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2026.03.13 Fri

ホルムズ海峡封鎖で原油100ドル突破。エネルギー危機の真相と今後のコストへの影響とは?

 
ホルムズ海峡
 
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)日本版にホルムズ海峡に関する衝撃的な記事があったので詳しく調べてみました。現在、中東の「エネルギーの動脈」であるホルムズ海峡で緊張が極限まで高まっており、世界の石油供給に深刻な影を落としています。
イラン革命防衛隊による貨物船への攻撃激化を受け、米政府は慎重な姿勢を崩しておらず、海峡の長期封鎖という最悪のシナリオが現実味を帯びてきました。世界の海上原油貿易の約4割を支えるこの海域が麻痺すれば、ガソリン代や電気代といった私たちの生活コストへの打撃は避けられません。軍事的な膠着状態から経済への波及効果まで、今知っておくべき「エネルギーの危機」の核心に迫ります。
 


 
激化する「キルボックス」:ホルムズ海峡で何が起きているのか
2026年3月11日、イラン革命防衛隊(IRGC)は海峡を通過しようとした貨物船3隻を攻撃しました。これに対し、トランプ政権は石油会社からの護衛要請を受けつつも、現時点では軍艦の派遣を見送っています。
 
海軍関係者がこの海域を「キルボックス(袋小路の死地)」と呼ぶのには理由があります。
 
・地理的制約: 海峡の最も狭い地点は約21マイル(33.8km)しかありません。
・兵器の進化: 移動式発射装置からの対艦ミサイルや自爆ドローンは、数秒で標的に到達するため、現代の防御システムでも対応が極めて困難です。
 


 
世界経済を揺さぶる「数字」の衝撃
この封鎖がもたらしている経済的インパクトは、すでに目に見える形で現れています。

項目 現在の状況・データ
原油価格 一時1バレル=100ドルを突破
減産規模 湾岸諸国合計で日量約700万バレルの減産
滞留船舶 海峡周辺に1,000隻以上が停泊(うち国際貿易船600隻超)
貿易シェア 世界の海上原油貿易の38%を占める

サウジアラビアやUAEは海峡を迂回するパイプラインでの輸出を試みていますが、これは製油所向けの原油を転用する形となっており、結果として精製燃料市場が逼迫し、世界的なインフレを加速させています。
 


 
解決しても「すぐには戻れない」という教訓
過去の紅海での教訓が示す通り、仮に戦闘が停止したとしても、物流の正常化には膨大な時間がかかります。海中に潜む機雷の除去や、船主・乗組員が「安全だ」と判断できるまでの心理的ハードルが高いからです。
エネルギーコストへの興味をお持ちの方にとって、現在の状況は「一時的な高騰」ではなく、
「中長期的な高コスト構造への転換点」になる可能性を孕んでいることを注視する必要があります。
 


 
まとめ
ホルムズ海峡の封鎖は、もはや遠い国の紛争ではありません。原油100ドル突破という事実は、輸送コストの増大を通じてあらゆる製品の価格に跳ね返ってきます。
米軍がいつ護衛に踏み切るのか、あるいはイランとの外交交渉が進展するのか。エネルギー自給率の低い日本にとって、この海域の1インチの動きが、私たちの財布の1円の重みを決めることになります。情熱電力では、引き続きこの動向を追いかけ、皆さまに有益な情報をお届けしていきます。
 


 
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記事の内容に関する参考リンク
・経済産業省 資源エネルギー庁:令和6年度エネルギーに関する年次報告(エネルギー白書2025)
 ┗ 日本のエネルギー依存度や中東情勢の影響について詳しく解説されています。