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2026.06.26 Fri

政府が370兆円投資計画を発表!エネルギー・電力業界への影響と私たちの暮らしへの波及効果とは

 
日本の国会議事堂 日本政府
 
気になる記事を見つけたので、調べてみました。
2026年6月24日、高市早苗首相が「日本成長戦略」の概要を発表しました。その目玉は、AI・半導体・エネルギーなど17の戦略分野に、2040年度までの15年間で官民合わせて370兆円超を投資するという、壮大な計画です。
「370兆円」と聞いても、なかなかピンとこないかもしれません。これは2025年の日本の名目GDPのおよそ56%にあたる規模。国全体の経済活動の半年分以上を、特定の成長分野に集中投下するというイメージです。
電力の小売業者として、私たち情熱電力が特に注目したのは「資源・エネルギー安全保障・GX(グリーントランスフォーメーション)」という分野が戦略の柱のひとつに位置づけられていること。この計画は私たちの電気料金や地域のエネルギー事情にも、じわじわと影響してくる可能性があります。今回はその中身と課題を、できるだけわかりやすく整理してみました。
 


 
目次

1. 日本成長戦略とは?370兆円投資計画の全体像

17の戦略分野一覧

投資の規模感をもう少し具体的に

2. エネルギー・GX分野は何が変わる?

3. 電力ユーザーへの影響は?料金や供給面での変化を考える

4. 計画の課題と専門家の見方

5. 地方・中小企業にとってのチャンスとリスク

6. まとめ

 


 

1. 日本成長戦略とは?370兆円投資計画の全体像

2026年6月24日、政府は「日本成長戦略」の案を公表しました(出典:首相官邸・内閣府、2026年6月24日)。この戦略は、長年続いてきた「コストカット型経済」から脱却し、積極的な投資によって成長型経済へと転換することを目標に掲げています。
 

17の戦略分野一覧

政府が重点投資の対象として指定した17分野は以下のとおりです。

No. 戦略分野 代表的な投資対象(例)
1 AI・半導体 フィジカルAI、データセンター、半導体製造
2 造船 国内造船拠点の強化
3 量子 量子コンピュータ関連技術
4 合成生物学・バイオ バイオ素材・食品
5 航空・宇宙 小型衛星、ロケット
6 デジタル・サイバーセキュリティ 国産クラウド、セキュリティ基盤
7 コンテンツ ゲーム、アニメ、映像
8 フードテック 代替タンパク、スマート農業
9 資源・エネルギー安全保障・GX 再エネ、蓄電池、脱炭素技術
10 防災・国土強靱化 インフラ強化、気象対策
11 創薬・先端医療 新薬開発、医療DX
12 フュージョンエネルギー(核融合) 核融合炉研究
13 マテリアル(重要鉱物・部素材) レアメタル確保、素材技術
14 港湾ロジスティクス 港湾自動化、物流効率化
15 防衛産業 防衛装備品の国産化
16 情報通信 5G/6G、光通信インフラ
17 海洋 海洋資源開発、洋上風力

(出典:NRI 木内登英氏コラム・NHKニュース 2026年6月18日をもとに情熱電力が整理)
エネルギー関連では第9分野「資源・エネルギー安全保障・GX」だけでなく、第12分野「フュージョンエネルギー」、第17分野「海洋(洋上風力)」など、複数の分野が電力・エネルギーに深く関わっています。
 
 

投資の規模感をもう少し具体的に

成長戦略案では、17分野の中の「主要な製品・技術等」62項目について、2040年度までの15年間累計の投資見込み額が示されています(出典:ロイター 2026年6月24日)。たとえば——
 
・AIを使ったフィジカルAI:2040年度までに10.5兆円
・半導体:68兆円
・クラウド・データセンター・蓄電池:2035年度までに32.7兆円
・ゲーム(コンテンツ):2033年度までに24.5兆円
 
蓄電池がデータセンターと同じ項目にまとめられているあたりに、電力インフラとデジタルインフラの一体化という時代の流れが見えますね。
 


 

2. エネルギー・GX分野は何が変わる?

第9分野「資源・エネルギー安全保障・GX」の柱は大きく2つです。
 
① エネルギーの国産・自給化
ロシアのウクライナ侵攻以降、エネルギーの輸入依存リスクが世界的に改めて注目されています。日本もエネルギーの多くを輸入に頼っており、政府は再生可能エネルギー(再エネ)や国内資源の開発を加速させることで、輸入依存度を下げたい考えです。
 
② GX(グリーントランスフォーメーション)の加速
2050年カーボンニュートラル目標の達成に向け、太陽光・風力・水素・蓄電池といった脱炭素技術への投資拡大が見込まれます。洋上風力については「海洋」分野(第17分野)とも連動しており、長野県のような内陸部でも、電力の調達先や価格に間接的な影響が出てくる可能性があります。
 


 

3. 電力ユーザーへの影響は?料金や供給面での変化を考える

「370兆円の投資計画が発表された。それで自分の電気代はどうなるの?」
これが一番気になるところですよね。現時点では不確実な部分が多いのですが、いくつかの方向性を整理してみました。
 

