系統用蓄電池が稼ぐ時代へ!3つの電力市場を活用する最新ビジネスモデル

 
エネルギーイメージ
 
系統用蓄電池に関する気になる記事があったので、詳しく調べてみました。
今、電力業界で注目されているのが「系統用蓄電池を使って稼ぐ」という新たなビジネスモデルです。
従来は非常用設備やピークカット用途に使われていた蓄電池が、現在では「需給調整市場」「卸電力市場(JEPX)」「容量市場」という3つの電力市場を巧みに使い分けることで、安定した収益を得る仕組みが整いつつあります。特に、調整力の提供で報酬を得られる「需給調整市場」が最大の稼ぎどころとして注目されています。
本記事では、それぞれの市場の特徴や収益モデル、導入のメリットと注意点まで、初めての方にもわかりやすく解説します。
 


 
2. 稼ぐ鍵は「3つの電力市場」
系統用蓄電池は、以下3つの電力市場を駆使して収益を得るモデルです。

市場名 内容 得られる価値
需給調整市場 系統の安定性を維持する調整力を提供 ΔkW価値 / kWh価値
卸電力市場(JEPX) 安値で充電・高値で放電し価格差益を得る kWh価値
容量市場 4年後の供給力確保の対価を年単位で受け取る kW価値

特に需給調整市場での収益が注目されており、オークション形式での応札によって放電準備や指令応答への対価が得られます。
 


 
3. 需給調整市場とは?収益の中心になる理由
系統用蓄電池ビジネスにおいて、最も重要な収益源が「需給調整市場」です。これは一般送配電事業者が電力の需給バランスを保つために“調整力”を調達する市場で、2021年から段階的に開設され、2024年4月に全面開場となりました。
 
▼ 需給調整市場の役割とは?
電力は「発電量=消費量(同時同量)」が成立していなければ、系統の周波数が乱れて停電リスクが高まります。しかし、実際には天候の急変や需要予測のずれなどでバランスが崩れることがあります。
こうした事態に備えて、一般送配電事業者が前もって電力の“調整力”をオークション形式で確保しておくのが、需給調整市場の仕組みです。
 
▼ 系統用蓄電池のビジネスモデル
系統用蓄電池の所有者は、需給調整市場で以下の2つの報酬を得ることができます:
 
ΔkW価値(デルタキロワット価値)
 一定の出力を“待機状態”で確保しておくことへの報酬。
 これは「スタンバイ報酬」とも呼べるもので、例えるなら「いつでも出動できる体制」に対して支払われる準備金です。
 
kWh価値(キロワットアワー価値)
 実際に発動指令を受けて放電を行ったときの“実働”に対する報酬。
 蓄電池がシステムに電力を供給することで、その量に応じた報酬が加算されます。
 
▼ 応札と発動の流れ
実際の取引は、次のように進みます。
1.系統用蓄電池の事業者が、需給調整市場の「商品区分(一次~三次)」と「時間帯(ブロック)」を選び、応札します。
2.落札されると、指定時間に充電状態で“待機”する義務が発生します。
3.その後、電力の需給が逼迫した際に、一般送配電事業者から「発動指令」が届きます。
4.指令に従って、定められた応動時間内(10秒~45分)に放電を実施します。
 
▼ なぜ収益の柱になるのか?
・定期的な募集があるため、収益予測が立てやすい
・落札=収入確定型なので、JEPXのような価格変動リスクが少ない
・ΔkWとkWh、2つの報酬体系があるため、単価が高くなりやすい
・瞬時対応力のある蓄電池は、ガスタービンや揚水発電よりも有利な場面が多い
特に応答時間が短い一次調整力(10秒以内)などでは、高額な対価が得られる可能性もあり、技術力の高い事業者にとってはまさに“稼ぎどころ”となります。
 
▼ 注意点
・発動指令に応答しなかった場合、ペナルティが課せられるため、精密な運用体制が求められます。
・商品区分によって技術的ハードルや応札戦略が大きく異なるため、専門的知識やノウハウの蓄積が必要です。
以上のように、需給調整市場は単なる“バックアップ”ではなく、積極的な収益モデルの中核を担う存在です。複数の電力市場が並立する今、系統用蓄電池のオーナーにとって「まずはこの市場を押さえる」ことが成功の鍵と言えるでしょう。
 


 
4. 容量市場での固定収入のしくみ
系統用蓄電池が稼ぐうえで、もう一つの重要な市場が「容量市場」です。これは、将来的な電力の安定供給を目的とした制度であり、今使う電力ではなく、“将来使う電力を確保する”ための対価を得る仕組みです。
 
▼ 容量市場とは?
容量市場は、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が主導して、将来の供給力を確保する目的で開催する市場です。
原則として、4年後のピーク需要期に発電可能な電源を事前に確保することが目的で、電源の所有者は、その「出力(kW)」に対して報酬を得られます。
系統用蓄電池はこの市場に参加し、「容量契約確保金単価 × 出力(kW)」の計算式で1年単位の収入を得ることができます。
 
▼ 参加条件と注意点
この容量市場に参加できる系統用蓄電池には明確な条件があります。
容量10MW以上であること(つまり、出力が10,000kW以上の蓄電池設備)
FIT・FIPの対象ではないこと(※FIT等の既存の制度で別途補助を受けていない電源が対象)
・維持管理や運転義務が発生するため、停止や故障リスクにも備える体制が求められる
中小規模の蓄電池では参加できないため、容量市場はある程度の設備規模を持つ事業者に向いた市場です。とはいえ、近年は「共同で一括入札」する仕組みも検討されており、中小企業の参入余地も拡大しつつあります。
 
▼ 長期脱炭素電源オークションとの違い
2024年からは、容量市場とは別に「長期脱炭素電源オークション」も開始されました。これは、カーボンニュートラルを実現する目的で、再エネや水素・蓄電池などの脱炭素電源に対し、20年間の固定収入を与える制度です。
このオークションでも参加条件は「容量10MW以上」。第1回の約定結果では、7割以上が系統用蓄電池という結果となり、投資先としての注目度が非常に高まっています。
 
▼ 容量市場の収益は“ベースインカム”
容量市場で得られる収益は、他の市場(JEPXや需給調整市場)と異なり、年単位で予測しやすい固定収入となります。
例えるなら、「日々の取引で稼ぐJEPX」「短期オークションで収益を得る需給調整市場」に対して、容量市場は「ベースサラリー」に近い存在です。蓄電池ビジネスのリスク分散という観点でも、参加価値の高い市場といえるでしょう。
 


 
5. 系統用蓄電池導入のメリットと課題
系統用蓄電池の導入は、単なる再エネ対策ではなく、電力ビジネスの新たな収益機会として多くの企業が注目しています。ここでは、具体的なメリットと注意すべき課題を整理します。
 
✅ メリット
1.3つの電力市場を駆使して多様な収益が得られる
 需給調整市場、JEPX(卸電力市場)、容量市場という収益源を分散でき、価格変動リスクを抑えながら稼働できる。
2.土地利用効率が高い
 同容量の太陽光発電に比べて必要面積は数十分の一。日照条件に左右されず、日陰地や変形地でも活用可能。
3.太陽光など他の再エネ事業と相乗効果がある
 出力変動を吸収したり、ピークシフトを行うことで、再エネの価値最大化や発電ロス削減に貢献。
4.FIT・FIPに依存しない“独立型”収益モデルが構築できる
 固定価格買取制度に頼らず、市場取引で自立した事業運営が可能。制度改定の影響を受けにくい。
5.メンテナンスや運用は太陽光発電と類似しており参入障壁が比較的低い
 電気工事や保守のノウハウが再活用できるため、不動産業者やエネルギー関連企業にとって導入しやすい。
6.初期投資の一部を補助金でまかなえる
 国・自治体の補助制度が充実しており、2024年時点で累計425億円以上の補助が実行済み。実質負担の軽減につながる。
7.電力先物やAI予測と組み合わせた「スマートな運用」が可能
 価格差(アービトラージ)をAIで予測するなど、高度化された戦略運用も期待されている。
8.2050年のゼロカーボン社会に向けた成長産業である
 政府の試算では、2050年に必要とされる系統用蓄電池の容量は38GWhと見込まれており、今後数十年にわたり拡大が見込まれる分野。
 
