釧路湿原メガソーラー問題から考える、メガソーラー問題と再エネ普及を両立する視点

 
北海道夏の釧路湿原
 
北海道の釧路湿原国立公園(釧路市など)の周辺で大規模な太陽光発電施設(メガソーラー)が建設されていることへの批判が強まっています。貴重な自然が破壊され、タンチョウヅル(国指定特別天然記念物)やオジロワシ(国指定天然記念物)などの野生動物への悪影響も懸念されているからです。私もあの映像を見て、正直「これはやめるべきだ」と思いました。ただ、このニュースを切り取って再エネが全部だめだという議論もどうかと私は感じています。そんななか「なるほどこういう見方もあるのか」と思えるジャーナリストの方の記事があり、そこで提起された論点――“自然保護と脱炭素の両立は可能か”“過剰な再エネ叩きは本当に日本の利益になるのか”――は、私たち電力事業者にとっても避けて通れないテーマです。
本稿では、釧路湿原の事例に関する公開情報を整理しつつ、(1)自然保護を前提とした再エネの進め方、(2)猛暑や電気料金を巡る最新の科学・制度情報、(3)地域で納得感をつくるための実務論、の3点をまとめます。この記事を読んだ方の中でも賛否両論あるかと思いますが、日本のエネルギーの未来を考える一助となれば幸いです。
 


 
目次
1.釧路湿原のメガソーラーで何が起きているか
2.「自然保護」と「再エネ普及」をどう両立させるか
3.猛暑の原因・再エネ賦課金の現状を最新データで確認
4.行き過ぎた再エネ叩きが生むリスク
5.事業者・自治体・地域が取るべき実務アクション
6.まとめ
 


 
1. 釧路湿原のメガソーラーで何が起きているか
報道では、釧路湿原国立公園近接地で約6,600枚・約4.2ha規模の太陽光発電が造成中とされ、猛禽類やタンチョウへの影響、造成手法による湿原環境への負荷が懸念されています。釧路市教育委員会は文化財保護法に基づく意見書を文化庁へ提出し、希少生物への配慮不足を指摘。北海道側からも工事の見直しを求める動きが報じられています。
この問題は、私たちに「再生可能エネルギーの普及」という大きな目標と、「かけがえのない自然を守る」という当然の義務との間で、どうバランスを取るべきかという重い問いを投げかけています。
 
ポイント:事業規模や場所、造成方法が“自然保護上の許容範囲か”という論点で、関係機関の手続・調査・合意形成の妥当性が問われています。
 


 
2. 「自然保護」と「再エネ普及」をどう両立させるか
地球温暖化を防ぐために、CO2を出さない再生可能エネルギーの普及は急務です。しかし、そのために豊かな自然が破壊されてしまうのであれば、それは本末転倒と言わざるを得ません。
自然破壊を伴う開発は抑制しつつ、再エネは進める――この当たり前の原則を制度に落とし込む必要があります。日本弁護士連合会は2025年8月に、①住民説明会の実効化(専門家同席の容認など)、②FIT/FIP認定IDの取得・転売への要件付与等で乱開発を防ぐ、等の提言を公表しています。
 
低環境負荷の選択肢
・屋根置き・駐車場上・工場跡地等の優先:導入適地の可視化には環境省の「REPOS(再エネポテンシャル)」が使えます。
・営農型太陽光(ソーラーシェアリング)農水省:農地の一時転用許可を前提に営農を継続しながら発電。国もガイドライン整備などの支援を進めています。
結論:ゾーニングと手続の実効化、適地優先・営農型の拡大で、「自然保護」と「普及」を両立させる道は十分にあります。
 


 
3. 猛暑の原因・再エネ賦課金の現状を最新データで確認
この夏の異例の猛暑について、東大・京大・北大等の研究者で構成される「極端気象アトリビューションセンター(WAC)」は、地球温暖化がなければ発生し得ないレベルだったと分析を公表しました。統計的手法で、人為起源の温暖化がイベントの確率を押し上げたことを定量化しています。
(参考:2024年9月の能登豪雨でも、総雨量が温暖化により約15%増加したとする官公的な分析が公表済み。極端現象の“重さ”が増す方向にあることが示唆されます。)
一方、SNSでは「メガソーラーが猛暑の原因」とする言説も見かけます。学術文献では、太陽光発電による影響は主に“局所的な微気候変化”として報告され、夜間に周辺より高い・日中に冷える等、立地や被覆・植生管理で結果が分かれます。都市・日本全体の猛暑の主因は温室効果ガス増加であることが最新の帰属研究から示唆されており、両者はスケールが異なります。
 
