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2026.07.31 Fri

薄型太陽光パネルとは?月額4400円リースで進む既存住宅・法人施設の脱炭素化とコスト戦略を解説

 
薄型太陽光発電
 
NIKKEI GX に「薄型太陽光、月4400円からリース 住友不が戸建て改修時」という記事があったので調べてみました。太陽光パネルというと「重い」「工事が大がかり」「古い家には向かない」というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。実際、既存の戸建て住宅では屋根の耐震性やコストがネックとなり、太陽光発電の導入が新築住宅ほど進んでいないのが実情です。今回、住友不動産と東京電力エナジーパートナーが始めた新サービスは、この「導入したくてもできない」という課題に一つの答えを示すものでした。厚さわずか2ミリの樹脂製パネルを接着剤で貼り付けるだけという新しい発想は、住宅だけでなく法人が保有する賃貸住宅や社員寮、店舗といった建物の脱炭素化を考えるうえでも参考になりそうです。今回はこのニュースを切り口に、業界の動きを整理してみたいと思います。
 


 
目次

 


 

1. なぜ今、既存住宅・法人施設向けの太陽光導入が注目されるのか

政府は2030年度までに新築戸建て住宅の6割に太陽光発電設備を設置する目標を掲げています。東京都も2025年度から、一定規模以上のハウスメーカー約50社を対象に、新築戸建てへの太陽光設備の設置を義務化しました。
 
こうした動きもあり、新築住宅では太陽光パネルの導入率がすでに7割に達しているとされています。一方で、既存の住宅や建物では話が変わってきます。環境省の調査によると、2023年度時点で戸建て住宅全体における太陽光発電設備の導入比率は11.7%にとどまります。2021年以降に建てられた住宅では18.6%まで進んでいるのに対し、2005年以前の建物では10%未満という状況です。
 
なぜこれほど差が出るのでしょうか。理由はシンプルで、古い建物ほど屋根の耐震性や材質がパネル設置に適さないケースが多く、設置のためには耐震補強や屋根材の交換といった追加工事が必要になりがちだからです。結果として初期費用がふくらみ、補助制度があっても二の足を踏む所有者が少なくありませんでした。
 
これは戸建て住宅に限った話ではありません。法人が保有する賃貸住宅や社員寮、店舗、倉庫といった既存建物でも事情は同じです。「屋根の条件が合わない」「工事費が見合わない」という理由で、再生可能エネルギーの導入を見送ってきた企業も多いのではないでしょうか。今回取り上げる薄型太陽光パネルは、まさにこの「既存建物の壁」に風穴を開ける技術として注目されています。
 


 

2. 薄型太陽光パネルとガラス製パネルの違いを徹底比較

住友不動産と東京電力エナジーパートナーが採用したのは、表面が樹脂製でできた薄型太陽光パネルです。厚さはわずか2ミリメートル、手に取るとしなるほどの柔軟性があるといいます。従来のガラス製パネルとは何が違うのか、具体的な数値で見ていきましょう。
 
 

重さと発電効率の違い

もっとも大きな違いは重さです。薄型パネルは1平方メートルあたり約2.5キログラムしかなく、架台を含めて約15キログラムになるガラス製パネルの6分の1程度に収まります。大人ひとりでも持ち上げられる軽さで、屋根への負担を大幅に減らせるのが特長です。
 
一方、発電効率やパネルのサイズはガラス製とほぼ同等とされています。日本経済新聞の記事によれば、薄型パネルの電気への変換効率は21.69%、従来のガラス製パネルは約20%と、数値のうえでは薄型パネルがむしろ上回っています。「軽い分、発電性能も落ちるのでは」という懸念は当てはまらないようです。
 
下記に主な違いをまとめました。
 

比較項目 薄型パネル(樹脂製) 従来のパネル(ガラス製)
重さ(1平方メートルあたり) 2.5キログラム 約15キログラム(架台含む)
電気への変換効率 21.69% 約20%
施工法 接着剤で貼り付け 穴を開けて架台をボルトで固定
初期工事費 約80万円(屋根の高耐久塗装など) 約170万円(耐震補強や屋根材の交換など)

(出典:NIKKIEI GX「薄型太陽光、月4400円からリース 住友不が戸建て改修時」)
 
 

施工方法とコストの違い

薄型パネルは薄くて軽いという特長を生かし、屋根に接着剤で直接貼り付ける工法を採用しています。ガラス製パネルのように屋根へ穴を開けてボルトで固定する必要がないため、耐震補強や屋根材の重ね張り・交換も不要になるのがポイントです。
 
その結果、初期工事費は薄型パネルが約80万円程度であるのに対し、ガラス製パネルは耐震補強や屋根材交換を含めて約170万円ほどかかるとされています。製品自体の価格はガラス製の約3倍とされていますが、工事費を含めたトータルコストでは薄型パネルの方が抑えられる計算です。
 
また、設置場所の制約が少ないことも見逃せません。従来のガラス製パネルは反射光が近隣住宅に与える影響から北面への設置が難しいとされてきましたが、薄型パネルはこうした制約を受けにくく、屋根への設置量を最大化しやすいという特長があります。セメント製や金属製など、幅広い屋根材にも対応するとのことです。
 


 

3. 住友不動産×東京電力EPが始めた新リースサービスの仕組み

住友不動産と東京電力エナジーパートナーは、戸建てリフォームサービス「新築そっくりさん」で改修する首都圏の住宅を対象に、薄型太陽光パネルと蓄電池を導入できる新サービスを始めました。特徴を整理すると、次のようになります。
 
