なぜ天才は哲学を愛するのか?ジョブズとシュンペーターに学ぶ「超人」のイノベーション思考法

 
ニーチェ 哲学
 
日経ビジネスに気になる記事があったので調べてみました。スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクといった、世界を塗り替えてしまうようなイノベーターたち。彼らの「思考の型」を紐解いていくと、意外にも19世紀の哲学者フリードリヒ・ニーチェの思想に突き当たるといいます。

経済学者シュンペーターが提唱した「新結合(イノベーション)」も、実はニーチェの「超人」思想から強い影響を受けていたという指摘は、現代のビジネスパーソンにとっても非常に刺激的な視点です。単なる技術や数式の組み合わせではなく、停滞した世界を打ち破る「個人の意志」こそが経済を動かす原動力であるという考え方。今回は、イノベーションの本質にある「人間的、あまりに人間的な」ダイナミズムについて深掘りしていきましょう。
 


 
1. スティーブ・ジョブズが体現した「力への意志」
伝記作家ウォルター・アイザックソンは、ジョブズの根底にニーチェ的な「力への意志」や「超人」の概念を見て取っていました。

ここでいう「力への意志」とは、他者を支配しようとする権力欲ではありません。ニーチェが説いたのは、「自己を超越し、より高く、より強くあろうとする生命の根源的な衝動」です。
 
・超人(Übermensch)とは: 既存の価値観に縛られず、自ら新しい価値を創造できる存在。
・ジョブズとの共通点: 「世界にへこみを入れてやる(Put a dent in the universe)」という彼の言葉通り、常識を疑い、自らのビジョンで現実を再構築しようとする姿勢そのものです。
 
 
2. シュンペーターが描いた「英雄的」な起業家像
イノベーション理論の父、ヨーゼフ・シュンペーターもまた、ニーチェの熱心な読者でした。彼は、経済が習慣や伝統に支配されて停滞している状態(静学)を打破するのは、「行動の人(Man of Action)」であると考えました。

シュンペーターが定義する起業家(アントレプレナー)は、単に利益を追求する「合理的経済人」ではありません。
 
シュンペーターが挙げた起業家の動機
・私的王国を建設しようとする意志(王朝建設の夢)
・勝利者になりたいという意欲(勝利のための勝利)
・創造の喜び
これらは極めて主観的で、ある種「英雄主義的」なエネルギーに満ちています。彼は、イノベーションを「数式で割り切れる科学」ではなく、個人の強固な意志による「断絶」として捉えていたのです。
 
 
3. 理屈を超えた「行動力」こそが究極の原理
シュンペーターは、当時の主流派経済学(ワルラスの均衡理論など)が前提としていた「限界効用」や「合理的判断」だけでは、経済の劇的な発展は説明できないと批判しました。

データや計算に基づけば「これ以上は効率が悪い(限界だ)」とされる壁を、情熱と行動力で突破していく存在。それこそがイノベーターです。1912年に出版された『経済発展の理論(初版)』において、彼は「創造的人物こそが、事実上の究極の原理である」と断言しています。

現代のビジネスにおいても、AIやデータ分析による最適化は不可欠です。しかし、その「最適化された静寂」を破り、新しいステージへ引き上げるのは、いつの時代も「人間的、あまりに人間的な」熱量を持った個人の意志なのです。

 
 
まとめ:未来を創る「自由精神」
ニーチェは、伝統や権威を鵜呑みにせず、孤独を恐れず真理を探究する存在を「自由精神(freier Geist)」と呼びました。
イノベーションとは、既存の要素を組み替える「計算」の先にあるのではなく、現状を打破しようとする「意志」の結果です。ジョブズやシュンペーターが共有していたこの哲学は、変化の激しい現代を生きる私たちに、「自分の価値基準で動いているか?」という問いを投げかけているようです。
 


 
情熱電力からのお知らせ
私たち情熱電力も、エネルギーという社会の基盤から「新しい結合」を生み出す挑戦を続けています。

昨今のエネルギー市場は、地政学的な影響や需給バランスの変化により、予測困難な局面が続いています。しかし、シュンペーターが説いた「行動の人」のように、私たちは確かなデータ分析に基づきつつも、企業の皆様が安心して次の一歩を踏み出せるよう、最適な電力プランと透明性の高い情報提供を追求しています。

市場連動型リスクへの対策や、2026年度に向けた再エネ賦課金の変動など、複雑な電力コストの最適化はプロにお任せください。情熱を持って、貴社のビジネスに「エネルギーの変革」をお届けします。
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
この記事に関連するページリンク
・スタンフォード哲学百科事典(ニーチェ):Friedrich Nietzsche – Stanford Encyclopedia of Philosophy
 ┗ ニーチェの核心概念である「超人」や「力への意志」について、学術的かつ網羅的に解説されています。
 

蓄電池ビジネスの新常識!「ハードからソフトへ」2026年最新トレンドと“稼ぐ”ための戦略を徹底解剖

 
蓄電池のイメージ
 
いつも読ませていただいているITmedia(スマートジャパン)に、先日、東京ビッグサイトで開催された「スマートエネルギーWeek 2026」に関する気になるまとめ記事があったので調べてみました。

2026年、蓄電池ビジネスを取り巻く環境は大きな転換点を迎えています。かつては「どのメーカーの電池を入れるか」というハードウェア選定が議論の中心でしたが、今や主戦場は「いかに賢く動かし、収益を最大化するか」というソフト面、つまりEMS(エネルギーマネジメントシステム)とアグリゲーションの質へと移り変わっています。

系統用蓄電池から産業用まで、蓄電池はただ設置するだけでは利益を生みません。卸電力市場、需給調整市場、容量市場といった複雑なマーケットを横断し、1分1秒を争う最適制御が求められる時代。今回の記事では、展示会で注目を集めた主要企業の動向を紐解きながら、これからの蓄電池運用に不可欠な「3つの成功の鍵」を解説します。
 


 
目次
1.「置いておくだけ」では稼げない?蓄電池ビジネスのパラダイムシフト
2.注目企業6社にみる、2026年最新の制御・運用トレンド
 ┗ 制御の極致:メテオコントロールとラプラス・システム
 ┗ 運用・アグリゲーションの先駆者:ユーラスエナジーとE-Flow
 ┗ 総合力の強み:東芝とオムロンフィールドエンジニアリング
3.2027年の壁「JC-STAR」への対応が事業の成否を分ける
4.まとめ:変動する市場で勝ち抜くためのパートナー選び
5.情熱電力からのお知らせ
 


