冬の電気代対策 暖房効率劇的アップ!エアコン設定と湿度管理で乗り切る賢い節約術

 
冬の家庭
 
冬の電気代節約について気になったので調べてみました。寒さが厳しくなると、どうしても気になってしまうのが毎月の電気代請求額ですよね。実は、冬の家庭における電力消費量のうち、約3割が「暖房」によるものだと言われています。しかし、ただ寒さを我慢して暖房を消すのは健康上も良くありませんし、快適な暮らしとは言えません。
そこで今回は、暖房器具の特性に合わせた「賢い使い分け」から、体感温度を上げるための「湿度管理」、そして意外と知られていないプロ直伝の「エアコンフィルター掃除術」まで、今すぐ実践できる節約テクニックを徹底解説します。エネルギーコストを抑えながら、この冬を温かく快適に過ごすためのヒントをお届けします。
 


 
暖房器具は「場所」と「時間」で使い分ける
一口に暖房器具といっても、その温め方には種類があります。それぞれの特性を理解し、シーンに合わせて使い分けることが節約への第一歩です。
・リビング(長時間・広範囲): エアコンやファンヒーターなど、空気を循環させる「対流式」がおすすめ。部屋全体を均一に温めるのに適しています。
・脱衣所・トイレ(短時間・狭い範囲): 電気ストーブやパネルヒーターなどの「輻射(ふくしゃ)式」が最適。スイッチを入れてすぐ暖かさを感じられます。
・おひとりさま時間(スポット): 電気毛布やこたつなどの「伝導式」が最強の節約ツールです。特に電気毛布は1時間あたり約2.25円程度と非常に経済的。テレワーク中やリラックスタイムには、部屋全体を温めるよりも効率的です。
 
エアコン効率を最大化する「温度」と「湿度」の黄金比
冬の暖房の主役であるエアコン。少しの工夫で消費電力を大きく抑えることが可能です。
 
設定温度は「20℃」を目安に
環境省が推奨する冬の室温目安は20℃です。暖房の設定温度を1℃下げるだけで、約10%の消費電力削減になると言われています。「20℃では寒い」と感じる場合は、以下の工夫を取り入れましょう。
※とはいえ、20°Cの設定は寒いですよね・・・。設定温度を下げると消費電力が削減されるという前提をご承知いただき、ご自身の環境に併せて温度を設定してください。
 
「湿度」を上げて体感温度アップ
実は、室温が同じでも湿度が上がると体感温度は上昇します。冬の室内は乾燥しがちですが、加湿器や濡れタオルなどを活用して湿度を40〜60%に保ちましょう。これにより、エアコンの設定温度を下げても寒さを感じにくくなります。
 
暖気の逃げ道を塞ぐ
せっかく温めた熱の約6割は「窓」から逃げていきます。
・厚手で床まで届く長めのカーテンにする
・窓に断熱シートを貼る
・エアコンの風向きは「下向き」に設定し、サーキュレーターで天井に溜まった暖気を循環させる
これらを行うことで、無駄なエネルギー消費を防げます。
 


 
プロ直伝!節約に直結するエアコンフィルター掃除法
フィルターが目詰まりしていると、エアコンの効率は著しく低下します。2週間に1回を目安に掃除を行いましょう。ここでは正しい手順をご紹介します。
 
1.安全確保: 必ず電源プラグを抜いてから作業します。
2.掃除機は「表」から: フィルターを外したら、まずは表面(外側)から掃除機をかけます。裏から吸うとホコリが目に詰まってしまうので注意が必要です。
3.水洗いは「裏」から: 汚れがひどい場合は、中性洗剤を溶かしたぬるま湯で洗います。この時、シャワーなどは裏側から当てて汚れを押し出します。強くこすらず、優しく扱いましょう。
4.陰干し: タオルで水分を拭き取り、日陰で完全に乾かしてから取り付けます。
 


 
電源は「つけっぱなし」がお得な場合も
エアコンは起動して設定温度に達するまでに最も多くの電力を消費します。そのため、コンビニへ行く程度の短時間の外出であれば、電源を切らずにつけっぱなしにしておく方が、室温の再調整にかかるエネルギーを節約できる場合があります。 逆に、帰宅直後の冷え切った部屋を早く温めたい場合は、立ち上がりの早いファンヒーターなどを短時間併用し、ある程度温まってからエアコン単独運転に切り替えると効率的です。
 


