避雷針があれば大丈夫?

地球温暖化が「落雷(雷が落ちること)の回数を増やす」と考えられているそうです。
雷は強い上昇気流によって生じる雷雲の中で発生します。
海洋の水面温度が上昇することによって、上昇気流が発生しやすく、その期間も長くなるからだと考えられます。

世界の平均気温が1度上昇するごとに、落雷が約12%増加するそうです。

現代のIT社会においては、電子データの逸失や製造ライン停止など、非常に大きな被害を引き起こしてしまうことがあるようです。
一般的な避雷針は、雷を「誘引して安全に落とす」ことによって、人や建物への直撃を防ぐ仕組みですが、
落雷現象をある一定範囲において「発生させない(近寄せない)」避雷針というものもあるそうです。

しかし、それでも範囲外の配電線や電話線に発生した誘導雷サージは、配線を通じて建物の屋内に侵入してしまうので防ぎきるのは難しいのが現状のようです。

託送料金とは❓

電気がお家やお店まで届くためには、電線や電柱、送電線や鉄塔、変圧設備など様々な設備が必要です。
そうした電気を運ぶための設備費用をまかなうために電気使用者皆で負担するのが「託送料金」です。

託送料金は各地域(管理する大手電力会社10社)ごとに金額が異なりますが、
掛かる「原価」を審査した上で国が認可して決定しています。
託送料金は送配電網を利用する対価なので、
新電力の契約者も大手電力会社の契約者も同じように負担している費用です。
請求書には記載が無いことがほとんどですが、託送料金が含まれた電気料金が設定されているのです。

お客様が直接、一般送電事業者に支払うわけではなく、ご契約の電力会社を通じて「間接的」に支払っているです。
従って、停電など送電システムで何かがあった際は、どこの電力会社にご契約でも
差別なくきちんと対応してもらえますのでご安心ください(*^▽^*)

新電力を選ぶと、停電からの復旧が遅くなる❓❓

「新電力を選ぶと、停電からの復旧が遅くなるんじゃないか?」
と不安に思う方がいらっしゃるようです。
ですが、どの会社と契約しても、復旧が遅れるということはありませんのでご安心ください(*^▽^*)

災害時の停電の原因は、送配電網での事故(電線の切断など)である場合が多いそうです。
この送配電網の部分は自由化後も地域独占の「一般送配電事業者」が管理します。

この「一般送配電事業者」は中立でなければならず、
特定の会社(小売会社)のお客さんだけを優先して復旧させる、といったことのないように、経産省が禁止しています。
したがって、旧地域独占の電力会社だけが停電しにくいとか、停電した時の復旧が早いということはありません。

送配電網の利用料金として、電気利用者皆が毎月支払っている電気料金の中に「託送料金」というものが含まれていて、
その対価として電気の安定供給が約束されているのです。

次回は『託送料金』について、もう少し詳しくご説明させていただきたいと思います。

停電の原因 パートⅡ

前回は、送電線など屋外の配線に原因がある停電について調べてみましたが、
今回は屋内配線が原因の停電について調べてみたいと思います。

家の一部だけ、または家全体の電気が切れたけれど、
近所は電気がきているという場合は、ブレーカーが落ちていることが考えられます。

ブレーカーには一般的にはアンペアブレーカーと漏電ブレーカーと安全ブレーカー3つの種類があり、
それぞれ役割が異なり、ブレーカーが落ちる原因も異なります。

アンペアブレーカーは契約アンペア値(契約電力量)を超えた電気が流れた際に、
電気の流れを遮断する役割で、これが落ちると家全体が停電します。
例えば、レンジとドライヤーと掃除機を使いながら電気炊飯器で炊飯して、
同時にいろいろな家電を使った時にブレーカーが落ちるのはこのアンペアブレーカーです。

漏電ブレーカーは漏電事故を防ぐための装置で、メインのスイッチ以外にテスト・復旧のボタンが付いている物が多い。
漏電を検出した場合、ブレーカーが落ちるしくみになっていて、これが落ちると家全体が停電します。
漏電の原因は、電線が傷ついたり、老朽化して被覆がはがれることによる漏電やショートがそのほとんどのようです。
防水性がない電気器具が水を被るなどしても漏電は起こります。
通常、電気配線や電気器具類には、電気が漏れないように「絶縁」という処理がされていますが、
雨漏りによって雨水が天井裏や壁面内を伝い、電気配線やコードの絶縁体の隙間に入り込むと漏電が起こる場合があります。
漏電は、電力の損失だけでなく、感電や火災といった深刻な事故の原因となることもあります。

安全ブレーカーは配線用遮断器(分電盤から各部屋へ電気を送るための回路ごとのブレーカー)で、
同じ形のスイッチが複数あり、家の中のコンセントまでの電気の回路それぞれと接続しています。
回路ごとに容量が決まっていて、その容量を超えた電気が流れた場合に、
その回路に対応するブレーカーのみが落ちるしくみになっています。
このブレーカーは回路ごとに落ちるので、家の一部が停電するのです。

