お知らせ

INFO

2026.09.20 Sun

【気象庁3か月予報】この冬は暖冬?10〜12月・寒候期予報の確率と電気代への影響を解説

 
お天気解説
 
以前『エルニーニョ現象とは?観測史上最強級の予測と、この秋冬の天気・電気代への影響を解説します』でも触れましたが、その後、気象庁から具体的な数字が出てきました。2026年9月18日、10月から12月までの3か月予報と、12月から2月を対象にした寒候期予報が同時に発表されています。
 
前回の記事でお伝えできたのは、「エルニーニョの年は統計的にこういう傾向になりやすい」というところまででしたが、今回は、気温が高くなる確率は何%なのか、雪はどうなるのか、月ごとにどう変わっていくのか。気象庁が確率という形で示した数字が、ひととおり揃いました。
 
結論から言うと、この秋から冬は暖かくなる見込みです。ただ、「暖冬なら電気代も安く済むはず」と思って構えていると、あてが外れるかもしれません。予報の中身と、そこから読み取れる電気の話を、順番に整理していきますね。
 


 
目次

 


 

1. 気象庁が9月18日に発表した2つの予報とは?

 
まず、今回発表されたものを整理しておきますね。同じ日に、性格の違う2つの予報が出ています。
 
・3か月予報(2026年10月〜12月)……毎月1回発表される、向こう3か月の見通し。次回は10月20日発表予定
・寒候期予報(2026年12月〜2027年2月)……冬のひと季節をまとめて見通す予報。年に1回、9月の3か月予報と同時に発表される
 
寒候期予報は年1回きりの発表なので、「この冬はどうなりそうか」をいちばん早く、まとまった形で知れる資料ということになります。冬支度の計画を立てるには、ちょうどいいタイミングですよね。
 
ここで、季節予報の読み方をひとつだけ押さえておきましょう。季節予報は「暖冬です」と言い切る予報ではなく、「低い(少ない)」「平年並」「高い(多い)」の3つに分かれる確率で示されます。3つの合計が100%になる形です。
 
たとえば「低い10:平年並40:高い50」なら、平年より高くなる可能性が5割、という意味になります。気象庁は、高い(多い)確率が50%以上のときに「高い(多い)見込み」、「20:40:40」のときに「平年並か高い(多い)見込み」と表現しています。この言葉づかいを覚えておくと、ニュースの見出しも正確に読めるようになります。ご参考になさってください。
 


 

2. 10月〜12月の3か月予報 気温は全国で「高い」確率50%

 
まず気温です。10月から12月までの3か月平均気温は、北日本・東日本・西日本・沖縄・奄美のすべてで「高い」確率が50%。気象庁の表現では「高い見込み」、つまり全国的に平年より暖かくなる予想です。
 
降水量は地域で分かれます。北日本太平洋側・東日本太平洋側・西日本では「平年並か多い見込み」(平年並40%:多い40%)。北日本日本海側と東日本日本海側、沖縄・奄美は「ほぼ平年並の見込み」です。
 
 

 月別に見ると、変わり目は11月

3か月をひとまとめにすると「暖かい」で終わってしまうのですが、月ごとに見ると様子が変わります。まず気温から。
 

地域 10月 11月 12月 3か月平均
北日本 50% 50% 40% 50%
東日本 50% 50% 50% 50%
西日本 50% 50% 50% 50%
沖縄・奄美 40% 40% 50% 50%

表の数字は、平均気温が平年より「高い」に入る確率です(気象庁「3か月予報(2026年9月18日発表)」より作成)。色を付けた北日本の12月だけ40%で、ここは「平年並40%:高い40%」、つまり「平年並か高い見込み」という表現になります。裏を返すと、12月の北日本は、暖かいと言い切れるほどの材料が揃っていないということですね。
 
次に天気です。気象庁は月別の天候をこう見ています。
 
・10月……北・東日本は数日の周期で変わる。西日本と沖縄・奄美は高気圧に覆われやすく、平年に比べ晴れの日が多い
・11月……北・東日本太平洋側は低気圧の影響を受けやすく、平年に比べ晴れの日が少ない。西日本日本海側も曇りや雨の日が多い
・12月……北・東・西日本太平洋側で、平年に比べ晴れの日が少ない
 
10月がいちばん天気に恵まれて、11月から曇りや雨が増えていく。そういう並びです。降水量でいうと、12月は西日本と沖縄・奄美で「多い」確率が50%まで上がります。
 
 

 関東甲信地方の予報はどうなっている?