 
まとめ
冬の電気代節約のポイントは、単にスイッチを切ることではなく「効率よく温めること」にあります。
・適材適所: 広い部屋はエアコン、個人利用は電気毛布などを使い分ける。
・環境作り: 湿度40〜60%を保ち、窓からの冷気を遮断する。
・メンテナンス: 定期的なフィルター掃除で機器のパフォーマンスを維持する。
これらの小さな工夫を積み重ねることで、快適さを損なわずにお財布に優しい冬を過ごすことができます。ぜひ今日から試してみてください。
 


 
情熱電力からのお知らせ
 
〇「節約術は実践したけれど、やっぱり電気代が高い…」とお悩みではありませんか?
日々の工夫も大切ですが、根本的な電気料金プランの見直しが、最も大きなコスト削減につながる場合があります。 情熱電力では、お客様のライフスタイルや電力使用状況に合わせた最適なプランをご提案しています。「今のプランが自分に合っているかわからない」という方は、ぜひ現在のプランや電気料金について教えてください。
私たちが、あなたの冬の暮らしをエネルギーの面から温かくサポートいたします。
 
株式会社情熱電力へのご連絡は コチラから
 
この記事に関連するページ
・経済産業省資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」 家庭でできる省エネの具体的なデータや手法が掲載されています。
・環境省「Warm Biz」 ウォームビズや快適な室温設定についての取り組みが紹介されています。
 

【年末年始休業のお知らせ】2025年の感謝と2026年の情熱を込めて。少しだけ「充電期間」をいただきます!

 
休業のお知らせ
 
年の瀬も迫り、2025年も残すところわずかとなりました。
本年も情熱電力をご愛顧いただき、誠にありがとうございました。
私たちは少しだけお休みをいただき、2026年も“エネルギー全開”で皆さまをサポートしてまいります。
 
■ 年末年始の休業期間 
2025年12月30日(火) ~ 2026年1月4日(日)
 
■ 営業再開日 
2026年1月5日(月)より通常営業いたします
 
期間中にいただいたお問い合わせは、1月5日より順次対応させていただきます。
寒さ厳しい季節ですので、どうぞ暖かくして、よいお年をお迎えください。
 
新しい一年が、皆さまにとって明るくエネルギッシュな一年になりますように。
来年も“情熱”を込めて、電力をお届けしてまいります。
 
🔋 2026年に向けて 私たちスタッフ一同、この期間にしっかりと英気を養い、新年には電圧120%増し(!?)の笑顔とパワーで皆さまをお迎えすることをお約束します!
皆さまにおかれましても、どうか温かいお正月をお過ごしください。 来る2026年も、変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。
 
よいお年をお迎えください!
 


 
お出かけの際の参考に!!
お休み期間中の道路状況
Yahoo!道路交通情報(長野県)
NEXCO中日本 年末年始期間の高速道路における渋滞予測について
 


 

株式会社情熱電力
〒390-0874 長野県松本市大手2丁目1-4
TEL:0263-88-1183 mail: info@jo-epco.co.jp
 
お問い合わせは コチラ

 

革命?!空気で電気を貯める時代へ!住友重機械が挑む「液化空気蓄電(LDES)」と電力ビジネスの転換点

 
LDESのイメージ図
 
日本経済新聞に長期エネルギー貯蔵(LDES)に関する気になる記事があったので調べてみました。再生可能エネルギーの導入が進む一方で、いま大きな問題となっているのが、発電しても使いきれずに捨ててしまう「出力制御」の急増です。
これまでの蓄電ビジネスの主役はリチウムイオン電池でしたが、数時間程度の調整には向いているものの、季節をまたぐような長期的な貯蔵にはコストや劣化の面で課題がありました。そんな中、住友重機械工業が「空気を液体にして貯める」という画期的な設備の商用化に乗り出しました。これは単なる技術開発の話ではありません。日本の電力ビジネスの構造を根底から変える「LDES(長期エネルギー貯蔵)」時代の幕開けを告げるニュースです。本記事では、この新技術の正体と、電力ビジネスに携わる方が今知っておくべき「蓄電の新たな常識」を深掘りします。
 


