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2026.06.23 Tue

中東危機がもたらす世界の電気料金高騰と、2026年秋以降に懸念される日本への影響とリスク

 
LNG 輸送船
 
中東危機の電気料金への影響について気になる記事があったので調べてみました。2026年2月に発生した中東での衝突とホルムズ海峡の事実上の封鎖は、戦闘終結の合意により原油価格こそ下落局面に入ったものの、世界のエネルギー市場に大きな影響を残しています。特に化石燃料への依存度が高い国々では、電気料金の劇的な高騰が現実のものとなりました。一見すると影響が軽微に見える現在の日本ですが、実は「タイムラグ」があるだけで、深刻な値上がりの波が足元まで迫っています。本記事では、国内外の最新データをもとに中東情勢と電気料金の因果関係を紐解き、これから日本が直面するエネルギーリスクと、今から意識すべき注意点について詳しく解説します。
 


 

1. 中東危機で明暗が分かれた欧州の電気料金

2026年4月の世界各国の家庭向け電気料金(前年同月比)を比較すると、エネルギーを何に依存しているか(電源構成)によって、各国の命運がはっきりと分かれました。
 

高騰が目立つ「化石燃料依存国」

もっとも深刻な影響を受けたのは、電源構成において化石燃料の割合が高い東欧諸国です。
 
・ルーマニア:電気料金が 77%上昇(化石燃料比率:約4割)
・ポーランド:電気料金が 20%上昇(化石燃料比率:7割)
 
また、ガス火力発電が4割を占めるイタリアやアイルランドでも家庭向けが6%以上値上がりし、イタリアの卸売り価格にいたっては2割強も上昇しています。
 
 

危機を乗り切った「再エネ・原発大国」

一方で、化石燃料相場が上がっても、電気料金が下がった、あるいは維持された国もあります。
 
・デンマーク:28%低下(再エネ比率5割超、補助金影響含む)
・スペイン:8%低下(再エネ比率5割超)
・フランス:ほぼ横ばい(原子力発電が約7割)
 
2022年のロシアによるウクライナ侵略を機に、欧州各国が電源構成や資源調達の依存先を見直してきた成果が、今回の地政学リスクにおいて防波堤となりました。
 


 

2. 日本への影響は「これから」本格化する

日本の2026年4月の家庭向け電気料金は、前年同月比で 3.2%下がっています。しかし、これで「日本は安心だ」と判断するのは禁物です。足元で値上がりしていないのには、日本の調達構造特有の「2つの理由」があります。
 
 

なぜ今、日本の電気代は上がっていないのか?

 

1. 長期契約のタイムラグ(4〜8カ月)

日本が輸入するLNG(液化天然ガス)の多くは原油価格に連動する長期契約です。原油価格の変動が実際の輸入価格に反映されるまでには4〜8カ月間のズレがあります。
 

2. 燃料費調整制度

燃料価格の変動を自動で電気料金に反映する仕組みをとっているため、2月末の中東危機のインパクトはまだ一般の電気料金に本格化していません。
 
 

2026年9月、そして2027年冬にやってくる値上げの波

タイムラグが小さい電力卸売価格を見ると、2026年4月時点で前年同月比 36%も上昇しています。
専門機関(電力中央研究所)の試算によると、早ければ 2026年9月にもLNG高騰が電気代に反映され始め、2027年2月の電気代は、2025年12月と同じ使用量で比較した場合に 全国平均で7%程度上がる可能性 があります。
 
日本の2025年の電源構成は、火力発電が6割(LNG31%、石炭27%) を占めており、先進国の中でも化石燃料への依存度が極めて高い状態です。今後、この脆弱性が浮き彫りになるのは避けられません。
 


 

3. 国内の大きな地域格差と、将来の供給不安

さらに、日本国内でも「どの地域の電力を契約しているか」で大きな格差が生じています。
 

2026年6月の国内電気料金の差(平均的な家庭)

 
・北海道電力:9,533円
・東京電力:8,823円
・関西電力:7,843円
・九州電力:7,606円
最大で 1,900円以上の開き があります。これは、震災後に原子力発電所の再稼働が早期に進んだ地域(関西・九州)ほど、電気料金を低く抑えられているためです。
 
また、将来的なリスクとして、経済産業省の試算では 2029年度に東京・東北エリアで10年に1度の猛暑となった場合、供給余力(予備率)が最低ラインの3%を下回る可能性 が指摘されています。世界的なAI投資に伴うデータセンターの激増も、今後の電力逼迫に拍車をかける要因として懸念されています。
 


 

4. まとめ:企業も家庭も「エネルギーの自給」を意識する時代へ

中東危機が浮き彫りにしたのは、「化石燃料に依存し続けることのリスク」 です。調達を海外の化石燃料に頼っている以上、地球の裏側の紛争一つで私たちの生活や経営基盤が脅かされてしまいます。
 
政府は2040年度までに再生可能エネルギーの比率を4〜5割に高め、原発の建て替えを進める方針を打ち出していますが、国任せにするだけでなく、私たち自身も対策を打つ必要があります。企業にとっては、安定的かつ地政学リスクに強い電力をいかに確保するかが、今後の生存戦略に直結するでしょう。
 


 

情熱電力からのお知らせ

地政学リスクに左右されない、安定した経営と確かな未来のために。
 
私たち「情熱電力」は、化石燃料の価格高騰リスクに脅かされない、持続可能なエネルギーの普及に全力を尽くしています。今後、2026年秋から冬にかけて予測される電気料金の値上げに対抗するためには、エネルギーの「消費」を抑える省エネ対策に加え、太陽光発電などを活用した「自社でのエネルギー創出(自家消費)」へのシフトが極めて有効な防衛策となります。
 
「今後の電気代上昇へのリスクヘッジをしたい」「自社の脱炭素化を進め、グローバルなサプライチェーンで選ばれる企業になりたい」とお考えの経営者様・ご担当者様。現在の電力契約の見直しから、再エネ導入のシミュレーションまで、情熱電力が伴走いたします。迫りくるエネルギー危機に先手を打つために、まずはお気軽にご相談ください。
 
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この記事に関連するページリンク
・経済産業省 資源エネルギー庁:https://www.enecho.meti.go.jp/
 ┗ 日本のエネルギー政策、日本の電源構成の現状、燃料費調整制度などの最新動向が確認できます。
 
・電力広域的運営推進機関(OCCTO):https://www.occto.or.jp/
 ┗ 日本国内の各エリアにおける電力需給見通しや、供給予備率に関する詳細なデータ・報告書が公開されています。