もう少し身近な範囲でも見てみましょう。長野県が含まれる関東甲信地方の3か月予報は、次のとおりです。
 
・3か月平均気温……高い確率50%(低い10:平年並40:高い50)
・3か月の降水量……平年並か多い見込み(少ない20:平年並40:多い40)
・10月の天気……数日の周期で変わる。降水量はほぼ平年並
・11月・12月の天気……いずれも「平年に比べ晴れの日が少ない」。降水量はどちらも平年並か多い見込み
 
つまり、10月は比較的動きやすく、11月に入ると曇りや雨が増えていく。屋外の作業や点検を予定しているなら、10月のうちに、という読み方ができます。
 


 

3. この冬(12月〜2月)の寒候期予報 暖冬・少雪の見込み

 
ここからが、年に1回の寒候期予報です。12月から2月までの冬ひと季節が対象になります。
 

地域 平均気温 降水量 降雪量
北日本 日本海側 平年並か高い(40:40) ほぼ平年並 平年並か少ない(40:40)
北日本 太平洋側 平年並か高い(40:40) 平年並か多い(40:40) 予報の対象外
東日本 日本海側 高い 60% ほぼ平年並 少ない 50%
東日本 太平洋側 高い 60% 多い 50% 予報の対象外
西日本 日本海側 高い 60% 多い 50% 少ない 50%
西日本 太平洋側 高い 60% 多い 50% 予報の対象外
沖縄・奄美 高い 70% 多い 50% 予報の対象外

気象庁「寒候期予報(2026年9月18日発表)」より作成。降雪量は日本海側だけの予報で、太平洋側は予報されません。また西日本日本海側の降雪量予報は近畿日本海側と山陰が対象で、九州北部地方は含まれていません。
 
読みどころは2つあります。ひとつは、東日本と西日本の気温が「高い」確率60%と、3か月予報の50%より一段強く出ていること。沖縄・奄美に至っては70%です。もうひとつは、色を付けた東日本太平洋側の降水量が「多い」確率50%になっていること。気温が高く、降水量が多いということは、雪ではなく雨で降る日が増えるという意味でもあります。
 
なお関東甲信地方の寒候期予報は、気温が「高い」確率60%、降水量が「多い」確率50%。降雪量は予報の対象外です。「日本海側は少雪」という見出しをそのまま自分の地域に当てはめると、読み違えてしまうので気をつけてください。
 
 

 「暖冬だから雪は少ない」とは限らない

ここは強調しておきたいところです。気象庁は寒候期予報の解説資料に、近年10年分の冬の実績を載せています。そのうち昨シーズン(2025年12月〜2026年2月)の数字を見てみましょう。
 
平均気温の平年差は、北日本+1.0℃、東日本+0.9℃、西日本+0.9℃、沖縄・奄美+0.5℃。たしかに全国的な暖冬でした。ところが降雪量の平年比は、北日本日本海側96%、東日本日本海側99%と、ほぼ平年どおり。西日本日本海側(九州北部を除く)にいたっては135%で「多い」に分類されています。
 
気象庁自身も、昨シーズンの特徴を「日本付近への寒気の南下が弱く、暖かい空気が流れ込みやすい時期もあったため、全国的に暖冬だが、気温の変動が大きい」「1月を中心に冬型の気圧配置が強まる時期があり、北日本日本海側で多雨」とまとめています。
 