 
目次
・「空気を冷やして液体にする」驚きの蓄電メカニズム
・なぜリチウムイオン電池だけでは不十分なのか?LDESの必要性
・効率50%の壁をどう超える?住友重機械の戦略と広島ガスの挑戦
・重力、CO2、岩石……百花繚乱のLDES技術が市場を塗り替える
・【注意喚起】日本の制度設計は間に合っているか?投資回収のハードル
・まとめ:再エネを「捨てる」から「使い倒す」時代へ
 


 
「空気を冷やして液体にする」驚きの蓄電メカニズム
住友重機械工業が英ハイビューパワー社と提携して進めているのは、「液化空気蓄電(LAES)」という技術です。
仕組みは驚くほど物理的です。余った再エネ電力を使って空気をマイナス190度まで冷却し、液体状態にします。液体になると空気の体積は700分の1にまで凝縮されるため、大規模な貯蔵が可能になります。電気が足りなくなったら、この液体を再び気体に戻し、その膨張エネルギーでタービンを回して発電します。
この技術の最大の武器は、100メガワット超の電力を1日以上保存できるという点にあります。
 
なぜリチウムイオン電池だけでは不十分なのか?LDESの必要性
現在、蓄電池市場を席巻しているリチウムイオン電池ですが、電力ビジネスを長期的に俯瞰すると、それだけでは「リスク」があります。
・放電時間の限界: リチウムイオン電池は数分〜数時間の微調整には最適ですが、半日以上の蓄電では自己放電によるロスやコスト効率が悪化します。
・資源リスク: レアメタルの価格高騰やサプライチェーンの不安がつきまといます。
・出力制御の深刻化: 現在、東電を除く9エリアで出力制御が頻発しています。夏に余った電気を冬に使う、あるいは晴天時の余剰を数日間保存するといった「長期エネルギー貯蔵(LDES)」がなければ、再エネ比率をこれ以上引き上げることは困難です。
 
効率50%の壁をどう超える?住友重機械の戦略と広島ガスの挑戦
液化空気蓄電の課題は、充放電効率が50〜60%程度に留まることです。80%を超えるリチウムイオン電池に比べると見劣りするように思えます。
しかし、住友重機械は広島ガスの廿日市工場に導入する国内初の商用設備において、LNG(液化天然ガス)の冷熱を活用する工夫を凝らしています。未利用の熱エネルギーを組み合わせることで、システム全体の効率を底上げし、商用ベースでの採算性を確保する狙いです。2025年内の稼働を目指しており、一般家庭80世帯分の1カ月分に相当する電力を蓄電できる能力を持ちます。
 
重力、CO2、岩石……百花繚乱のLDES技術が市場を塗り替える
LDESの世界では、液化空気以外にも革新的な技術が続々と登場しています。

技術カテゴリー 注目企業 エネルギー蓄積の仕組み
重力蓄電 TMEIC(三菱電機・東芝JV) 重りを高所に上げ、落とす際のエネルギーで発電。
CO2蓄電 日揮HD(伊エナジードーム提携) CO2をドームに貯め、液化・気化の過程で充放電。
岩石蓄熱 海外ベンチャー等 岩石に熱を蓄え、蒸気を作ってタービンを回す。

これらの技術は2020年代後半から続々と商用化フェーズに入ります。
 
【注意喚起】日本の制度制度は間に合っているか?
ここで、蓄電ビジネスに関心のある皆さまに注意していただきたい点があります。それは「投資回収の難易度」です。
LDESはリチウムイオン電池のように頻繁に充放電を繰り返すモデルではないため、現在の卸電力市場(スポット市場)の価格差だけでは、莫大な設備投資を回収するのが困難です。 英国やドイツでは、最低収入を保証する支援策が始まっていますが、日本でも2025年度から「長期脱炭素電源オークション」にLDES専用枠が新設されています。しかし、「落札後4年以内の運転開始」という厳しい条件があり、技術確立と建設期間のバランスをどう取るかが、事業者にとっての大きな壁となっているようです。
 
まとめ
住友重機械による液化空気蓄電の始動は、日本のエネルギー政策が「再エネを入れる」段階から「再エネを賢く貯めて使う」段階へ移行したことを象徴しています。 効率性や設置コスト、そして制度の動向。これらを総合的に見極める目を持つことが、これからの電力ビジネスで勝ち残る鍵となるでしょう。
 


 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 
この記事に関連するページ
・経済産業省:蓄電池以外のエネルギー貯蔵システム(LDES)の技術動向・課題整理
・LDES Council(グローバルなLDES推進団体):https://ldescouncil.com/
 

