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2025.06.26 Thu

テスラの蓄電池が実質0円!?日本全国で始まる「仮想発電所(VPP)」の全貌を分かりやすく解説します!

 
家庭用蓄電池のイメージ
 
日本経済新聞電子版(2025年6月13日)に、私たちの生活やビジネスの未来を大きく変える可能性を秘めた、非常に興味深い記事が掲載されていました 。
それは、電気自動車で世界をリードするあの米テスラが、日本全国で「仮想発電所(VPP)」という新しい事業を本格的にスタートさせるというニュースです 。
「仮想発電所って何?」「なんだか難しそう…」と感じるかもしれません。しかし、その中身は「企業の工場やオフィスに、テスラの蓄電池を無料で設置する」という、驚きの内容でした 。
この記事では、このニュースの真相と、私たちの未来の電力インフラとなるかもしれない「VPP」の仕組み、そしてそれがもたらすメリットについて、専門用語を極力使わずに、分かりやすく紐解いていきます。電気代の削減や、もしもの時の備えに繋がる、知っておいて損はない情報です。
 
元記事:日本経済新聞 電子版 テスラ、小型蓄電池束ね「発電所」全国展開 工場やオフィスから供給
 


 
目次
1.テスラが日本で始める「VPP(仮想発電所)」とは?
2.【注目の仕組み】なぜ蓄電池が“初期費用ゼロ”で設置できるのか
3.見逃せない!VPPに参加する3つの大きなメリット
  メリット①:日々の電気代を賢く削減
  メリット②:災害など、もしもの時の非常用電源に
  メリット③:未来の電力網を支え、環境にも貢献
4.日本の電力の未来はどうなる?今後の展望
5.まとめ:新しいエネルギーの時代がすぐそこに
 


 
1. テスラが日本で始める「VPP(仮想発電所)」とは?
「VPP」とは、「Virtual Power Plant」の略で、日本語では「仮想発電所」と訳されます。
 
これは、各地に点在する小規模な蓄電池や太陽光発電設備などを、インターネット技術を使って一つに束ね、遠隔でコントロールすることで、あたかも一つの大きな発電所のように機能させる仕組みのことです。
今回テスラは、芙蓉リース、そして新電力のグローバルエンジニアリング(福岡市)と提携し、このVPP事業を日本全国で展開することを発表しました 。具体的には、グローバルエンジニアリングが電力を供給している工場やオフィスなど約1500件を対象に、テスラの家庭用蓄電池「パワーウォール」を設置し、VPPを構築していく計画です。
これまでテスラは、2021年から沖縄県の宮古島市でVPP事業を先行して行ってきましたが、いよいよその取り組みが全国規模に拡大されることになります。
 


 
2. 【注目の仕組み】なぜ蓄電池が“初期費用ゼロ”で設置できるのか
「でも、高性能なテスラの蓄電池を設置するとなると、費用がかなりかかるのでは?」と疑問に思う方も多いでしょう。
今回の事業の最大のポイントは、企業側が初期費用を負担することなく蓄電池を設置できる点にあります。
この「初期費用ゼロ」のスキームは、提携する芙蓉リースが蓄電池の所有者となることで実現します 。企業側は設置スペースを提供するだけで、高価な蓄電池を購入する必要がありません。まさに、場所を貸す代わりに、蓄電池の様々なメリットを享受できる画期的なモデルと言えるでしょう。
テスラとパートナー企業は、2025年度中に100台の設置を目指すとしています。
 


 
3. 見逃せない!VPPに参加する3つの大きなメリット
では、企業がこのVPPの仕組みに参加すると、具体的にどのような良いことがあるのでしょうか。
 
メリット①:日々の電気代を賢く削減
VPPによって制御される蓄電池は、電力の市場価格が安い時間帯(例えば、太陽光発電量が多くなる昼間など)に自動で充電します。そして、その貯めた電気を、電力需要が増えて市場価格が高くなる夕方などに使うことで、企業は電気代の支出を抑えることが可能になると見込まれています。
 
メリット②:災害など、もしもの時の非常用電源に
近年、自然災害による停電は、事業継続における大きなリスクとなっています。蓄電池があれば、万が一の停電時にも、貯めていた電力を非常用電源として利用することができます。これにより、事業の継続性を高め、BCP(事業継続計画)対策としても非常に有効です。
 
メリット③:未来の電力網を支え、環境にも貢献
太陽光や風力といった再生可能エネルギーは、天候によって発電量が大きく変動するという課題があります。VPPは、電力が余っている時に蓄電し、足りない時に放電することで、電力網全体のバランスを保つ重要な「調整役」を担います。VPPに参加することは、再生可能エネルギーの普及を後押しし、安定した電力供給という社会インフラの維持に貢献することにも繋がるのです。
 


 
4. 日本の電力の未来はどうなる?今後の展望
テスラのCEOであるイーロン・マスク氏は、以前から「分散型の電力会社になる」と公言しており、電力ビジネスへの強い関心を示しています 。実際にアメリカのテキサス州では、2022年からVPP技術を活用した家庭向けの電力小売事業を開始しています 。今回の全国展開を足掛かりに、将来的に日本でも電力小売事業に参入する可能性は十分に考えられます。
 
こうした動きはテスラだけではありません。日本政府もVPPの普及を後押ししており、2026年度には、蓄電池に貯めた電気を市場で売買しやすくする新しい制度(需給調整市場)をスタートさせる予定です。また、東京電力エナジーパートナーといった国内の大手企業も、同様のVPP事業化に向けた実証実験を進めており、今後、企業や家庭を巻き込んだ新しい電力サービスの競争が本格化していくことでしょう。
 


 
まとめ
今回ご紹介したテスラのVPP事業は、単に「蓄電池が無料で置ける」というお得な話にとどまりません。それは、再生可能エネルギーを最大限に活用し、安定的で効率的な電力網を構築するための、未来に向けた大きな一歩です。
これまで「発電所で作られた電気を買う」のが当たり前だった時代から、これからは「電気を賢く貯めて、地域全体で融通し合う」時代へと、エネルギーとの付き合い方が大きく変わっていくかもしれません。
初期費用ゼロで電気代削減と防災対策が実現できるこの新しい取り組み。今後の動向から、ますます目が離せません。
 


 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力では、今回のテスラのVPP事業のように、お客様のエネルギーコストの削減と、安心・安全な環境づくりに貢献する新しいソリューションに常に注目しています。
 
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など、お客様の疑問やご要望に、専門知識豊富なスタッフが丁寧にお応えします。法人様、個人様を問わず、電気に関するお悩みは、ぜひ情熱電力までお気軽にご相談ください。私たちと一緒により良いエネルギーの未来を考えてみませんか。
 
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この記事の参考ページ
・TESLA:「 Powerwall
・資源エネルギー庁 :「VPP・DRとは
 
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