ホルムズ封鎖で電気・ガソリン代がピンチ?日本を襲うエネルギー危機の正体と今後のコスト見通し

情熱電力ブログの読者の皆様、こんにちは。連日のように中東情勢緊迫化によるエネルギー危機についてお伝えしていますが、本日はさらに深刻な状況を示す最新アップデートをお届けします。
2026年2月28日のイラン攻撃から1カ月が経過しました。ホルムズ海峡の実質封鎖は続き、日本の輸入原油の約9割を担う中東産原油の供給が停滞、物流現場では「軽油の調達が難しくなっている」との声が現実味を帯びています。一方で、マレーシア沖などの海上に滞留する「日本の消費量45日分」のイラン産原油の存在など、供給不安を緩和する可能性のある複雑なデータも浮き彫りになりました。しかし、懸念は原油だけにとどまりません。添付の画像が示す通り、2026年4月1日の日本卸電力市場(JEPX)のスポット価格は、特に主要エリア(東京、中部、北陸)で1kWhあたり44.70円と異例の高値を記録し、※システムプライスも25.00円と高止まりしています。原油供給の目詰まりと国内電力価格の急騰という二重の衝撃が、私たちの電気代、ガソリン代にどう直結するのか?最新データをもとに、今後のエネルギーコスト見通しを解説します。
【※JEPXスポット価格】とは、日本卸電力取引所(JEPX)の「スポット市場」で、翌日に受渡す電気の価格(円/kWh)のことです。前日に30分単位の48コマごとに売買が成立し、需給バランスで価格が変動します。市場連動型の電気料金プランの指標として利用されます。


1. ホルムズ海峡封鎖の衝撃:日本へ届かない「20日間の空白」
日本が輸入する原油の9割はホルムズ海峡を通過します。中東から日本までの航行日数は通常約20日前後。イランによる海峡の実質封鎖が始まってから1カ月が経過した今、日本のエネルギー供給網はすでに「通常通りには届かない」という未知のフェーズに突入しています。
国土交通省の発表によれば、トラックやバス事業者の間で軽油の調達難が現実化しており、私たちの物流や移動手段にまで影響が波及しつつあります。
2. 浮かぶ「45日分の在庫」と米国の制裁解除という切り札
欧州の調査会社ケプラーのデータによると、現在、海上に滞留しているイラン産原油は1億5400万バレル。これは日本の消費量の45日分、備蓄換算では約80日分という莫大な量です。
・なぜ滞留しているのか?:米国の制裁により荷揚げができなかった在庫に加え、イラン側が攻撃を見越してあらかじめ海峡外に運び出していたためです。
・希望の光か?:米国がこの海上在庫を30日間、制裁対象外にする措置を検討しています。実現すれば、日量約510万バレルの追加供給となり、供給不安を和らげる「鎮静剤」となる可能性があります。
3. 「ガスの争奪戦」が電気代を直撃する
原油以上に深刻なのがLNG(液化天然ガス)です。
世界第2位の輸出力を誇るカタールの生産量は、イランによる施設攻撃などの影響で、年間生産量が従来の8000万トンから4500万トンへ激減(3500万トンの減少)する予測が出ています。
日本はLNGの調達先を多様化させており、ホルムズ海峡依存度は約6%まで低下していますが、世界的な「ガスの争奪戦」が始まれば、スポット価格の高騰は避けられません。これは火力発電の燃料費増大に直結し、私たちの電気代を押し上げる大きな要因となります。
4. 今後のエネルギーコスト見通し:100ドル超えの覚悟を
今後の原油相場について、専門家は以下のような乱高下を予測しています。
・和平が進展した場合:1バレル80ドル台へ落ち着く。
・戦闘が激化・長期化した場合:1バレル100ドル超え。
第一生命経済研究所の試算では、原油高と世界的な景気後退が重なった場合、日本の実質GDPを約0.6%押し下げる可能性があるとされています。
まとめ
今回のホルムズ海峡封鎖は、単なる一時的な供給不足ではありません。米国のエネルギー覇権が強まる一方で、中東に依存する日本のような純輸入国にとっては、「エネルギーコストが恒常的に高い状態」という新しい現実に直面していることを意味します。
電気代やガソリン代のさらなる高騰は、もはや「もしも」の話ではなく、すぐそこにあるリスクです。私たちは、エネルギーの使い方そのものを見直す時期に来ているのかもしれません。
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この記事に関連するページリンク
・日本エネルギー経済研究所(IEEJ):公式ページ
・外務省:イラン情勢について
・国交省:3月17日 金子大臣記者会見 (バスの燃料油である軽油の供給についてはページ最下部)