【長野市】あえて「ゆっくり」が新しい!TOMATO食品館の有人レジが教えてくれる温かなお買い物体験

 

 
地元の信濃毎日新聞に気になる記事があったので調べてみました。
最近、どこのスーパーに行っても「ピッ」と自分で会計するセルフレジや、支払いは自分で行うセミセルフレジが増えましたよね。便利で早い反面、機械の操作に戸惑ってしまったり、店員さんとのやり取りがなくて少し寂しさを感じたりすることはありませんか?
そんな中、長野市新田町の「TOMATO食品館(もんぜんぷら座内)」が今月導入したのが、その名も「ゆっくりレジ」です。
世の中が効率化へ突き進む中で、あえて「焦らず」「会話を楽しむ」ことに重きを置いたこの取り組み。地元のお年寄りや、温かいふれあいを求める方々から「こういうのを待っていた!」と熱い視線が注がれています。今回は、この心温まる地元のニュースをご紹介します。
 


 
効率化の逆を行く?「ゆっくりレジ」とは
長野市の中心市街地、もんぜんぷら座にあるスーパー「TOMATO食品館」。 ここで新たに設置された「ゆっくりレジ」は、他のお店が進める完全無人化やスピード重視のレジとは一味違います。
通常、同店の他のレーンでは、店員さんが商品をスキャンして支払いは客自身が行う「セミセルフ方式」を採用しています。しかし、この「ゆっくりレジ」のレーンだけは、昔ながらの有人対応。
入り口には分かりやすく張り紙が掲げられ、以下のようなニーズに「待ったなし」ではなく「待ったあり」で応えています。
 
・セルフレジの機械操作が苦手
・会計中に焦りたくない
・店員さんとのちょっとした会話を楽しみたい
 
昨秋のアンケートで見えた「本当のニーズ」
なぜ今、あえて有人レジを強化したのでしょうか? その背景には、昨年の秋に来店客100人以上を対象に行われた聞き取り調査がありました。
そこで高く評価されていたのは、従業員の「親切な対応」や「話しやすさ」でした。 TOMATO食品館は、地元のお年寄りの利用が多い店舗です。効率よりも「人とのつながり」を求めているお客さんが多いことが、データとして実証されたのです。
実際に利用された75歳の女性も、「買い物での会話がひそかな楽しみ」「人と接する機会が少ない年配にはちょうどいい」と喜びの声を寄せています。
 
誰もがストレスなく買い物できる場所へ
この「ゆっくりレジ」は、お年寄りだけのものではありません。 店側は、介助が必要な障害を持つ方や、まだ買い物に慣れていないお子さんが「はじめてのおつかい」をするようなシーンも想定しているそうです。
さらに素晴らしいのが、今後の展開です。 接客面をさらに強化するために、従業員の方々に「認知症サポーター養成講座」の受講を推奨していくとのこと。
運営元の「まちづくり長野」の担当者さんが語る「多様な人にストレスなく買い物を楽しんでほしい」という言葉通り、スーパーが単なる「物を買う場所」から「地域の居場所」へと進化している素敵な事例ですね。
 
まとめ
今回は長野市のTOMATO食品館が始めた「ゆっくりレジ」についてご紹介しました。
・焦らず会計できる「ゆっくりレジ」を導入
・顧客アンケートで「親切さ」「話しやすさ」の需要を確認
・高齢者だけでなく、障害者や子供にも優しい設計
・認知症サポーター養成など、ソフト面の対応も強化
大手スーパーが撤退した跡地で、地元主導で運営されているお店だからこそできる、心温まる「おもてなし」の形。効率化も大切ですが、こうした「余白」のあるビジネスモデルは、これからの地域社会でより重要になってくるのではないでしょうか。
 


 
情熱電力からのお知らせ
【私たちも「顔の見える」お付き合いを大切にしています】
今回の「ゆっくりレジ」のお話、とても共感いたしました。 私たち情熱電力も、電力の供給という目に見えないサービスを扱っていますが、一番大切にしているのは「お客様との対話」です。
「電気代のプラン、難しくてよく分からない」 「もっとコストを下げたいけれど、どうすればいいの?」
そんなお悩みに対して、私たちも機械的な対応ではなく、お客様のペースに合わせてじっくりと解決策をご提案させていただきます。
「電力のゆっくり相談窓口」として、ぜひお気軽に情熱電力へお声がけください。地元の企業として、皆様のビジネスや生活を温かくサポートいたします!
 