 
1. 「置いておくだけ」では稼げない?蓄電池ビジネスのパラダイムシフト
これまでの蓄電池導入は、補助金活用や非常用電源としての側面が強くありました。しかし、現在のトレンドは明確に「収益事業としての蓄電池」です。

蓄電池で収益を上げるには、安い時に充電し、高い時に放電する「裁定取引(タイムシフト)」だけでなく、系統の周波数を維持するための「需給調整市場」への参画が不可欠です。特に一次調整力のような高度なレスポンスが求められる市場では、コンマ秒単位の制御技術が収益を左右します。
 
 
2. 注目企業6社にみる、2026年最新の制御・運用トレンド
展示会で特に存在感を放っていた6社の動向から、現在の技術到達点を見ていきましょう。
 
■ 制御の極致:メテオコントロール / ラプラス・システム
・メテオコントロール(独):
世界基準の「フィードバック制御」が武器。電力メーターの実測値をリアルタイム監視し、変換ロスを補正する技術で、市場での「指令値との乖離(失格リスク)」を徹底排除しています。
・ラプラス・システム(日):
国内シェアトップクラスの老舗。既存の監視端末「ソーラーリンクゼロ」をベースに、蓄電池EMSへの拡張を提案。後述する「JC-STAR」認証をいち早く取得している点が強みです。
 
■ 運用・アグリゲーションの先駆者:ユーラスエナジー / E-Flow
・ユーラスエナジーHD:
発電事業者としての知見を活かしたVPPプラットフォーム「ReEra(リエラ)」を展開。中古EVバッテリーのリユース実証など、循環型モデルにも積極的です。
・E-Flow(関西電力グループ):
2030年度に運用容量1GWを目指すメガ・アグリゲーター。AIによる自動入札と、熟練オペレーターによる有人判断を組み合わせたハイブリッド運用が特徴です。
 
■ 総合力の強み:東芝 / オムロンフィールドエンジニアリング
・東芝:
長寿命な自社電池「SCiB」と、高精度な「取引戦略AI」をセットで提供。ハードとソフトの両輪でリスクを抑えた運用を提案しています。
・オムロンフィールドエンジニアリング(OFE):
「Smart-EMSクラウド」により、自家消費からFIP対応、VPPまでをシームレスに管理。補助金申請から保守までの一気通貫サポートが魅力です。
 
 
3. 2027年の壁「JC-STAR」への対応が事業の成否を分ける
今回の展示会で多くの事業者が口にしていたのが「JC-STAR(サイバーセキュリティ評価・ラベリング制度)」です。
 
重要データ:
2027年4月以降、系統連携する太陽光・蓄電システムにはJC-STAR認証機器の導入が実質的に必須化される見通しです。
 
これから蓄電池プロジェクトを始動させる方は、導入するEMSやゲートウェイがこの基準をクリアしているか、あるいはアップデート対応を保証しているかを必ず確認してください。安価な海外製品を導入しても、セキュリティ要件を満たさなければ「系統に繋げない」という致命的なリスクを負うことになります。
 
 
まとめ
2026年の蓄電池ビジネスは、単なる「設備投資」から、高度な「金融・運用ビジネス」へと進化を遂げました。
 
・ソフトの重要性: どのEMS、どのアグリゲーターと組むかが収益の9割を決める。
・市場の複合利用: 卸市場・需給調整市場・容量市場を組み合わせたマルチ収益化が必須。
・セキュリティ基準: 2027年を見据えた「JC-STAR」対応は避けて通れない。
市場環境は、需給調整市場の上限価格が19円から15円へ引き下げられるなど、常に変化しています。最新の制度を熟知し、適切なテクノロジーを選択することが、長期的な事業成功の唯一の道といえるでしょう。
 
 
情熱電力からのお知らせ
「蓄電池を導入したいが、結局どのシステムが一番稼げるのか分からない……」
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
 
情熱電力では、今回ご紹介したような最新のEMS動向やJC-STAR対応、さらにはFIP制度を活用した収益シミュレーションまで、お客様の条件に合わせた最適な蓄電池ビジネスプランをご提案いたします。
・系統用蓄電池の新規開発サポート
・既設太陽光への蓄電池後付け(レトロフィット)相談
・最新の補助金情報の提供
情熱を持って、お客様の脱炭素経営と収益化を強力にバックアップします!まずはお気軽にお問い合わせください。
 
株式会社情熱電力へのお問い合わせは こちらからお願いします。
 
この記事に関連するページリンク
・ITmedia(スマートジャパン):蓄電池ビジネスの「競争軸」に変化の兆し EMS・アグリゲーター各社の最新動向
・経済産業省:分散型電源のサイバーセキュリティ対策について
・電力広域的運営推進機関(OCCTO):需給調整市場の検討・詳細設計
・スマートエネルギーWeek: 公式サイト
 

【2027年施行予定】太陽光パネルのリサイクルが義務化へ!「大量廃棄時代」に備える新法の全貌を徹底解説

 
太陽光パネルリサイクル
 
太陽光パネルのリサイクルに関する気になる記事があったので調べてみました。2026年4月3日、政府は「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」を閣議決定しました。これは、2030年代後半に訪れるとされる太陽光パネルの「大量廃棄時代」を見据えた、極めて重要な法的枠組みです。これまで努力義務に近い形だったリサイクルが、ついに制度化され、特定の事業者には厳しい義務が課されることになります。発電事業を継続する皆様にとって、決して他人事ではないこの新法のポイントを詳しく解説します。
 


 
1. なぜ今、新法が必要なのか?「2030年代後半」の危機
我が国の太陽光発電は急速に普及しましたが、その裏で「パネルの寿命」という大きな課題が迫っています。排出量の激増: 2030年代後半以降、太陽光パネルの排出量は顕著に増加し、年間最大で約50万トンに達すると予測されています。
 
