「それって本当にエコ?」環境省のガイドライン改定で変わるルール。グリーンウォッシュを防ぐ新基準とは?

環境表示ガイドラインに関して気になる記事があったので調べてみました。 私たちが日々手にする「エコ」や「サステナブル」という言葉。環境に配慮した選択をしたいと願う私たちにとって、これらの表示は大切な道しるべですよね。しかし、実態が伴わないのに環境に良いように見せかける「グリーンウォッシュ」が今、世界中で大きな問題になっています。
2026年に向け、環境省では「環境表示ガイドライン」の大幅な改定を進めています 。これは、消費者が自信を持ってグリーンな選択をできるようにするための、言わば「誠実な表示のルールブック」の更新です。なぜ今、ルールが変わるのか。そして、どのような表示が「不適切」とされるのか。最新の動向を一緒にチェックしていきましょう。
目次
・「環境表示ガイドライン」改定の背景と2026年の動向
・改定の目玉:格上げされた「5つの基本項目」
・【実例】「不適切」と指摘された5つのケース
・知っておきたい海外の厳しい規制(EU・北米)
・まとめ:透明性のある未来へ
■ 「環境表示ガイドライン」改定の背景と2026年の動向
環境省は、2025年12月にガイドラインの改定要旨案をまとめ、2026年3月の改定版公表を目指しています 。背景にあるのは、国際的な「グリーンウォッシュ」への規制強化です。
グリーンウォッシュとは? 実態を伴わないのに、広告やパッケージで「環境に配慮している」と消費者に誤解を与えるような表示をすることを指します。
今回の改定では、国際規格(ISO 14021)の変更への対応や、消費者がより正確な情報にアクセスできる環境づくりが重視されています。
■ 改定の目玉:格上げされた「5つの基本項目」
事業者が「自社製品はエコだ」と宣言する際、守るべき「5つの基本項目」が見直されます。
| 項目 | 環境表示の5つの基本項目(改定案) | ポイント・詳細 |
|---|---|---|
| ① | あいまいな表現や環境主張は行わないこと | 「エコ」や「グリーン」といった漠然とした用語を避け、ISO 14021等で定義された用語を適切に使用する必要があります。 |
| ② | 環境主張の内容に説明文を付けること | 主張を裏付けるための具体的な根拠や条件を、消費者が理解しやすい説明文として付記します。 |
| ③ | 製品のライフサイクル全体を考慮する | 【新設・格上げ】 一部のメリットだけでなく、原材料調達から廃棄までの全工程で重大なマイナスの影響(負のトレードオフ)がないかを評価します。 |
| ④ | 環境主張の検証に必要なデータ及び評価方法が提供可能で、情報にアクセスが可能であること | 現行の「データの提供」と「情報へのアクセス」を統合。第三者認証の活用や外部機関による検証も推奨されています。 |
| ⑤ | 製品又は工程における比較主張はLCA評価、数値等により適切になされていること | 他社製品や自社従来品と比較する場合、同じ機能単位に基づき、客観的な数値で示すことが求められます。 |
特に「ライフサイクル全体の考慮」が基本項目に格上げされた点は重要です。例えば、「素材はリサイクルだが、製造過程で大量の有害物質を出している」といった、負の側面を隠した主張ができなくなります。
■ 【実例】「不適切」と指摘された5つのケース
実際にどのような表示が「アウト」になったのか、国内外の事例を見てみましょう。
1.【日本】生分解性BB弾
表示内容: 「地表落下後に微生物で分解される」と表示
問題点: 実際の土壌条件での分解根拠が認められず、景品表示法に基づき措置命令・課徴金納付命令が出されました。
2.【英国】航空会社の「未来を守る」キャンペーン
表示内容: 地球の画像に「未来を守る」というスローガン
問題点: 航空事業の環境影響を緩和する実現可能な技術が伴っておらず、消費者を誤認させると指摘されました。
3.【フランス】アパレルメーカーの「プラスチック廃棄物をなくす」
表示内容: スニーカーに「100%象徴的、50%リサイクル」と記載
問題点: リサイクル50%は「アッパー部分」のみ。靴全体の使用割合が不明確で、廃棄すれば結局ゴミになるため「なくす」という表現は誇大とされました。
4.【カナダ】使い捨てコーヒーポッドの「リサイクル可能」
表示内容: 「使用後にリサイクル可能」と主張
問題点: 実際には多くの自治体で回収施設が整っておらず、特定の地域以外では虚偽にあたると判断され、多額の罰金が課されました。
5.【ノルウェー】衣料品の世界平均データの流用
表示内容: 特定製品の環境主張に世界平均データを使用
問題点: 特定の製品固有の環境負荷を示すには実態と乖離する可能性があり、消費者に誤認を与えるとされました。
■ 知っておきたい海外の厳しい規制
特に欧州(EU)では規制が一段と厳しくなっています。
・UCPD(不公正取引慣行指令)の改正: 「エコ」「グリーン」といった、根拠のない曖昧な環境主張は「ブラックリスト」に入り、いかなる場合も禁止されます。
・カーボンオフセットの制限: 「温室効果ガスを相殺(オフセット)しているから、この製品はカーボンニュートラルだ」という主張も、EUでは不公正取引とみなされるようになります。
まとめ
今回のガイドライン改定は、単なる言葉の規制ではありません。それは、私たちが環境への貢献を正しく評価され、事業者が誠実な努力で競い合える市場を作るための第一歩です。
「なんとなくエコ」から「根拠のあるエコ」へ。これからは、製品の裏側にあるデータや、ライフサイクル全体のストーリーに注目することが、私たち消費者の「選ぶ力」を養うことにつながります。
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この記事に関連するページ
・環境省:環境表示のあり方に関する検討会
・消費者庁:景品表示法関係ガイドライン等