そのモバイルバッテリー大丈夫?発火事故が急増中!今すぐ知るべき危険な兆候と安全な使い方
先日もお伝えしましたがモバイルバッテリーの「発火」について、気になる記事があったので詳しく調べてみました。
2024年7月20日に山手線の車内で乗客のモバイルバッテリーが発火する事故がありました。皆様の記憶にも新しいのではないでしょうか。実は今、このようなモバイルバッテリーからの発火・発煙事故が国内外で急増しています。東京消防庁によると、2024年だけでリチウムイオン充電池が関連する住宅火災が100件以上発生しており、私たちの生活に潜む新たな火災原因として大きな問題になっています。
なぜ、便利なはずのモバイルバッテリーが突然“凶器”に変わってしまうのでしょうか。背景には、製品の生産体制の変化や、私たちユーザーの知識不足も関係しているようです。この記事では、発火事故の背景にある事実と、ご自身やご家族を火災のリスクから守るために「今すぐできる対処法」を分かりやすく解説します。
目次
1.急増するモバイルバッテリー火災の実態
2.なぜ?リチウムイオン電池が発火する仕組み
3.飛行機のルールも厳格化!知っておくべき最新情報
4.あなたのバッテリーは大丈夫?確認すべき危険のサイン
5.発火を防ぐ!モバイルバッテリーの正しい使い方と処分方法
6.まとめ
1. 急増するモバイルバッテリー火災の実態
「自分は大丈夫」と思っていませんか?しかし、モバイルバッテリーが原因の火災は、もはや他人事ではありません。
東京消防庁の発表によると、リチウムイオン充電池が関わる火災件数は年々増加傾向にあり、令和6年(2024年)には住宅火災だけで106件(速報値)にも上っています。その中でも、原因として最も多いのがモバイルバッテリーで、全体の約3分の1にあたる35件を占めているのです。
山手線の事故で発火した製品も、過去にリコール対象となっていたものでした。近年、大手メーカーを含め、世界で数百万台規模の大規模リコールが相次いでいます。背景には、主要生産国である中国で2024年に安全規制が強化されたことがあります。規制強化は安全性を高める一方で、基準を満たさない製品が市場から排除される過程で、こうした問題が表面化しているとも考えられます。
2. なぜ?リチウムイオン電池が発火する仕組み
そもそも、なぜリチウムイオン電池は発火するのでしょうか。
リチウムイオン電池は、内部に可燃性の液体(有機溶媒)が使われています。通常、プラスとマイナスの電極は「セパレーター」という薄い膜で仕切られていますが、何らかの原因でこの膜が破損すると、内部でショートが発生。それにより高熱が生じ、可燃性の液体に引火・発火してしまうのです。
主な原因には以下のようなものがあります。
・外部からの強い衝撃:落下させる、カバンの中で押しつぶされる、ペットが噛むなど。
・過充電・過放電:粗悪な製品や長年の使用でバッテリーが劣化し、内部でショートが起きやすくなる。
・製造上の欠陥:製造過程で微小な金属片などが混入し、内部ショートを誘発する。
・熱:真夏の車内など、高温の環境に放置する。
3. 飛行機のルールも厳格化!知っておくべき最新情報
相次ぐ事故を受け、国土交通省は2024年7月8日から航空機内でのルールを変更しました。夏休みの旅行や出張で飛行機に乗る方は必ず確認してください。
【変更点】モバイルバッテリーを座席上の収納棚に入れることが禁止されました。
今後は、モバイルバッテリーを預け荷物に入れることはもちろん、手荷物であっても座席上の収納棚に入れることはできません。必ず、前の座席のポケットや手元のカバンなど、すぐに状態を確認できる場所で保管・使用する必要があります。これは、万が一発煙・発火した際に迅速に対応できるようにするためです。
4. あなたのバッテリーは大丈夫?確認すべき危険のサイン
お使いのモバイルバッテリーに、以下のような異常はありませんか?一つでも当てはまったら、それは危険のサインです。直ちに使用を中止してください。
・バッテリーが不自然に膨らんできた
・充電中に異常に熱くなる
・充電してもすぐに電池が切れるなど、性能が著しく落ちた
・異臭がする
・落としたり、強い衝撃を与えてしまったりした
また、お持ちの製品がリコール対象になっていないか、メーカーの公式サイトなどで定期的に確認することも重要です。
5. 発火を防ぐ!モバイルバッテリーの正しい使い方と処分方法
事故を防ぐために、日頃から以下の点を心がけましょう。
・衝撃を与えない:ケースに入れるなど、保護して持ち運ぶ。
・高温の場所に置かない:夏の車内や直射日光が当たる場所は避ける。
・「ながら充電」に注意:充電しながらのスマホ操作は本体とバッテリーの両方に負荷がかかり、高温になりやすいので避ける。
・信頼できる製品を選ぶ:電気用品安全法で定められた**「PSEマーク」**がある製品を選びましょう。
・適切に処分する:一般ごみとして捨てるのは絶対にNGです。家電量販店などに設置されている「小型充電式電池リサイクルBOX」に出してください。
6.まとめ
モバイルバッテリーは現代生活に欠かせない便利なアイテムですが、その内部には発火の危険性が潜んでいることを忘れてはいけません。特に近年は低価格な製品を中心に事故が増加しており、私たち消費者一人ひとりが正しい知識を持って安全に利用することが求められています。
「膨らんだら使わない」「高温になる場所に置かない」「PSEマークを確認する」といった基本的な対策を徹底するだけで、火災のリスクは大幅に減らすことができます。この機会に、ご自身の使い方を見直し、安全な電気ライフを送りましょう。
情熱電力からのお知らせ
情熱電力は、皆様の暮らしを支える電気を安全・安心にお届けすることを使命としています。
モバイルバッテリーだけでなく、私たちの身の回りには多くの電気製品があります。コンセントのたこ足配線や、古い家電製品の使いすぎなど、ちょっとした不注意が大きな事故につながることも少なくありません。
情熱電力は、電気を賢く、そして安全に使っていただくための情報発信にも力を入れています。ご家庭の電気に関するご不安や、よりおトクな電気料金プランに関するご相談がございましたら、いつでもお気軽に情熱電力までお問い合わせください。一緒に、安全で快適な毎日を実現しましょう。
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本記事に関連する情報ページ
・経済産業省 リコール情報 (https://www.meti.go.jp/product_safety/recall/index.html)
・経済産業省 リコール情報 リチウム電池使用製品 (https://www.meti.go.jp/product_safety/recall/denki_5.html)
・東京消防庁 リチウムイオン電池搭載製品の出火危険(https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/kasai/lithium_bt.html)