お知らせ

INFO

2026.04.14 Tue

ホルムズ海峡封鎖の衝撃。米国の「最大圧力」が日本の電力価格を押し上げる理由と現状

 
解説します!
 
なぜ??なぜアメリカがホルムズ海峡を封鎖すると発表をしたのか調べてみました。事の発端は2026年4月12日、トランプ米大統領によるSNSでの「米海軍が海峡の封鎖手続きを開始する」という宣言です。世界最強の軍事力を用いて、イランの港に出入りするすべての船舶を阻止するというこの異例の決断は、世界中に衝撃を与えました。

これまで米国は、原油価格の安定を優先してイランのタンカー通航をある程度黙認してきましたが、ここへ来て方針を「オール・オア・ナッシング(すべてか無か)」へと転換させました。この決断の裏には、イランとの外交交渉の決裂と、戦費調達を阻止するための経済的包囲網という、極めて深刻な背景があります。

しかし、この遠く離れた地での「封鎖」は、すでに日本のエネルギー市場を静かに、確実に蝕み始めています。特に火力発電に頼る東京や中部エリアでは、卸電力取引所(JEPX)のスポット価格が急騰。新電力の新規受付停止が相次ぐなど、2022年のウクライナ危機を彷彿とさせる事態となっています。今、エネルギー市場で何が起きているのか。その真相と日本への影響を詳しく解説します。
 


 
米国が決断した「封鎖」の真意:交渉決裂と経済の遮断
なぜ米国は、自国のガソリン価格上昇を招くリスクを冒してまで海峡を封鎖するのでしょうか。主要ニュースメディアの分析から、以下の3つの理由が浮かび上がります。
 
「最大圧力」による戦争終結への賭け
パキスタン・イスラマバードで行われた米国とイランの和平交渉が決裂したことが決定打となりました。米国側は「イランが核開発の野心を放棄しなかった」とし、軍事作戦の資金源である石油・ガス輸出を完全に断つことで、イランを交渉の席に引き戻す狙いがあります。
 
「不当な通行料」への対抗措置
現在、イランは海峡を通過するタンカーに対し、1隻あたり最大200万ドル(約3億2000万円)という莫大な「通行料」を課し、それを戦争資金に充てています。米国はこれを「違法な略奪」と断じ、イランが選別的に自国の利益になる船だけを通す現状を打破しようとしています。
 
制裁免除の失敗と方針転換
先月、米国は一時的にイラン産原油の販売を許可しましたが、これが結果としてイランに巨額の利益を与え、西側諸国に対する戦争を継続させる結果を招きました。この「厄介な許可」を反省し、今回は「イランが利益を得るか、さもなくば誰も通さないか」という極めて強硬な姿勢に転じました。
 
 
航行船舶数は激減、実質的な供給不安が続く
米中央軍は「イラン以外の港に向かう船舶の自由は妨げない」としていますが、海域に敷設された機雷のリスクや、米国による船舶捜索の宣言により、民間の海運会社は極めて慎重になっています。
紛争前は1日平均138隻が通過していたホルムズ海峡ですが、直近のデータではわずか19隻程度にまで減少。この物流の滞りが、世界的なエネルギー価格の押し上げ要因となっています。
 


 
日本国内への影響:東京・中部のスポット価格が突出
この情勢を受け、日本の電力市場にも明確な変化が現れています。特に火力発電依存度の高いエリアでは、LNG(液化天然ガス)の供給リスクを敏感に反映し、価格が突出しています。
 

2026年4月1日〜14日 エリア別スポット価格平均
対象エリア 平均価格(1kWhあたり) 市場の動向
東京 21.06 2022年危機以来の高値水準
中部 19.89 火力依存と供給不安が直撃
関西 15.02 相対的に落ち着いた推移

※出典:日本卸電力取引所(JEPX)公開データを基に作成

東京や中部では、3月末に大手電力会社間の相対契約が一部終了したタイミングとも重なり、スポット市場での調達ニーズが増大。価格が変動しやすい不安定な状況が続いています。
 
 
新電力の新規受付停止が相次ぐ「電力難民」の足音
卸市場の急騰は、小売電気事業者の経営を直撃しています。
すでにENEOS Power、東京ガス、イーレックス子会社、U-POWERといった大手を含む新電力が、企業向けの新規受付を停止したと報じられています。JEPXのシステムプライスが2月の平均から2倍以上に跳ね上がったことで、逆ざや(仕入れ値が販売価格を上回る)リスクを回避するための苦渋の決断です。

2022年の危機では、契約先を失った「電力難民」が4万件を超え、割高な「最終保障供給」を余儀なくされる企業が続出しました。現在の状況は、その再来となる可能性を十分に孕んでいます。
 
 
まとめ
トランプ政権によるホルムズ海峡封鎖は、イランへの圧力を最大化するための「劇薬」です。しかし、その副作用はエネルギーの8割以上を中東に依存する日本にとって、非常に重いものとなっています。

JEPXのスポット価格上昇は、数ヶ月のタイムラグを経て、燃料調達調整費額や市場連動型プランの請求額として、私たちの元に届きます。電気代が高騰してからでは、新電力の固定プランへの切り替えという選択肢すら選べない(受付停止のため)可能性があります。今、自社の契約内容が市場変動にどう影響されるのか、改めて点検が必要です。
 


 
情熱電力からのお知らせ
中東情勢の緊迫化に伴い、電力コストの見通しが立てづらい状況が続いています。

特に「市場連動型」の契約を結んでいる法人様においては、4月以降の電力単価が想定を大きく上回るリスクがあります。情熱電力では、最新の市場データに基づいたコストシミュレーションや、リスク回避のためのプランのご提案を行っております。

電気料金は「後払い」のため、高騰に気づいた時には大きな損失を被っているケースが少なくありません。現状の契約に不安を感じている方は、ぜひお早めにご相談ください。
※ JEPX公式サイト等でも翌日の取引価格をやこれまでの価格推移をご確認いただけます。
 
株式会社情熱電力へのお問い合わせは こちらからお願いします。
 
この記事に関連する情熱電力の記事
米国・イラン停戦後のホルムズ海峡情勢と国内電力取引価格高騰の現状について
中東情勢がもたらす電力・ガスの安定供給への懸念|2026年度の燃料調達見通しと最新の政策対応を解説
 
・日本卸電力取引所(JEPX):TOPページ →右上の電力取引 →市場情報からご確認いただけます。