先日のノートルダム大聖堂の火災も、電気ショートが原因ではないかとみられているようです。

停電の原因にはどんなものがあるのかな❓

今回は、送電線などの配線に原因がある停電にははどんな状況があるのか調べてみました。
発生しやすい時期別にあげてみます。
【春から夏にかけて】鳥獣等
・カラスが電柱に巣を作ると、木の枝や針金などが電線に接触して停電となることがある。
・電柱に作られた鳥の巣の中の卵を狙ったヘビが電線に接触し停電という事例も。
【夏から秋にかけて】台風・豪雨・竜巻・落雷
・台風や豪雨などで、樹木の倒壊や山崩れ等により電線が切れたり、電柱が倒壊することにより停電。
・台風や竜巻などの強風で、トタンや看板、養生シート、テレビのアンテナ等が強風で飛散し、電線等の電力設備が破損して停電。
・落雷による設備破損で停電。
【冬から春にかけて】積雪
・雪の重みで樹木が倒壊し、電線に接触することで停電。
【その他】
・交通事故やクレーン車の横転などの事故で電柱が損傷し停電。
・計画停電。
と、いろいろな状況がありました。
折れた電柱や切れて垂れ下がった電線は感電事故を発生させる可能性があり、非常に危険ですので、
その際は絶対に近づかないようにしましょう。

アースが繋がっていれば、雷が落ちても大丈夫⁇

「冷蔵庫やレンジはアースが繋がっているから、雷が落ちても大丈夫だよ。」と、昔母が言っていたので、
私も最近までそう信じていました(*_*;
周りの人にも聞いてみたら、「えっ?そうだと思ってたけど?」という人が結構多くいました。

が、しかし、アースは落雷による雷サージから家電を守ってくれるようなものではありません。
アースは、コードの劣化などによる漏電した時に、感電したり火災になるのを防ぐためのものなのです。

逆に、近くに落ちた雷が地面からアースを通って入り込んでくることもまれにあるようです。

停電からの復旧💡

停電の時、なぜ復旧が早い個所と遅い箇所ができてしまうのでしょうか?
変電所からたくさんの電柱を経て遠くの家々まで電気が届いていますが、
その電線のどこかで倒木などがあると、
そのラインに電気を供給している変電所が、故障を感知して変電所からの送電をストップし、
そのライン上のエリア全体が停電します。
復旧するためにはまず、変電所に近いエリアから徐々に電気を流していき、
停電原因のあるエリアを絞り込んでいきます。
そうして絞り込んだエリアに緊急出動し、電柱一本一本を巡視して原因の箇所を特定して、
故障した設備の復旧作業や倒木の除去を行い、ようやくすべての復旧することができるそうです。

そういった大変な経過の中で、復旧が早いところと遅いところができてしまうのは、
うなづけますね。💡💡

変電所って何するところ❓

一言でいえば、変電所は電圧を変えるところです。
まず発電所で作られた電気は、送電時の電気ロス(送る途中に熱となって逃げる電気)を少なくするために、
50万ボルトや27万5千ボルトという高い電圧にして送り出されます。
そして超高圧変電所、一次変電所、二次変電所、配電用変電所と各変電所で徐々に電圧を下げて、
配電用変電所では6600ボルトまで電圧を下げて高圧配電線を通って、
電柱にある柱上変圧器で100ボルトまたは200ボルトまで電圧を下げて各家庭や店舗や会社に届いています。
(消費電力が大きな工場や病院など高圧電力の場合は、柱上変圧器の一つ手前の6600ボルトの状態で
各施設のキュービクル式高圧受電設備(キュービクル)へ届けられたのち、
キュービクル内で100ボルトや200ボルトに変圧されます。)

また、変電所には電圧を変える変圧器のほかに
倒木による断線など故障のときなどに自動的に電気を切る「遮断器」、
送電装置を点検するときに電気を切る「断路器」、
落雷のときに雷の電気を地面ににがすための「避雷器」などの安全装置が備えられていてます。

燃料費調整制度とは❓

燃料費調整制度は、事業者の効率化努力のおよばない燃料価格や為替レートの影響を外部化することにより、
事業者の経営効率化の成果を明確にし、経済情勢の変化を出来る限り迅速に料金に反映させると同時に、
事業者の経営環境の安定を図ることを目的とし、平成8年1月に導入されました。

電気を作るために発電所で使われる、原油・LNG(液化天然ガス)・石炭などといった火力燃料は、
日本の場合ほとんどを外国からの輸入に頼っているのが実情です。
特に原油は、99%以上を輸入しているようです。
そのため火力燃料の価格というものは、
卸売市場や為替レートなどといった外部からの影響を受けてしまうので、常に変動しています。

こういった価格変動に応じて電気料金を調整するため、燃料調整制度が導入されました。
たえず変動している「燃料調整費」の単価は、各電力会社のホームページで毎月紹介されています。
電力会社によって単価が違うのは、火力発電の原料内訳が異なるため。
ちなみに、弊社の燃料調整費の単価は中部電力さんのそれに準じております。
毎月算定されている「平均燃料価格」を「基準燃料価格」が上回った場合にはプラス調整が行われ、
逆に下回った場合にはマイナス調整が行われます。
つまり、燃料費が安くなれば電気代は下がり、燃料費が高くなれば電気代も上がる仕組みになっているのです。

再生可能エネルギー発電促進賦課金ってなんだろう❓

電気使用料金のお知らせをみると、基本料金や電力量料金の1段料金、2段料金・・・
の他に「再エネ発電促進賦課金」というのがありますよね。
正式名称は、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」といい、再生可能エネルギーの普及促進を目的としています。
単価は全国一律に毎年国によって設定され、
その単価をご家庭の電気使用量(使用電力量)に掛けた額が毎月の電気代の請求額に含まれます。

再生可能エネルギーというのは太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスといった自然界に常に存在するエネルギーをさします。
再生可能エネルギーを使って作る電気は環境にやさしく、枯渇する心配がないとされています🌞

再生可能エネルギー発電の普及・拡大により日本のエネルギー自給率が向上すると、
化石燃料への依存度の低下につながり、
燃料価格の乱高下に伴う電気料金の変動を抑えることも可能になると考えられています。

次回はその燃料価格の変動について、燃料費調整制度のことをお伝えしたいと思います!(^^)!