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2025.08.13 Wed

電線をなくす画期的な技術 空中送電で電線が消える!?未来の電力インフラがもたらす新しい景色

 
送電線の画像
 
この記事では、電線をなくす画期的な技術「空中送電」について、その仕組みや開発の現状をわかりやすく解説します。
「旅先で最高の景色を撮ったのに、写真の隅に電線が写り込んでしまった……」そんな経験、ありませんか? 街を歩けば電柱が立ち並び、屋根には太陽光パネルがびっしり。こうした「電力の景観問題」を根本から解決するかもしれない、夢のような技術が注目を集めています。その名も「空中送電」。
 
電線もケーブルも使わずに、文字通り「電気を空中に飛ばす」この技術は、SF映画の世界のように聞こえるかもしれません。しかし、日本のスタートアップ企業がすでに実用化に向けた取り組みを進めており、私たちの生活を大きく変える可能性を秘めています。この記事では、空中送電がどのような仕組みで成り立っているのか、現在どのような研究が進められているのかを深掘りしていきます。さらに、この技術が実現したときに私たちの暮らしがどう変わるのか、未来の電力インフラの姿を一緒に想像してみましょう。
 


 
目次
1.電線をなくす「空中送電」とは?その驚きの仕組み
2.日本のスタートアップが牽引する空中送電の最前線
  宇宙から電力を送る壮大な挑戦:株式会社Space Power Technologies
  身近な場所で実用化へ:エイターリンク株式会社
3.空中送電が実現する新しい未来のカタチ
4.まとめ:電力が空を飛ぶ時代はもうすぐそこに
 


 
1. 電線をなくす「空中送電」とは?その驚きの仕組み
空中送電とは、その名の通り、電線を介さずに空中で電力を送る技術です。その仕組みは、特定の電波「マイクロ波」を使います。発電側からマイクロ波のビームとして空中に電力を飛ばし、受信側のアンテナがそれを受け取って再び電気に戻すことで、電力の供給が可能になります。これは、まるで電子レンジが食品を温めるのと同じ原理を応用したものと考えるとイメージしやすいでしょう。
 
「マイクロ波」と聞くと、人体への影響が気になる方もいるかもしれません。しかし、この技術は安全性を確保するために厳密な制御が行われており、人体に影響のない範囲で利用が進められています。空間そのものが電力の通り道になることで、電線やケーブルが不要となり、景観や配線の問題が根本的に解決されるのです。
 


 
2. 日本のスタートアップが牽引する空中送電の最前線
この未来の技術を現実のものにしようと、日本のスタートアップ企業が精力的に開発を進めています。ここでは、アプローチの異なる2つの企業を紹介します。
 
宇宙から電力を送る壮大な挑戦:株式会社Space Power Technologies
京都大学発のスタートアップである株式会社Space Power Technologies(SPT)は、宇宙の巨大な太陽光パネルで発電し、その電力をマイクロ波で地上に送る「宇宙太陽光発電」という壮大なプロジェクトに挑んでいます。宇宙空間は天候に左右されず、24時間安定して発電できるため、地球上の電力供給のあり方を根本から変える可能性があります。現在はまず、地上での倉庫内給電など、小規模な実証実験からスタートし、将来的な宇宙からの電力供給という目標に向けて着実に技術を磨いています。
 
身近な場所で実用化へ:エイターリンク株式会社
一方、スタンフォード大学発のエイターリンク株式会社は、すでに実用化段階に近い技術を開発しています。同社が提供する「AirPlug」という機器は、Wi-Fiルーターのようにオフィスや工場内で電力を飛ばし、IoT機器などにワイヤレスで給電します。この技術により、配線の手間がなくなり、設備レイアウトの自由度が大幅に向上します。ケーブルの引き直しが不要になることで、コスト削減や管理の簡素化にもつながり、ビジネスの現場に新しい価値をもたらしています。
 


 
3. 空中送電が実現する新しい未来のカタチ
もし空中送電が普及したら、私たちの生活はどのように変わるのでしょうか。
 
街の景色が変わる
電線や電柱が姿を消し、景観がより美しく保たれます。旅行先で写真を撮る際も、電線を気にすることなく、より自然な風景を切り取ることができるようになります。
 
家庭やオフィスの配線がスッキリ
家の中の電源ケーブルが不要になり、床や壁がごちゃつくことがなくなります。オフィスのレイアウト変更もより自由に行えるようになります。
 
EVやモバイル機器の充電がワイヤレスに
電気自動車(EV)を充電スタンドに停めるだけで充電が完了したり、スマートフォンを特定の場所に置くだけで充電されるなど、生活の中での充電のあり方が大きく変わる可能性があります。
 


 
4. まとめ:電力が空を飛ぶ時代はもうすぐそこに
電線をなくすという一見非現実的なアイデアは、日本の技術者たちの手によって少しずつ現実のものになりつつあります。SPTとエイターリンク、それぞれのアプローチは異なりますが、どちらも「電気をもっと自由に、そしてスマートに届ける」という共通の目標に向かって進んでいます。携帯電話が電話線を不要にしたように、空中送電がこれからの電力インフラの常識を変える日も、そう遠くないかもしれません。
 


 
情熱電力からのお知らせ
私、個人的には電線や鉄塔のある景色も好きなのですが。
今回ご紹介した「空中送電」のような革新的な新しい技術も見てみたいです。
 
情熱電力は、持続可能な未来を目指し、新しいエネルギー技術の動向に常に注目しています。今回ご紹介した「空中送電」のような、これからの社会を支える画期的な技術を応援するとともに、私たちは現在ご提供している電力サービスを通じて、みなさまの快適な暮らしをサポートしてまいります。
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 
この記事に関連するページ
・京都大学イノベーションキャピタル株式会社 マイクロ波送電でIoT時代の「電力革命」を(https://www.kyoto-unicap.co.jp/embark/space-power-technologies/
・株式会社Space Power Technologies (https://spacepowertech.com/
・エイターリンク株式会社(https://aeterlink.com/