【解説!】再生可能エネルギーの出力抑制②
先日、再生可能エネルギーの出力抑制について書きました。
今回はその続きです。
「電力をただで捨ててしまうことになる」のになぜ出力抑制が行われるのか。
理由① 需要との調整(バランス):
再生可能エネルギーの出力は太陽光や風の状況によって変動するため電力需要とのバランスを保つために調整力が必要で
調整力の役割は火力発電が担っていますが、火力発電による調整にも限界があり
昼間火力発電の出力を抑え過ぎてしまうと、
需要が増加する夕方から夜に間に合うように出力を引き上げることができなくなるため出力抑制を行う必要がある。
理由② 送電容量の制限(容量):
再生可能エネルギー発電所が設置された地域には送電線の容量に制限があり、
送電線が過負荷になると電力の損失や送電線のダメージが発生する可能性があるため、
再生可能エネルギーの出力を抑制して送電線の容量を超えないようにする必要がある。
ここまではどのサイトでも説明されている「出力抑制」についての説明なのですが
弊社ではこれに加えて③の理由も関係しているのではないかと思っていて
私見として、
③ 電力市場への影響:
再生可能エネルギーの急激な出力変動は電力市場にも影響を与える可能性があり、
需要と供給の不均衡から大きな電力価格の変動を起こします。
つまり、再生可能エネルギーが電力需要に比べて多くなり過ぎると
電気が余る状態になるため電力が安値で取引されることになります。
このため、
電力市場の安定性を保つために再生可能エネルギーの出力を調整する必要がある。
大手電力会社や経済産業省では出力抑制の説明として
概ね① 需要との調整と② 送電容量の制限を上げていますが
③ 電力市場への影響も出力抑制を行う要因のひとつではなかろうかと考えています。
再生可能エネルギーの出力抑制についてまた続きを書きたいと思います。