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2025.10.22 Wed

国産EV電池に急ブレーキ?世界シェア7割の中国勢に日本が挑む逆転のシナリオとは

 
EV電池
 
こんにちは!情熱電力です。先日、国産EV(電気自動車)電池に関する気になる記事がありましたので、その内容を詳しく調べてみました。日産自動車やトヨタ自動車といった日本のトップメーカーが、国内でのEV用電池工場の新設計画を断念・延期したというニュースです。「これからEVの時代なのにどうして?」と驚かれた方も多いのではないでしょうか。実はこの背景には、世界のEV電池市場の激しい競争、特に中国企業の圧倒的な存在感があります。今回は、日本のEV電池産業が直面している厳しい現実と、これから世界市場で再び輝くための「勝ち筋」について、データを交えながら分かりやすく解説していきます。日本のものづくりの未来、そして私たちの未来のカーライフに直結する大切なお話です。
 


 
国内メーカーに異変?相次ぐEV電池工場の計画見直し
未来のクルマ社会の主役とされるEV。その心臓部ともいえるバッテリーの国内生産を強化する動きに、待ったがかかっています。
2024年5月、日産自動車が北九州市に計画していた国内初のEV電池工場の建設を断念すると発表。さらに、トヨタ自動車も福岡県で計画していた次世代EV向け電池工場の建設を延期しました。SUBARU(スバル)もパナソニック エナジーと共同で進める群馬県の新工場計画について、再検討の可能性を示唆しており、国内の自動車メーカー全体で慎重な姿勢が広がっているのです。
国が経済安全保障の観点から国内生産基盤の強化を目指す中で、なぜ民間企業は及び腰になっているのでしょうか。その最大の理由が、世界の市場構造の劇的な変化にあります。
 


 
データで見る世界のEV電池市場:中国勢がシェア約7割を独占
韓国の調査会社SNEリサーチによると、2024年のEV用バッテリーの世界市場は、驚くべき状況になっています。
・国別シェア: 中国メーカーが全体の67.1%を占め、圧倒的な首位。
・企業別シェア(トップ10):
1位:CATL (中国)
2位:BYD (中国)
3位:LG Energy Solution (韓国)
…トップ10のうち、実に6社が中国企業。
日本勢: パナソニック ホールディングスが6位にランクインするのがやっとという状況です。
(出典:SNEリサーチ等の情報を基に作成)
 
この背景には、世界のEV販売台数の6割以上を中国市場が占めているという事実があります。巨大な国内需要を背景に、中国の電池メーカーは大量生産によるコスト削減(スケールメリット)を実現。特に、安価で安全性が高い「LFP(リン酸鉄リチウムイオン)電池」を武器に、価格・技術の両面で競争力を一気に高めました。
さらに中国企業は、リチウムやコバルトといった希少な資源の権益確保から、精錬・加工、そして電池製造まで、サプライチェーン全体を垂直統合で押さえています。この圧倒的な体制が、他国のメーカーに対する大きな障壁となっているのです。
 


 
経済安保と経営合理性のジレンマ
日本政府は、経済安全保障の観点から「2030年までに蓄電池の国内生産能力を年間150GWh(ギガワット時)まで増やす」という高い目標を掲げ、補助金などで企業の国内投資を後押ししています。
しかし、企業側からすれば、すでに中国勢が圧倒的なコスト競争力を持つ市場へ巨額の投資をすることは、経営的に大きなリスクを伴います。国が推進する「経済安保」と、企業が追求する「経営の合理性」との間で、大きなジレンマが生じているのが現状です。
 
日本の逆転シナリオは「欧州市場」にあり?
このまま日本は引き離されてしまうのでしょうか?専門家は、日本勢が巻き返す鍵は「欧州市場」にあると指摘しています。
欧州では、二酸化炭素(CO2)の排出規制が世界で最も厳しく、EVへのシフトが国策として強力に進められています。一方で、中国製EVや電池に対する警戒感も高まっており、高い技術力と信頼性を持つ日本製品が入り込む余地は十分にあります。
中国企業との価格競争が激しい市場を避け、環境規制や品質要求が厳しい欧州で、高性能・高品質な日本のバッテリーの価値を認めてもらう。それが、日本企業にとっての「勝ち筋」になるかもしれません。
 


 
まとめ
今回は、国産EV電池が直面する厳しい現状と、今後の展望について解説しました。ポイントを振り返ってみましょう。
・国内計画の減速:日産やトヨタなどが、国内のEV電池工場の新設計画を相次いで見直し。
・中国勢の圧倒的シェア:2024年の世界市場では、中国企業がシェアの約7割を占め、市場を席巻。
・日本の活路:コスト競争を避け、CO2排出規制が厳しい「欧州市場」で高品質な電池を武器に戦うことが逆転の鍵。
自動車業界が100年に一度の大変革期にある中、日本のものづくりはまさに正念場を迎えています。ハイブリッド車で培った高い技術力を活かし、EV時代にもう一度世界をリードできるのか。私たちもその動向を注意深く見守っていく必要があります。
 


 
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それではまた!!
 
この記事に関連するページ
・経済産業省「蓄電池産業戦略
日本の蓄電池産業に関する国の目標や戦略がまとめられています。国の政策に関心がある方はこちらをご覧ください。
・SNE Research(https://www.sneresearch.com/en/
 今回引用したデータの元となっている韓国の市場調査会社のサイトです。EVやバッテリーに関する最新の市場動向(英語・韓国語)を知りたい方におすすめです。