・「メガソーラーが猛暑の原因」は本当か
「太陽光パネルが熱を溜め込み、周囲の気温を上げる」という主張がSNSなどで見られます。しかし、科学的には、その影響は極めて限定的で、地域全体や日本の気温を押し上げるようなことはありえません。近年の猛暑の最大の原因が、化石燃料の使用による地球温暖化であることは、多くの研究機関が指摘する事実です。
・報道のバランスは取れているか
メガソーラーの問題点を批判的に報じることは重要です。しかし一方で、猛暑や豪雨といった形で私たちの生活を脅かす地球温暖化の深刻さや、その原因である火力発電への言及が十分になされているでしょうか。「再エネはコストが高い」といった古い情報もいまだに散見されます。
 
再エネ賦課金については、2025年度の単価が3.98円/kWhに設定。家計モデル(400kWh/月)では月額約1,592円、年額約19,104円の負担という、政府公表の目安があります。
ただし電気料金の上振れ要因には、化石燃料の輸入価格・為替といった外生要因が大きく、2022年にはエネルギー要因で過去最大の貿易赤字(約20.3兆円)にも直結しました。日本が化石燃料の輸入に費やすお金は、年間20兆〜35兆円。そのうち約6割が発電用に使われると仮定すると、国民一人あたり年間10万円〜17万円を負担している計算になります。
依存を減らすこと自体が家計・国富の安定化に資します。
参考:経済産業省 エネルギーセキュリティに関する日本の課題と対応
 


 
4. 行き過ぎた再エネ叩きが生むリスク
自然保護の名の下に「再エネ全否定」に傾くと、必要な脱炭素投資が停滞し、結果的に化石燃料依存の長期化=コスト・安全保障リスクの固定化につながります。再エネにも費用はありますが、燃料費のない電源を増やすことは長期の電力コスト安定・地域内経済循環に寄与します。
 


 
5. 事業者・自治体・地域が取るべき実務アクション
・初期段階のゾーニングと“見える化”:保全優先エリアの設定、REPOSや生息地データの重ね合わせ。
・住民説明・専門家同席の制度化:野生生物・地盤・排水の専門家が資料を同時提示し、懸念に応える。
・適地優先の設計:屋根上・カーポート・既存開発地・耕作放棄地などから順に。営農型は地域の一次産業と両立。
・転売・ID規律の強化:FIT/FIPの認定・転売に要件を付し、短期転売型の乱開発を抑制。
 


 
まとめ
釧路湿原のメガソーラー問題は、再生可能エネルギーの普及を進める上で、自然環境や地域社会への配慮がいかに重要であるかを改めて浮き彫りにしました。
釧路湿原のように自然保護の観点から“やめるべき案件”は確かにあります。同時に、屋根上・適地優先・営農型の拡大で再エネを正しいやり方で前に進めることは可能であり、
この一点をもって再生可能エネルギー全体を否定し、化石燃料に依存し続けることは、気候変動という、より大きな危機から目をそむけることにつながります。
猛暑の主因は温暖化であり、行き過ぎた再エネ叩きは問題の本質をぼかすだけ。
私たちは、一部の問題点を冷静に批判し改善を求めつつも、再生可能エネルギーが持つ大きな可能性を見失ってはいけません。火力発電への依存から脱却し、自然と共生できる形でエネルギーを転換していく。
地域の納得を積み上げる制度設計と現場オペレーションに、今こそ力点を移すべきだと考えます。
 


