の考え方
ここまで、月次連動型プランの仕組みと注意点について見てきました。
リスクとメリットが表裏一体となっている市場連動型料金。
こうした現状を踏まえ、情熱電力ではどのような考えで電気料金プランを設計しているのかをご紹介します。
 
5-1. お客様に極端なリスクを押し付ける料金設計はしない
情熱電力は、電気を安定してお届けすること、そしてお客様が安心してご利用いただけることを最も大切に考えています。
そのため、市場価格の激しい変動リスクを一方的にお客様に負わせるような料金設計──
たとえば、上限価格が極端に低かったり、下限価格がないようなプラン──は採用していません。
電力供給には一定のリスクが伴いますが、それは電力会社自身が適切にリスクヘッジを行い、責任を持って管理すべきものだと考えています。
 
5-2. 安定した料金体系で「使いやすさ」と「安心」を提供
情熱電力が提供するプランは、できる限り価格の安定性を重視しています。
急激な料金変動に振り回されることなく、日常生活やビジネスに集中していただける環境づくりを目指しています。
「電気料金がどうなるか心配で毎月ヒヤヒヤする」──そんなストレスを、お客様に感じてほしくありません。
安定した料金設計により、
・家庭では安心して家計管理ができる
・企業では事業計画や予算管理が立てやすい
そんな環境を提供することが、情熱電力の使命だと考えています。
 
5-3. 必要に応じた個別相談にも対応します
とはいえ、電気の使い方やリスク許容度はお客様それぞれ異なります。
もし市場連動型に興味がある方や、リスクを理解した上でチャレンジしてみたいと考える方がいれば、情熱電力では個別にご相談も承ります。
電気料金の見直しや、最適なプラン選びのお手伝いを通じて、
お客様一人ひとりにとって本当に納得できる選択ができるよう、サポートさせていただきます。
 
【まとめ】
電力の市場連動化が進む中で、私たち電力会社に求められているのは、
「リスクもチャンスも正しく伝えた上で、お客様にとって最適な選択肢を提供すること」だと考えています。
また、情熱電力は、「電気料金をお安くという大前提のもと、お客さまが電気料金について考えたり、悩んだりする時間を最小限にしたい」と考えています。
情熱電力はこれからも、安定性・透明性・お客様本位、この3つを大切にしながら、皆さまに信頼される電力会社を目指してまいります。
 


 
ここまで、市場連動型電気料金、特に月次連動型プランの仕組みや注意点について詳しく解説してきました。
市場価格に連動して料金が変動する月次連動型は、状況によってはメリットを得られる可能性もある一方で、想定外のリスクを抱えることもあります。
プランを選ぶ際には、料金単価の安さだけでなく、リスクの大きさや契約条件を正しく理解することが欠かせません。
情熱電力では、お客様一人ひとりが納得できる選択をしていただけるよう、
「電気料金の見直し」「最適なプラン選び」「市場連動型プランのリスク説明」まで、丁寧なご相談対応を行っています。
もし、
電気料金プランに不安を感じている
市場連動型に興味はあるが詳しく知りたい
自分に合った電力会社を探している
そんなお悩みがあれば、ぜひ情熱電力にご相談ください。
株式会社情熱電力 お問い合わせフォーム (https://jo-epco.co.jp/contact/)
 
情熱電力はこれからも、安定性・透明性・お客様本位を大切に、
皆さまが安心して電気を使える未来をサポートしてまいります。
お気軽にお問い合わせいただき、一緒に最適な電気料金プランを見つけていきましょう。
 
市場連動型プランの詳細はこちら
参考ページ
新電力ネット:12ヵ月市場連動型従量電灯A(関西エリア) (リンク)
新電力ネット:12ヵ月市場連動型従量電灯B(東京エリア) (リンク)