・最終処分場の逼迫: これらをすべて埋立処分した場合、最終処分場の容量を圧迫し、
 日本の廃棄物処理全体に支障をきたす恐れがあります。
 
・コストの壁: 現時点ではリサイクル費用が埋立処分費用を上回っており、
 全国的な処理体制も構築途上であるという課題があります。
 
このような状況を打破し、資源の有効利用を確保するために、今回の新法が策定されました。
 
 
2. 発電事業者に課される新たな「義務」と「規制」
今回の法律案では、特に「多量の事業用太陽電池」を廃棄しようとする事業者(メガソーラー事業者等)に対し、リサイクルの実施に向けた取り組みを義務付けています。
 
・廃棄実施計画の届出:廃棄しようとするパネルの重量が一定基準を超える事業者は、
 事前に「多量事業用太陽電池廃棄実施計画」を主務大臣(環境大臣と経済産業大臣)に届け出なければなりません。
 
・30日間の着手禁止:原則として届出が受理されてから30日を経過するまでは廃棄物の排出や工事を行ってはなりません。
 
・勧告と命令:計画が国の定める判断基準に照らして著しく不十分な場合、
 国は計画の変更を勧告、さらには命令することができます。
 
・罰則の適用:届出の拒否や命令に従わない場合には、罰金が科される規定も設けられています。
 
 
3. リサイクルを加速させる「認定制度」と「メーカーの責務」
単に規制するだけでなく、リサイクルを効率化するための措置も盛り込まれています。
 
・リサイクル事業の認定:効率的なリサイクル計画を国が認定する制度が創設されます。
 認定を受けた事業者は、都道府県ごとの廃棄物処理法の許可が不要になる等の特例措置を受けられます。
・メーカー・販売業者の努力義務:製造業者等には、リサイクルしやすい設計や有害物質(含有物質)の情報提供を行うことが求められます。
 
 
4. まとめ:持続可能な太陽光発電のために
今回の法律は、公布から1年6か月以内(2027年末ごろ)の施行を目指しています。

太陽光発電はクリーンなエネルギーだとされていますが、その設備自体が「負の遺産」になってはいけません。事業者の皆様には、単なるコストアップとして捉えるのではなく、適切なリサイクルこそが太陽光発電事業の社会的信頼を守る道であることを強く認識していただきたいと思います。今後、詳細な判断基準(ガイドライン)が策定されるため、最新情報に常に注意を払う必要があります。
 


 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
・経済産業省/環境省:太陽光パネルのリサイクル制度について
・経済産業省:再生可能エネルギー発電設備の廃棄・リサイクルのあり方に関する検討会
・経済産業省:「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」が閣議決定されました
 

【2026年緊急調査】電力会社が新規契約を停止?中東情勢の悪化で迫る「第2の電力難民」危機

 
解説します。
 
日経エネルギーNEXTに「電力販売上位30社を独自調査、企業向け新規契約に停止の動き」という気になる見出しの記事があったので調べてみました。
 
現在、米国とイスラエルによるイラン攻撃から1カ月が経過し、中東情勢の先行きは不透明さを極めています。この影響でLNG(液化天然ガス)や原油価格が急騰し、電力業界には激震が走っています。特に企業向けの「特別高圧・高圧」分野では、一部の小売電気事業者が新規契約の受付を停止するなど、かつての「電力難民問題」を彷彿とさせる事態が起き始めています。世界的なエネルギー危機が日本の電力供給にどのような影を落としているのか、販売量上位30社の最新動向と共にお伝えします。
 


 
深刻化するエネルギー危機:主要30社のリアルな現状
日経エネルギーNextが2026年3月23〜25日にかけて実施した独自調査により、衝撃的な事実が明らかになりました。販売電力量上位30社のうち、回答のあった22社の状況をまとめると、すでに「供給の門戸」を閉じ始めた企業が出ています。
 
■ 新規受付状況の調査結果




■ 特別高圧・高圧の新規契約受け付け状況(2026年3月調査)
区分 社数 主な該当企業
新規受付を停止 2社 東京ガス、ENEOS Power
一部プランを停止 3社 U-POWER、エバーグリーン・マーケティング、大和ハウス工業
通常通り受付 15社 大手電力(東電EP等※)、エネット、大阪ガス、ミツウロコグリーンエネルギー、SBパワー、東邦ガス、デジタルグリッド など

※東京電力EP:申し込みは受け付けているが、回答に時間を要している状況。
※関西電力:2026年3月30日に「全電圧で新規受け付けを継続」と回答。



特に影響力が大きいのは、自社電源を持つ東京ガスやENEOS Powerといった大手新電力の受付停止です。東京ガスは「電力の仕入れ価格が販売価格を上回る可能性がある(逆ざや)」ことを理由に挙げており、インフラ企業として苦渋の決断を迫られている状況が見て取れます。
 
 
なぜ今、新規契約が止まるのか?「逆ざや」の恐怖
今回の受付停止の背景にあるのは、燃料価格の異常な高騰です。
 
・原油価格: ドバイ原油先物が開戦前の2倍、120〜130ドル前後を維持。
・LNG価格: アジア向け指標(JKM)も開戦前の約2倍に到達。
・卸電力市場(JEPX): スポット市場価格も上昇傾向。
小売電気事業者は、自社電源や相対契約、JEPX(日本卸電力取引所)などから電気を調達します。しかし、調達コストが固定の販売単価を上回ってしまうと、「売れば売るほど赤字になる(逆ざや)」という事態に陥ります。
 
これを避けるため、市場連動型プラン以外の「固定価格プラン」を停止する動きが加速しているのです。
 
 
大手電力と新電力で明暗を分ける「調達力」
今回の危機において、事業者の経営基盤や調達戦略の違いが顕著に現れています。
 
大手電力10社の動向
東京電力エナジーパートナー(EP)を含む大手電力は、現時点では「通常通り受付」を継続しています。ただし、東電EPは「調達可能量の精査のため回答に時間がかかっている」としており、今後の急増次第では制限がかかる可能性も示唆しています。
 
新電力の格差
相対契約(発電事業者との直接契約)を厚めに確保している一部の新電力にとっては、夜間の余剰電力を高騰した市場で売却することで利益が出る「追い風」となっているケースもあります。一方で、市場調達比率が高い事業者は「毎日、生きた心地がしない」と漏らすほど、経営が圧迫されています。
 
