【2026最新】需給調整市場の上限価格は15円へ。系統用蓄電池ビジネスが迎える「質的進化」の好機

こんにちは、情熱電力です!2026年3月の制度改正を控え、業界内で最大の懸念事項となっていた「上限価格の引き下げ問題」に新たな動きがありました。
2026年1月23日に開催された資源エネルギー庁の検討会にて、2026年度以降の需給調整市場の対応方針が更新されました 。以前から議論されていた「7.21円への大幅引き下げ」という急激な変化は一旦見送られ、まずは「15円」からのスタートとなることが示されたのです。
これは、事業者の予見可能性を重視する多くの声が届いた結果と言えるでしょう。しかし、同時に「市場の競争状況が見られない場合の段階的な引き下げ」も明記されており、追い風に甘んじることはできません。本日は、この最新の決定をどう解釈し、蓄電池ビジネスをどう進化させていくべきか、専門的な視点で解説します。
| 項目 | 2025年度まで | 2026年度以降(新ルール) |
|---|---|---|
| 上限価格 | 19.51円/ΔkW・30分 | 15円/ΔkW・30分 (競争状況により10円、7.21円へ段階的引下げ案あり) |
| 募集量(調達量) | 現在の3σ相当量 | 1σ相当量まで削減 (一次・二次①調整力などが対象) |
| 取引形態 | 週間取引 | 前日取引 (2026年3月13日取引分より移行) |
| 売買手数料 | 0.03円/ΔkW・30分 | 0.06円/ΔkW・30分 |
| 運営主体の位置づけ | 私設・任意での運営(EPRX) | 法制度上の措置も含めた検討開始 |
目次
1.上限価格は「15円」で軟着陸。ただし「段階的引き下げ」の条件付き
2.募集量の「1σ相当」削減が意味する、市場の健全化と競争
3.前日取引化・30分単位取引への移行による、運用のアップデート
4.売買手数料の改定(0.06円)とコスト管理の重要性
5.まとめ:変化を「リスク」ではなく「事業の深化」へ
. 上限価格は「15円」で軟着陸。ただし「段階的引き下げ」の条件付き
これまでの議論では、コスト抑制の観点から「7.21円Δ/kW・30分」への引き下げが強く検討されてきました。しかし、最新の資料では事業者への影響や事業の予見性を考慮し、2026年度からは現行の19.51円から15円/ΔkW・30分へと引き下げ幅を圧縮する方針が示されました 。
ただし、市場の競争状況(応札量や価格分布など)をモニタリングし、改善が見られない場合は10円、さらには7.21円へと段階的に引き下げられる可能性も残されています。今回の決定は「急激なリスク」を回避した、いわば市場適応のための猶予期間と捉えるのが現実的です。
2. 募集量の「1σ相当」削減が意味する、市場の健全化と競争
2026年度からは、募集量についても現在の3σ相当から1σ相当へと削減されます。
・目的: 募集量と応札量の乖離による調達コストの高騰を防ぎ、市場運営の健全性を担保するためです。
・拡張の可能性: 系統用蓄電池の参入が増え、十分な競争環境が整った場合には、再び募集量を増加させる柔軟な対応も検討されています。
3. 前日取引化・30分単位取引への移行による、運用のアップデート
2026年3月13日の取引(14日受渡分)から、
一次〜三次①調整力の取引は「前日取引」へ、そして30分単位の取引へと移行します。
これにより、スポット市場(kWh)での落札状況を確認した上で、最適なリソースを調整力市場へ振り分けるという、よりハイブリッドで高度な運用判断が収益確保の鍵となり、「明日のこのコマは、JEPXで売るべきか、需給調整市場で待機すべきか」という緻密な運用戦略が必要になります。
4. 売買手数料の改定(0.06円)とコスト管理の重要性
市場運営費用の増加に伴い、2026年度の売買手数料は現在の0.03円から0.06円/ΔkW・30分へと引き上げられる予定です。
一見小さな数字に見えますが、積み重なる取引量の中では無視できないコスト要因となります。収益単価が適正化される中で、こうした周辺コストを含めた緻密な収支管理が、これまで以上に重要視されることになります。
まとめ
今回の決定により、「急激な収益悪化のリスク」はひとまず和らいだと言えます。しかし、本質的な流れは「コストの適正化」と「競争による健全な市場形成」に向かっています。
・15円スタートという猶予期間を活かし、さらなる低価格時でも成立するモデルを構築する。
・前日取引化を機に、kWh市場とkW市場を最適化するシステム導入を検討する。
・単一の収益源に頼らず、複合的な市場参画によるリスク分散を図る。
今求められているのは、制度の変更に一喜一憂することではなく、この変化を「事業モデルをより強固に磨き上げるチャンス」へと昇華させる姿勢だと言えます。
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・資源エネルギー庁:第110回 制度検討作業部会
┗ 資料 需給調整市場について
・一般社団法人 電力需給調整力取引所(https://www.eprx.or.jp/)