⚠ 課題
・最低10MW以上の設備容量が必要(容量市場・長期脱炭素電源オークション)
 小規模事業者には参入ハードルが高く、共同出資やアグリゲーションが必要なケースもある。
・需給調整市場などでの応札や発動に高度なオペレーションが求められる
 発動指令への即応体制を構築しないとペナルティの可能性も。専門人材の確保やシステム整備が必要。
・蓄電池の劣化・寿命管理(DoD、充放電サイクル)
 過度な運用は寿命を縮め、収益計画に影響。サイクル制限や放電深度管理のノウハウが必要。
・市場ルールや価格の不確実性が依然として高い
 特に需給調整市場はまだ運用開始から間もなく、ルール変更や市場価格の変動に注意が必要。
 


 
まとめ
系統用蓄電池は、「電力のためのバッファ」から「電力で稼ぐ資産」へと変わりつつあります。
需給調整市場・卸電力市場・容量市場の3本柱による複合的な収益モデルは、再エネ主力化が進む時代にマッチした持続可能なビジネスとして注目の的。
まだ黎明期の今だからこそ、ノウハウを積み上げながら先行優位を築けるチャンスがあります。
 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力では、系統用蓄電池の導入や電力市場での活用のための準備を進めており、
今後、系統用ビジネスを検討するの法人様・自治体様向けに、初期相談・制度解説・収益シミュレーションなどを含むサポートを提供する体制を整備中です。
 
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参考ページ
日経XTECH:活況の国内系統用蓄電池市場、3つの電力市場を駆使して稼ぐ
需給調整力取引所:需給調整市場とは
 
情熱電力の蓄電池過去記事
蓄電池の系統連系が早まる新制度 早期連系に向け追加対策 2025年4月に開始!
・【解説!】系統用蓄電池①
【解説!】系統用蓄電池②  送電網に接続し電力量の調整にも利用されます。
 

スマホのワイヤレス充電は本当に損?効率が悪くても選ばれる意外な理由とは

 
スマホ充電中
 
ワイヤレス充電について気になる記事があったので調べてみました。
最近のスマホに当たり前のように搭載されている「ワイヤレス充電」。でも実は、「充電効率が悪い」「バッテリーが劣化しやすい」などのデメリットも指摘されています。コードを挿す手間が省けて便利な半面、失っているものもあるのかもしれません。
ではなぜ、そんなに効率が悪いのに、今もなお各社がこぞって採用しているのでしょうか?
今回は、仕組みからメリット・デメリット、そして「結局使うべきなの?」という疑問に対して、データを交えて分かりやすく解説します。日々のスマホの使い方を見直すヒントとしてお役立てください。
 


 
■ ワイヤレス充電ってどういう仕組み?
ワイヤレス充電は、電磁誘導の原理を使っています。送電側(充電器)と受電側(スマホ)にそれぞれコイルが内蔵されており、充電器側のコイルに電流を流すことで磁界が発生します。この磁界がスマホ側のコイルに作用して電圧が生じ(誘導電流)、電力が伝わります。
 
 |※注:電磁誘導とは、電流が流れているコイルの近くに別のコイルを置くと、
     その磁場の変化によってもう一方のコイルに電圧が生じる現象です。
     発電機や変圧器の基本原理としても使われています。
 
ただし、この仕組みは位置ズレや距離に非常に弱く、コイル同士が正しく重ならないと効率が大きく低下してしまいます。
 
ワイヤレス充電の仕組み
 
■ 実は効率がかなり悪い?その実態
有線の充電が85〜95%程度の変換効率を持つのに対し、ワイヤレス充電は50〜80%程度と言われています。例えば、10W出力のワイヤレス充電器を使っていても、実際にスマホのバッテリーに届くのはおおよそ5〜8W程度とされています。
これはつまり、消費電力の2〜5割が熱などに変換されてムダになっているということです。
有線充電に比べて電流(A)がやや小さくなるうえ、充電完了までの時間が長くなりがちなのもこのロスの影響です。
このロスは発熱として消費され、スマホやバッテリーの温度上昇につながります。
 


 
■ 発熱がバッテリーを劣化させる?
バッテリーは高温状態に弱い部品です。たとえば、バッテリー温度が40℃を超えると寿命が縮むというデータもあります。ワイヤレス充電は熱を持ちやすく、毎日の使用でじわじわとバッテリー劣化を進めてしまう可能性があります。
 


 
■ それでも普及が進むのはなぜ?
不利な面ばかりに見えるワイヤレス充電ですが、それでも採用が進んでいる理由は以下の通りです。
・ポートの摩耗防止(接続端子が傷みにくい)
・防水・防塵性能の強化(端子がなくても済む)
・使用時のストレス軽減(置くだけで済む手軽さ)
とくに「スマホを置いておくだけで充電できる」というユーザー体験は、日々の使い勝手に大きく影響します。
 


 
■ どんな人に向いている?
・こまめに充電する習慣のある人
・長時間置いておけるデスクワーク中心の人
・スマホの寿命よりも快適さを優先したい人
反対に、充電速度やバッテリー寿命を重視する人には、有線の方が向いています。
 


 
まとめ
ワイヤレス充電は確かに効率が悪く、発熱によるバッテリー劣化のリスクもあることがわかりました。しかしその一方で、手軽さや端子の保護、デザイン性の向上といった利点があり、「毎日使うものだからこそストレスを減らしたい」というニーズに応えて普及しています。
どちらが良い・悪いではなく、自分の使い方や優先順位に合わせて選ぶことが大切です。
 
情熱電力からのお知らせ
スマホや家電の電力効率、実は電気代にも少しずつ影響しています。
情熱電力では、ご家庭の電力の使い方に寄り添ったアドバイスや情報提供を通じて、ムダのない電気の使い方を応援しています。
日々のちょっとした“選び方”が、エネルギーの未来を変える第一歩になると、私たちは信じています。
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 


 
参考ページ(リンク)
NTTdocomo:電池の減りが早くなったとき
Panasonic:パナソニックのスマートフォン向け新世代ワイヤレス充電器が新型「クラウン」に採用
 
情熱電力の過去記事
スマホ充電は何%が最適?スマホの電池を劣化させず快適に使い続けるための充電ルールと生活習慣のポイント
 

「昼間の電気が安い」は本当?家庭の30分連動型プランに潜む落とし穴とは

 
Businessman invests in electric power stocks, on a background with network antennas and wind turbines.
 
日経エネルギーNEXTに気になる記事があったので調べてみました。
 
出典:日経エネルギーNEXT 「家庭の電気料金、安価な時間への需要シフトでどこまで安くなる?
 
