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2025.05.26 Mon

🎸電気を使う楽器の仕組みとは?エレキギターなぜ大きな音が出るのでしょうか?

 
エレキギター
 
気になる記事があったので調べてみました。
音が小さいギターが、電源をつなぐと突然大音量になる「エレキギター」。この現象、家電好きなら「なぜ?」と気になるところではないでしょうか。実はそこには「電気」と「磁力」の緻密な仕組みが隠されていました。
本記事では、エレキギターをはじめとする“電気を使う楽器”の基本原理を、アコースティック楽器との違いやスピーカーの仕組みとあわせてわかりやすく解説します。
音楽機材やオーディオ家電に興味のある方にとって、音がどのようにして電気信号に変換され、再び「音」として出力されるかを知ることは、音の世界をより深く楽しむ第一歩。知れば知るほど面白い、「音」と「電気」の関係に迫ります。
 


 
目次
1.エレキギターはなぜ大きな音が出せるのか
2.音と電気信号の関係
3.電気楽器と電子楽器の違い
4.スピーカーで音が出る仕組みとは
5.音楽と電気技術の進化の歴史
6.家電としての応用例と注意点
 


 
1. エレキギターはなぜ大きな音が出せるのか?
アコースティックギターは、ボディに空洞があり、そこに響いた弦の振動が空気を震わせて音になります。しかし、その音はあくまで自然な空気振動の強さによるもので、大きなホールや屋外では音がかき消されてしまうこともしばしばです。
それに対して、エレキギターは“電気の力”で音を大きくしています。
弦をはじくと、その振動がピックアップ(磁石とコイルの装置)によって電気信号に変換されます。しかしこの信号は、音として聞くにはまだ非常に小さな電圧・電流しかありません。
ここで活躍するのが「アンプ(アンプリファイア)」です。
 
アンプの役割とは?
アンプは、入力された微弱な電気信号を大きくする(増幅する)機器です。たとえば、0.01ボルト程度の信号を100倍、1000倍といった形で増幅し、スピーカーで再生可能なレベルにまで強めます。
 
アンプの内部では以下のような流れで増幅が行われています。
 
①入力段(プリアンプ):信号の性質を整え、次の増幅回路に適した形にします。
②増幅段(パワーアンプ):入力信号を目的の大きさにまで増幅。ここで電源の力で“音のエネルギー”を作り出します。
③出力段:スピーカーに信号を送り、空気を揺らして音を出せる状態に。
 
このように、アンプは“音そのものを大きくしている”のではなく、“音の情報を持った電気信号を増幅している”のです。最終的に音として耳に届くのは、この増幅された電気信号をスピーカーが空気の振動に変換した結果です。
 
<解説>
✅ ピックアップとは?
位置:ギター本体(ボディ)に搭載
役割:弦の振動(=音の元)を、電磁誘導の原理で電気信号に変換する。
種類:シングルコイル/ハムバッカーなど
🎸 ピックアップは“振動 → 電気信号”に変換するセンサーのような部品。
 
✅ プリアンプとは?
位置:ギター本体の中、またはアンプの内部、またはエフェクターなど
役割:ピックアップで生成された微弱な電気信号を初期的に増幅・整形する装置。
主な働き:音量をある程度大きくする(ただしパワーアンプほどではない)
     音質を調整する(EQ:イコライザー)
⚡ プリアンプは“信号の下処理”を担う調理人のような存在。
 
実例でイメージすると!
🎸 ギターのボディにあるのが「ピックアップ」
🎚️ ギター内部やエフェクター、アンプなどにあるのが「プリアンプ」
🔊 スピーカー手前で強力に音を大きくするのが「パワーアンプ」
 


 
2. 音と電気信号の関係
「音」と「電気信号」はまったく別物ですが、現代の家電製品や楽器では、両者は密接に結びついています。まずは、音の正体から見ていきましょう。
 
空気の振動=音
私たちが普段「音」として聞いているものは、実は空気の振動です。例えばギターの弦をはじくと、弦が周囲の空気を揺らします。その空気の波(音波)が耳に届き、鼓膜を震わせることで、脳が「音」として認識します。
 
