役職がつくと人はなぜ偉そうになる?上司の態度が変わる理由と振り回されない距離感のつくり方

日経ビジネスに『役職がつくと、なぜ人は偉そうになるのか 仏教に学ぶ距離の取り方』という記事があったので調べてみました。
人事異動や昇進の季節になると、職場の人間関係にも変化が生まれます。「昨日まで気さくな同僚だったのに、課長になった途端に態度が偉そうになった」「急に細かく高圧的なマネジメントをしてくるようになった」……そんな経験はありませんか?
実はこの「立場が変わると態度も変わる」現象には、はっきりとした心理的な背景があるのだそうです。しかも、その正体は「強さ」ではなく、意外にも「不安」や「責任の重さ」なのだとか。
今回はこの記事をもとに、役職がつくと人が偉そうになってしまう理由と、そうした相手に振り回されないための距離感のつくり方を、仏教の考え方も交えながらわかりやすく整理してみました。上司との関係に悩んでいる方も、これから部下を持つ方も、きっと「なるほど」と思える内容です。
目次
- 1. なぜ役職がつくと態度が変わるのか?
- 2. 偉そうな態度の正体は「不安」と「責任」だった
- 3. 「立場が人をつくる」の本当の意味〜仏教の教えに学ぶ
- 4. 偉そうな上司に振り回されないための距離感
- 5. 自分が役職についたときに気をつけたいこと
1. なぜ役職がつくと態度が変わるのか?
「あの人、偉くなった途端に急に変わったよね」。職場でこんな会話をしたこと、一度はあるのではないでしょうか。人事異動や昇進で立場が変わると、それまで対等だった関係が上司と部下の関係に変わります。すると、接し方や言葉づかいまで変わってしまう人がいるのも事実です。
でも、なぜ立場が変わるだけで、人の態度まで変わってしまうのでしょうか。日経ビジネスの記事では、これを興味深いたとえで説明しています。
大きな車に乗り換えると気が大きくなる?
記事で紹介されていたのは「車」のたとえです。普段は軽自動車に乗っている人が、急に高級車やトラックのような大きな車に乗り換えると、視界の高さも周囲の見え方も大きく変わります。すると不思議なもので、自分が少し大きくなったような感覚を覚えることがあるのだそうです。
このとき、気が大きくなって強気な運転をする人もいれば、逆に余裕が生まれて周囲に配慮した運転をするようになる人もいます。同じ「大きな車」に乗っても、表れ方は人それぞれなんですね。
役職がつくというのは、まさにこれと同じこと。役職や権限を持つことで「見える景色」が変わり、その人がもともと持っていた傾向が、よりはっきりと表に出てくるのです。
立場は人を「変える」のではなく「拡大」する
ここで大切なポイントは、立場によって人がまったくの別人になるわけではない、ということです。
・もともと配慮深い人は、役職がつくとより周囲に気を配るようになる
・もともと支配的な傾向がある人は、役職がつくと高圧的な面が前に出やすくなる
つまり、役職や立場は人を作り変えるのではなく、その人の内側にあるものを「拡大」する働きを持っているといえます。「偉くなって人が変わった」ように見えても、実はもともとあった一面が大きく映し出されているだけ、というわけです。
2. 偉そうな態度の正体は「不安」と「責任」だった
では、なぜ役職がつくと、厳しさや高圧的な言動が増えてしまう人がいるのでしょうか。記事によれば、その答えは一言でいうと「不安」と「責任の大きさ」にあります。
役職や権限を持つと、その分だけ結果に対する責任を負うことになります。成果を求められ、部下をまとめ、上からは評価される。失敗すれば自分の責任になる
—このプレッシャーの中で、人の心には「きちんとやらなければ」「失敗してはいけない」という緊張や恐れが生まれます。
そして、この不安が強くなるほど、人は周囲をコントロールしようとする傾向が出てくるのだそうです。これは特別なことではなく、誰にでも起こりうる自然な反応です。
つまり、高圧的に見える言動は「強くなったから」ではなく、むしろ「不安や恐れの裏返し」として表れている場合があるのです。自信満々に見えるあの態度の裏に、実は「うまくやらなければ」という焦りが隠れているかもしれない——そう考えると、少し見え方が変わってきませんか?