近年、電気料金が「30分ごとに変わる」市場連動型プランが登場し、「電気を安い時間に使えばおトクになる」といった宣伝も見られます。とくに、太陽光発電が多く稼働する昼間は電気料金が安くなる傾向があり、こうした時間帯に合わせて使えば節約できるというのがその主張です。
しかし実際のところ、家庭では本当に「安い時間に電気を使う」ことができるのでしょうか?この記事では、電気の使い方を見直す「需要シフト」の現実的なハードル、導入時に注意すべきポイントをデータをもとに整理しました。見かけの安さに飛びつく前に、ぜひ一度立ち止まって考えてみてください。
 


 
目次
1.30分連動型プランとは?
2.「安い時間に使えば得」の理屈とその現実
3.家庭での需要シフトには4つの壁がある
4.結局、従来プランと比べて安くなるのか?
5.注意すべきポイントと今後の展望
 


 
1. 30分連動型プランとは?
市場連動型の電気料金プランには「月次連動型」と「30分連動型」の2種類があります。
今回のテーマである「30分連動型」は、30分単位で変化する市場価格(JEPX)に応じて電気料金が上下するしくみです。安い時間に使えば電気代を抑えられる一方で、高騰時には電気代も上がります。リスクとリターンが隣り合わせのプランです。
 


 
2. 「安い時間に使えば得」の理屈とその現実
確かに、日中の市場価格は安くなりやすい傾向があります。ですが、家庭の電気使用は主に朝と夕方~夜。実際に多くの家庭で使う時間帯と市場価格の安い時間がかみ合っていないのが現実です。共働き家庭が多い日本では、昼間は家が無人で電気を使わないケースも多く、そもそも「安い時間に電気を使う」という発想が成立しにくいのです。
 


 
3. 家庭での需要シフトには4つの壁がある
① 多くの家庭で電気を使う時間=市場価格が高い時間
② 照明・冷暖房・調理などは使うタイミングが限定的でシフトが難しい
③ エコキュート(深夜電力での給湯)でも、従来の深夜電力の方が安い
④ マイナス価格が導入されても、価格メリットは限定的
※マイナス価格-電力供給が多すぎると需給バランスを保つため、市場で「電気を買ってくれる人にお金を払う(=マイナス価格)」ということが起こります。海外ではすでに導入されており、日本でも再エネの大量導入により同様の制度が検討されています。
 
たとえばエコキュートを使って日中にお湯を沸かしても、従来の深夜電力契約の方がトータルで安くなるケースが多く、昼間への切り替えには経済的なメリットがありません。
 


 
4. 結局、従来プランと比べて安くなるのか?
市場価格が安定していた2024年において、30分連動型の料金は大手電力のスタンダードプランとほぼ同等か、むしろ高くなる傾向がありました。さらに、仮にマイナス価格が導入されたとしても、年間で1000~2000円程度の節約にとどまり、コスト面での優位性は限定的です。
 


 
5. 注意すべきポイントと今後の展望
現時点では、30分連動型の導入は慎重に判断すべきです。将来的に家庭用蓄電池の普及や、託送料の見直しが進めば、昼間の電気を活用しやすくなる可能性はあります。しかし、今のところ「一般家庭の使い方」では、このプランでの節約効果は限定的と言わざるを得ません。
 


 
まとめ
電気は「安い時間に使えばおトク」というのは一見もっともらしく聞こえますが、家庭のライフスタイルと噛み合わなければ意味がありません。特に冷暖房や調理、照明などの主要な電力使用は、時間をずらすことが難しいため、需要シフトが現実的に機能しないのです。
現在の制度・技術・ライフスタイルでは、30分連動型プランの経済的メリットを引き出すのは難しい状況です。
「何となく安そうだから」と安易に契約せず、自分の生活スタイルとしっかり照らし合わせた上で、電気料金プランを選ぶようにしましょう。
 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力では、「電気代を安くしたい」とお考えのお客さまに、無理なく続けられる料金プランのご提案を行っています。
市場連動型のような複雑な仕組みに頼らず、シンプルで安心な料金体系を基本に、お客さまのライフスタイルに合わせた最適な選択を一緒に考えてまいります。
まずはご自身の電気の使い方を見直すことから、始めてみませんか?
 
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それではまた!!
 
参考ページ
出典:経済産業省 国内外におけるDR・電気料金メニューの調査
 

試運転を推奨します!冷えない・壊れたを防ぐ!夏前に試したいエアコン節電&長持ちテク

 
エアコンのリモコン
 
この時期に絶対やってほしいエアコンのまめ知識。
「夏の暑さに備えてエアコンを準備しよう」と思っても、いざ本番で動かない・冷えないといったトラブルが毎年のように発生しています。ある調査によると、エアコンを使っている人のうち5人に1人以上(約22%)が過去に不具合を経験したと答えています。しかもその多くが、事前の試運転や掃除で防げた可能性が高いのです。
本記事では、冷房効率を上げるための基本メンテナンスから、意外と知られていない“裏ワザ”までを徹底解説。快適さ・省エネ・電気代節約を実現する夏の準備、はじめましょう。
 


 
1. エアコンが壊れやすくなる原因とは?
ある家電関連の調査では、エアコン利用者の約22%が「冷えない」「異音がする」「水が漏れる」などの不具合を経験したと報告されています。これはおよそ5人に1人以上という高い割合で、しかも真夏のピーク時に突然故障するケースも少なくありません。
こうしたトラブルの主な原因には以下のようなものが挙げられます。
・フィルターの詰まりによる風量不足
・室外機の熱交換効率の低下
・経年劣化や冷媒ガス不足
・内部の汚れやカビの蓄積
 
では、なぜ「夏前の点検」と「試運転」が必要なのでしょうか?
その理由は明確です。真夏に入ってからでは、
・修理業者が混雑し、数週間待ちになるリスク
・部品の在庫が切れ、対応が遅れる可能性
・猛暑の中でエアコンなしの生活を強いられる
といった「避けたいトラブル」が連鎖的に発生するためです。
 
さらに、使用頻度が低い春のうちに試運転することで、異常の早期発見が可能になります。気づかず使い続けることで、部品への負荷がかかり、本来不要だった修理コストが発生することも。
つまり、「動くかどうか」だけでなく、“ちゃんと冷えるか”“異音がないか”を事前に確認することが、夏を快適に過ごすための第一歩なのです。
 


 
2. 半数以上がやっていない「フィルター掃除」
エアコンの冷えが悪いと感じたら、まず疑うべきはフィルターの汚れです。にもかかわらず、ある調査では約58%の家庭がフィルター掃除をほとんどしていないという結果も。実際、長期間放置されたフィルターにはホコリやカビがびっしり…。これでは空気も冷えず、健康面でも心配です。
さらに、詰まったフィルターは冷却効率を20%以上下げるといわれており、結果として年間2,000〜5,000円もの電気代のムダにつながることも。掃除は意外と簡単で、カバーを開けてフィルターを外し、水洗い→乾燥させるだけでOK。2〜3週間に1度のペースが理想です。
 
🧠 ワンポイントアドバイス
掃除の頻度が分からない方は、スマホのカレンダーに「フィルター掃除」の予定を入れるのがおすすめ!定期的なリマインドで忘れず続けられます。
 


 
3. 家電のプロもすすめる“冷房効率アップ”の裏ワザ
冷房効率を上げるには、設定温度を下げるよりも“空気の流れ”を整えることが重要です。例えば…
・サーキュレーターを併用して冷気を部屋全体に回す
・直射日光を遮るためにカーテンやすだれを活用する
・風量を「弱」ではなく「自動」または「強」に設定する
これらはすべて、短時間で冷える→運転時間が減る→電気代節約にもつながるという好循環を生みます。
また、暑さがピークになってからエアコンを入れるより、室温が上がる前から早めに稼働させる方が効率的。電力を一気に使う“急冷”を避けられるため、負担が軽減されます。
 
🧠 ワンポイントアドバイス
部屋の空気がなかなか循環しない場合は、サーキュレーターの角度を「斜め上」に設定して、天井方向に風を送ると効果的。空気をかき混ぜて温度ムラを解消!
 