空気がなければ音は伝わらない。
宇宙空間が無音なのはそのためです。
 
電気信号とは何か?
一方、「電気信号」とは、電流の強さ(アンペア)や電圧の高さ(ボルト)の変化で情報を表現したものです。
音の強さや高さと同じように、電気信号も時間軸に沿って波の形で変化していきます。この波の形(波形)が、音の情報を忠実に再現しています。
 
音と電気信号の関係
ピックアップやマイクは、この空気や弦の振動を電気信号に変換しています。
・音の「高低」=電気信号の「周波数(波の細かさ)」
・音の「大きさ」=電気信号の「振幅(波の高さ)」
このように、電気信号は“音の特徴をそのまま写し取ったデータ”だと言えます。
 
生活に広がる音と電気の変換
この仕組みは、楽器だけでなくマイク、スマートフォン、イヤホン、テレビ、インターホン、補聴器など、私たちの生活にあふれるさまざまな音響家電に使われています。
 
たとえば
・マイク:音 → 電気信号
・スピーカー:電気信号 → 音
・電話機:双方向の変換を同時に行う
 
電気信号は、音を記録・増幅・加工・再生するための「共通言語」のようなもの。これを理解することで、音響機器や楽器の仕組みが一気に見えてきます。
 


 
3. 電気楽器と電子楽器の違い
「電気を使って音を出す楽器」と一口に言っても、その仕組みはすべて同じではありません。大きく分けると、電気楽器(Electric Instrument)と電子楽器(Electronic Instrument)の2種類があります。それぞれの違いを見ていきましょう。
 
電気楽器:実際に音が鳴ってから、電気信号に変換
代表的な例はエレキギターやエレクトリックバイオリンです。
・弦をはじく、弓でこする、といった物理的な動作で音(振動)を出す
・その振動をピックアップなどのセンサーが電気信号に変換する
・電気信号はアンプで増幅され、スピーカーから音が出る
つまり、“元の音”が実際に存在しており、それを電気信号にして活用するのが電気楽器です。
✔「音 → 電気信号 → 音の再生」という流れが基本
 
電子楽器:最初から電気信号で音を生成
一方で、電子ピアノやシンセサイザー、電子ドラムなどの電子楽器は、「鍵盤を押す」「パッドを叩く」といった動作で内部のセンサーが反応し、あらかじめプログラムされた音(または波形)を再生する仕組みです。
・実際には弦も振動も存在しない
・センサーで「どの音をどんな強さで出すか」を読み取り
・電子回路が直接電気信号を生成し、音として出力する
つまり、“最初から音のデータをつくる”のが電子楽器なのです。

項目 電気楽器 電子楽器
エレキギター、電気バイオリン 電子ピアノ、シンセサイザー、電子ドラム
音の発生源 弦や本体が物理的に振動する センサーが押された情報などで生成
信号の生成方法 実音の振動を拾って電気信号化 回路で信号を合成する
音色の自由度 弦・構造に依存(ただし加工可) 非常に多彩(波形やエフェクト自在)

違いを理解すると、楽器の選び方が変わる
・リアルな演奏感がほしいなら電気楽器
・多彩な音色や録音機能を使いたいなら電子楽器
というように、それぞれの特性を理解することで、自分に合った楽器選びや使い方がしやすくなります。
 


 
4. スピーカーで音が出る仕組みとは
電気楽器や電子楽器で生成された電気信号は、そのままでは私たちの耳に聞こえる「音」にはなりません。そこで登場するのが、スピーカーです。
 
スピーカーは、電気信号を「空気の振動」に戻すことで、音として再生する装置です。
 
スピーカー内部の構造
スピーカーの基本的な構造には、次のような部品があります:
・ボイスコイル:細い銅線を巻いたコイル
・磁石(マグネット):強力な磁界をつくる
・振動板(ダイアフラム):空気を震わせる円形の板
この3つが組み合わさることで、電気信号 → 空気の振動 → 音 という変換が可能になります。
 
電気信号が音になる流れ
①電気信号がボイスコイルに流れる
 → 信号に応じて電流の向きと強さが変化します。
②電流と磁石の力でコイルが前後に動く
 → 電磁力の原理(フレミングの左手の法則)で振動が発生。
③コイルと一体化した振動板が空気を震わせる
 → この空気の振動が「音」として私たちに届きます。
🎧 この仕組みは、テレビ・ラジオ・スマートフォン・Bluetoothスピーカーなど、ほぼすべての音響機器で共通しています。
 
