日本には電線が多い❓

電線を電柱で支える方法は架空配電といいます。
ヨーロッパやアメリカなど日本以外の先進国では地下に地中ケーブルを埋設する地中配電が主流のようです。

違いは歴史的な背景にあるようです。
ロンドンで無電柱化が話題になったのは、19世紀の産業革命の頃です。この時代は、それまでの中世都市の名残が大きく変化しました。都市内に工場が集まり、そこで働く勤労者が集中し、それまでの秩序が崩れ去ったのです。夜間の犯罪対策が深刻な問題となり、安全な街づくりのために夜間照明の普及が提言されました。その際、ガス灯を採用するのか、電灯を採用するのかが対立したのです。既にガスは地中化されており、地中化のコストを負担していました。しかし、電気は架空線のままであり、地中化を負担していませんでした。ガスだけ負担が重いのは不公平、電気も地中化すべきである、との世論が高まり、地中化の制度が確立されました。以来、一貫して電柱を立てるということはありませんでした。
また、アメリカのニューヨークでは、また違った歴史があります。ニューヨークでは19世紀前半に電気利用の発達が進みました。発明王エジソンが活躍したのもこの頃です。すると、電線が街中を覆うという事態が発生しました。当時の電線は裸線です。感電により多くの死者が発生するという社会問題にまで発展しました。そこで現状打破のために、19世紀末に地中化の方向にシフトチェンジしたのです。それ以降、電柱が建てられることはありませんでした。

対照的なのが日本です。我が国で架空線が登場し始めるのは、江戸時代から明治時代になります。近代化の流れと共に電気利用が発達したこと、当時は裸線であったことは、アメリカ・ニューヨークと同じです。ところが、第一次世界大戦後、わが国では被覆技術が進歩して裸線による感電事故が多発しなかったのです。第二次世界大戦の敗戦後、市街地の復旧が喫緊の課題となり、安定・廉価な電力の需要が高まりました。そして、架空線が疑問なく取り入れられ現代に至っているそうです。

日本で地中配電が進まない理由として、電線を地中に敷設すると、電柱を使うよりも費用がかかること、すでに埋まっているガス管、水道管とのかねあいや権利のことなども非常に複雑なこと、さらに周辺の商店や住民、経産省、国交省、総務省などの監督官庁も関わってくるため、とかく多くの人々、団体が足並みをそろえなければ工事が進められないのです。

また、地中線の方が災害に強そうですが、復旧が早いのは架空線です。
地上にある電線は、断線箇所がすぐに見つけられます。しかし、地中線はどこが断線しているのか分かりづらく、掘り返して作業をしないと復旧できません。

アースって何❓

冷蔵庫や電子レンジなどについている緑色の線ですが、繋いでいないという方が意外といらっしゃるそうです。

アースは、正式な名称を「アース線」といいます。
アースとは日本語で「大地」「接地」といいます。
アース線は、万が一漏電したときに電気を大地に逃がす役割があります。
アースの先には銅板や銅棒などが埋まっていて、大部分の電気がそこから流れていく仕組みになっています。

家電のアースを接続しなかった場合、漏電による被害はどのようなものがあるのでしょうか。
漏電の原因は、電線が傷ついたり、老朽化して被覆がはがれるなどのケースがほとんどのようです。
電気は電線やケーブルなど電気を通しやすい物質の中を通って流れています。
これら電線やケーブルには、外に電気が漏れないように、通常は絶縁という電気を通しにくい物質で覆われていますが、
この絶縁が傷ついていたり、劣化していたりすると、電線やケーブルの正常な電気の通り道以外にも電気が流れ出てしまいます。
これが「漏電」という現象です。
漏電すると電力が損失するだけでなく、感電や火災など深刻な事故につながります。
漏電の被害はどれもひどい場合は死につながる恐ろしいものばかりです。

洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ、エアコンなどは水気や湿気のある場所で使用することの多く、漏電する可能性が高いそうです。

また、アース線には電磁波や静電気といったノイズを遮断し抑制することにより、電気製品の動作を安定させる役割も持っています。
漏電対策だけでなく、電気製品には必要なアース線ですので、今一度付いているかきちんと確かめてみましょう。

電力化率って何❓

電力化率とは、石炭・石油・天然ガス・水力・原子力などの1次エネルギー需要に占める、発電に要したエネルギーの割合のこと。
エネルギー需要の電力シフト傾向を示す指標です。
(ただし、発電の際に相当量の発電ロスが生じるため,最終需要段階での電力利用割合を示すものではなく,1次エネルギー需要のうちの電力向けエネルギー投入の割合を示すものである。)
生活水準の向上によって、快適な生活が求められ、冷暖房をはじめとして生活における電気の役割はますます大きくなっています。
またコンピュータや通信など IT革新による高度情報化社会の進展により、産業、生活のあらゆる側面で、電気の役割は増しています。
世界全体でもそうですが、日本においても電力化率は高まり、1970年では26%だったのが現在では40%以上となっています。(2016年度では45%、資源エネルギー庁)

