食卓に欠かせない「唐辛子」!その呼び名は「なんばん」「こしょう」?長野県の伝統野菜の謎と壮大な歴史を解説!
こんにちは、情熱電力です。先日、食文化に関する興味深い記事を見つけたので、今回はその内容を深掘りしてみたいと思います。
情熱電力の創業の地、長野県飯田市からほど近い下條村には、「鈴ヶ沢南蛮」という伝統野菜の唐辛子があります。実は長野県には、このように古くから栽培されている唐辛子がたくさんあるのですが、地域によって「なんばん」と呼んだり「こしょう」と呼んだりすることがあるのをご存知でしたか?
「うちではこう呼ぶ!」「柚子胡椒は唐辛子なのになぜ“こしょう”?」など、身近な疑問が湧いてきますよね。
今回は、信州の伝統野菜でもある唐辛子の呼び名の謎から、その起源や日本に伝わった歴史、そして知っていると料理がもっと楽しくなる辛さの秘密まで、信州大学の研究を元にわかりやすく解説します。この記事を読めば、いつもの食卓がもっと味わい深くなること間違いなしです!
目次
1.長野県では「なんばん」「こしょう」?伝統野菜にみる唐辛子の呼び名
・地域で違う呼び方の謎
・信州に伝わる伝統唐辛子
2.唐辛子のルーツをたどる旅!故郷はアンデス山脈だった
・信州大学の研究者が語る唐辛子の魅力
・6000年前から食べられていた!?
3.コロンブスが世界へ!日本にはいつ来たの?
・安土桃山時代に日本へ伝来
・江戸時代のスーパースター平賀源内も唐辛子マニアだった!
4.料理の豆知識!本当に辛いのは「タネ」じゃない?
・辛さの正体「カプサイシン」
・一番辛いのは「ワタ」の部分だった!
5.まとめ
1. 長野県では「なんばん」「こしょう」?伝統野菜にみる唐辛子の呼び名
地域で違う呼び方の謎
うどんや蕎麦にかける七味唐辛子。皆さんのご家庭ではなんと呼んでいますか?
記事によると、北海道や東北地方では「なんばん」、九州地方の一部では「こしょう」と呼ぶ文化があるそうです。九州で有名な「柚子胡椒」は、青唐辛子と柚子、塩で作られますが、「柚子唐辛子」とは呼ばれませんよね。これは、九州で唐辛子を「こしょう」と呼ぶ文化の名残なのです。ちなみに、私たちが普段使う黒い胡椒は「洋こしょう」と呼んで区別するのだとか。
信州に伝わる8つの伝統唐辛子
では、ここ長野県ではどうでしょうか。実は長野県では、栽培されている伝統野菜の唐辛子によって、「なんばん」と「こしょう」の両方の呼び方が使われています。
<例>
・ししこしょう
・ぼたんこしょう(ぼたごしょう)
・ひしの南蛮
・そら南蛮
・高遠てんとうなんばん
・芝平なんばん
・鈴ヶ沢南蛮
・大鹿唐辛子
このように、品種名に「こしょう」と「南蛮」が混在しているのが非常に興味深いですね。
2. 唐辛子のルーツをたどる旅!故郷はアンデス山脈だった
信州大学の研究者が語る唐辛子の魅力
こんなにも身近な唐辛子ですが、そのルーツはどこにあるのでしょうか。
信州大学農学部の松島憲一先生の研究によると、唐辛子の起源地はなんと南米のボリビアからアンデス山脈にかけての地域だと考えられています。
唐辛子をたくさん食べる韓国やタイが原産地と思いきりゃ、これらの地域には野生の唐辛子は存在しないため、起源地ではないそうです。
6000年前から食べられていた!?
さらに驚くべきことに、人間が唐辛子を食べていた歴史は非常に古く、メキシコの遺跡からは約6000年前のものと推定される唐辛子が見つかっています。また、エクアドルの遺跡では、石器に付着したデンプン粒の分析から、6250年前〜5050年前にはすでにトウモロコシなどと一緒に唐辛子が食べられていたことがわかっています。古代の人々がどんな料理を食べていたのか、想像が膨らみますね。
3. コロンブスが世界へ!日本にはいつ来たの?
安土桃山時代に日本へ伝来
南米で生まれた唐辛子が、どのようにして日本までやってきたのでしょうか。
そのきっかけは、1492年のクリストファー・コロンブスによる米大陸到達でした。コロンブスが唐辛子をスペインに持ち帰ったことで、唐辛子は急速に世界中へと広まっていきます。
日本へ伝来した時期には諸説ありますが、コロンブスが到達してから100年も経たない安土桃山時代(1542年〜1615年頃)には日本にやってきたと考えられています。奈良のお寺に残る『多門院日記』には、1593年に「こせう(唐辛子)」を植えたという、日本最古の栽培記録が残されています。
江戸時代のスーパースター平賀源内も唐辛子マニアだった!
江戸時代には唐辛子はすっかり日本に定着し、全国で多くの品種が栽培されるようになりました。
エレキテルで有名な平賀源内が、なんと60品種以上もの唐辛子をフルカラーのイラスト付きで紹介する『蕃椒譜(ばんしょうふ)』という図鑑を執筆していたことは、あまり知られていません。
当時、内藤新宿(現在の新宿御苑あたり)が一大産地だったという記録もあり、大都市・江戸の食文化を唐辛子が支えていたことがうかがえます。
4. 料理の豆知識!本当に辛いのは「タネ」じゃない?
辛さの正体「カプサイシン」
唐辛子の特徴といえば、あの刺激的な辛さ。辛みの元となる成分が「カプサイシン」であることは有名ですよね。このカプサイシン類を合成できるのは、植物の中でも唐辛子属だけという特別な成分です。
一番辛いのは「ワタ」の部分だった!
よく「唐辛子はタネが一番辛い」と言われますが、実はこれは少し違います。
信州大学の松島先生の解説によると、カプサイシンはタネそのものではなく、タネが付いている白いワタの部分(胎座・隔壁)で集中的に作られ、蓄積されます。
つまり、最も辛いのはタネではなく「ワタ」の部分なのです。
ただ、乾燥唐辛子のタネを取り除こうとすると、辛いワタの部分も一緒にポロポロと取れていきます。結果的に辛さを和らげることになるので、「タネを取り除く」という料理の知恵は、とても理にかなっていると言えますね。
まとめ
今回は、長野県の伝統野菜でもある「唐辛子」について、呼び名の違いからその壮大な歴史、そして役立つ豆知識までご紹介しました。
・長野県では唐辛子を「なんばん」「こしょう」と呼ぶ文化が混在している。
・唐辛子のルーツは南米アンデス山脈で、6000年以上前から食べられていた。
・日本には安土桃山時代に伝わり、江戸時代には平賀源内が図鑑を作るほど普及した。
・本当に辛いのはタネではなく、タネが付いている白い「ワタ」の部分。
身近な食材である唐辛子一つにも、世界を巡る歴史と、信州の地に根付いた食文化の物語がありました。次に唐辛子を手に取るときは、ぜひこの壮大な旅に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
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