 
4. 試運転のベストタイミングは「5月中」
エアコンの試運転は「冷房シーズン直前」に行うのが鉄則です。真夏になってから初めてスイッチを入れ、不具合が見つかると業者も混雑しており、修理対応に数週間かかることも…。
やり方はシンプルです。
1.電源を入れて「冷房モード」「最低温度」に設定
2.約10分間運転し、以下をチェック
・冷たい風が出ているか?
・異音・異臭がないか?
・室外機が正常に作動しているか?
これだけで、不具合の早期発見が可能になります。
 
🧠 ワンポイントアドバイス
試運転中に少しでも変な音・臭い・風の弱さを感じたら、早めに業者へ相談を。放っておくと、真夏の修理予約は1〜2週間待ちになることも!
 


 
5. 室外機を侮るなかれ!冷房効率に直結する“陰の主役”
室外機は、冷房効率に大きな影響を与える**“もう一つの本体”**。にもかかわらず、ベランダや庭でホコリまみれ、雑草や物で囲まれていたら本来の性能が出せません。
以下の点をチェックしましょう。
・周囲30cm以上に障害物がないか?
・直射日光を防げる日除けがあるか?(通気は確保)
・落ち葉やゴミ、汚れがたまっていないか?
・室外機の上に物を置いていないか?
ほんのひと手間で、冷却効率が改善し電気代もカットできます。
 
🧠 ワンポイントアドバイス
室外機のチェックは、“ついで掃除”がコツ。ベランダや庭の片付けと一緒に行えば、手間なくキレイを維持できます。日除けシートは100均でも手に入ります!
 


 
🧊 まとめ|“冷えない夏”を回避するために、今すぐできることを
エアコンの不調は、「使う前」に点検しておけば防げるものがほとんどです。
特に春から初夏にかけてのタイミングは、掃除・室外機チェック・試運転といった“ひと手間”をかけるベストシーズン。
5人に1人が経験しているというエアコンのトラブルも、早めの準備でリスクを大幅に減らせます。
さらに、空気の流れを工夫したり、日射をカットするだけでも冷房効率はグッと向上します。
今年の夏も暑くなると言われています。
エアコンが快適に、そしてムダなく働いてくれるように、今この時期からできる準備を始めてみませんか?
 
💡 情熱電力からのお知らせ|夏の電気代対策、今こそ見直しのチャンス!
情熱電力では、夏の電力使用量が増える時期に備え、ご家庭の電気プラン無料診断サービスを実施中です。
「冷房を使うと電気代が跳ね上がる」「今のプラン、本当に合ってる?」――そんなお悩みに、私たちが一緒に向き合います。
 
また、ブログでは冷房効率を高める節電テクニックや家電の活用法も随時発信中!
 
🔽電気代を見直したい方、まずはこちらから
夏に向けた節電&電気プラン無料診断 https://jo-epco.co.jp/contact/
 


 
関連ページ
資源エネルギー庁:省エネポータルサイト 無理のない省エネ節約​
 

2025年夏の電気・ガス料金支援、正式発表!家庭・企業の負担軽減へ 

 
政府は2025年5月27日、2025年7月から9月使用分の電気・ガス料金に対する支援策を正式に発表しました。この支援は、物価高騰による家庭や企業の負担を軽減する目的で実施されます。
 


 
✅ 支援の概要
・対象期間:2025年7月使用分~9月使用分(2025年8月~10月請求分)
・対象者:家庭(低圧契約)、中小企業(低圧契約)、中規模以上の企業(高圧契約)
・補助内容:電気・ガス料金の単価に対する値引き
 
📊 月別・契約別の補助単価

月別・契約別の補助単価(2025年7~9月)
電気(低圧) 電気(高圧) 都市ガス
7月 2.0円/kWh 1.0円/kWh 8円/㎥
8月 2.4円/kWh 1.2円/kWh 10円/㎥
9月 2.0円/kWh 1.0円/kWh 8円/㎥

※都市ガスの補助対象は、家庭および年間契約量1,000万㎥未満の企業等です。
 


 
🏠 家庭の補助額例(使用量:電気350kWh、ガス30㎥)
 
7月:
電気:350kWh × 2.0円 = 700円
ガス:30㎥ × 8.0円 = 240円
合計:940円
 
8月:
電気:350kWh × 2.4円 = 840円
ガス:30㎥ × 10.0円 = 300円
合計:1,140円
 
9月:
電気:350kWh × 2.0円 = 700円
ガス:30㎥ × 8.0円 = 240円
合計:940円
3か月合計で約3,020円の負担軽減が見込まれます。
 


 
🏢 企業の補助額例(使用量:電気10,000kWh)
・7月:10,000kWh × 1.0円 = 10,000円
・8月:10,000kWh × 1.2円 = 12,000円
・9月:10,000kWh × 1.0円 = 10,000円
3か月合計で32,000円の負担軽減が見込まれます。
 


 
📝 補助の受け取り方法
申請手続きは不要です。契約中の電力・ガス会社が、請求書に補助額を反映させます。詳細は、各社の請求書やマイページで確認できます。
 
情熱電力のお客様におかれましても今回もこの補助金に関してしていただく手続きはございません。
※自動的に燃料費調整額に反映致します。
 


 
⚠️ 注意事項
・補助は、使用量に応じて自動的に適用されます。
・個人情報や手数料を求める不審な連絡にはご注意ください。
・詳細は、政府の特設サイトをご確認ください。
 
□ 政府の特設サイト(リンク)
電気・ガス料金負担軽減支援事業 公式サイト
資源エネルギー庁 エネルギー価格の支援について
 
電気・ガス補助金2025夏
引用元:電気・ガス料金負担軽減支援事業 公式サイト
 


 
📣 情熱電力からのお知らせ
情熱電力は、今回の政府支援策を受け、電気料金の請求書に補助額を反映させてまいります。お客様の負担軽減に少しでも貢献できるよう努めてまいります。
今後も最新情報が入り次第、ブログやお知らせを通じてご案内いたします。引き続き、情熱電力の情報発信にご注目ください。
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 

【110万円で買える超小型EV】維持費は原チャリ並み!今注目されるワケ

 
超小型EV
 
電気自動車(EV)といえば「高価」「充電の手間」「大型で扱いにくい」といったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
しかし今、そんな常識を覆す“超小型で手ごろなEV”が登場し、注目を集めています。価格は約110万円、維持費は原付バイク並み。家庭用コンセントでの充電も可能で、通勤・買い物・送迎といった日常の足にちょうどいいサイズ感です。
今回は、このような新しいモビリティの特長や、なぜ今の日本の暮らしにフィットするのかを掘り下げます。EV導入に興味がある方や、サブの移動手段を検討中の方は必見です。
 


 
1. いま注目される“超小型EV”とは?
都市部や住宅街の狭い道路でも取り回しがしやすく、駐車スペースを選ばないコンパクトな電気自動車。
全長は約2.6メートル、幅は1.3メートル程度で、2人乗りの小さな車体ながら、日常生活の多くのシーンに対応します。
航続距離は約100km~160km、最高速度は約60km/hで、短距離移動に最適です。
 


 
2. “ちょうどよさ”が光る3つの理由
1.サイズ感が日本の道路にマッチ
2.家庭用電源で充電できる手軽さ
3.ゼロエミッションで環境にもやさしい
※ゼロエミッションとは、走行時に二酸化炭素(CO₂)などの温室効果ガスを一切排出しないことを意味します。電気自動車は排気ガスを出さないため、地球温暖化対策や大気汚染の抑制にも貢献します。
このような理由から、地方・都市部問わず導入のハードルが低く、ライフスタイルに寄り添うモビリティとして支持を集めています。
 