 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力は、地域分散電源の開発と普及を推進しています。
今回のブログで取り上げたように、太陽光発電所の建設にあたっては、自然環境や地域社会への十分な配慮が不可欠であると私たちは考えます。
情熱電力では、環境への影響を最小限に抑え、地域に貢献できる再生可能エネルギーのあり方を追求し続けています。
私たちの取り組みや、再生可能エネルギー100%の電力プランにご興味をお持ちいただけましたら、ぜひお問合せください。
 
[情熱電力のウェブサイトはこちら]https://jo-epco.co.jp/
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 

【“貯める”が常識に?】三菱倉庫も参入!今、大手企業が「巨大蓄電池ビジネス」に熱い視線を送るワケ

 
系統用蓄電池
 
大手企業がまた、「蓄電池事業へ参入」という気になる記事があったので調べてみました。今回名乗りを上げたのは、物流のプロフェッショナルである「三菱倉庫」。400億円以上を投じて、国内7カ所に巨大な蓄電所を建設するとのことです。
「なぜ倉庫会社が電気を貯めるビジネスを?」と不思議に思うかもしれません。しかし、このニュースは、私たちの生活に欠かせない電力の未来を考える上で、非常に重要なヒントをくれます。
実は今、再生可能エネルギーの普及とともに、「電気をいかに効率よく貯めて使うか」が、国全体の大きな課題となっています。この記事では、三菱倉庫の挑戦を紐解きながら、今、大きな注目を集めている「系統用蓄電池」とは何か、そして、それが私たちの暮らしや電気代にどう関わってくるのかを、分かりやすく解説していきます。エネルギーの新しい潮流を一緒に見ていきましょう。
 
この記事の元ネタ:
日本経済新聞 三菱倉庫、蓄電事業に参入 400億円超投じ7カ所に整備
 


 
異業種からの挑戦!三菱倉庫が描くエネルギーの未来図
2025年8月、物流大手の三菱倉庫が「系統用蓄電池事業」への参入を表明しました。2030年度までに400億円超を投じ、国内7カ所に合計で約70万kWhもの大規模な蓄電所を整備する計画です。これは、一般家庭約8万世帯の1日分の電力使用量に相当する、非常に大きな規模です。
同社はまず、神奈川県と埼玉県の2カ所からスタートし、2027年度の稼働を目指します。最終的には、この電力事業を物流・不動産に次ぐ「第3の経営の柱」に育てたいとしています。
では、なぜ物流のプロである同社が、この事業に勝機を見出したのでしょうか。その理由は、同社が持つ「倉庫用地」にあります。もともとコンテナなどの大型車両が出入りしやすいように設計された広い土地や道路は、巨大な蓄電池を搬入・設置するのに最適なのです。まさに、自社の強みを活かした、合理的な新規事業と言えるでしょう。
 


 
今さら聞けない「系統用蓄電池」ってなに?
今回のニュースの主役である「系統用蓄電池」。少し難しい言葉ですが、役割は非常にシンプルです。電力会社の送電網(電力系統)に直接接続された、巨大な“充電池”をイメージしてください。
この巨大な充電池は、主に2つの役割で活躍します。
 
・電力の需給バランスを調整する
電気は需要と供給を常に一致させる必要があります。系統用蓄電池は、電力が余りやすい(=電気代が安い)昼間などに電気を貯めておき、需要が高まる(=電気代が高い)夕方から夜間にかけて放電します。これにより、電力系統全体のバランスを保ち、安定供給に貢献します。
 
・再生可能エネルギーの弱点を補う
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、天候によって発電量が大きく変動します。晴れた日の昼間など、電気が作られすぎると、需給バランスを保つためにせっかく発電した電気を捨ててしまう「出力抑制」という問題が起こります。
系統用蓄電池があれば、この余った電気を無駄なく貯蔵し、必要な時に使うことができます。まさに、再生可能エネルギー普及の鍵を握る存在なのです。
 


 
世界が注目!急成長する蓄電池市場
蓄電池の重要性は、世界的な共通認識となっています。国際エネルギー機関(IEA)は、2050年の脱炭素達成には、系統用蓄電池などの導入量を2030年までに2023年比で6倍に増やす必要があると試算しています。
日本政府もこの流れを後押ししており、経済産業省は2030年には国内で最大約2400万kWhの蓄電所が導入されると見込んでいます。補助金などの支援策も整備され、関西電力のようなエネルギー企業はもちろん、商社や今回のような異業種からの参入が相次いでいる、非常にホットな成長分野なのです。
 