季節の平均値が高くても、その中に強い寒気が入る週は普通にあります。そして雪は、そういう数日に集中して降ります。暖冬予想は「冬支度をしなくていい」という意味ではない、ということですね。
 


 

4. なぜ暖かくなる?エルニーニョ現象と偏西風のしくみ

 
暖冬予想の背景にあるのが、前回の記事でも取り上げたエルニーニョ現象です。その後の状況も更新されているので、あわせてお伝えしますね。
(情熱電力の過去記事:エルニーニョ現象のしくみと判定基準は、こちらで詳しく解説しています
 
気象庁が9月9日に発表したエルニーニョ監視速報(No.408)によると、8月のエルニーニョ監視海域の海面水温は基準値より+3.4℃。8月としては1949年以降でいちばん高かった1997年の+3.0℃を上回りました。今後、冬にかけてエルニーニョ現象が続く見込みは100%とされ、基準値からの差は、これまで最盛期の値が最も高かった1997年12月の+3.6℃に匹敵する見込みだと書かれています。
 
このことが、日本の天気にどうつながるのか。気象庁の季節予報解説資料では、こんな筋道で説明されています。
 
・太平洋赤道域の東部から中部で海面水温が高く、その海域で積乱雲の発生が多くなる
・一方でフィリピン付近では積乱雲の発生が少なくなる
・その結果、上空の偏西風はユーラシア大陸を中心に平年より南を流れやすく、日本付近ではやや南を、しかも弱く流れる
・地球温暖化とエルニーニョ現象の影響で、熱帯域を中心に大気全体の温度が高い
・冬はシベリア高気圧の強さがほぼ平年程度でも、アリューシャン低気圧が西側で弱いため、日本付近の季節風が弱くなる
・フィリピン付近が高気圧になりやすく、南からの暖かく湿った空気が流れ込みやすい
 
寒気を運んでくる季節風が弱く、南から暖かく湿った空気が入りやすい。だから気温は高く、太平洋側では低気圧の影響で曇りや雨が増える。予報の全体像は、この一本の線でつながっています。
 
ただし、ここにも但し書きがあります。気象庁は解説資料の中で、3か月予報も寒候期予報も「主に熱帯域のゆっくりとした海洋変動の大気への影響に基づいて」いて、「中高緯度の大気独自の変動(寒帯前線ジェット気流の蛇行や北極振動等)は予測の不確実性が大きい」と明記しています。
 
つまり、突然の寒波をもたらすタイプの現象は、そもそも季節予報が得意とする範囲の外側にある、ということです。「暖冬予想だったのに大雪になった」が毎年のように起きるのは、このためなんですね。
 


 

5. 暖冬だと電気代は安くなる?見落としやすい3つのポイント

 
さて、ここからは電気の話です。「暖冬なら電気代も下がるだろう」と考えたくなりますが、そう単純ではありません。3つに分けて整理してみます。
 
ひとつめは、使う量の話です。冬の電気使用量は暖房が大きな割合を占めるので、平均気温が高ければ、使用量は下がりやすいと考えられます。ここは素直に期待していい部分です。ただ、前の章で見たとおり、季節の平均が高くても寒波の週はあります。月ごとの請求で見ると、12月と1月で差が大きく出る、という形になりやすいと思います。
 
ふたつめは、単価の話です。電気の単価は天気では決まりません。燃料費調整額は、原油・LNG・石炭の輸入価格をもとに決まる仕組みで、気温とは別の動きをします。暖冬で使用量が減っても、単価が上がれば請求額は思ったほど下がらない、ということが起こりえます。燃料費調整の仕組みは少し複雑なので、別の記事で詳しくまとめています。
(情熱電力の過去記事:燃料費調整の仕組みと上限額については、こちらをご覧ください
 
みっつめは、政府の支援の話です。2026年夏に行われた電気・ガス料金の支援は、9月使用分(10月検針分)が最後になります。10月使用分以降は自動では続きません。この冬の扱いについては、本記事を書いている2026年9月時点で正式な発表はありません。過去には冬にも支援が行われた年がありますが、決まったものとして家計の計算に入れるのは避けたほうが安全です。
 