 
まとめ:私たちは2022年の教訓を活かせるか
かつてロシアのウクライナ侵攻後に発生した「電力難民問題」。契約更新ができず、供給先を失う企業が続出したあの状況を繰り返してはなりません。
今回の調査で浮き彫りになったのは、「一企業だけでエネルギーリスクを負うことの限界」です。
また、燃料価格に左右されない「再生可能エネルギー」の導入や、電力先物を活用したリスクヘッジの強化が、これまで以上に重要になるでしょう。
 
 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
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情熱電力でご契約中の皆さまへ
情熱電力 2026年3月4日付でこのブログに掲載させていただいた
【ご契約中の皆さまへ】ホルムズ海峡情勢に伴う電力価格高騰への懸念について情熱電力の取組み にてご案内のとおり
弊社は、
不測の事態を予測し、お客様が気付く前に手を打っておく。それこそが、皆さまから「情熱電力」を選んでいただいた信頼への答えだと考えています。
私たちは、一日も早い情勢の安定と、世界に平和が戻ることを心より願っております。それまでの間、電気に関する不安はすべて私たちにお任せいただき、皆さまはどうぞ、ご自身のビジネスに全力を注いでください。
今後とも、情熱電力をよろしくお願い申し上げます。
 


 
この記事に関連するページリンク
・日経エネルギーNEXT:電力販売上位30社を独自調査、企業向け新規契約に停止の動き
・電力・ガス監視委員会:市場連動型小売電気料金の説明・情報提供について
 

自給率2.2%の「生命線」を守れ!INPEX・JAPEXが挑む国内ガス田開発の最前線

 
ガス田のイメージ
 
日経ビジネスに国内ガス田開発に関する気になる記事があったので調べてみました。私たちは普段、当たり前のようにガスや電気を使っていますが、その燃料となる天然ガスの自給率がわずか2.2%だという事実をご存じでしょうか。

現在、世界情勢の不安定化や円安の影響でエネルギー価格が高騰する中、この「わずか2%」が日本の安全保障を支える重要な鍵となっています。今回は、新潟県を中心に再燃する国内ガス田開発の動向と、なぜ今「国産」にこだわる必要があるのか、その舞台裏に迫ります。
 


 
日本の「天然ガス王国」新潟と驚きの自給率
日本は資源に乏しい国と言われますが、実は新潟県は国内の天然ガス生産量の約7割を占める「天然ガス王国」です。

JAPEX(石油資源開発)の「片貝ガス田」や、国内最大級の生産拠点であるINPEX(国際石油開発帝石)の「南長岡ガス田」など、新潟県長岡市周辺には日本のエネルギー自給を支える重要拠点が集結しています。

しかし、数字で見ると日本のエネルギー事情は依然として厳しい状況にあります。

・天然ガスの国内自給率:2.2%
・原油の国内自給率:0.3%
(2022年 天然ガス鉱業会データより)
これだけ見ると「たったそれだけ?」と感じるかもしれません。しかし、このわずかな国産資源が、日本の交渉力や技術力を支える「生命線」となっているのです。
 
 
なぜ今、国内開発への「回帰」が進んでいるのか?
INPEXやJAPEXが今、改めて国内での試掘や設備投資を強化している背景には、3つの大きなメリットがあります。
 
1. エネルギー安全保障(セキュリティー)
現在、日本の原油輸入の9割以上は中東に依存しています。もしホルムズ海峡が封鎖されるような事態になれば、日本のエネルギー供給は瞬時に危機に陥ります。国産資源は、地政学リスクや円安の影響を直接受けない、最も安定した「最後の砦」なのです。
 
2. 価格競争力と既存インフラの活用
海外から天然ガスを輸入する場合、マイナス162℃で液化(LNG化)し、専用船で運ぶ莫大なコストがかかります。一方、国内産は気体のままパイプラインで供給できるため、既存のインフラ(INPEXは約1500km、JAPEXは約800kmの網を保有)に繋げば、非常に高いコストパフォーマンスを発揮します。
 
3. 世界で戦うための「人材育成の場」
INPEXが主導するオーストラリアの巨大プロジェクト「イクシス」など、海外で活躍する技術者の多くは、日本の小さなガス田現場で経験を積んでいます。国内現場は、若手が事業の全体像を学ぶ「最高の教育の場」としての側面も持っているのです。
 
 
次なるフロンティアは「海」へ
陸上での開発が進む一方で、今後の期待は海洋資源へと移っています。
JAPEXは2026年3月にも北海道日高地域沖での試掘を計画しており、INPEXも2027年以降に海域を含む試掘を検討しています。

かつて島根・山口県沖での試掘が商業化に至らなかった苦い経験もありますが、掘削技術の進化(120億円を投じたリグの刷新など)により、より深い地層への挑戦が可能になっています。
 
 
まとめ:2.2%が切り拓く日本の未来
「自給率2%」という数字は、一見すると無力に思えるかもしれません。しかし、その裏にはエネルギーの価格交渉を有利に進める「カード」としての役割や、有事の際のバックアップ、そして世界に通用する技術の継承という、数字以上の価値が詰まっています。
私たちが使うエネルギーの背景にある、新潟や北海道の「現場」で戦う人々の情熱。それこそが、日本の未来を照らす真のエネルギーなのかもしれません。
 


 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力では、今回ご紹介した国内ガス田開発のような「日本のエネルギー自給率向上」や「地産地消のエネルギー活用」を心から応援しています!

私たちは、地域の資源を活かした持続可能なエネルギー供給を通じて、皆さまの暮らしと産業を支えるパートナーでありたいと考えています。エネルギーの効率化や、最新の電力事情に関するご相談は、ぜひ情熱電力までお気軽にお問い合わせください。

日本の未来を、共に熱く照らしていきましょう!
 
株式会社情熱電力へのお問い合わせは こちらからお願いします。
 
この記事に関連するページリンク
・JOGMEC(独立行政法人 エネルギー・金属鉱物資源機構):公式サイト
 ┗ 日本の資源開発に関する公的なデータや最新ニュースが網羅されています。
・天然ガス鉱業会:公式サイト
 ┗ 国内の天然ガス生産に関する統計資料や、ガス田の仕組みを詳しく解説しています。
・石油資源開発株式会社(JAPEX) :公式ページ
 ┗ 記事に登場した片貝ガス田やパイプライン網の情報が確認できます。
 

ホルムズ海峡封鎖の衝撃。米国の「最大圧力」が日本の電力価格を押し上げる理由と現状

 
解説します!
 
