【“貯める”が常識に?】三菱倉庫も参入!今、大手企業が「巨大蓄電池ビジネス」に熱い視線を送るワケ
大手企業がまた、「蓄電池事業へ参入」という気になる記事があったので調べてみました。今回名乗りを上げたのは、物流のプロフェッショナルである「三菱倉庫」。400億円以上を投じて、国内7カ所に巨大な蓄電所を建設するとのことです。
「なぜ倉庫会社が電気を貯めるビジネスを?」と不思議に思うかもしれません。しかし、このニュースは、私たちの生活に欠かせない電力の未来を考える上で、非常に重要なヒントをくれます。
実は今、再生可能エネルギーの普及とともに、「電気をいかに効率よく貯めて使うか」が、国全体の大きな課題となっています。この記事では、三菱倉庫の挑戦を紐解きながら、今、大きな注目を集めている「系統用蓄電池」とは何か、そして、それが私たちの暮らしや電気代にどう関わってくるのかを、分かりやすく解説していきます。エネルギーの新しい潮流を一緒に見ていきましょう。
この記事の元ネタ:
日本経済新聞 三菱倉庫、蓄電事業に参入 400億円超投じ7カ所に整備
異業種からの挑戦!三菱倉庫が描くエネルギーの未来図
2025年8月、物流大手の三菱倉庫が「系統用蓄電池事業」への参入を表明しました。2030年度までに400億円超を投じ、国内7カ所に合計で約70万kWhもの大規模な蓄電所を整備する計画です。これは、一般家庭約8万世帯の1日分の電力使用量に相当する、非常に大きな規模です。
同社はまず、神奈川県と埼玉県の2カ所からスタートし、2027年度の稼働を目指します。最終的には、この電力事業を物流・不動産に次ぐ「第3の経営の柱」に育てたいとしています。
では、なぜ物流のプロである同社が、この事業に勝機を見出したのでしょうか。その理由は、同社が持つ「倉庫用地」にあります。もともとコンテナなどの大型車両が出入りしやすいように設計された広い土地や道路は、巨大な蓄電池を搬入・設置するのに最適なのです。まさに、自社の強みを活かした、合理的な新規事業と言えるでしょう。
今さら聞けない「系統用蓄電池」ってなに?
今回のニュースの主役である「系統用蓄電池」。少し難しい言葉ですが、役割は非常にシンプルです。電力会社の送電網(電力系統)に直接接続された、巨大な“充電池”をイメージしてください。
この巨大な充電池は、主に2つの役割で活躍します。
・電力の需給バランスを調整する
電気は需要と供給を常に一致させる必要があります。系統用蓄電池は、電力が余りやすい(=電気代が安い)昼間などに電気を貯めておき、需要が高まる(=電気代が高い)夕方から夜間にかけて放電します。これにより、電力系統全体のバランスを保ち、安定供給に貢献します。
・再生可能エネルギーの弱点を補う
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、天候によって発電量が大きく変動します。晴れた日の昼間など、電気が作られすぎると、需給バランスを保つためにせっかく発電した電気を捨ててしまう「出力抑制」という問題が起こります。
系統用蓄電池があれば、この余った電気を無駄なく貯蔵し、必要な時に使うことができます。まさに、再生可能エネルギー普及の鍵を握る存在なのです。
世界が注目!急成長する蓄電池市場
蓄電池の重要性は、世界的な共通認識となっています。国際エネルギー機関(IEA)は、2050年の脱炭素達成には、系統用蓄電池などの導入量を2030年までに2023年比で6倍に増やす必要があると試算しています。
日本政府もこの流れを後押ししており、経済産業省は2030年には国内で最大約2400万kWhの蓄電所が導入されると見込んでいます。補助金などの支援策も整備され、関西電力のようなエネルギー企業はもちろん、商社や今回のような異業種からの参入が相次いでいる、非常にホットな成長分野なのです。
まとめ
三菱倉庫の蓄電池事業への参入は、単なる一企業の新規事業というだけでなく、日本のエネルギーのあり方が大きく変わろうとしている象徴的な出来事です。
これまで「発電所で作られ、すぐに消費される」のが当たり前だった電気が、これからは「余った時に貯めて、足りない時に使う」という新しい常識へとシフトしていきます。系統用蓄電池の普及は、再生可能エネルギーの導入を加速させ、電力の安定供給に繋がり、長期的には私たちの電気代の安定にも寄与する可能性を秘めています。
企業の動向に注目しながら、私たち一人ひとりも、電気を「使う」だけでなく、「貯める」「賢く使う」という視点を持つことが、これからの節電や環境貢献に繋がっていくのかもしれません。
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