 
まとめ
三菱倉庫の蓄電池事業への参入は、単なる一企業の新規事業というだけでなく、日本のエネルギーのあり方が大きく変わろうとしている象徴的な出来事です。
これまで「発電所で作られ、すぐに消費される」のが当たり前だった電気が、これからは「余った時に貯めて、足りない時に使う」という新しい常識へとシフトしていきます。系統用蓄電池の普及は、再生可能エネルギーの導入を加速させ、電力の安定供給に繋がり、長期的には私たちの電気代の安定にも寄与する可能性を秘めています。
企業の動向に注目しながら、私たち一人ひとりも、電気を「使う」だけでなく、「貯める」「賢く使う」という視点を持つことが、これからの節電や環境貢献に繋がっていくのかもしれません。
 


 
情熱電力からのお知らせ
大規模な「系統用蓄電池」のニュースをご紹介しましたが、実はこの「電気を貯めて賢く使う」という考え方は、これから、ご家庭や企業の皆さまにとっても非常に身近なものになってきます。
 
情熱電力では、系統用蓄電池の事業参入をサポートしております。
 
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太陽光のFIT→FIP移行がスピードアップ!蓄電池導入を検討中の方は必見の新制度を解説します!

 
太陽光発電設備
 
FITに関する制度変更について気になるニュースがあったので調べてみました。経済産業省が、太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)からFIP(フィード・イン・プレミアム)へ移行する際に、蓄電池を同時に設置する場合の手続きを迅速化すると発表しました。これまで、FIPへの移行と蓄電池の設置はそれぞれ別の手続きが必要で、時間と手間がかかるのが課題でした。しかし、2025年9月1日からは、FIPへの移行申請時に蓄電池設置の書類も一緒に提出できるようになり、手続きが大幅に簡素化・迅速化されます。これは、卒FIT後の出口戦略として「FIP移行+蓄電池」を検討している発電事業者様にとって、まさに追い風となるニュースです。この記事では、今回の制度変更で何がどう変わるのか、具体的な手続きや注意点について、分かりやすく解説していきます。
 


 
そもそもFITとFIP、何が違うの?
 
まず、基本のおさらいです。
〇 FIT(固定価格買取制度)
国が定めた固定の単価で、一定期間、電力会社が電気を買い取ってくれる制度です。収入が安定しているのが最大のメリットです。
〇 FIP(フィード・イン・プレミアム)
発電事業者が卸電力市場などで電気を販売し、その市場価格に加えてプレミアム(補助金)が上乗せされる制度です。市場価格が高い時間帯に売電することで、FIT以上の収益を得られる可能性があります。
つまり、FIPは市場の動向を意識した、より戦略的な売電が求められる制度と言えます。
 


 
【今回の核心】手続きは、なぜ、どう変わる?
今回の制度変更の最大のポイントは、手続きのワンストップ化です。
【これまでの手続き】
1.FITからFIPへの移行認定を申請する。
2.FIPへの移行が完了してから、蓄電池設置のための変更認定を申請する。
→ 二度手間であり、時間もかかっていました。
 


 
【2025年9月1日からの新しい手続き】
1.FITからFIPへの移行認定を申請する際に、蓄電池設置に関する書類も「参考書類」として添付し、同時に事前確認をしてもらう。
2.FIP移行認定後に、正式な変更認定を申請する。
→ 事前確認が済んでいるため、その後の手続きが非常にスムーズに進みます。
これにより、これまで別々に行っていた申請が実質的に同時に進められるようになり、事業者の皆様の手間と、蓄電池を導入して売電を開始するまでの時間が大幅に短縮されるのです。
 


