エアコンが値上がりする?2027年の省エネ基準引き上げで今買うべきか徹底解説【今秋から新基準】

信濃毎日新聞に「全エアコン 新省エネ基準に 今秋以降の発売 大手メーカー3社方針」という記事があったので調べてみました。記事によると、家庭用エアコンを手がける大手メーカー各社が、今秋以降に発売する機種を国の新しい省エネ基準に適合させる方針を固めたとのことです。背景には2027年4月に予定されている省エネ基準の引き上げがあり、性能向上に伴って価格が上がる可能性や、低価格帯モデルが姿を消していく可能性が指摘されています。実際に家電量販店では、新基準に対応したモデルとそうでないモデルが並び、「今のうちに買い替えを」とすすめる店員の声もあるようです。夏本番を前にエアコンの買い替えを考えている方にとっては、見逃せない話題ではないでしょうか。今回は、この「2027年問題」と呼ばれる動きの背景や、家庭・法人それぞれへの影響、そして今からできる備えについて、できるだけわかりやすく整理してみました。
目次
- 1. 新聞記事から見えてきたこと|家庭用エアコンが「新省エネ基準」に一斉対応へ
- 2. なぜ今?エアコンの省エネ基準が変わる背景と「省エネ法」の仕組み
- 3. 家電量販店で起きている「2027年問題」商戦活況の実態
- 4. 家庭にとっての影響|価格は上がる?今買うべき?
- 5. 法人・事業者にとっての影響|省エネ法の直接規制もチェック
- 6. 今からできる備え・買い替えのチェックポイント
1. 新聞記事から見えてきたこと|家庭用エアコンが「新省エネ基準」に一斉対応へ
信濃毎日新聞の報道(2026年7月)によると、家庭用エアコンを展開する三菱電機、ダイキン工業をはじめとする大手メーカー各社が、今秋以降に発売する機種を国の新しい省エネ基準に適合させる方針であることが分かったとのことです。
記事のポイントを整理すると、次のようになります。
・今秋以降に発売される新製品は、順次、新しい省エネ基準に対応したモデルへ切り替わっていく見通し
・電力消費量を抑えるための部品改良や大型化に伴い、販売価格は上昇する可能性がある
・同時に、低価格帯モデルは販売終了となる可能性があり、購入の選択肢が狭まることも懸念されている
・高性能モデルは電気代の節約につながる面もあるが、購入時の負担は一時的に増えそうだ
現行モデルのうち、新基準をすでに満たしているものはメーカーによって差があり、高価格帯モデルを中心に対応が進んでいる企業がある一方、対応がこれからという企業もある、と報じられています。国としても、省エネ性能の向上や中東情勢・国際関係の変化によるレアメタル調達難などを背景に、メーカー各社に一定割合以上の新基準適合モデルの出荷を求めていく方針のようです。
まずは「今、家電量販店の店頭で何が起きているのか」を知ることが、これから買い替えを考える方にとって最初の一歩になりそうです。
2. なぜ今?エアコンの省エネ基準が変わる背景と「省エネ法」の仕組み
「そもそも、なぜ急にエアコンの基準が変わるの?」と疑問に思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。この動きのベースになっているのが「省エネ法」です。ここでは資源エネルギー庁の解説をもとに、省エネ法の基本的な仕組みを整理しておきます。
省エネ法ってどんな法律?
資源エネルギー庁によると、省エネ法(正式名称:エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)は、一定規模以上(原油換算で年間1,500キロリットル以上)のエネルギーを使用する事業者に対し、エネルギー使用状況を定期的に報告させ、省エネや非化石エネルギーへの転換に関する取り組みの見直しや計画の策定を求める法律です。
もともとは1979年の第二次オイルショックをきっかけに制定された法律で、これまでに数回の改正を重ねてきました。近年の改正では、太陽光や風力といった非化石エネルギーへの転換も報告対象に加わるなど、対象範囲が広がってきています。
家電製品は「間接規制」の対象になっている
省エネ法には、工場や事業場、運輸事業者などを対象にした「直接規制」と、自動車・家電製品・建材などの製造・輸入事業者を対象にした「間接規制」の2種類があります。
エアコンのような家電製品は、この「間接規制」の枠組みの中で、国がエネルギー消費効率の目標(いわゆるトップランナー基準)を示し、製造事業者に達成を求める仕組みになっています。目標を達成できない場合には、勧告などの措置が取られることもあります。
今回話題になっている「2027年4月からの新基準」も、この省エネ法の枠組みに基づくものです。国は省エネ・環境負荷の軽減を目的に、2027年4月をめどに、性能に関する新しい基準を導入する予定で、新基準は現行と比べて最大3割程度引き上げられる見通しとされています。
3. 家電量販店で起きている「2027年問題」商戦活況の実態
新聞記事では、この一連の動きを「2027年問題」と呼び、家庭用エアコンの商戦が活況を呈していると伝えています。
東京都内の家電量販店では、新しい省エネ基準に適合したモデルと、まだ適合していないモデルが売り場に混在しており、「今のうちに買い替えを」とすすめる店員の声も紹介されています。背景には、基準引き上げに伴う品薄や、エアコンの設置工事の遅延への懸念があるとされています。
出荷台数の動きにも変化が表れているようです。日本冷凍空調工業会のデータとして、6畳用エアコンの出荷台数は2025年9月以降、前年同月を上回る状態が続いており、2026年6月は前年同月比24%増の約13万台だったと報じられています。
業界団体の幹部のコメントとして、現在5万〜6万円ほどで売られている低価格帯の6畳用モデルについて、新基準を満たすための高機能化により、2万〜3万円ほど価格が上がるとの見方が紹介されています。
さらに、この夏は東日本・西日本・沖縄で平年より気温が高くなる見込みとされ(日本気象協会)、猛暑予想も「涼しいうちに買い替えておきたい」という駆け込み需要に拍車をかけているようです。
4. 家庭にとっての影響|価格は上がる?今買うべき?