なぜ??なぜアメリカがホルムズ海峡を封鎖すると発表をしたのか調べてみました。事の発端は2026年4月12日、トランプ米大統領によるSNSでの「米海軍が海峡の封鎖手続きを開始する」という宣言です。世界最強の軍事力を用いて、イランの港に出入りするすべての船舶を阻止するというこの異例の決断は、世界中に衝撃を与えました。

これまで米国は、原油価格の安定を優先してイランのタンカー通航をある程度黙認してきましたが、ここへ来て方針を「オール・オア・ナッシング(すべてか無か)」へと転換させました。この決断の裏には、イランとの外交交渉の決裂と、戦費調達を阻止するための経済的包囲網という、極めて深刻な背景があります。

しかし、この遠く離れた地での「封鎖」は、すでに日本のエネルギー市場を静かに、確実に蝕み始めています。特に火力発電に頼る東京や中部エリアでは、卸電力取引所(JEPX)のスポット価格が急騰。新電力の新規受付停止が相次ぐなど、2022年のウクライナ危機を彷彿とさせる事態となっています。今、エネルギー市場で何が起きているのか。その真相と日本への影響を詳しく解説します。
 


 
米国が決断した「封鎖」の真意:交渉決裂と経済の遮断
なぜ米国は、自国のガソリン価格上昇を招くリスクを冒してまで海峡を封鎖するのでしょうか。主要ニュースメディアの分析から、以下の3つの理由が浮かび上がります。
 
「最大圧力」による戦争終結への賭け
パキスタン・イスラマバードで行われた米国とイランの和平交渉が決裂したことが決定打となりました。米国側は「イランが核開発の野心を放棄しなかった」とし、軍事作戦の資金源である石油・ガス輸出を完全に断つことで、イランを交渉の席に引き戻す狙いがあります。
 
「不当な通行料」への対抗措置
現在、イランは海峡を通過するタンカーに対し、1隻あたり最大200万ドル(約3億2000万円)という莫大な「通行料」を課し、それを戦争資金に充てています。米国はこれを「違法な略奪」と断じ、イランが選別的に自国の利益になる船だけを通す現状を打破しようとしています。
 
制裁免除の失敗と方針転換
先月、米国は一時的にイラン産原油の販売を許可しましたが、これが結果としてイランに巨額の利益を与え、西側諸国に対する戦争を継続させる結果を招きました。この「厄介な許可」を反省し、今回は「イランが利益を得るか、さもなくば誰も通さないか」という極めて強硬な姿勢に転じました。
 
 
航行船舶数は激減、実質的な供給不安が続く
米中央軍は「イラン以外の港に向かう船舶の自由は妨げない」としていますが、海域に敷設された機雷のリスクや、米国による船舶捜索の宣言により、民間の海運会社は極めて慎重になっています。
紛争前は1日平均138隻が通過していたホルムズ海峡ですが、直近のデータではわずか19隻程度にまで減少。この物流の滞りが、世界的なエネルギー価格の押し上げ要因となっています。
 


 
日本国内への影響:東京・中部のスポット価格が突出
この情勢を受け、日本の電力市場にも明確な変化が現れています。特に火力発電依存度の高いエリアでは、LNG(液化天然ガス)の供給リスクを敏感に反映し、価格が突出しています。
 

2026年4月1日〜14日 エリア別スポット価格平均
対象エリア 平均価格(1kWhあたり) 市場の動向
東京 21.06 2022年危機以来の高値水準
中部 19.89 火力依存と供給不安が直撃
関西 15.02 相対的に落ち着いた推移

※出典:日本卸電力取引所(JEPX)公開データを基に作成

東京や中部では、3月末に大手電力会社間の相対契約が一部終了したタイミングとも重なり、スポット市場での調達ニーズが増大。価格が変動しやすい不安定な状況が続いています。
 
 
新電力の新規受付停止が相次ぐ「電力難民」の足音
卸市場の急騰は、小売電気事業者の経営を直撃しています。
すでにENEOS Power、東京ガス、イーレックス子会社、U-POWERといった大手を含む新電力が、企業向けの新規受付を停止したと報じられています。JEPXのシステムプライスが2月の平均から2倍以上に跳ね上がったことで、逆ざや(仕入れ値が販売価格を上回る)リスクを回避するための苦渋の決断です。

2022年の危機では、契約先を失った「電力難民」が4万件を超え、割高な「最終保障供給」を余儀なくされる企業が続出しました。現在の状況は、その再来となる可能性を十分に孕んでいます。
 
 
まとめ
トランプ政権によるホルムズ海峡封鎖は、イランへの圧力を最大化するための「劇薬」です。しかし、その副作用はエネルギーの8割以上を中東に依存する日本にとって、非常に重いものとなっています。

JEPXのスポット価格上昇は、数ヶ月のタイムラグを経て、燃料調達調整費額や市場連動型プランの請求額として、私たちの元に届きます。電気代が高騰してからでは、新電力の固定プランへの切り替えという選択肢すら選べない(受付停止のため)可能性があります。今、自社の契約内容が市場変動にどう影響されるのか、改めて点検が必要です。
 


 
情熱電力からのお知らせ
中東情勢の緊迫化に伴い、電力コストの見通しが立てづらい状況が続いています。

特に「市場連動型」の契約を結んでいる法人様においては、4月以降の電力単価が想定を大きく上回るリスクがあります。情熱電力では、最新の市場データに基づいたコストシミュレーションや、リスク回避のためのプランのご提案を行っております。

電気料金は「後払い」のため、高騰に気づいた時には大きな損失を被っているケースが少なくありません。現状の契約に不安を感じている方は、ぜひお早めにご相談ください。
※ JEPX公式サイト等でも翌日の取引価格をやこれまでの価格推移をご確認いただけます。
 
株式会社情熱電力へのお問い合わせは こちらからお願いします。
 
この記事に関連する情熱電力の記事
米国・イラン停戦後のホルムズ海峡情勢と国内電力取引価格高騰の現状について
中東情勢がもたらす電力・ガスの安定供給への懸念|2026年度の燃料調達見通しと最新の政策対応を解説
 
・日本卸電力取引所(JEPX):TOPページ →右上の電力取引 →市場情報からご確認いただけます。
 

令和7年度補正 再エネ電源併設および大規模業務産業用蓄電システム導入支援事業の公募概要と投資のポイント

 
解説します!
 