 
新制度を利用する際の注意点
手続きが簡単になる一方で、いくつか注意すべき点もあります。
1.申請内容の正確性
FIP移行申請時に参考として提出した書類と、その後の正式な変更認定申請の内容が異なる場合、追加の審査が必要となり、かえって時間がかかってしまう可能性があります。提出書類は正確に準備しましょう。
2・従来の申請方法も可能だが…
これまで通り、FIPへ移行する前にFIT認定の変更として蓄電池を設置することも可能です。しかし、この場合、パワーコンディショナー(PCS)より太陽光パネル側に蓄電池を設置すると、FITの買取価格が変更されてしまう可能性があるため注意が必要です。
3.申請期限の違い
FIP移行の申請は随時可能ですが、蓄電池設置の変更認定申請には、その年度ごとに定められた申請期限日があります。スケジュール管理にご注意ください。
 


 
なぜ今、「FIP+蓄電池」が注目されるのか?
今回の制度変更は、国が「FIPと蓄電池の組み合わせ」を強力に後押ししている証拠です。FIP制度下で収益を最大化し、リスクを最小化する上で、蓄電池は今や不可欠なパートナーと言えます。その理由は、大きく分けて2つあります。
 
1. 市場価格の変動を利用して、収益を最大化できる
FIP制度の基本は、電力の市場価格が高い時に売電することで収益が最大化される点にあります。蓄電池があれば、
・電力需要が少なく市場価格が安い時間帯に発電した電気を貯めておく
・電力需要が多く市場価格が高い夕方などに、貯めておいた電気を放電(売電)する
といった、賢い「時間差攻撃」のような運用が可能になります。これにより、ただ“発電して売る”だけよりも、さらに高い収益を目指すことができます。
 


 
2. 「出力抑制」による売電機会の損失を防ぐ
近年、特に春や秋の晴れた日など、電力の供給が需要を上回ってしまう際に「出力抑制(出力制御)」が行われるケースが増えています。これは電力の安定供給のために、電力会社から発電を一時的に停止するよう求められるもので、事業者にとっては売れるはずだった電気を売れない「機会損失」に直結する深刻な問題です。
しかし、ここでも蓄電池が活躍します。
出力抑制を要請された際に、発電を止めるのではなく、売れない電気を蓄電池に貯めておくのです。そして、抑制が解除された後や、電力需要が高まる夕方以降に放電することで、捨てるはずだった電気を収益に変えることができます。
このように、蓄電池は「攻め(収益最大化)」と「守り(損失回避)」の両面で大きな役割を果たします。今回の手続き迅速化は、この収益最大化とリスクヘッジを両立するモデルへの移行を促進し、再生可能エネルギーのさらなる活用を目指すための重要な一歩と言えるでしょう。
 


 
まとめ
今回の経済産業省による運用変更のポイントをまとめます。
・FITからFIPへの移行と蓄電池の設置手続きが、実質ワンストップになり迅速化される。
・2025年9月1日以降、電子システムから申請が可能になる。
・事業者の手間と時間が削減され、より早く「FIP+蓄電池」での収益化を目指せる。
・国は、市場価格と連動して収益を最大化できる「FIP+蓄電池」の組み合わせを推進している。
卒FITを控えた発電事業者様や、これから太陽光発電事業を検討されている方にとって、今回の制度変更は大きなビジネスチャンスとなります。この機会に、FIPへの移行と蓄電池の導入を本格的に検討してみてはいかがでしょうか。
 


 
情熱電力からのお知らせ
「FIPへの移行って、具体的に何をすればいいの?」
「うちの発電所にはどんな蓄電池が合うんだろう?」
 
そんなお悩みやご要望はございませんか?
情熱電力では、FITからFIPへの移行に関するコンサルティングから、お客様の発電所に最適な蓄電池システムの選定・ご提案、そして今回の新しい制度に対応した申請手続きのサポートまで承っております。
 
卒FIT後の運用戦略にお悩みの方、FIPと蓄電池を組み合わせた収益の最大化にご興味のある方は、ぜひお気軽に情熱電力までご相談ください。
専門スタッフが、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なプランをご提案いたします。
 
株式会社情熱電力へのお問合せは コチラ
 
この記事に関連するページ
・資源エネルギー庁 太陽光発電におけるFIP移行時の蓄電池設置手続に係る審査の迅速化について
・資源エネルギー庁 再生可能エネルギーFIT・FIP制度ガイドブック
 