項目 考えられる影響 時間軸(目安)
再エネ普及 再エネ普及で電力調達コストが低下する可能性 中〜長期(5〜15年)
蓄電池普及 需給調整が容易になり、価格変動リスクが低減 中期(5〜10年)
国内設備投資増 工事・設備コストが電力料金に転嫁されるケースも 短〜中期(〜5年)
つなぎ国債発行 財政悪化が続けば、将来的な税・負担増のリスク 長期(10〜20年)

「良いことずくめ」ではないのが正直なところです。中長期的には電力コストの低減に貢献する可能性がありますが、短期的には投資コストの増加が価格に影響する可能性もゼロではありません。こまめに情報をチェックしておくことが大切です。
 


 

4. 計画の課題と専門家の見方

この成長戦略について、専門家からはさまざまな意見が出ています。
 
「実現性に疑問」との声も
野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは、「試算通りに民間投資が増えなければ、この成長軌道は絵に描いた餅に終わる」と指摘しています(出典:NRI 木内登英コラム 2026年6月19日)。
また日本経済新聞(2026年6月24日)によれば、内閣府も自ら「不確実性を伴うため相当な幅を持って理解される必要がある」と注記しています。過去15年の実質成長率は年平均0.7%にとどまっており、アベノミクス期を含む財政拡大局面でも想定通りの成長は実現しませんでした。
 
「分野を絞るべき」との意見
野村総研のコラムでは、17分野という対象の広さについて「優先順位が不明確になり、広くて浅い支援に終わるおそれがある」とも指摘されています。
 
「重要な政策転換」と歓迎する声も
一方、明治大学の飯田泰之教授は「国内の製造拠点を回復し、成長につなげる重要な政策転換だ」と評価しています(出典:日本経済新聞 2026年6月24日)。
いずれの意見も一理あります。政府が積極的に産業育成に乗り出すこと自体は多くの国で行われている手法ですが、計画の規模が大きいだけに「絵に描いた餅」で終わらないよう、実行段階での検証が重要です。
 


 

5. 地方・中小企業にとってのチャンスとリスク

長野県松本市を拠点とする私たち情熱電力の視点で考えると、この成長戦略は「地方にどんな影響があるか」がとても気になるポイントです。
 
チャンスとして考えられること
・再エネ・蓄電池への投資拡大により、地方の太陽光・小水力発電事業者への資金流入が期待される
・防災・国土強靱化(第10分野)への投資は、長野県のような自然災害リスクの高い地域のインフラ強化につながる可能性がある
・GX関連の補助金・融資制度の拡充により、省エネ設備導入のハードルが下がるかもしれない
 
リスクとして意識しておきたいこと
・大企業・都市部中心の投資になると、地方中小企業への恩恵は限定的になる可能性
・人手不足が深刻な地方では「投資してもやる人がいない」問題が顕在化するおそれ(実際、ある造船会社トップも「正直、厳しい」と述べています/出典:日本経済新聞 2026年6月24日)
・政府の財政悪化が続く場合、将来的な電力関連補助金の縮小リスク
 
地方にいるからこそ、国の大きな計画に振り回されず、自分たちの地域の実情に合ったエネルギー選択をしていくことが大切だと感じています。
 


 

6. まとめ

政府が発表した「日本成長戦略」は、17分野・370兆円超という前例のない規模の官民投資計画です。エネルギー・GX分野も重点項目に含まれており、再エネや蓄電池の普及加速が期待されます。ただし専門家からは実現性への疑問も多く、財政への影響も注視が必要です。私たちも引き続き情報をお伝えしていきます。
 


 

情熱電力からのお知らせ

国のエネルギー政策が動くなか、「今の電力プランのままでいいのかな?」と感じている方もいらっしゃるかもしれません。情熱電力では、ご家庭・法人のお客様それぞれの状況に合った電力プランをご提案しています。難しい制度の話も、できるだけわかりやすくお伝えするよう心がけていますので、気になることがあればお気軽にご相談ください。
 
TEL:0263-88-1183
お問い合わせフォーム:https://jo-epco.co.jp/contact/
 
 

<この記事に関連するページリンク

1. 内閣官房:日本成長戦略本部/日本成長戦略会議 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/index.html
 ┗ 内閣府公式サイト。成長戦略の最新資料はこちらから確認できます。
2. 資源エネルギー庁:「エネルギー基本計画」 https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/
 ┗ 日本のエネルギー政策の方向性を示す基本文書
3. 経済産業省:GX https://www.meti.go.jp/policy/energy_environment/global_warming/index.html
 ┗ 日本のエネルギーの安定供給・経済成長・排出削減の同時実現を目指す「GX」について
4. NHK:「2040年度までの17分野の官民投資額 370兆円規模を想定」(2026年6月18日) https://www3.nhk.or.jp/
 ┗ 今回の成長戦略報道の元となったNHKニュース