再エネ電源に併設する蓄電システムと大規模業務産業用蓄電システムの導入を支援する補助事業の公募を開始という気になる記事があったので調べてみました。
2050年のカーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギー(再エネ)の導入拡大は避けて通れない課題です。しかし、太陽光や風力といった変動電源の増加に伴い、出力制御(出力抑制)の発生や電力需給の不安定化が顕在化しています。こうした課題を解決し、エネルギー危機に強い経済構造への転換を図るため、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)より総額616億円(内数)規模の大型補助金が発表されました。本補助金は、蓄電池の導入を通じて再エネの最大限の活用やデマンドレスポンス(DR)への参加を目指す事業者を強力にバックアップするものです。投資回収の効率を大幅に高める本事業のポイントを詳しく解説します。
 


 
◇公募の全体像と予算規模
今回の補助事業は「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」の一環として実施されます。全体の予算額は、系統用蓄電池や再エネ併設蓄電池、大規模業務産業用蓄電池などを合わせて計616億円という巨額なものです。そのうち、2026年度(初年度)分として約80億円が割り当てられています。
 
 
◇対象となる主な事業区分
本公募では、設置場所や出力、目的に応じて大きく2つのカテゴリーが注目されています。
 
1.大規模業務産業用蓄電システム等導入支援事業
・対象設備: 蓄電容量20kWh超、かつ蓄電池PCSの合計出力が100kW以上
・設置場所: 高圧以上の「需要側」に設置
・目的: 調整力としてのデマンドレスポンス(DR)への活用
 
2.再エネ電源併設蓄電システム等導入支援事業
・対象設備: 蓄電池PCS合計出力100kW以上(原則、最大受電電力1,000kW以上)
・設置場所: 発電事業者の再エネ電源設備に併設
・目的: 出力制御対策や、FIP制度への移行に伴う市場統合の促進
 
 
◇補助率と優遇措置
本事業の大きな特徴は、補助金額の上限が設けられていない点、そして技術特性に応じた柔軟な補助率の設定です。
 
・基本補助率: 1/3、1/2、2/3以内(設備の種類や出力により変動)。
・優遇対象: リチウムイオン電池以外の「長期エネルギー貯蔵技術」や「リユース蓄電池」を活用する場合、補助率の面で優遇措置が受けられます。
これにより、先進的な脱炭素技術への投資や、環境負荷の低い循環型設備の導入を検討している事業者にとって、極めて有利な条件となっています。
 
 
◇公募期間とスケジュール
申請はすでに開始されており、期限は以下の通りです。
・公募期間: 2026年3月24日(火)~ 2026年5月29日(金)12:00必着
特に大規模なシステム導入には詳細な設計やシミュレーションが不可欠なため、早めの検討が推奨されます。
 
 
まとめ
今回の補助事業は、単なる設備の導入支援に留まらず、電力市場への統合や需給調整への参加といった「蓄電池をビジネスの武器にする」ための大きなチャンスです。補助率が最大3分の2と高く、かつ補助上限がないという異例の規模であるため、大規模な産業用・発電用蓄電池の導入を検討されている事業者様にとっては、まさに今が投資の好機と言えるでしょう。エネルギー価格の変動リスクを低減し、自社の競争力を高めるためにも、本補助金の活用をぜひご検討ください。
 


 
情熱電力からのお知らせ
公募締切は5月末と限られた期間になります。蓄電池への投資をご検討中の皆様、まずは一度、情熱電力までお気軽にお問い合わせください。
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
この記事に関連するページリンク
・一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII):令和7年度補正 再エネ電源併設蓄電システム等導入支援事業
・環境ビジネスオンライン:ニュースリリース
 

米国・イラン停戦後のホルムズ海峡情勢と国内電力取引価格高騰の現状について

 
ホルムズ海峡の夕日とタンカー
 
米国とイランの停戦が8日に発効しました。ホルムズ海峡のその後や、日本のエネルギー価格への影響について調べてみました。

2026年2月下旬から続いた緊迫した軍事衝突は、14日間の期限付き停戦という形で一時の落ち着きを見せています。しかし、世界のエネルギー輸送の心臓部であるホルムズ海峡の機能は依然としてマヒしており、日本国内の卸電力取引価格(JEPX)にも顕著な影響が出始めています。特に東京・中部エリアに続き、今週からは関西エリアでも価格が急騰しています。本記事では、地政学リスクの現状と、私たちが直面しているエネルギーコストの課題を整理します。
 


 
1. ホルムズ海峡の現状:停戦後も続く「事実上の封鎖」
4月8日に発効した停戦合意にもかかわらず、ホルムズ海峡の海上交通は正常化からほど遠い状況にあります。
 
〇 激減した通航数
通常1日あたり約140隻が往来する同海峡ですが、直近24時間で通過したのはわずか7隻(石油製品タンカー1隻、ばら積み船6隻)にとどまっています。これは平時の1割未満という異常事態です。
 
〇 イランによる厳格な統制
イラン当局は、海峡内に敷設された機雷を回避するためとして、ララク島周辺の特定の航路を通るよう船舶に指示しています。また、一部報道では200万ドル(約3億1,900万円)もの高額な通航料を要求しているとされており、船主や保険会社がリスクを嫌って通航をためらう要因となっています。
国際的な海運の流れは、単なる戦闘の中止だけでは回復しません。乗組員の安全確保や機雷の撤去確認など、物流の正常化には相当な時間を要すると予測されます。
 
 
2. 原油市場の動向と供給網の脆弱性
原油価格は100ドルの大台を下回る水準で推移していますが、供給不安は解消されていません。
 
・原油価格の推移: 北海ブレント原油は一時99ドル台、WTIは97ドル台と、供給懸念を背景に底堅く推移しています。
・サウジアラビアへの影響: 攻撃を受けたサウジアラビアのエネルギーインフラにより、日量約60万バレルの生産能力が喪失しています。さらに、ホルムズ海峡を迂回する東西パイプラインの機能も低下しており、エネルギー供給網全体の脆弱性が浮き彫りになっています。
 