株式会社情熱電力 会社概要
電話:0263-88-1183 ← お電話でのお問い合わせはこちら。(機械応答ではありません!!)
 
この記事に関連するページ
・まちづくり長野(運営会社)公式サイト:https://www.city.nagano.nagano.jp/n205100/shisetsu/p006212.html
 ┗ ※TOMATO食品館が入る「もんぜんぷら座」のサイトです。
 

「第2のFIT」到来か? 蓄電所ビジネスが沸騰中!土地・送電網の権利転売から将来の展望まで解説

 
系統用蓄電池
 
日本経済新聞に系統用蓄電池ビジネスに関する気になる記事があったので調べてみました。
現在、再生可能エネルギー業界で最も熱い視線を浴びているのが「系統用蓄電池(蓄電所)ビジネス」です。かつての太陽光発電バブルを彷彿とさせるその盛り上がりは、関係者の間で「第2のFIT」と称されるほど。
しかし、なぜ今これほどまでに投資が加速しているのでしょうか?背景には、送電網への接続枠を巡る「早い者勝ち」の争奪戦があります。本記事では、土地や接続権利の転売が活発化している現状や、参入企業の動向、そして2027年に予測される市場の変化について、最新データを交えて分かりやすく紐解きます。蓄電所ビジネスへの参入を検討されている方、脱炭素経営の次の一手を探している方は必見の内容です。
 


 
目次
1.「蓄電所バブル」の実態:土地と接続権が数千万円で取引される理由
2.投資主体の7割が「資産運用」目的?多様化する参入プレイヤー
3.コスト低下と政策の後押し:電池価格は14年で10分の1に
4.2027年の壁:激化する競争と生き残りの戦略
5.まとめ:蓄電所ビジネスの「今」をどう捉えるべきか
 
1.「蓄電所バブル」の実態:土地と接続権が数千万円で取引される理由
現在、系統用蓄電池の現場では、実際に施設が稼働する前の「権利」段階での転売が活発化しています。日経記事の取材によると、2メガワット規模の蓄電所では、土地と送電網への接続権を合わせて7,000万〜1億円が相場となっているケースもあるようです。(収益シミュレーションがエリアによって変わるため、収益性が高いエリアの案件が高値の傾向)
なぜこれほど高値で取引されるのか。それは「送電網接続の行列」にあります。
・接続待ちの現状: 資源エネルギー庁のデータでは、接続検討の回答待ちは2024年6月末時点で約143ギガワットと、わずか1年で2倍以上に急増。
・運転までの期間: 一般的な2メガワット級で1〜2年、大規模なものでは3〜4年を要します。
「今から申請しても数年待ち」という状況が、すでに枠を確保した案件の価値を押し上げているのです。
 
2.投資主体の7割が「資産運用」目的?多様化する参入プレイヤー
かつての太陽光発電は事業会社が主役でしたが、蓄電所ビジネスは「金融商品」としての側面が強まっています。あるスタートアップ企業の顧客構成では、約7割が資産運用目的の企業やファンドだといいます。
 
一方で、異業種からの参入も目立ちます。
・不動産・建設: ヒューリック、大和ハウス工業
・物流: 三菱倉庫
・通信: KDDI(auリニューアブルエナジー)
・商社・リース: 住友商事や大手リース各社
これらは、単なる売電収益だけでなく、自社保有の土地活用や、自社の電力需要に対する「セーフティネット(安全弁)」としての活用も視野に入れています。
 
3.コスト低下と政策の後押し:電池価格は14年で10分の1に
ビジネスモデルが成立する背景には、劇的なコストダウンがあります。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によると、蓄電所の総設置費用は2010年から2024年にかけて約10分の1にまで下落しました。
さらに、制度面での後押しも強力です。
・長期脱炭素電源オークション: 20年間の固定収入が保証される日本独自の制度。
・補助金制度: 系統用蓄電池に対する導入補助。(現在はかなり縮小)
 
4.2027年の壁:激化する競争と生き残りの戦略
現在稼働している蓄電所は全国で71カ所(2024年6月末時点)に留まりますが、現在仕込まれている大規模案件が稼働し始める2027年ごろから市場は一変すると予測されています。
多くの蓄電池が市場に参入すれば、電力価格の差幅(スプレッド)が縮小し、収益性が低下するリスクがあります。これを見据え、オリックスのような大手は「規模の経済」によるコスト抑制を、KDDIのような企業は「自社需要との連携」によるリスクヘッジを重視しています。
 