【2025年最新】長野・岐阜でも!他人事じゃないクマ被害。命を守るための遭遇対策と最新ニュースまとめ

 
クマ出没注意の看板
 
このところ、クマに関するニュースが連日報道されていて、気になっている方も多いのではないでしょうか。長野県や岐阜県中津川市など、私たちの生活圏からそう遠くない場所でも出没や被害のニュースが報じられており、決して他人事ではないと感じます。「もしも自分の家の近くにクマが出たら…」「山でばったり遭遇してしまったら…」と考えると、不安になりますよね。
そこで今回は、2025年に入ってから全国でどのようなクマの被害が起きているのか、最新の情報をまとめてみました。なぜクマは人里にまで下りてくるのか、その背景を探るとともに、万が一クマに出会ってしまった場合にどう行動すれば良いのか、具体的な対策を詳しく解説します。正しい知識を身につけて、ご自身と大切なご家族の安全を守るために、ぜひ最後までご覧ください。
 


 
目次
1.2025年、全国で相次ぐクマの出没と深刻な被害状況
2.なぜクマは人里へ?その背景と専門家の警告
3.【重要】もしもクマに遭遇したら?生存率を上げるための対処法
 ・出会わないための「予防策」
 ・出会ってしまった時の「行動指針」
4.国や自治体も対策強化!「緊急銃猟」制度とは?
5.まとめ:正しい知識で備え、クマから身を守ろう
 


 
1. 2025年、全国で相次ぐクマの出没と深刻な被害状況
2025年に入り、全国各地でクマによる人身被害が深刻化しています。
環境省のまとめによると、2025年4月から7月末までのクマによる人身被害者数は全国で55人にのぼり、このうち長野県では13人、岩手県では12人が被害に遭っています。死者も北海道、岩手県、長野県で発生しており、極めて憂慮すべき事態です。これは、過去最多の被害を記録した2023年度とほぼ同じペースであり、予断を許さない状況が続いています。
 
具体的な事例を見ても、その深刻さがうかがえます。
・長野県上松町(6月):森林組合の職員2人が山林で作業中に親グマに襲われ、頭やふくらはぎを負傷。
・岩手県北上市(7月):80代の女性が自宅でクマに襲われ死亡。現場周辺では、住宅に保管されていた米が食い荒らされる被害も発生していました。
・新潟県長岡市(6月):80代の男性が首や頭をひっかかれる。
・登山中の被害:滋賀県や奈良県の山中でも登山者が襲われ、けがを負う被害が報告されています。
このように、山林だけでなく、住宅地やその周辺にまでクマが出没し、被害が発生しているのが現状です。
 


 
2. なぜクマは人里へ?その背景と専門家の警告
なぜ、これほどまでにクマは人里に近づいてくるのでしょうか。
専門家によると、以下のような要因が挙げられています。
・エサを求めて:特に夏から秋にかけて、クマは冬眠に備えてエサを求めて活発に活動します。山の木の実などが不作の年には、エサを求めて人里にある柿や栗、農作物、さらには生ゴミなどを狙って下りてきます。
・繁殖期の行動:夏季は繁殖期にあたり、オスがメスを求めて行動範囲を広げることが知られています。1日で20km以上移動することもあるそうです。
・人里への警戒心の低下:かつて人とクマの生息域を隔てていた里山が耕作放棄地などで荒廃し、クマが身を隠しやすい藪(やぶ)が増えたことも一因とされています。これにより、人里への警戒心が薄れたクマが市街地まで侵入するケースが増えています。
日本ツキノワグマ研究所の米田一彦理事長は、「今後、市街地などで被害が増えることが予想され、社会全体で考える必要がある」と警鐘を鳴らしており、対策は待ったなしの状況です。
 


 
3. 【重要】もしもクマに遭遇したら?生存率を上げるための対処法
クマとの遭遇は、誰にでも起こりうる可能性があります。パニックにならず、適切な行動をとることが命を守る鍵となります。
出会わないための「予防策」
まずは、当然ですがクマに出会わないようにすることが最も重要です。
音で知らせる:山林に入る際は、クマ鈴や携帯ラジオなどで音を出し、人間の存在をアピールしましょう。
複数人で行動する:単独行動は避け、複数人で会話しながら行動することで、クマが気づきやすくなります。
フンや足跡に注意:新しいフンや足跡を見つけたら、その先には進まず引き返しましょう。
ゴミは必ず持ち帰る:エサの味を覚えさせないため、ゴミや食料は絶対に放置しないこと。家の周りでも、生ゴミや米ぬかなどを屋外に放置しないようにしましょう。
 