 
3. 日本の電力価格への直接的影響(JEPX動向)
 
JEPX取引 スポット市場2026年3月10日~2026年4月9日
JEPX スポット市場2026年3月10日~2026年4月9日 取引価格 東京・中部・関西エリア

 
こうした国際情勢は、日本の電力市場にダイレクトに反映されています。添付の約定価格チャート(円/kWh)を見ると、エリアごとの価格高騰が鮮明です。

エリア 高騰のタイミング 現状の推移
東京・中部 3月末から先行して上昇 25円/kWhを超える水準で高止まり
関西 4月7日(今週)から急騰 10円台前半から一気に20円台後半へ接近

これまで比較的落ち着いていた関西エリアでも、今週に入り燃料調達リスクや他エリアへの融通の影響からか、価格が跳ね上がっています。停戦合意後も「燃料が届かない・高い」という実情が変わらない限り、この高騰傾向は継続、あるいはさらに加速する恐れがあります。
 
 
まとめ:エネルギーコスト増への備えを
「停戦」という言葉に安堵しがちですが、実態としてのエネルギー供給体制は依然として危機的状況にあります。ホルムズ海峡の正常化が見通せない中、火力発電への依存度が高い日本の電力価格は、今後さらに厳しい局面を迎える可能性があります。

企業や家庭においては、単なる節電だけでなく、電力契約の見直しや自衛策の検討など、エネルギーコストの上昇を前提としたリスク管理が求められる時期に来ています。
 


 
情熱電力からのお知らせ
いつも情熱電力をご利用いただき、誠にありがとうございます。
現在、ホルムズ海峡の情勢悪化に伴い、卸電力取引市場(JEPX)の価格が全国的に高騰しております。記事にあります通り、特に今週からは関西エリアを含め、全域で不安定な状況が続いています。
 
弊社では、お客様のエネルギーコスト負担を最小限に抑えるべく、市場連動型プランをご利用の皆様へ向けた最適な電力運用のコンサルティングや、省エネ設備の導入支援を行っております。今後の価格推移や対策についてご不安な点がございましたら、お気軽に担当窓口までお問い合わせください。
 
【 ぜひご確認ください 】
※ 電気料金の請求書や明細をご確認ください。
「電源調達調整費」などの項目がある法人・個人のお客さまも注意が必要です。
 電源調達調整費:スポット市場価格、為替、世界的な燃料価格などに大きな影響を受ける項目。
 弊社はもちろん、中部電力さんもメニューにもない項目です。
 基本料金や電力量料金単価が安くてもこの電源調達調整費を合わせると電気料金が高くなる恐れがあります。
 
※よくわからない・・・。という方のために
お使いの電力プランに関するお問い合わせは こちらからお願いします。
電気料金請求書・明細や電気料金のお知らせを見せていただければ、リスク等も含めて率直にお伝えします。
 
この記事に関連するページリンク
・ロイター:ホルムズ海峡の船舶通過、停戦後も停滞 2026年4月9日
・ブルームバーグ:ホルムズ海峡、なぜ通航再開見通せないのか 2026年4月10日
・JEPX(一般社団法人 日本卸電力取引所):TOPページ → 右上の電力取引 → 市場情報で取引データが確認できます。
 

ペロブスカイト太陽電池が実用化へ王手!「熱劣化ゼロ」の衝撃とNEDO新指針を解説

 
ペロブスカイト太陽光電池フィルム
 
ペロブスカイト太陽光に関する気になる記事があったので調べてみました。次世代太陽電池の「本命」として期待されるペロブスカイト太陽電池(PSC)ですが、これまでは「熱への弱さ」が普及の大きな壁となっていました。しかし、2026年3月、産業技術総合研究所(産総研)がその常識を覆す驚きの研究成果を発表しました。

さらに、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からは、建物への導入を具体化する「設計・施工ガイドライン」が公開されるなど、社会実装に向けた動きが加速度的に進んでいます。日本が世界をリードするこの技術は、私たちのエネルギー自給率やカーボンニュートラルの実現にどう貢献するのでしょうか?今回は、PSCの弱点を克服した最新技術から政府の普及戦略まで、情熱電力の視点で徹底解説します。
 


 
■ 弱点克服!産総研が実現した「熱劣化ゼロ」の画期的技術
ペロブスカイト太陽電池は、軽量・薄型・柔軟という優れた特徴を持つ一方で、夏の高温環境に弱いという課題を抱えていました。従来の正孔輸送層に用いられる材料では、85℃の環境下で数十時間も経てば、初期性能の10分の1以下に低下することもありました。

しかし、2026年3月13日に産総研が発表した成果は、この問題を根本から解決するものです。

・新材料の導入: 汎用的な有機材料である「2-フェニルピリジン」等を正孔輸送層に注入。
・驚異の耐久性: 85℃で2400時間にわたる耐熱試験において、初期効率を100%維持することに成功しました。
・屋外実証: 2025年夏季から2026年冬季までの屋外暴露試験でも効率低下は観測されず、実環境での強さが証明されました。
このブレイクスルーにより、これまで懸念されていた「寿命」の問題が大きく改善され、耐用年数20年以上の高性能な太陽電池開発に道筋が見えてきました。
 


 
■ NEDOが「フレキシブル太陽電池」の設置ガイドラインを公表
技術的な進化に加え、社会に普及させるための「ルール作り」も整ってきました。2026年3月18日、NEDOは「フレキシブル太陽電池を利用した太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン」を公開しました。

これまでのシリコンパネルは重く、設置場所が限られていましたが、曲がるペロブスカイト太陽電池ならビルの壁面や耐荷重の低い屋根にも設置可能です。

・建築・電気の統一基準: 安全なシステム構築のため、構造設計やメンテナンスの注意点を整理。
・今後の展望: 2027年度中にはさらなる改定を予定しており、風荷重や雪荷重に対する安全性の検証も進められます。
 