・初期費用はかからず、東京の場合は製品代・設置費用を含めて月額4,400円(15年契約)のリース料で利用できる
・新築向けやパネル単体での販売は行わない、リフォーム時限定のサービス
・15年間の契約期間終了後は、パネルと蓄電池を無償で顧客に譲渡する
・住友不動産は年間7,000棟規模の戸建てリフォームを手掛けており、新サービスはその3割弱にあたる1,800棟への導入を目指す
 
CO2削減効果についても具体的な試算が示されています。2階建て・延べ床面積99平方メートルの一般的な木造住宅に、出力5.88kWの薄型太陽光パネルと7.7kWhの蓄電池を導入した場合、年間約7000kWhの発電量が見込まれるとのことです。
 
通常の電力を使った場合と比べると、1戸あたり年間2.96トンのCO2削減効果になるとされています。これは環境省が試算する1世帯あたり年間約2.5トンの排出量を上回る水準で、実質的な排出をゼロにする「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)」を実現できる計算です。自家発電による電気代の削減効果と余剰電力の売電収入を合わせると、東京都内では月額利用料を差し引いても年間最大17万円ほどの収入が期待できるといいます。
 
なお、両社は2025年8月から2026年3月にかけて、木造2階建てのモデルハウスで薄型太陽光パネルの実証実験を実施しました。屋根からはがれたり樹脂が劣化したりする問題は確認されず、北面に設置した場合でも一定の発電性能と低反射性を確保できたと報告されています。
 


 

4. 法人・不動産オーナーにとっての脱炭素化とコストメリット

ここまでは戸建て住宅向けのサービスを見てきましたが、法人の不動産オーナーや施設管理担当の方にとっても、示唆に富む内容ではないでしょうか。
 
賃貸住宅や社員寮、店舗、倉庫といった既存建物を多く保有する企業にとって、太陽光発電の導入を阻んできた最大の要因は「屋根の条件」と「初期工事費」でした。耐震補強や屋根材の交換が必要になると、投資回収の見通しが立てにくくなり、稟議が通りにくいという声もよく聞かれます。
 
薄型パネルのようにリース方式・接着工法で導入できる選択肢が広がれば、大規模な改修工事を伴わずに再生可能エネルギー設備を導入できる可能性が高まります。初期投資を抑えながら段階的に脱炭素化を進められる点は、ESG経営や脱炭素経営を掲げる企業にとって検討材料になり得るでしょう。
 
また、国内のエネルギー消費量の約3割を住宅・建築物が占めるとされていることを踏まえると、既存建物の省エネ・創エネ対策は社会全体の脱炭素化に直結するテーマです。自社の建物における電力使用の実態を見直すことは、コスト削減だけでなく、取引先や従業員に対する環境配慮の姿勢を示すことにもつながります。
 
もちろん、薄型パネルが自社物件にそのまま適用できるかどうかは、屋根の材質や建物の条件によって異なります。まずは自社の電力使用状況やコスト構造を把握したうえで、どのような選択肢があるのかを整理することが第一歩になりそうです。
 


 

5. 中小企業でもできる電気代削減・脱炭素化のヒント

太陽光パネルの設置は脱炭素化に向けた有力な手段ですが、すべての企業がすぐに導入できるわけではありません。屋根の条件や予算の都合で難しいケースも多いでしょう。
 
そうした場合でも、電力の使い方や契約プランを見直すことで、電気代の削減や脱炭素化に近づく方法はあります。例えば、事業内容や電力使用パターンに合わせた料金プランへの切り替え、再生可能エネルギー由来の電力メニューの活用などは、大がかりな設備投資をしなくても取り組める選択肢です。
 
太陽光パネルの導入を検討する企業も、当面は見送る企業も、まずは自社の電力コストの内訳を「見える化」することが出発点になります。今回ご紹介した薄型太陽光パネルのような新しい選択肢が広がっていく中で、自社にとって最適なエネルギー戦略を考えるきっかけにしていただければと思います。
 


 
まとめ
住友不動産と東京電力エナジーパートナーが始めた薄型太陽光パネルのリースサービスは、厚さ2ミリの樹脂製パネルを接着剤で貼り付けることで、重さを従来のガラス製パネルの6分の1に抑え、初期工事費もほぼ半減させた点が大きな特徴です。発電効率はガラス製と同等以上とされ、耐震補強や屋根材交換が不要になることで、これまで太陽光導入のハードルが高かった既存住宅への普及を後押しする可能性があります。この動きは戸建て住宅に限らず、法人が保有する賃貸住宅や社員寮といった既存建物の脱炭素化を考えるうえでも参考になる事例といえるでしょう。設備投資がすぐには難しい場合でも、電力契約の見直しなど取り組める選択肢は他にもあります。自社に合った脱炭素化・コスト削減の方法を、この機会に一度整理してみてはいかがでしょうか。
 


 
情熱電力からのお知らせ
今回ご紹介したような設備投資を伴う脱炭素化だけでなく、「まずは電気代の内訳を見直したい」「自社に合った料金プランを知りたい」という法人のお客様も多いのではないでしょうか。情熱電力は長野県松本市を拠点に、地域に根ざした新電力サービスを提供している電力会社です。難しい専門用語をできるだけ使わず、わかりやすい説明を心がけながら、お客様との距離の近さを大切にしています。電気代やエネルギーコストについて気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
 
TEL:0263-88-1183
お問い合わせ:https://jo-epco.co.jp/contact
 
 
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・NIKKEI GX:薄型太陽光、月4400円からリース 住友不が戸建て改修時
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