【2027年度から】非化石証書の価格見直しを解説!脱炭素経営への影響と企業の備えとは?

「非化石証書の上限・下限価格が見直しされる」という気になる見出しの記事があったので調べてみました。2026年3月に開催された第112回「制度検討作業部会」にて、資源エネルギー庁は非化石証書の上下限価格を2027年度から順次見直す方針を示しました。
脱炭素経営に取り組む企業にとって欠かせない「非化石証書」ですが、2026年3月に開催された第112回「制度検討作業部会」にて、2027年度から上下限価格を順次見直す方針が示されました。背景には、昨今のインフレや、新たに始まる排出量取引制度(GX-ETS)との整合性、そして市場の需給バランスの適正化があります。
今回の変更は、今後の再エネ調達コストやPPA(電力販売契約)の検討に大きな影響を与える可能性があります。本記事では、2025年度第3回オークションの最新結果を振り返りつつ、2027年度から私たちのビジネス環境がどのように変わるのか、正確なデータをもとに専門的な視点で紐解いていきます。非化石証書の購入を検討されている方や、環境担当者様は必見の内容です。
■ 最新オークション結果に見る「市場の歪み」
2026年2月に実施された「2025年度第3回オークション」の結果は、現行制度の課題を浮き彫りにしました。
・高度化法義務達成市場(非FIT証書): 買入札量が売入札量を大きく上回り、約定価格は上限価格の1.3円/kWhに張り付く状態が続いています。
・再エネ価値取引市場(FIT証書): 逆にこちらは供給が潤沢で、約定加重平均価格は下限価格の0.4円/kWhにほぼ毎回張り付いています。
このように、価格が上下限に固定されて動かない現状は、投資インセンティブを削ぎ、市場の健全な機能を妨げていると指摘されています。
■ なぜ今、価格見直しが必要なのか?
主な理由は、以下の3つの「バランス」を整えるためです。
1.物価水準とのバランス(インフレ対応):
2021年の市場創設時から2024年までの国内企業物価指数は約1.2倍に上昇しました。2028年度には創設時の約1.4倍に達する見通しであり、証書の価値を適切に維持する必要があります。
2.投資意欲とのバランス(PPAの促進):
FIT証書が0.4円/kWhと安価すぎることが、需要家が自ら再エネ電源を新設・維持する「PPA」へのインセンティブを損ねていました。
3.排出量取引制度(ETS)とのバランス:
2026年度から本格始動する排出量取引制度の下限価格(1,700円/t-CO2)を電力量に換算すると約0.72円/kWh(全国平均係数ベース)となります。非化石証書の価格もこれと整合させる必要があります。
■ 2027年度からの具体的な変更点
検討部会で示された第3フェーズ(2026~2028年度)の改定案は以下の通りです。※2026年度は予見可能性確保のため現行価格を据え置きます。
| 市場区分 | 項目 | 現行 | 2027年度〜 | 2028年度 |
|---|---|---|---|---|
| 再エネ価値取引市場 (FIT証書) |
下限価格 | 0.4円/kWh | 0.6円に引き上げ | 0.6円〜 (非FITと同期) |
| 上限価格 | 4.0円/kWh | 撤廃の方向 | 撤廃 | |
| 高度化法義務達成市場 (非FIT証書) |
下限価格 | 0.6円/kWh | 詳細検討中 | 0.8円に引き上げ |
| 上限価格 | 1.3円/kWh | 維持 | 維持 |
※出典:第112回 制度検討作業部会 資料を基に作成
特にFIT証書の下限価格引き上げと上限価格の撤廃は、将来的な調達コストの変動要因として注視が必要です。
まとめ
非化石証書の価格見直しは、単なる値上げではなく「再エネの価値を適正に評価し、持続可能な投資を促す」ための健全化プロセスです。
2026年度までは価格が据え置かれますが、2027年度以降は「安価な証書を大量に買う」という戦略だけでは通用しなくなる可能性があります。企業は今から、長期的なPPAの活用や、自己託送、自社発電設備の導入など、より多角的な脱炭素戦略を組み立てる必要があるでしょう。
情熱電力からのお知らせ
情熱電力では、複雑化する非化石証書市場や制度変更の最新情報を踏まえ、お客様のビジネスに最適な脱炭素ソリューションをご提案しています。
「今回の価格見直しで、自社の環境コストがどう変わるのか試算したい」「証書購入とPPA、どちらが長期的に有利なのか?」といったお悩みはありませんか?
私たちは、エネルギーの供給だけでなく、制度変更に左右されない「強い脱炭素経営」をサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください!
株式会社情熱電力へのお問い合わせはこちらからお願いします。
この記事に関連するページ
・経済産業省:第112回 次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 制度検討作業部会
・日本卸電力取引所(JEPX):https://www.jepx.jp/ - 非化石価値取引のページで取引結果をご覧いただけます。