 
3. 維持費は原付並み?気になるランニングコスト
・車検不要・重量税ゼロ
対象となる超小型EVは、道路運送車両法上「第一種原動機付自転車(ミニカー登録)」扱いとなるため、通常の自動車のような車検義務や重量税の納付がありません(※自家用乗用車は車検が2年ごと、重量税も課税対象)。
・自動車税は年間2,000円程度
原付ミニカーの自動車税(軽自動車税)は、多くの自治体で年額2,000円と定められています(市区町村課税)。これは125cc以下の原動機付自転車(二輪)よりやや高いが、自動車とは比べ物にならない低さです。
・自賠責保険も年間5,000円前後
自賠責保険料は法定の最低限補償を提供する保険で、ミニカー登録されたEVの場合、12か月契約で約5,000円前後(2025年5月現在の基準)となっています。自家用軽自動車(24か月:17,650円)と比べても負担は軽いです。
充電コストも1回あたり100円以下といわれており、ガソリン車と比較しても圧倒的に経済的です。
 


 
4. 想定される利用シーンとユーザー層
・シニア世代の日常の足として
・子育て世帯の送迎や買い物に
・自営業者のちょっとした営業移動に
・企業の社用車・配送用EVとして
小回りが利き、操作もシンプルなため、幅広い世代で活用可能です。
 


 
5. 超小型EVの課題と将来性
超小型EVはメリットが多い一方で、現時点ではいくつかの課題も抱えています。しかし、その多くは制度や社会インフラの発展によって改善の余地があります。
🚧 現状の主な課題
・高速道路の走行不可
原動機付自転車(ミニカー)として登録されるため、最高速度が制限されており、高速道路や一部のバイパスなどは走行できません。用途が基本的に「生活圏内」に限られる点がネックです。
・衝突安全性の懸念
車体が小さく軽量なため、万一の衝突時には通常の乗用車に比べて乗員保護性能に限界があります。安全面への不安が、普及のブレーキになっている面もあります。
・充電設備の整備状況
超小型EVは家庭用100Vでも充電可能なケースが多いとはいえ、マンションや集合住宅ではコンセントが設置されていない場合も多く、充電環境の整備が進むことが求められます。
・利用に関する法制度が未成熟
たとえば、自治体によってはミニカー用の駐車スペースが整備されておらず、専用ナンバーや自動車専用道路との関係など法制度上の「グレーゾーン」が残る部分もあります。
 
🌱 今後の可能性と広がる活用領域
・自治体や企業の導入が加速
すでに一部の地方自治体では、超小型EVを高齢者の移動支援や地域巡回車両として活用する実証実験が行われています。また、配達用EVとして企業が導入するケースも増えてきました。
・環境規制との親和性
CO₂排出を抑えるゼロエミッション車としての価値は今後さらに高まります。大都市圏では「脱ガソリン車」への規制強化が予想されており、マイクロモビリティとしての超小型EVはその有力な選択肢になり得ます。
・技術革新による性能向上
バッテリーの高性能化や軽量素材の導入、コネクテッド機能の搭載により、今後のモデルではより安全で便利な進化も期待できます。
 
超小型EVは“生活密着型モビリティ”として、多くの可能性を秘めています。社会のニーズに合わせて、制度・インフラ・技術が整備されていく中で、より多くの人々の選択肢になっていくことでしょう。
 


 
まとめ
手ごろな価格と低ランニングコストで実現した超小型EVは、未来の移動手段として非常に現実的な選択肢です。大きな車を持たずとも、電動モビリティで日々の暮らしをもっと身近に、そしてもっとサステナブルに変えることが可能です。
これからの移動は「大きくて速い」ではなく、「ちょうどよくてムダがない」がキーワードかもしれません。
 
情熱電力からのお知らせ
超小型EVという選択肢も!暮らしが変わる今、電気の使い方も見直しませんか?
情熱電力では、ご家庭のEV導入をサポートする最適な料金プランや、夜間充電に適したプランのご提案を行っています。
EV導入後の「電気代が不安…」という方も、ぜひ一度ご相談ください!
 
👉 お問い合わせはこちら:https://jo-epco.co.jp/contact
 


 
関連ページ
国土交通省:超小型モビリティについて
経済産業省:政策一覧 『自動車』
 

4月から9月までエアコンを27度でつけっぱなしの電気代は?夏の冷房代&節約術を解説!

 
エアコンのリモコン
 
本格的な暑さが始まるこの時期。部屋を冷やすために冷房を使う場面も増えていますが、気になるのが電気代。
特に「27度設定でつけっぱなし」にしたら、何円くらいかかるの?
情熱電力が、気持ちよく節約できるコツもまじえて分かりやすく解説します!
 


 
■ 冷房の電気代はこう計算!
1.エアコンの消費電力を確認
2. 1日の使用時間を決める
3. 電気料金単価を確認
4. 電気代 = 消費電力(kW) - 使用時間(h) - 電気料金単価(円/kWh)
 


 
■ 6ヶ月間つけっぱなしにした場合
例:6畳用エアコン(消費電力500W)
 
計算:
(0.5kW - 24h) - 34円 = 408円/1日
408円 - 30日 = 12,240円/1ヶ月
12,240円 - 6 = 73,440円/6ヶ月
 
→ 現実的には、外気温の変化や設定温度の差で少し安くなる場合もあります
 


 
■ ここを押さえれば節約に!
【設定温度は27度を基準に】
→ 1度上げると、電気代は約20%削減
 
【広く風を回そう】
→ サーキュレーターの合わせ使いで、広い部屋もひんやり
 
【直射日光を切ろう】
→ カーテンや層耐熱フィルムで、暑さを少しでもカット
 
【オン・オフはむしろになる】
→ 冷房は動き始めに電力を食うため、オン・オフの繰り返しは反って高くつきます。
 
参照:情熱電力の過去記事 実は、夏より使用量が多い!冬の電気料金。ご家庭で心配な冬の電気料金のこと。
<過去記事から引用>
1⃣ エアコンを使う状況下での温度差
エアコンは設定温度になるまでに多くの電力量を消費します。
つまり、スイッチONした時の温度とエアコンの設定温度の差が大きいほど電力量を消費するのです。
例えば、夏の28℃の状態で設定温度26℃でエアコンをつけると、その差は2℃
冬場に部屋が10℃の状態で設定温度22℃でエアコンをつけると、その差は12℃です。
 


 
■ 機種でだいぶ違う!
【2020年代の省エネ型エアコン(例)】
消費電力:410W
1日約335円 → 6ヶ月で約6万390円
 
【1990年代後半の旧型エアコン(例)】
消費電力:590W
1日約481円 → 6ヶ月で約8万6580円
 
→ この違い、機種や年式によっては年間で約3万円の差になることも!
 
資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ
 


 
■ おわりに:暑い夏、でも電気代は無理せず抑える
「27度の設定」に「風を流す」、「直射を防ぐ」、「オン・オフをしない」といった小さな心がけで、
電気代は大きく変わります!
情熱電力は、家計や事業にやさしい電気を目指して、これからも強力支援します。
暑い夏も、情熱と一緒に、無理なく節約して過ごしましょう!
 
それではまた!
 
情熱電力の節電関連の過去記事
電気代の節約! 暖房便座のフタの開けっ放しは電気代のムダ?? トイレのフタは閉めましょう。
【節電】待機電力(待機時消費電力)家電の電気コードはコンセントから抜くべきか?
 

