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2024.12.17 Tue

原発の発電コスト1.5倍(30年比)に増加2040年の電源別試算(経産省) というニュースについて

 
「原発の発電コスト1.5倍(30年比)に増加2040年の電源別試算」というニュースについて調べてみました。
 
このニュースは
昨日行われた経済産業省の第5回発電コスト検証ワーキンググループ(2024年12月16日)の内容を報じているのですが、
原発コスト、1.5倍に増加2040年の電源別試算、経産省(共同通信)
2040年度時点の発電コスト 原子力がLNG火力を下回る 政府試算(NHK)
2040年時点の発電コスト、LNG火力が原発上回る 経産省試算(毎日新聞)
40年度の発電コスト、LNG火力は原発より高く 経産省が試算(朝日新聞デジタル)
40年度の原発発電コスト、再生エネより割安ケースも(日経新聞)
電力網への統合課題に/エネ庁、40年の発電コスト試算提示(電氣新聞)
 
という風にメディア各社の見出しのつけ方に違いがあり、
エネルギー政策に対するそれぞれの立場で見出しのつけ方も変わるのだなぁと改めて感じました。
また、同じ会議を報じていても記事の書き方についてもそれぞれ
・発電費用だけをみると太陽光発電が原子力を下回るものの、
 関連コストを合わせると原発の方が下回る可能性があるとの結果を示した。(日経)
・今回の試算で初めて、変動の大きい再生エネの普及に伴い発生する調整コストを正式に加味した結果、
 30年時点と比較すると原発は1.5倍前後に、LNGと太陽光は下限値が倍近くに増えた。(共同)
という風にメディア各社が強調している内容が違いがあり、
目についたニュースをサクッと斜め読みするのも怖いな…。とも思いました。
 
さて、その会議の内容についてですが(資源エネルギー庁:第5回 発電コスト検証ワーキンググループ
議題:発電コスト検証に関する取りまとめ(案) ということで行われ
政府が2040年度時点での発電にかかる電源別の総合的なコストの試算を正式に公表したということで、
資料を見てみましたが200ページ超の資料で全部を詳しく読み解く時間はありませんでしたが、
この会議の資料の内容を私なりに超かいつまんでお伝えすると
 
発電コスト検証の位置づけについて
(下記参照 出典:資源エネルギー庁第5回発電コスト検証ワーキンググループ資料)
 
まず、
今回の2040年発電コスト検証は位置づけとして、
・各電源のコスト面での特徴や構造を明らかにし、どの電源に政策の力点を置き、どうバランスを取るかなど、
 2040年に向けたエネルギー政策の議論の参考にするもの。
・太陽光や風力といった安定した供給が難しい電源の比率が増えていくと、
 電力システム全体を安定させるために電力システム全体で生じるコストも増加する。
 このため発電コストに電力システム全体で生じるコストの一部を考慮した電源別の発電コストも検証した。
つまり、
変動の大きい再生エネの普及に伴い発生する調整コストを正式に加味して2040年の発電コストを試算したものであると。
 
で、統合コストの一部を考慮した発電コスト2040年の試算の結果として以下のように表にできる。
 
2040年の試算の結果概要
 
ということで、これがニュースのうち事実の部分なのですが、、、
 
ここからは私的なツッコミ!!
上記の表のグラフの右側を見ていただくと
■ Aケース(変動再エネ容量4割)統合コスト
■ Bケース(変動再エネ容量5割)統合コスト
■ Cケース(変動再エネ容量6割)統合コスト
■ LCOE Levelized Cost of Electricityの略で、発電コストを意味 と書いてあり
 
まず、2040年に変動再エネ40%~60%って実現可能なのか?という疑問が生まれ。
また、原子力の発電コストだけが『12.5~』と書いてあり『~』ってなんなん?と思ったわけです。
 
ちなみに、資源エネルギー庁によると「日本の再エネ電力比率は2021年度で、約20.3%です。」だそうで
これから15年間で太陽光+風力が2021年時の倍になるのかな???
 
色々ともやもやしながらこの記事を書いてしまいました。
そしてとりとめのない内容になってしまいました。
ここまで読んでいただいた方々には申し訳ありません。
 
でもでも、
経済産業省で未来の電力コストに対するこんな試算していますよ~ とか、
メディアの報道も切り取り方が色々ですよ~ とか
そんなことも含めて皆さまのお財布に直結する電気料金の向かう方向性を感じていただければ幸いです。
また、電力の課題にはCo2・環境・為替・資源コスト・原発などなど様々な問題が絡んでいて
このニュースもイチ方向から簡単に論じられる内容ではないのですが
こんなこともあるのかと知っていただく一助になれば幸いです。
 
このページでは、先日書かせていただいた
太陽光の適格事業者を認定 太陽光発電事業者の買収を後押しする制度導入の方針 経済産業省 』など
情熱電力が注目した電力制度に関する記事などもピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!