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2026.01.12 Mon

資源制約なし!市場規模1.3兆円へ急成長?中国独走の「ナトリウムイオン電池」と日本の現在地

 
ナトリウムイオン電池
 
ナトリウムイオン電池に関する記事があったので調べてみました。 皆さんは「ナトリウムイオン電池」という言葉を耳にしたことがありますか?今、世界のエネルギー業界で、この新しい電池が熱い視線を集めています。きっかけは、深まる米中対立や資源ナショナリズムの台頭です。リチウムやコバルトといったレアメタルの供給不安が高まる中、海水や岩塩から無尽蔵に取れる「ナトリウム」を原料とするこの電池は、まさにエネルギー安全保障の切り札と言えるでしょう。
特に注目すべきは、その市場予測です。2045年には現在の200倍以上、1兆円規模の巨大市場になると予測されています。しかし、その開発競争の最前線では、かつて技術大国と言われた日本が苦戦を強いられているという現実も……。今回は、次世代電池の有力候補「ナトリウムイオン電池」の最新動向と、日本と中国の熾烈な開発競争について、データを交えながら解説します。
 


 
■なぜ今、「ナトリウムイオン電池」が注目されるのか?
現在、EV(電気自動車)やスマホに広く使われているリチウムイオン電池。しかし、これには深刻な課題があります。それは、主要材料であるリチウムやコバルトなどのレアメタル(希少金属)の精製シェアの約7割を中国が握っているという「供給リスク」です。
記事によると、米中関係の変化によってレアアースなどの輸出規制が現実味を帯びており、資源を持たない日本にとって代替技術の確立は急務となっています。そこで白羽の矢が立ったのが「ナトリウムイオン電池」です。
 
【ナトリウムイオン電池のメリット】
・原料が無尽蔵: 海水や地中の塩化ナトリウム(食塩)が原料のため、資源枯渇の心配がほぼない。
・低コスト: 銅の代わりに安価なアルミニウムを使用できるなどで、材料費を3~4割カット可能。
・低温に強い: マイナス40度の極寒環境でも稼働する。
・高い安全性: 電圧が低めで発火リスクなどが低い。
 
■2045年には1兆3000億円市場へ爆発的成長
この技術への期待値は、市場予測データにも明確に表れています。 富士経済の調査によると、ナトリウムイオン電池の市場規模は以下の通り推移すると予測されています。
 
・2024年推計:約60億円
・2045年予測:約1兆3000億円
 
なんと、今後20年あまりで200倍以上に膨れ上がると見られているのです。量産化が進めば、価格面でもリチウムイオン電池を下回る可能性が高いとされており、まさに「次世代のスタンダード」になり得るポテンシャルを秘めています。
 
■技術で先行した日本、量産で独走する中国
しかし、日本の業界関係者にとっては、この状況は手放しで喜べるものではありません。実は、ナトリウムイオン電池の基礎研究で世界をリードしてきたのは日本でした。東京理科大学の駒場慎一教授は2009年の時点で、充放電の耐久性を高めることに成功しています。
ところが、現在ビジネスとして市場を席巻しているのは中国勢です。
・CATL(寧徳時代新能源科技): 車載電池最大手。新ブランド「Naxtra(ナクストラ)」の量産を開始。エネルギー密度は1kgあたり175キロワット時を実現し、リチウムイオン電池に匹敵する性能を誇る。
・BYD(比亜迪): 2027年に全固体ナトリウムイオン電池を搭載したEVを投入計画。
一方で日本勢は、エレコムがモバイルバッテリーを発売したり、日本電気硝子が全固体型のサンプル出荷を行ったりしているものの、大規模な量産・実用化という点では中国の後塵を拝しているのが現状です。「学術研究で先行していた日本だが、市場では中国が先行している」という駒場教授の言葉には、日本のモノづくりの課題が凝縮されているように感じます。
 
まとめ
「資源の制約がない」という圧倒的な強みを持つナトリウムイオン電池。経済安全保障の観点からも、今後のエネルギー市場の主役になっていくことは間違いなさそうです。
先行する中国勢に対し、日本企業がいかに「高品質」「全固体化」などの付加価値で巻き返せるか。2027年頃には、EV市場での勢力図がこの新しい電池によって書き換わっているかもしれません。私たちも、単なるスペック競争だけでなく、供給の安定性という視点で技術を見ていく必要がありそうです。
 


 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力では、今回ご紹介したナトリウムイオン電池のような最新の蓄電技術の動向を常にウォッチしています。
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
この記事に関連するページ
・JOGMEC(独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構) 鉱物資源の動向やレアメタルに関する基礎情報が掲載されています。
・環境省「脱炭素ポータル」 蓄電池を含めた脱炭素技術全般の取り組みが紹介されています。