 
■ 日本の戦略と「ヨウ素」の強み
政府はペロブスカイト太陽電池を「ゲームチェンジャー」と位置づけ、2040年に20GWの導入、発電コスト10円/kWhという高い目標を掲げています。

ここで重要なのが、主原料である「ヨウ素」です。日本は世界第2位(シェア約3割)の生産国であり、資源の多くを輸入に頼るエネルギー分野において、日本が「資源国」になれる数少ないチャンスなのです。
 


 
まとめ
2026年3月に発表された「耐熱性の劇的向上」と「施工ガイドラインの整備」により、ペロブスカイト太陽電池は研究室の中の技術から、私たちの街を支える現実的なインフラへと進化しました。
軽量・柔軟な特性を活かした壁面設置や、既存の屋根への追加設置が進めば、日本のエネルギー事情は劇的に変わるはずです。産総研やNEDO、そして国内メーカー各社(積水化学工業、カネカ、東芝など)の動向から、今後も目が離せません。
 


 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力では、常に最新のエネルギー技術にアンテナを張り、お客様にとって最適なエネルギーソリューションをご提案しています。
今回ご紹介したペロブスカイト太陽電池は、従来のパネルでは設置を諦めていた場所にも導入できる可能性を秘めています。まだ一般普及の前段階ではありますが、私たちはこうした次世代技術がもたらす「エネルギーの地産地消」を全力でサポートしてまいります。
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
この記事に関連するページリンク
・産業技術総合研究所(産総研):ペロブスカイト太陽電池、ついに日本の夏を耐え過ごす!
・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO):フレキシブル太陽電池を利用した太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン
・スマートジャパン(ITmedia):ペロブスカイトなどの「フレキシブル太陽電池」 NEDOが設計・施工ガイドラインを公表
 

中東の火種が日本のビルを止める?「生コン枯渇」の衝撃と、私たちが直面するエネルギー危機の深層

 
コンクリート 生コンのイメージ画像
 
「生コンがつくれない」という見出しの気になる記事があったので調べてみました。2026年3月末、イラン情勢の緊迫化を背景に、日本の建設業界に激震が走っています。生コンクリートの材料となる砂や砂利(骨材)を運ぶ船の重油が底をつきかけ、工事が停滞する懸念が急速に高まっているのです。

私たちの暮らしに欠かせないビルや道路、ダムといったインフラ。その土台となる生コンが供給されなくなれば、都市開発のストップだけでなく、ただでさえ高騰している建設費がさらに跳ね上がる事態を招きかねません。政府は備蓄石油の放出を決めましたが、供給網の末端である「現場」に届くには時間がかかり、危機は刻一刻と迫っています。なぜ中東の情勢が、日本の工事現場をこれほどまでに揺るがしているのでしょうか。エネルギー自給率の低い日本が抱える構造的なリスクと、今まさに起きている物流危機のリアルに迫ります。
 


 
なぜ「生コン」が作れなくなるのか?
生コンクリートは、セメント、水、そして体積の大部分を占める砂や砂利といった「骨材」を混ぜ合わせて作られます。この骨材は、主に西日本などの産地からガット船と呼ばれる運搬船で各地域の工場へ運ばれます。

今、この「運搬」という物流の要が、燃料である重油の不足によって悲鳴を上げています。特に海沿いに工場が多い大阪府などでは、西日本からの骨材搬入が途絶えれば、即座に生産停止に追い込まれる「生コン・ショック」の瀬戸際に立たされています。
 
 
イラン情勢が直撃する日本の燃料事情
背景にあるのは、緊迫するイラン情勢です。これにより原油供給が逼迫し、石油元売り各社は「計画販売(前年実績に基づく供給制限)」に踏み切りました。

ここで深刻な問題となっているのが、燃料の「優先順位」です。

・一般消費者優先: 世論への影響を考慮し、ガソリンスタンド向けの供給が優先される傾向にある。
・産業用の後回し: 船舶用の重油や、生コン車・ダンプカーに必要な軽油が不足。

関東地方でも、生コン車向けの軽油不足が表面化し始めています。市中のガソリンスタンドで高い単価を払って給油せざるを得ず、経営を圧迫しているのが実情です。
 
 
政府の備蓄放出は「間に合うのか」
事態を重く見た政府は、2026年3月中旬に以下の対策を打ち出しました。

・民間備蓄の放出: 15日分を市場へ。
・国家備蓄の放出: 全国11カ所の基地から、約850万キロリットルを順次放出。

しかし、業界団体からは「放出された油が実際に現場へ届くには約1カ月かかる」という懸念の声が上がっています。燃料が届く前に骨材の在庫が尽きれば、工事は止まってしまいます。一度止まった工期を元に戻すには、莫大なコストと時間が必要になるのです。
 
 
日本のインフラを支える物流の脆さ
今回の危機は、単なる材料不足ではありません。「中東情勢 → 燃料不足 → 物流停止 → 建設不可」という、日本のエネルギー構造が抱える脆弱性が露呈した形です。
石油元売り各社には余力がなく、新規の供給要請を断らざるを得ない状況が続いています。日本の経済とインフラを支える「産業の血液」が、今まさに詰まりかけているのです。
 
 
まとめ
「生コンがつくれない」という一見局地的な問題は、実は私たちの社会全体の脆弱性を物語っています。中東という遠く離れた地の政情不安が、私たちの頭上のビルの建設を止め、経済を停滞させる。この現実は、特定のエネルギー源や地域に依存し続けることのリスクを改めて浮き彫りにしました。

今、建設現場で起きている危機を「対岸の火事」として捉えるのではなく、日本のエネルギー供給網全体を見直す契機としなければなりません。
 


 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力では、今回のような国際情勢に左右されない「エネルギーの自立」が、日本の未来を守る鍵だと信じています。化石燃料への過度な依存から脱却し、地域でエネルギーを循環させる仕組みづくりは、もはや環境問題だけではなく、私たちの経済と生活を守るための「安全保障」です。

建設現場を動かす力、そして街を照らす光。それらをより安定的で持続可能なものに変えていくために、情熱電力はこれからもエネルギーの新しい選択肢を提案し続けます。
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
この記事に関連するページリンク
・日経ビジネス:情勢不安による燃料不足と建設業界への影響
・日本経済新聞:中東発の供給不安に企業は柔軟に対応を