【速報】電気・ガス料金を最大1,260円補助!7~9月使用分が対象に 高圧契約の事業者も!

 
チェック
 
電気・ガス料金支援の続報です。
2025年7月から3か月間実施される電気・ガス料金補助について、政府が補助額の詳細を発表しました。
 
<電気・ガス料金支援(補助金)関連のページはこちら>
出典 NHK:電気・ガス料金 7月から3か月分補助 月1000円以上の負担減(リンク)
出典 資源エネルギー庁:エネルギー価格の支援について(リンク)
 
経済産業省の発表によると、標準的な家庭では8月に1,260円、7月・9月は1,040円の負担軽減が見込まれ、3か月合計では約3,000円の補助効果となる見通しです。
 
この支援は、厳しい暑さによる冷房使用の増加を見込んだ「酷暑対策」であると同時に、物価高やアメリカの関税措置といった外的要因への“緊急対応パッケージ”の一環として位置づけられています。
 
今回は補助単価も明示されており、電気料金は最大2.4円/kWh、都市ガスは10円/㎥の支援が行われます。
情熱電力では、この発表を受けて速報として情報を整理し、皆さまの電気代見直しにお役立ていただけるようお届けします。
 


 
■ 7〜9月の電気・ガス料金補助が正式決定!家庭にも企業にも支援
政府は2025年5月27日、7月から9月の3か月間に実施する電気・ガス料金支援の詳細を発表しました。
今回の補助は、家庭や小規模事業者が契約する「低圧契約」に加え、「高圧契約」をしている事業者も支援対象となっています。
 
補助額は月ごとに異なり、特に冷房需要が高まる8月は支援単価が上乗せされています。
 
✅ 標準家庭の月別補助額(低圧契約のモデルケース)

補助額(電気+ガス)
7月 約1,040円
8月 約1,260円
9月 約1,040円

 → 3か月合計で約3,340円の補助となります。
 
■ 補助単価の内訳(電気・ガスごと) ※追記 下記単価は税込単価です。
補助は月によって異なり、特に8月は支援が手厚くなっています。

電気[低圧契約]
(家庭・小規模事業者)
電気[高圧契約]
(中規模以上の事業者)
ガス(都市ガス)
7月 2.0円/kWh 1.0円/kWh 8円/㎥
8月 2.4円/kWh 1.2円/kWh 10円/㎥
9月 2.0円/kWh 1.0円/kWh 8円/㎥

たとえば、1か月の電気使用量350kWh・ガス使用量30㎥の家庭(低圧契約)であれば
・8月の電気代補助:約840円(350kWh × 2.4円)
・8月のガス代補助:約300円(30㎥ × 10円)
 → 合計で約1,140円〜1,260円の負担軽減が見込まれます。
 
また、中規模以上の事業者(高圧契約)の場合も、月ごとに1.0~1.2円/kWhの補助が受けられる仕組みとなっています。
冷房設備や電動機器などの使用が多い業種にとっても、コスト削減につながる支援策です。
 
📌この補助は、2025年7月〜9月使用分(請求は8月〜10月)に適用されます。
請求書上でご自身の電気料金の確認をおすすめします。
 


 
■ 支援の背景は「酷暑対策」+「関税影響への備え」
今回の補助は、単なる電気代対策ではなく
・酷暑による生活負担増への対応
・アメリカの関税政策の影響に備えた緊急対応パッケージ
として実施されるもので、予備費3,880億円のうち2,880億円が電気・ガス支援に充てられます(LPガス支援含む)。
林官房長官も「国民生活の苦労に配慮しつつ、財政規律とのバランスを図る」と説明しています。
 


 
まとめと情熱電力からのお知らせ
■ まとめ
・電気・ガス料金補助が7月〜9月の3か月間実施されます
・標準家庭で月最大1,260円、合計約3,000円の負担軽減が見込まれます
・補助単価は最大で電気2.4円/kWh・ガス10円/㎥
・政策背景には「酷暑対策」+「関税政策への備え」があります
 
■ 情熱電力からのお知らせ
情熱電力は、こうした政府の支援策に関する情報をお届けし、
「電気料金をもっとわかりやすく、もっと安心に」をモットーに、皆さまの暮らしに寄り添い続けます。
 
➡ 【電気代の無料相談・お問い合わせはこちら
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電力に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 

🎸電気を使う楽器の仕組みとは?エレキギターなぜ大きな音が出るのでしょうか?

 
エレキギター
 
気になる記事があったので調べてみました。
音が小さいギターが、電源をつなぐと突然大音量になる「エレキギター」。この現象、家電好きなら「なぜ?」と気になるところではないでしょうか。実はそこには「電気」と「磁力」の緻密な仕組みが隠されていました。
本記事では、エレキギターをはじめとする“電気を使う楽器”の基本原理を、アコースティック楽器との違いやスピーカーの仕組みとあわせてわかりやすく解説します。
音楽機材やオーディオ家電に興味のある方にとって、音がどのようにして電気信号に変換され、再び「音」として出力されるかを知ることは、音の世界をより深く楽しむ第一歩。知れば知るほど面白い、「音」と「電気」の関係に迫ります。
 


 
目次
1.エレキギターはなぜ大きな音が出せるのか
2.音と電気信号の関係
3.電気楽器と電子楽器の違い
4.スピーカーで音が出る仕組みとは
5.音楽と電気技術の進化の歴史
6.家電としての応用例と注意点
 


 
1. エレキギターはなぜ大きな音が出せるのか?
アコースティックギターは、ボディに空洞があり、そこに響いた弦の振動が空気を震わせて音になります。しかし、その音はあくまで自然な空気振動の強さによるもので、大きなホールや屋外では音がかき消されてしまうこともしばしばです。
それに対して、エレキギターは“電気の力”で音を大きくしています。
弦をはじくと、その振動がピックアップ(磁石とコイルの装置)によって電気信号に変換されます。しかしこの信号は、音として聞くにはまだ非常に小さな電圧・電流しかありません。
ここで活躍するのが「アンプ(アンプリファイア)」です。
 
アンプの役割とは?
アンプは、入力された微弱な電気信号を大きくする(増幅する)機器です。たとえば、0.01ボルト程度の信号を100倍、1000倍といった形で増幅し、スピーカーで再生可能なレベルにまで強めます。
 
アンプの内部では以下のような流れで増幅が行われています。
 
①入力段(プリアンプ):信号の性質を整え、次の増幅回路に適した形にします。
②増幅段(パワーアンプ):入力信号を目的の大きさにまで増幅。ここで電源の力で“音のエネルギー”を作り出します。
③出力段:スピーカーに信号を送り、空気を揺らして音を出せる状態に。
 
このように、アンプは“音そのものを大きくしている”のではなく、“音の情報を持った電気信号を増幅している”のです。最終的に音として耳に届くのは、この増幅された電気信号をスピーカーが空気の振動に変換した結果です。
 
<解説>
✅ ピックアップとは?
位置:ギター本体(ボディ)に搭載
役割:弦の振動(=音の元)を、電磁誘導の原理で電気信号に変換する。
種類:シングルコイル/ハムバッカーなど
🎸 ピックアップは“振動 → 電気信号”に変換するセンサーのような部品。
 
✅ プリアンプとは?
位置:ギター本体の中、またはアンプの内部、またはエフェクターなど
役割:ピックアップで生成された微弱な電気信号を初期的に増幅・整形する装置。
主な働き:音量をある程度大きくする(ただしパワーアンプほどではない)
     音質を調整する(EQ:イコライザー)
⚡ プリアンプは“信号の下処理”を担う調理人のような存在。
 