もうひとつ、おまけに近い話ですが。11月以降は北・東日本太平洋側で「平年に比べ晴れの日が少ない」見込みです。洗濯物が乾きにくければ衣類乾燥の出番が増えますし、太陽光発電を設置されているご家庭や事業所では、自家消費であてにしていた分が目減りする可能性もあります。曇りの多い冬は、電気の使い方が静かに変わります。
 


 

6. 10月から12月にやっておきたい備え

 
予報を知って終わりでは、もったいないですよね。ここまでの内容から、具体的にできることを挙げてみます。
 
・冬タイヤの準備は例年どおりの時期に……少雪の見込みが出ているのは日本海側で、しかも「少ない確率50%」です。裏を返せば半分は違う結果になります。昨シーズンのように、暖冬でも雪が多い地域は出ます
・屋外の点検や準備は10月のうちに……10月は天気の周期変化、11月からは太平洋側で晴れの日が少なくなる見込みです。暖房器具の試運転、灯油タンクや配管の確認、外壁まわりの手当ては、動ける月に
・暖房器具は使う前に一度動かす……シーズン初日に動かなかった、は毎年ある話です。エアコンのフィルター清掃だけでも消費電力は変わります
・洗濯と乾燥の段取りを見直す……曇りや雨の日が増える前提で、乾燥機や除湿機の使い方を決めておくと、慌てて電気を使わずに済みます
・電気の契約内容は需要期の前に確認する……使用量が増えてからでは、比較の判断がしにくくなります
 
暖冬予想は、備えを減らす理由ではなく、備えの順番を決める材料です。そう受け取っていただけたらと思います。
 


 
まとめ
気象庁が2026年9月18日に発表した3か月予報と寒候期予報を見てきました。10月から12月の平均気温は全国で「高い」確率50%。12月から2月の冬は、東・西日本で「高い」確率60%、沖縄・奄美で70%と、さらに強い暖冬予想になっています。日本海側の降雪量は東・西日本で「少ない」確率50%、北日本で「平年並か少ない」見込みです。
 
背景にあるのは、冬にかけて続く見込みが100%とされるエルニーニョ現象です。季節風が弱く、南から暖かく湿った空気が入りやすいため、太平洋側では曇りや雨の日が増える予想になっています。
 
ただ、気象庁自身が「中高緯度の大気独自の変動は予測の不確実性が大きい」と書いているとおり、突然の寒波や大雪は季節予報の外側にあります。昨シーズンも全国的な暖冬でしたが、西日本日本海側の降雪量は平年の135%でした。
 
そして電気代は、天気だけでは決まりません。使用量は減りやすくても、単価は燃料価格に左右されます。夏の料金支援も9月使用分で区切りを迎えます。暖かい冬を期待しつつ、備えは例年どおりに。それが、いちばん損をしない構え方だと思います。
 


 
情熱電力からのお知らせ
冬は一年で電気の使用量が最も増える季節です。「暖冬予想」と聞いても、実際の請求額がどうなるかは、契約している料金メニューや使い方によって変わってきます。
 
情熱電力では、ご家庭・事業所それぞれの使用状況に合わせたご提案をしています。今の契約が自分に合っているのか気になる方、冬の電気代の見通しを立てておきたい方は、お気軽にご相談ください。ご契約いただかなくても構いません。まずは現状を一緒に確認するところからで大丈夫です。
 
TEL 0263-88-1183
お問合せフォーム:https://jo-epco.co.jp/contact
 
 
この記事に関連するページリンク
・ウェザーニュース:気象庁3か月予報 冬の訪れは遅れる可能性 エルニーニョ現象が影響
・気象庁:季節予報(向こう1~3カ月の天気予報)
・気象庁:季節予報技術資料リンク集
・気象庁:エルニーニョ監視速報