電気の“波”が空気の“波”になる
ここまでを振り返ると、
・楽器 → ピックアップ/センサーで音の情報を電気信号に変換
・アンプで電気信号を十分な大きさに増幅
・スピーカーで電気信号を空気の振動に再変換
という流れになります。
つまり、スピーカーは「音を出す装置」というよりも、電気信号を“音”という物理現象に変換する最終段階の装置なのです。
 
補足:骨伝導イヤホンも仕組みは近い?
最近話題の骨伝導イヤホンは、空気ではなく頭蓋骨の骨を振動させて音を伝えます。ここでも、電気信号→振動→音という流れは同じ。音の伝え方は異なっても、電気を音にする仕組みは共通しています。
 


 
5. 音楽と電気技術の進化の歴史
音楽は、時代ごとに技術とともに進化してきました。特に「電気の力」が加わった20世紀以降、音楽のあり方そのものが大きく変わったと言っても過言ではありません。
 
🎸 1930年代:エレキギターの誕生
エレキギターは1934年に登場しました。アコースティックギターでは音量に限界があったため、大きな会場でも聞こえるように「ピックアップ」で音を電気信号に変え、アンプで増幅して音を出すという仕組みが開発されたのです。
この発明により、ロックやジャズなどの音楽が爆発的に広まりました。
 
🎹 1950年代〜:シンセサイザーの登場
エレキギターは1934年に登場しました。アコースティックギターでは音量に限界があったため、大きな会場でも聞こえるように「ピックアップ」で音を電気信号に変え、アンプで増幅して音を出すという仕組みが開発されたのです。
この発明により、ロックやジャズなどの音楽が爆発的に広まりました。
 
🎹 1950年代〜:シンセサイザーの登場
1950年代には、音をイチから電気で合成する「シンセサイザー」が登場します。これはもはや“楽器の振動”を必要とせず、波形を自由に設計することで多彩な音色を作れる画期的な楽器でした。
 
1970〜80年代のテクノ・ポップブームでは、YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)などが日本でも大流行。
以降、シンセサイザーは音楽制作に欠かせない存在となっていきます。
 
📱 2000年代以降:家電との融合とモバイル化
現代では、電気楽器や電子楽器の技術はスマートフォンやタブレットにも応用され、以下のような機能が一般化しました。
・アプリでのシンセ演奏・作曲
・ワイヤレススピーカーでの高音質再生
・骨伝導・ノイズキャンセリングなどの音響技術
・音声認識や通話にも応用されるマイク技術
つまり、「音を電気信号に変換する技術」は、楽器から家電製品全般に広がったのです。
 
🔁 テクノロジーが音楽の「楽しみ方」を広げた
・遠く離れた場所でも音を共有できる
・小さな動作で大音量が出せる
・音を録音・加工・再生・配信できる
こうした進化が、プロミュージシャンだけでなく、私たち一般人にも新しい音楽体験をもたらしてくれています。
 
🎧 電気がなければ、今の音楽の多様さや自由さは存在しなかったかもしれません。
音響機器は今や、家電製品の一ジャンルとしても重要な存在です。アンプ、Bluetoothスピーカー、ノイズキャンセリングヘッドホンなど、私たちは日々、音と電気の関係に囲まれて生活しています。
 


 
6. まとめ|電気と音の関係を知ると、音楽も家電ももっと楽しくなる
エレキギターや電子ピアノ、Bluetoothスピーカー、スマートフォン。
私たちが日常的に触れている「音」の多くは、空気の振動と電気信号の変換によって成り立っています。
かつては生演奏しかなかった音楽も、電気を取り入れることで
・離れた場所まで音を届けられる
・音の大きさや音色を自由に変えられる
・録音や編集、再生、配信が誰でも可能に と、表現方法も楽しみ方も一気に広がりました。
 
この記事でご紹介したように、電気を使う楽器や音響家電には、物理・電気・音響が融合したロジックが詰まっています。音の世界を技術の視点から見つめると、楽器選びや家電選びもより楽しく、深くなるかもしれません。
 
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