また、「上司として振る舞わなければならない」という役割意識も、言動を変える一因になります。強い言い方や厳しい態度を、そのまま「人としての評価」として受け取ってしまうと、必要以上の対立や摩擦を生んでしまうことも。「役職という役割を背負いながら、精いっぱい対応している一人の人間」として見られるかどうかで、受け止め方は大きく変わります。
3. 「立場が人をつくる」の本当の意味〜仏教の教えに学ぶ
「立場が人をつくる」という言葉があります。これは正しくもあり、誤解されやすい言葉でもあると記事は指摘しています。辞令が出たからといって、その瞬間に「完成された課長」になれるわけではありません。役職を与えられたときから、その役割を学び、身につけていく過程が始まる、と考えるほうが自然なのです。
親は子どもと一緒に育つ「生児現成」
記事では、仏教の「生児現成(しょうにげんじょう)」という考え方が紹介されていました。これは、子どもが生まれると同時に「親」も生まれ、関係の中でともに育っていくという教えです。
子どもが1歳になれば、親も「1歳の親」として育っていく。最初から完成された親などいませんよね。役職もまったく同じで、課長になった人は「なりたての課長」として、戸惑いや失敗を重ねながら少しずつ育っていくものなのです。
そう考えると、新任上司のぎこちない厳しさも「まだ役職1年生なんだな」と、少しだけ寛容に受け止められるかもしれません。
役職にしがみつく「我執」に要注意
一方で、注意したいのが役職への「執着」です。「自分は課長だ」「上司なのだから部下を従わせなければ」という思いが強くなりすぎると、役職そのものにしがみつき、支配的な振る舞いにつながってしまいます。
仏教ではこうした執着を「我執(がしゅう)」と呼びます。役割を担うことと、役割に執着することは、本来まったく別のもの。この違いを知っておくだけでも、自分や周囲の言動を冷静に見つめるヒントになりそうです。
4. 偉そうな上司に振り回されないための距離感
とはいえ、頭で理解できても、日々高圧的な態度を向けられればストレスは溜まります。そこで大切になるのが「距離感」です。記事の内容をもとに、受け止め方と対処のポイントを整理してみました。
| 上司の言動 | 受け止め方のヒント | 対処のポイント |
|---|---|---|
| 急に厳しく細かくなった | 不安や責任感の裏返しかもしれない | 人格への否定と受け取らず、業務として淡々と対応する |
| 高圧的な言い方が増えた | 「役割を果たさなければ」という焦りの表れの可能性 | 言動だけを切り取って評価せず、背景の状況も踏まえて受け止める |
| 理不尽な言動・過度な干渉 | すべてを受け入れる必要はない | 意識的に距離を保ち、仕事として割り切る。度を越える場合は相談窓口へ |
ポイントは、相手の変化に振り回されすぎないこと。「昇進した途端、あいつは偉そうになった」と言動だけを切り取って判断するのではなく、背景にある責任やプレッシャーを踏まえて受け止めることで、無用な衝突を避けられます。
もちろん、すべてを我慢する必要はありません。あまりに理不尽な言動が続く場合は、距離を保って淡々と対応する、社内外の相談窓口を利用するなど、自分を守る選択肢も持っておきましょう。なお、職場の人間関係は退職理由の上位に挙げられることが多いとされています。それだけ多くの人が悩んでいるテーマだからこそ、上手な距離感は働くうえでの大切なスキルといえそうです。
5. 自分が役職についたときに気をつけたいこと
ここまで「振り回される側」の視点で見てきましたが、この話は明日、自分が役職につく側になったときにも役立ちます。最後に、記事から学べる「偉そうにならないためのポイント」をまとめてみます。
・立場は自分の内面を「拡大」するものだと知っておく
・厳しくなりそうなときは「自分は今、不安なのかもしれない」と一歩引いて見つめる
・役職は与えられた瞬間に完成するものではなく、そこから育っていくものと考える
・「役割を担うこと」と「役割に執着すること(我執)」を区別する
・役割を通じて「学ばせてもらっている」という姿勢を忘れない
役職についてうまくいかないことがあっても、それも含めてすべてが学びであり、成長の過程です。肩書に縛られすぎず、周囲との距離感を大切にできる人こそ、本当の意味で信頼されるリーダーになれるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、日経ビジネスの記事をもとに「役職がつくと、なぜ人は偉そうになるのか」について調べてみました。
ポイントは3つです。
まず、役職や立場は人を作り変えるのではなく、もともとの内面を「拡大」するものだということ。
次に、高圧的な態度の裏には、強さではなく「不安」と「責任」が隠れている場合が多いということ。
そして、相手の言動に振り回されすぎず、背景を踏まえて受け止めつつ、必要なときは距離を保つことが大切だということです。
仏教の「生児現成」の教えのとおり、上司も部下も、役割の中で少しずつ育っていくもの。相手の変化を「人格の変化」と決めつけず、かといってすべてを受け入れるでもなく、ほどよい距離感で付き合っていく
—それが、職場の人間関係を穏やかに保つコツなのかもしれません。
明日からの職場で、少し視点を変えて周りを見てみてはいかがでしょうか。
情熱電力からのお知らせ
今回の記事のテーマは「距離感」でしたが、私たち情熱電力が大切にしているのも、実はお客様との「ちょうどいい距離感」です。長野県松本市を拠点とする地域密着の新電力として、電気のことを専門用語ばかりで難しく語るのではなく、顔の見える距離で、わかりやすくお伝えすることを心がけています。
「オフィスの電気代、これで合っているのかな?」「電力会社の切り替えって面倒じゃないの?」
—そんな素朴な疑問レベルのご相談も大歓迎です。職場の環境を整えることは、働く人の心の余裕にもつながります。
電気まわりのことで気になることがあれば、お気軽にお声がけください。
お問い合わせはこちら
TEL:0263-88-1183
Web:https://jo-epco.co.jp/contact
この記事に関連するページリンク
・日経ビジネス:役職がつくと、なぜ人は偉そうになるのか 仏教に学ぶ距離の取り方
┗ 本記事の元となった、仏教の視点から職場の人間関係を考察した記事が読めます。
・厚生労働省:「あかるい職場応援団」パワーハラスメントとは
┗ 高圧的な言動がパワハラに当たるかどうかの基準や、具体的な対処法・相談窓口が確認できます。
・厚生労働省:「こころの耳」
┗ 働く人のメンタルヘルスに関する情報や、無料の相談窓口の案内が得られます。