出会ってしまった時の「行動指針」
しもクマに出会ってしまったら、距離や状況に応じて冷静に行動してください。
【遠くにいる場合】落ち着いて、静かにその場を離れる
クマを刺激しないよう、騒がず、ゆっくりと後ずさりしながら距離をとりましょう。
【近くにいる場合】背中を見せずに、ゆっくり後ずさりする
絶対に走ってはいけません。 逃げるものを追いかける習性があります。クマから目を離さず、ゆっくりと後退してください。
【突進してきた場合】クマ撃退スプレーを使い、なければ防御姿勢をとる
クマ撃退スプレーを携帯している場合は、クマの顔をめがけて噴射します。持っていない場合は、地面にうつぶせになり、両手で首の後ろをガードして頭や首への致命傷を避ける「防御姿勢」をとってください。
 


 
4. 国や自治体も対策強化!「緊急銃猟」制度とは?
深刻化する被害を受け、国も対策に乗り出しています。
2025年9月1日、改正鳥獣保護管理法が施行され、「緊急銃猟」という新たな制度が創設されました。
これは、市街地など人の生活圏にクマが出没し、緊急性が高いと市町村が判断した場合に、特定の条件下で猟銃の使用を許可するものです。これまでは住宅密集地での猟銃使用は原則禁止されていましたが、より迅速で予防的な対応が可能になりました。
もちろん、住民の安全確保が大前提であり、通行制限や避難指示を行った上で実施されます。新潟県新発田市などでは、警察や猟友会と連携した大規模な訓練も行われており、自治体も万が一の事態に備えています。
この制度は、あくまで最終手段ですが、住民の安全を守るための重要な一歩と言えるでしょう。
 


 
まとめ
今回は、2025年のクマによる被害状況と、私たちがとるべき対策について解説しました。
クマの出没は、もはや山奥だけの話ではありません。私たちの生活圏と隣接した問題であり、いつどこで遭遇してもおかしくないという意識を持つことが大切です。
日頃からクマを寄せ付けない環境づくりを心がけ、万が一遭遇した際の正しい対処法を覚えておくだけで、リスクを大きく減らすことができます。ご家庭や地域でこの情報を共有し、安全対策について話し合ってみてはいかがでしょうか。
 


 
情熱電力からのお知らせ
クマを人里に寄せ付けないためには、家の周りの環境整備も非常に重要です。クマが隠れやすい庭の茂みを刈り払ったり、生ゴミなどエサになるものを屋外に置かないといった対策に加え、夜間の防犯対策も効果的です。
「センサー付きの屋外ライト」を設置すれば、人や動物が近づくと自動で点灯し、警戒心の強いクマを驚かせて追い払う効果が期待できます。これは、クマ対策だけでなく、日々の防犯にも繋がり、ご家族の安心・安全な暮らしを守ります。
 
今年はまだまだ残暑が厳しいのか『キノコ』の話題は今のところあまり聞かないのですが、
秋が近づくにつれキノコの話題が活発になるのが田舎あるあるです。
今年は皆さまどうかどうかお気をつけて。この記事を読んで少しでも対策をしてもらえるとうれしいです。
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 
この記事に関連するページ
・環境省 環境省「クマに関する各種情報・取組」
 ┗ 国の公式な情報や対策、パンフレットなどが掲載されています。
・環境省 緊急銃猟制度
 ┗ 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 の一部を改正する法律
・長野県 ツキノワグマによる人身被害を防ぐために
 ┗ 具体的な注意喚起がまとめられています。
・農林水産省 鳥獣被害対策コーナー
 ┗ 農業被害の観点からの対策情報も参考になります。
 