実例でイメージすると!
🎸 ギターのボディにあるのが「ピックアップ」
🎚️ ギター内部やエフェクター、アンプなどにあるのが「プリアンプ」
🔊 スピーカー手前で強力に音を大きくするのが「パワーアンプ」
 


 
2. 音と電気信号の関係
「音」と「電気信号」はまったく別物ですが、現代の家電製品や楽器では、両者は密接に結びついています。まずは、音の正体から見ていきましょう。
 
空気の振動=音
私たちが普段「音」として聞いているものは、実は空気の振動です。例えばギターの弦をはじくと、弦が周囲の空気を揺らします。その空気の波(音波)が耳に届き、鼓膜を震わせることで、脳が「音」として認識します。
 
空気がなければ音は伝わらない。
宇宙空間が無音なのはそのためです。
 
電気信号とは何か?
一方、「電気信号」とは、電流の強さ(アンペア)や電圧の高さ(ボルト)の変化で情報を表現したものです。
音の強さや高さと同じように、電気信号も時間軸に沿って波の形で変化していきます。この波の形(波形)が、音の情報を忠実に再現しています。
 
音と電気信号の関係
ピックアップやマイクは、この空気や弦の振動を電気信号に変換しています。
・音の「高低」=電気信号の「周波数(波の細かさ)」
・音の「大きさ」=電気信号の「振幅(波の高さ)」
このように、電気信号は“音の特徴をそのまま写し取ったデータ”だと言えます。
 
生活に広がる音と電気の変換
この仕組みは、楽器だけでなくマイク、スマートフォン、イヤホン、テレビ、インターホン、補聴器など、私たちの生活にあふれるさまざまな音響家電に使われています。
 
たとえば
・マイク:音 → 電気信号
・スピーカー:電気信号 → 音
・電話機:双方向の変換を同時に行う
 
電気信号は、音を記録・増幅・加工・再生するための「共通言語」のようなもの。これを理解することで、音響機器や楽器の仕組みが一気に見えてきます。
 


 
3. 電気楽器と電子楽器の違い
「電気を使って音を出す楽器」と一口に言っても、その仕組みはすべて同じではありません。大きく分けると、電気楽器(Electric Instrument)と電子楽器(Electronic Instrument)の2種類があります。それぞれの違いを見ていきましょう。
 
電気楽器:実際に音が鳴ってから、電気信号に変換
代表的な例はエレキギターやエレクトリックバイオリンです。
・弦をはじく、弓でこする、といった物理的な動作で音(振動)を出す
・その振動をピックアップなどのセンサーが電気信号に変換する
・電気信号はアンプで増幅され、スピーカーから音が出る
つまり、“元の音”が実際に存在しており、それを電気信号にして活用するのが電気楽器です。
✔「音 → 電気信号 → 音の再生」という流れが基本
 
電子楽器:最初から電気信号で音を生成
一方で、電子ピアノやシンセサイザー、電子ドラムなどの電子楽器は、「鍵盤を押す」「パッドを叩く」といった動作で内部のセンサーが反応し、あらかじめプログラムされた音(または波形)を再生する仕組みです。
・実際には弦も振動も存在しない
・センサーで「どの音をどんな強さで出すか」を読み取り
・電子回路が直接電気信号を生成し、音として出力する
つまり、“最初から音のデータをつくる”のが電子楽器なのです。

項目 電気楽器 電子楽器
エレキギター、電気バイオリン 電子ピアノ、シンセサイザー、電子ドラム
音の発生源 弦や本体が物理的に振動する センサーが押された情報などで生成
信号の生成方法 実音の振動を拾って電気信号化 回路で信号を合成する
音色の自由度 弦・構造に依存(ただし加工可) 非常に多彩(波形やエフェクト自在)

違いを理解すると、楽器の選び方が変わる
・リアルな演奏感がほしいなら電気楽器
・多彩な音色や録音機能を使いたいなら電子楽器
というように、それぞれの特性を理解することで、自分に合った楽器選びや使い方がしやすくなります。
 


 
4. スピーカーで音が出る仕組みとは
電気楽器や電子楽器で生成された電気信号は、そのままでは私たちの耳に聞こえる「音」にはなりません。そこで登場するのが、スピーカーです。
 
スピーカーは、電気信号を「空気の振動」に戻すことで、音として再生する装置です。
 
スピーカー内部の構造
スピーカーの基本的な構造には、次のような部品があります:
・ボイスコイル:細い銅線を巻いたコイル
・磁石(マグネット):強力な磁界をつくる
・振動板(ダイアフラム):空気を震わせる円形の板
この3つが組み合わさることで、電気信号 → 空気の振動 → 音 という変換が可能になります。
 
電気信号が音になる流れ
①電気信号がボイスコイルに流れる
 → 信号に応じて電流の向きと強さが変化します。
②電流と磁石の力でコイルが前後に動く
 → 電磁力の原理(フレミングの左手の法則)で振動が発生。
③コイルと一体化した振動板が空気を震わせる
 → この空気の振動が「音」として私たちに届きます。
🎧 この仕組みは、テレビ・ラジオ・スマートフォン・Bluetoothスピーカーなど、ほぼすべての音響機器で共通しています。
 
電気の“波”が空気の“波”になる
ここまでを振り返ると、
・楽器 → ピックアップ/センサーで音の情報を電気信号に変換
・アンプで電気信号を十分な大きさに増幅
・スピーカーで電気信号を空気の振動に再変換
という流れになります。
つまり、スピーカーは「音を出す装置」というよりも、電気信号を“音”という物理現象に変換する最終段階の装置なのです。
 
補足:骨伝導イヤホンも仕組みは近い?
最近話題の骨伝導イヤホンは、空気ではなく頭蓋骨の骨を振動させて音を伝えます。ここでも、電気信号→振動→音という流れは同じ。音の伝え方は異なっても、電気を音にする仕組みは共通しています。
 


 
5. 音楽と電気技術の進化の歴史
音楽は、時代ごとに技術とともに進化してきました。特に「電気の力」が加わった20世紀以降、音楽のあり方そのものが大きく変わったと言っても過言ではありません。
 
🎸 1930年代:エレキギターの誕生
エレキギターは1934年に登場しました。アコースティックギターでは音量に限界があったため、大きな会場でも聞こえるように「ピックアップ」で音を電気信号に変え、アンプで増幅して音を出すという仕組みが開発されたのです。
この発明により、ロックやジャズなどの音楽が爆発的に広まりました。
 
🎹 1950年代〜:シンセサイザーの登場
エレキギターは1934年に登場しました。アコースティックギターでは音量に限界があったため、大きな会場でも聞こえるように「ピックアップ」で音を電気信号に変え、アンプで増幅して音を出すという仕組みが開発されたのです。
この発明により、ロックやジャズなどの音楽が爆発的に広まりました。
 
🎹 1950年代〜:シンセサイザーの登場
1950年代には、音をイチから電気で合成する「シンセサイザー」が登場します。これはもはや“楽器の振動”を必要とせず、波形を自由に設計することで多彩な音色を作れる画期的な楽器でした。
 
1970〜80年代のテクノ・ポップブームでは、YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)などが日本でも大流行。
以降、シンセサイザーは音楽制作に欠かせない存在となっていきます。
 
📱 2000年代以降:家電との融合とモバイル化
現代では、電気楽器や電子楽器の技術はスマートフォンやタブレットにも応用され、以下のような機能が一般化しました。
・アプリでのシンセ演奏・作曲
・ワイヤレススピーカーでの高音質再生
・骨伝導・ノイズキャンセリングなどの音響技術
・音声認識や通話にも応用されるマイク技術
つまり、「音を電気信号に変換する技術」は、楽器から家電製品全般に広がったのです。
 