地球温暖化対策と電力化率

電力化率が高くなることは、地球温暖化対策になると考えられています。
地球温暖化とは、人間活動の拡大により二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素などの温室効果ガスの大気中の濃度が増加し、地表面の温度が上昇することをいいます。

電気の利用が温暖化対策として期待される理由は、供給側において、原子力・再エネ・高効率火力発電等の低炭素技術があるからです。
二酸化炭素を大規模に削減しようとすると、電力の低炭素化と、電力化率の向上がその主要な手段となると考えられているそうです。
電力化率が高くなるほど、二酸化炭素濃度が低くなることは、世界の研究者間でほぼ共通した認識だそうです。

また、地球温暖化対策にはエネルギーそのものを使い過ぎないよう低炭素住宅や建築物の選択、省エネルギー機器への買換え、次世代自動車の活用、エコドライブの推進、公共交通機関や自転車の利用促進、カーボン・オフセットの実施、電力の排出原単位の小さい電気の選択等により、低炭素ライフスタイルへの転換を進めるとともに、二酸化炭素の吸収効果のある森林づくりや緑化運動に参加したりと様々な取り組みが挙げられます。

今日は何の日?

1993年(平成5年)の今日は、東京で東日本最大のつり橋「レインボーブリッジ」が開通した日だそうです

「レインボーブリッジ」の名前は「虹の橋」という意味、一般公募により決められた愛称で、正式名称は「東京港連絡橋」だそうです。

様々な記念日によっては特別なライトアップが行われる事もあるようです。

そんなレインボーブリッジ、現在、ライトアップ照明設備においてLED化する更新工事を行っている最中だそうですが、このライトアップに使われている照明は、無電極ランプといい、普通のLED照明よりも目に優しい光で、まんべんなく照らすことができ、一般的にLED照明の寿命は40,000時間と言われているのに対して、無電極ランプの寿命は60,000時間~100,000時間にもなるそうです。

無電極ランプはこの長寿命を活かし、交換することが難しい場所に最適なランプとして活躍しているようです。

 

私も車で渡った事はあるのですが、このレインボーブリッジには 片道20分から30分ほどで歩いて渡ることができる遊歩道があるそうで、いつか渡ってみたいと思っています(^-^)v

地球温暖化が及ぼす影響

気象庁のホームページの地球温暖化予測情報によると、21世紀末には20世紀末と比較して年平均気温は、全国平均で4.5℃上昇するそうです。
最高気温は全国平均で4.3℃上昇、最低気温は4.6℃も上昇すると予測されているようです。
そうなるとどんな影響があるのでしょうか?

・氷河が溶けたり、海水の温度が上がることによって海水の体積が増え(熱膨張)、海面が上昇し陸地の一部が海に沈みます。
・降雨パターンが大きく変わり、内陸部では乾燥化が進み、熱帯地域では台風、ハリケーン、サイクロンといった熱帯性の低気圧が猛威を振るい、洪水や高潮などの被害が多くなるなど、異常気象の増加が考えられます。
 日本でも大雨(日降水量100mm 及び200mm 以上)や短時間強雨(1 時間降水量30mm 及び50mm 以上)の発生回数も増えると予測されています。
・気候の変化に加えて、病害虫の増加で穀物生産が大幅に減少し、世界的に深刻な食糧難を招く恐れがあります。
・動植物は気候の変動に対応できず、現在絶滅の危機にさらされている生物は、ますます追い詰められ、さらに絶滅に近づきます。
・気温の上昇により、熱中症になる人が増えるほか、マラリアなど熱帯性の伝染病の発生範囲が広がることが危惧されます。

「有効電力」「無効電力」「皮相電力」

今回は、以前『A(アンペア)、V(ボルト)、W(ワット)って何❓』の回で少し触れたました、
「電力には「有効電力」「無効電力」「皮相電力」と呼ばれる3種類がある」ということについてです。

交流回路において
有効電力は、負荷で消費される電力(単位:W:ワット)
無効電力は、負荷で消費されない電力(単位:Var:バール)
皮相電力は、電源が送り出す電力(有効電力・無効電力をベクトルで足したもの、単位:VA:ボルトアンペア)
(発電所で発電され、高圧線や配電線を経由して家庭のコンセントまで届けられている電気は交流電流。
乾電池や充電式の電池は直流電流。直流回路で電力を求めるときには電圧と電流をそのままかけるだけです。)

負荷の力率cosθとするとき、負荷にかかる電圧V、電流I、有効電力P、無効電力Q、皮相電力S の関係は
有効電力P=V×I×cosθ
無効電力Q=V×I×sinθ
皮相電力S=V×I
皮相電力S²=有効電力P²+無効電力Q²
という式であらわされます。