え、あのCMって松本だったの!?日清焼そばU.F.O.のロケ地に丸ノ内中学校が選ばれた納得の理由

 
情熱電力の本拠地長野県松本市の風景
 
情熱電力のブログ担当です!私たちのオフィスからもほど近い、松本市内の丸ノ内中学校の話題がYahoo!ニュースの記事になっていたので、思わずクリックしてしまいました。
皆さんは、日清焼そばU.F.O.の新しいテレビCMをもうご覧になりましたか? ラグビー部員たちが練習で疲れ果てた後、ものすごい勢いで「U.F.O.」をすする、あの食欲をそそるCMです。実は、あの迫力ある映像が撮影された場所、なんと私たちの地元、松本市の丸ノ内中学校なんです!
全国に数ある学校の中から、なぜ丸ノ内中学校が選ばれたのでしょうか?そこには、制作陣の心を掴んだ”決め手”がありました。建て替えを控えた校舎が記録として残ることへの生徒さんたちの喜びの声と合わせて、地元が誇るニュースを詳しくご紹介します。地元の風景が全国区のCMで流れるなんて、なんだかワクワクしますね!
 
<実際のCMがコチラ>
YouTube:日清焼そばU.F.O. CM「疲れブチ抜くラグビー部 篇」30秒
 


 
話題のCM!「疲れブチ抜くラグビー部篇」
まずは、話題のCMをご覧ください。見ているだけでお腹が空いてくる、エネルギッシュなCMです!
このCMは「疲れブチ抜くラグビー部篇」と題され、ラグビー経験者や社会人チームに所属する約70人ものエキストラが参加して撮影されました。タックルやスクラムといった激しい練習風景の後、部員たちが校庭脇の大きな階段にずらりと並んで、一心不乱にU.F.O.を食べるシーンが印象的です。
撮影は2025年5月上旬に行われ、6月18日からテレビ放映が開始されています。
 


 
なぜ丸ノ内中学校?ロケ地選定の決め手は「大きな階段」
日清食品の広報担当者によると、今回のCMで最も重要なシーンの一つが「大勢のラグビー部員が外で座りながらU.F.O.を食べる」場面でした。このシーンを撮るために、グラウンドの横に大きな階段がある場所を探していたそうです。
そこで白羽の矢が立ったのが、丸ノ内中学校でした。校庭に面した24段もの大きな階段が、まさにイメージにぴったりだったのです。日清食品は「ロケーションとして最適だった。迫力のある映像を撮影できた」とコメントしており、この階段がCMの魅力を最大限に引き出す重要な役割を果たしたことがわかります。
 


 
映像に刻まれた学び舎 もうすぐ見納めの校舎も
実は、CMには建て替えが予定されている校舎も映り込んでいます。
丸ノ内中学校は1948(昭和23)年に松本城二の丸で開校し、1952年に現在の場所へ移転した歴史ある学校です。長年親しまれてきた校舎も老朽化が進み、松本市教育委員会は2028年度から2030年度にかけて新校舎を建築する計画を進めています。
30秒バージョンのCMでは、エキストラがスクラムを組む背景に、青い屋根が特徴的な生徒棟や管理棟がはっきりと映っています。取り壊される前の校舎が、このような形で全国に届けられ、映像として未来に残るというのは非常に感慨深いものがありますね。
生徒会長の平形藤子さん(3年)は「改築される校舎を映像として映していただいて、うれしい気持ちでいっぱい。貴重な経験になった」と喜びを語っています。
 


 
情熱電力からのお知らせ
ラグビー部員の皆さんがU.F.O.で「疲れをブチ抜く」ように、私たち情熱電力も、皆さまの毎日の暮らしをパワフルに支えるエネルギーをお届けしています!💡
今回のCMロケ地に選ばれた丸ノ内中学校のように、松本には素敵な場所がたくさんあります。私たち情熱電力は、この素晴らしい地元・長野県に根ざし、地域の皆さまの生活をより明るく、豊かにするお手伝いをしたいと心から願っています。
ご家庭の電気料金プランの見直しや、法人向けの電力供給など、エネルギーに関するご相談はいつでもお気軽にどうぞ。未来を担う子どもたちが学ぶこの街で、私たちも情熱を持って安定した電力を供給し続けます!
 
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