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2026.01.10 Sat

【続報】「上限価格7円台」は回避か?需給調整市場の激論と系統用蓄電池ビジネスの未来

 
系統用蓄電池
 
系統用蓄電池に関する気になる記事があったので調べてみました。
 
『情熱電力のブログ』2025.12.09 Tue
系統用蓄電池バブル終了?需給調整市場「上限価格7円台」への変更案と、投資回収シミュレーションの現実
 
以前にこのブログで、需給調整市場の上限価格が「19.51円」から「7.21円」へ大幅に引き下げられる案について、その衝撃と対策をお伝えしました。この件について、その後、この議論がどうなったか気になっている方も多いはずです。
実は、2025年12月12日に開催された経済産業省の有識者会議において、この「7円案」に対して委員から強い懸念と反対意見が相次ぎました。結論から言えば、「即座に7.21円への引き下げ決定」とはならず、運用方針の再検討が行われる見通しとなりました。
これは系統用蓄電池事業者にとって、まさに「首の皮一枚つながった」状況と言えます。しかし、これで安泰かと言えばそうではありません。今回は、会議での具体的な議論の中身と、そこから読み取れる「猶予期間」の過ごし方について、前回の記事からの続報として深掘りします。
 


 
前回のあらすじ:なぜ「7円台」案が出たのか
まずは状況の整理です。前回の記事でも触れた通り、2025年10月末、経済産業省は2026年度以降の需給調整市場において、国民負担(託送料金)を抑制するために以下の提案を行いました。
・上限価格を現行の19.51円から7.21円へ引き下げる
・市場外調達(余力活用電源など)を併用し、市場募集量を減らす
これに対し、業界内では「投資回収が不可能になる」「ビジネスの予見性が失われる」と激震が走りました。
 
12月12日の議論:業界の懸念が届く
この流れを受けて開催された12月12日の有識者会議(制度検討作業部会)。事務局からは、収益性モデルとして「5円、7.21円、10円、15円、19.51円」という5つのパターンが提示され、委員へ意見が求められました。
ここで、多くの委員から以下のような「待った」をかける意見が相次ぎました。
 
「募集量の削減」と「価格引き下げ」のダブルパンチは危険: 一気に行うと収益予見性が著しく低下し、参入断念や撤退を招くのではないか。
調整力不足への懸念: 投資が滞れば、将来的に必要な調整力が確保できなくなる恐れがある。
段階的な実施を要望: 方向性(コスト抑制)は理解するが、状況を見ながら段階的に実施すべき。
 
結果として、事務局(経産省)はこれらの意見を踏まえ、「適切な手法について検討していきたい」とし、強硬な引き下げ案はいったん持ち帰りとなりました。
 
読み解くべきポイント:これは「中止」ではなく「猶予」
「7円にならなくて良かった!」と胸をなでおろした方もいるかもしれません。しかし、ここで楽観視するのは危険です。 今回の議論で否定されたのは「急激な変化」であって、「価格を下げる」という方向性そのものは、一部で肯定的な意見も出ています。
前回のブログで私たちは「現在のルールや価格が固定であるという前提でシミュレーションするのは危険」とお伝えしました。今回の会議結果は、まさにその「変化のプロセス」を目の当たりにするものでした。
 
1.上限価格の引き下げ圧力は消えていない: 「託送料金(国民負担)抑制」という大義名分がある以上、長期的には価格は下がる方向です。
2.マルチユースの重要性が増した: ΔkW(調整力)単独での収益依存度を下げる方向性を見出し、かつ、マルチユースな収益手段を検討する。
 
結論:得られた時間をどう使うか
今回のニュースは、系統用蓄電池ビジネスにおいて「政策リスク」がいかに大きいかを再認識させました。 おそらく、2026年度に向けては「段階的な引き下げ」や「経過措置」が設けられる可能性があります。この「得られた時間」を、単なる延命と捉えるか、より強固なビジネスモデル(市場価格に左右されにくい運用体制の構築など)への転換期と捉えるかで、数年後の勝敗が決まるでしょう。
 
まとめ
前回の記事でお伝えした「バブル終了?」という問いに対する答えは、今回の会議を経てより明確になりました。「即終了」は回避されましたが、「適正化(価格下落)へのカウントダウン」は続いています。
・7.21円への急激な引き下げ案に対し、有識者会議で強い懸念が示された。
・経産省は「適切な手法」を再検討することになり、即時導入は見送りへ。
・しかし「コスト抑制」の方針は変わらず、長期的には価格下落のトレンド。
・この「猶予期間」に、高値に依存しない事業基盤を作ることが急務。
 


 
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この記事に関連するページ
・経済産業省:第109回 次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会 制度検討作業部会
 ┗ 需給調整市場について(資料
・日経BP 日経XTECH:需給調整市場・上限価格、「7.21円へ引き下げ」に賛否