無効電力というのは有効電力に成れなかった電力で、送電をするにあたって潤滑油的な働きをするため必要不可欠な電力です。
コイルやコンデンサーがある限り、単に回路をぐるぐる回っている無効電力は必ず生じてしまいます。

ちょっと難しい話になってしまいましたが、
一般家庭の場合は、無効電力がどれだけ含まれていても、電気料金には関係ありません。

A(アンペア)、V(ボルト)、W(ワット)って何❓

A(アンペア)は、電気の流れる量(電流)を表します。
V(ボルト)は、電気を押し出す力(電圧)を表します。日本のご家庭には通常100Vの電圧が届いています。
W(ワット)は、実際に消費される電気エネルギー(電力)を表します。
(消費電力には「有効電力」「無効電力」「皮相電力」と呼ばれる3種類があり、
それについてはまた今度の機会にお伝えしたいと思います。)

簡単にこの関係を表す式は
電力(W)=電圧(V)×電流(A)となります。(実際の消費電力は、これに電気機器の力率※をかけます。)
(※力率とは電圧と電流の積に対する消費電力の比率をあらわす係数です。
力率は交流電力の効率を表しているともいえます。
電熱の仕組みを持つ電気機器を除き、国内で流通している電気機器は、
ほとんどがコイル成分を持っているため、ほとんどの電気機器は力率は100%を下回るが、
一般家庭用なら大きく影響しないので、ここでの説明では省かせていただきます。)

例えば、消費電力が1000Wの卓上電気コンロを使用する場合、
1000W÷100V=10Aとなり、「1000Wの卓上電気コンロを使用するときに10Aが必要」ということになります。

ちなみに、毎月お届けしている『電気料金のお知らせ』に表示されている、
電気の使用電力量はkWh(キロワットアワー)という単位です。

式にすると、電力量(Wh)=電力(W)×使用時間(h)
例えば、100Wの電球を1時間使用すれば、消費電力量は100(W)×1(h)=100Wh、
10時間使用すれば、100(W)×10(h)=1,000Wh=1kWh(キロワットアワー)となります。

ご家庭で使用されている家電の消費電力量
(家電のどこかに貼ってあるシールなどに小さく記載されたり、説明書に記載されています。)
はそれぞれどのくらいかな?
それに対して先月は電気使用量はどうだったかなあ?と見てみるのもおもしろいかもしれませんね。

雷の時、パソコンなどは大丈夫❓

雷の時、「カチッ」という音がして一瞬電気が消えてびっくりすることがありますよね。

落雷時、電線などの高所にあるものに瞬間的に発生する有害な過電圧や過電流のことを『雷サージ』と言います。

雷サージが起こると異常な過大電流が、電線や電話線を伝って家の中に入り込みます。
すると電線や電話線、テレビアンテナ線などの外部と繋がっているケーブルを通してパソコンや家電機器、通信機器に過剰な電流が流れ込んでしまいます。
その結果パソコンや家電機器などが故障してしまったり、機器内部が損傷してしまう恐れがあります。

電子機器の故障をさける対策をとりましょう。
特に、半導体を多く使った電子機器は電流の変化に弱いため、一般の家電製品は無事でもパソコンやモデム、ターミナルアダプターなどの電子機器は故障してしまうことがあります。
雷サージからのパソコンや家電機器を守るために雷サージ保護付きのタップというものがあります。
また雷サージ保護機能に加え、落雷による停電が起こった場合に、しばらくの間、パソコンや家電機器に電気を供給することができる無停電電源装置(UPS)と言うものもあるようです。

我が家の停電からの復旧体験談

先日、家のすぐ近くの電柱に雷が落ち、我が家にも落雷による被害がありました。
ものすごい音と光が同時にきて、家中の電気も消えてすごく怖かったです(>_<) 停電から復旧した後に聞いた話ですが、ご近所さん達も、テレビ、冷蔵庫、温水便座などが壊れたり、電話が繋がらなくなったそうです。 我が家は、電気メーター(スマートメーター)と冷蔵庫が壊れてしまいました。 その日は、広い地域に何か所も落雷があったそうなのですが、 地域の大手電力会社(中部電力さん)が、どこがどのように破損しているのかと確認して見回ってくれて、その後に高所作業車が電柱の上の壊れた部品を取り換えてくれたり、スマートメーターを新しいものに取り換えてくれて無事に復旧しました。 というわけで、どこの電力会社に契約していても、家までの送電設備に関しては地元の大手電力会社がきちんと対応してくださいますのでご安心ください。 ちなみに、冷蔵庫に関しては、後日、冷蔵庫のメーカーさんが修理に来てくれて、ヒューズが切れてしまった基盤を取り換えてくれて無事に直りました。