家庭の視点から見ると、今回の動きは大きく2つのタイミングに整理できそうです。
| 時期 | 主な動き | 家庭への影響 |
|---|---|---|
| 2026年秋〜 | 大手メーカー各社が新省エネ基準に対応した新製品を順次展開 | 価格が上昇する可能性。低価格帯モデルの選択肢が徐々に減っていく見込み |
| 2027年4月〜 | 国の省エネ基準が最大3割程度引き上げ | 低価格帯モデルがさらに減少。省エネモデルへの買い替えで電気代の節約につながる可能性も |
新聞記事の中では、資源エネルギー庁の試算として、本体価格だけでなく、長期間使用した場合の電気代(光熱費)まで含めた総合的な判断が呼びかけられていることも紹介されています。省エネ性能の高いモデルは本体価格が高くても、使用年数が長くなるほど電気代の差が積み重なり、トータルではお得になるケースもあるとされています。
「今すぐ買うべきか、もう少し待つべきか」に絶対の正解はありませんが、次のような視点で考えてみると判断しやすくなりそうです。
・今のエアコンがすでに古く、故障や効率の悪さが気になっている場合は、今秋以降の新基準対応モデルへの切り替えも選択肢のひとつ
・「とにかく本体価格を抑えたい」場合は、低価格帯モデルが減っていく前に検討するという考え方もある
・「多少高くても長期的な電気代を抑えたい」場合は、高性能・省エネモデルを軸に検討するとよさそう
・猛暑本番の時期は工事の混雑も予想されるため、購入だけでなく設置工事のスケジュールにも余裕を持っておきたい
5. 法人・事業者にとっての影響|省エネ法の直接規制もチェック
事業者の視点では、家庭用エアコンの価格動向に加えて、省エネ法そのものへの理解も大切になってきます。
省エネ法では、工場やオフィスなどの「工場等の設置者」のうち、エネルギー使用量が原油換算で年間1,500キロリットル以上となる「特定事業者等」には、エネルギー管理者等の選任義務、中長期計画の提出義務、エネルギー使用状況等の定期報告義務が課されています。トラックなど有償車両を200台以上保有する貨物・旅客輸送事業者や、年間輸送量3,000万トンキロ以上の「特定荷主」にも、同様の報告義務等が定められています。
こうした大口の事業者ほど直接規制の対象になりやすい一方、規模にかかわらずすべての事業者に「事業者の努力義務」として省エネへの取り組みが求められている点も見逃せません。オフィスや店舗のエアコンを新基準対応モデルに更新していくことは、法律上の義務というよりも、電気代の削減やCO2排出量の削減につながる実務的なメリットとして捉えるとよさそうです。
複数の店舗やオフィスを展開している法人の場合、今秋以降の価格動向を踏まえ、設備更新の時期を前倒しするかどうかを早めに検討しておくと、価格上昇や品薄・工事の混雑といった影響を受けにくくなるかもしれません。
6. 今からできる備え・買い替えのチェックポイント
最後に、家庭・法人どちらの立場でも意識しておきたいポイントを整理します。
・買い替えを検討する場合は、本体価格だけでなく、省エネ性能(APF等)や、想定される使用年数まで含めて比較してみる
・低価格帯モデルは今後選択肢が減っていく可能性があるため、「価格重視」で検討している方は早めの情報収集がおすすめ
・猛暑シーズンは注文や設置工事が混み合いやすいため、余裕を持ったスケジュールで検討する
・法人の場合は、複数拠点の設備更新計画を早めに立てておくと、価格上昇や工事の混雑の影響を受けにくくなる
・省エネ性能の高い機器への切り替えとあわせて、電気の使い方や電気料金プランそのものを見直すことも、電気代対策として有効
まとめ
今回は、信濃毎日新聞の報道をもとに、家庭用エアコンの新省エネ基準への切り替えと、その背景にある「2027年問題」について整理しました。国は省エネ法に基づき、2027年4月に省エネ基準を最大3割程度引き上げる予定であり、これを受けてメーカー各社は今秋以降、新基準に適合した機種への切り替えを進めています。その結果、低価格帯モデルの選択肢が狭まったり、本体価格が上昇したりする可能性がある一方で、高性能モデルへの切り替えは電気代の節約につながることも期待できます。買い替えを検討している方は、本体価格の高さだけで判断せず、設置工事の混雑状況や、長期的に見た電気代まで含めてじっくり検討することが大切です。省エネ性能の高い機器選びとあわせて、日々の電気料金プランを見直すことも、家計や事業のコスト管理を考えるうえで有効な選択肢のひとつといえるでしょう。
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この記事に関連するページリンク
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・資源エネルギー庁:トップランナー制度について
・信濃毎日新聞デジタル:全エアコンを新省エネ基準化へ メーカー大手3社、価格上昇も