🔁 テクノロジーが音楽の「楽しみ方」を広げた
・遠く離れた場所でも音を共有できる
・小さな動作で大音量が出せる
・音を録音・加工・再生・配信できる
こうした進化が、プロミュージシャンだけでなく、私たち一般人にも新しい音楽体験をもたらしてくれています。
 
🎧 電気がなければ、今の音楽の多様さや自由さは存在しなかったかもしれません。
音響機器は今や、家電製品の一ジャンルとしても重要な存在です。アンプ、Bluetoothスピーカー、ノイズキャンセリングヘッドホンなど、私たちは日々、音と電気の関係に囲まれて生活しています。
 


 
6. まとめ|電気と音の関係を知ると、音楽も家電ももっと楽しくなる
エレキギターや電子ピアノ、Bluetoothスピーカー、スマートフォン。
私たちが日常的に触れている「音」の多くは、空気の振動と電気信号の変換によって成り立っています。
かつては生演奏しかなかった音楽も、電気を取り入れることで
・離れた場所まで音を届けられる
・音の大きさや音色を自由に変えられる
・録音や編集、再生、配信が誰でも可能に と、表現方法も楽しみ方も一気に広がりました。
 
この記事でご紹介したように、電気を使う楽器や音響家電には、物理・電気・音響が融合したロジックが詰まっています。音の世界を技術の視点から見つめると、楽器選びや家電選びもより楽しく、深くなるかもしれません。
 
情熱電力からのお知らせ|電気の「使い方」から、暮らしをもっと豊かに
音楽も、映像も、コミュニケーションも。
現代の暮らしは「電気のチカラ」によって豊かになっています。
私たち情熱電力は、単に電気を届けるだけでなく、「その電気がどう使われているか」「より快適に・安全に使うにはどうすればいいか」まで、皆さまと一緒に考えていきたいと考えています。
 
電力会社を選ぶ時代。
楽器や家電を楽しむ方こそ、“電気そのもの”の品質やプランを見直してみませんか?
 
▶ ご家庭向け電気プランはこちら
👉 https://jo-epco.co.jp/price/
 
本記事内容に関連リンク
audio-technica:マイクロホンを識る
YAMAHA:ピックアップって、どんな物?
日本経済新聞:エレキギター、なぜ大きな音が出る? 電気信号に変換
 

2050年、最大8,300万kWの電力が不足?将来の供給力と火力リプレース問題

 
エネルギーイメージ
 
2050年に最大8,300万kWもの電力供給力が不足する可能性がある――。
電力広域的運営推進機関(OCCTO)が提示した衝撃的な試算は、私たちの未来の暮らしや産業に大きな影響を及ぼしかねません。
これは、火力や原子力のリプレース(更新)が滞った場合に発生するシナリオです。
需要が上振れし、経年による老朽電源が順次廃止される中で、新たな供給源が十分に確保されなければ、日本のエネルギーシステムは深刻な供給不足に陥る恐れがあります。
いくつかのシナリオのうち極端なケースでは、需要が1兆2,500億kWhと最大に達し、火力・原子力のリプレースが行われなかった場合、夏季夜間に8,300万kWの供給力不足が生じるとされています。
一方で、控えめな需要シナリオ(9,500億kWh)で原子力のリプレースを考慮しても、火力の更新がなければ3,760万kWの不足が見込まれています。
さらに、予備率13.9%(34年度の供給信頼度基準)の確保すら難しいケースも多く、設備を更新しても採算が合わないという問題も浮上しています。
本記事では、有識者会合や各種資料をもとに、将来の需給バランスに関する最新の試算内容、火力発電のリプレースの難しさ、そして政策的課題を整理していきます。
 
【目次】
1.供給力不足のインパクトとは?
2.最大8,300万kWの不足はどのような前提か?
3.火力リプレースをめぐる技術的・事業的課題
4.CCS・水素火力・アンモニア混焼への期待と現実
5.今後に求められる政策と投資誘導のあり方
 


 
1. 供給力不足のインパクトとは?
OCCTOは2050年の電力供給力について、最も厳しいシナリオでは最大8,300万kWが不足すると試算しました(※夏季夜間の需給断面)
 
※夏季夜間の需給断面:OCCTOが行った需給分析における4つの評価タイミング(夏季昼間・夏季夜間・冬季昼間・冬季夜間)のうち、太陽光発電が使えず冷房需要が続くため、特に供給力が厳しくなるとされる時間帯を指します。これは、原子力・火力のリプレースが全く行われない極端な前提における結果ですが、たとえ原子力のリプレースを織り込んだケースがでも3,760万kWの不足が見込まれるなど、需給バランスの脆弱さが浮き彫りとなりました。
 


 
2. 最大8,300万kWの不足はどのような前提か?
不足が最も大きくなるのは、2050年の電力需要が1兆2,500億kWhに達し、老朽火力・原子力の更新が全く行われなかったケースです。
この場合、供給信頼度の基準である予備率13.9%を満たすことができず、極端な需給ひっ迫が想定されています。
一方、需要が9,500億kWhにとどまる控えめなケースでも、火力の更新が進まなければ3,760万kWの供給力が不足するとの試算です。
 


 
3. 火力リプレースをめぐる技術的・事業的課題
将来の火力リプレースには、CCS(二酸化炭素回収・貯留)※や水素・アンモニア燃料への対応が求められますが、
実際の導入にはコストや技術インフラの面で大きな課題があります。
参加事業者からは「水素混焼+CCSの同時導入は非現実的」「バイオマス混焼で効率基準を満たせるなら非効率火力の扱いは再検討を」といった意見が出ており、技術的実現可能性や採算性への懸念が根強い状況です。
 
※CCS(二酸化炭素回収・貯留):発電所などから排出されるCO2を分離・回収し、地下深部などに貯留して大気中への放出を防ぐ技術。火力発電の脱炭素化の切り札とされているが、発電効率の低下やコスト、貯留インフラ整備などの課題がある。
 


 
4. CCS・水素火力・アンモニア混焼への期待と現実
脱炭素化を前提にしたモデルケースでは、2050年時点で火力電源はCCS付きや水素・アンモニアの専焼型へと移行する前提が組まれています。
しかし現実には、CCS導入による発電効率の低下や追加コスト(水素輸入価格37円/Nm3-H2など)が壁となり、投資判断が進まない例も多くあります。
また、既存設備の廃止に伴い、2040〜2050年にかけて最大6,900万kW超が失われる試算もあり、これを埋めるリプレースが追いつかなければ、需給ギャップはさらに拡大します。
 


 
5. 今後に求められる政策と投資誘導のあり方
需給バランスの安定には、単なる設備量の確保だけでなく、稼働率・採算性を担保する仕組みや長期投資への見通しが不可欠です。
容量市場や長期脱炭素オークションといった制度整備に加え、CCS貯留インフラや水素輸送網への支援が求められます。
火力リプレースが事業として成立するようなインセンティブ設計と、供給力維持の観点からの明確な政策的方向性が、いま問われています。
 


 
まとめ
日本の電力供給における“見えない崖”が、じわじわと迫っています。
経年火力や原子力の廃止が進む中で、十分なリプレースや脱炭素投資が行われなければ、2050年の需給ギャップは深刻な事態を招く可能性があります。
本記事で取り上げたように、有識者会合でも懸念の声が相次いでおり、事業性・技術性・政策支援の三位一体での対応が求められます。
エネルギーの安定供給をどう維持するか、社会全体での議論と行動が必要です。
 


 
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