5.まとめ:蓄電所ビジネスの「今」をどう捉えるべきか
系統用蓄電池ビジネスは、まさに「第2のFIT」と呼ぶにふさわしい熱気に包まれています。土地の確保や接続枠の取得難易度は上がっていますが、電池価格の下落と政策支援により、依然として魅力的な投資対象です。 ただし、数年後の競争激化は避けられません。単なる「権利転売」や「利回り追求」だけでなく、運用技術や電力小売とのシナジーなど、「持続可能な運用戦略」を持っているかどうかが、長期的な勝敗を分けることになるでしょう。
 


 
情熱電力からのお知らせ
【系統用蓄電池ビジネスの「次の一手」をご提案します】
情熱電力では、系統用蓄電池の導入をご検討中の事業者様向けに、用地選定から接続申請や、そして稼働後の運用最適化までをトータルでサポートします。
「系統用蓄電池の購入を検討している」「運用シミュレーションをより精緻に行いたい」「既存の太陽光発電所への併設を検討したい」といったお悩みはありませんか?
変化の激しいエネルギー市場で、貴社の資産価値を最大化するためのパートナーとして、ぜひ情熱電力にご相談ください。
 
・個別相談、随時実施中!
・最新の市場動向レポートもご提供しています。
お問い合わせは、本サイトのコンタクトフォーム、またはお電話にてお気軽にどうぞ!
 
株式会社情熱電力へのお問い合わせは こちらから
 
この記事に関連するページ
・日本経済新聞:蓄電所ビジネス沸騰 土地や送電網接続の権利、転売活発に
・経済産業省:系統用蓄電池の現状と課題
・経済産業省:2024年度 定置用蓄電システム普及拡大検討会の結果とりまとめ(案)
 

系統用蓄電池の「空押さえ」対策で土地取得が必須化へ!2026年からの規制強化を解説

 
系統用蓄電池
 
このブログでも何度か取り上げたことのあるトピックですが、系統用蓄電池による「空押さえ」に関する記事です。
数か月前のデータになりますが、接続検討の受付件数や接続契約申込の受付件数、接続済み件数なども記載してあります。
系統用蓄電池ビジネスをご検討の皆さまに参考にしていただけるとうれしいです。
 
近年、再生可能エネルギーの普及とともに注目を集める「系統用蓄電池」。しかし、その裏側で系統容量を確保するだけして事業が進まない「空押さえ」が問題視されています。資源エネルギー庁の「次世代電力系統ワーキンググループ」第5回会合では、ついにこの問題に対する抜本的な対策案が示されました。
これまでは比較的緩やかだった申請要件ですが、今後は「土地の権利確保」が厳格に求められることになりそうです。これから参入を検討している事業者様にとっては、事業計画の根幹に関わる重要な変更点です。今回は、その詳細と今後の対策について分かりやすく解説します。
 


 
目次
1.系統用蓄電池の現状:申請急増と「空押さえ」の実態
2.2026年1月以降、「接続検討」のハードルが上がる
3.「接続契約」申し込み時点で土地の使用権原が必須に
4.「権利転売」目的のビジネスモデルへの監視強化
5.東北エリアなどでの新たな情報公開と立地選定
6.まとめ:確実な事業化が求められるフェーズへ
 


 
1. 系統用蓄電池の現状:申請急増と「空押さえ」の実態
まずは、現在の系統用蓄電池を取り巻く状況を数字で見てみましょう。 資源エネルギー庁の資料によると、2025年9月末時点での全国の受付状況は以下のようになっています。
 
・接続検討の受付: 約15,000件(約1億6,361万kW)
・接続契約申込の受付: 約2,800件(約2,260万kW)
・接続済み: 111件(約49万kW)
 ※中国エリアは8月末時点の数値
ご覧の通り、「検討・申込」の数に対して「接続済み」の件数が圧倒的に少ないことが分かります。 もちろん工期の長い事業ですのでタイムラグはありますが、問題なのは「事業化確度の低い案件」が系統容量を埋めてしまっている(空押さえ)ことです。これにより、本当にやる気のある事業者が接続できないという弊害が起きています。
 
2. 2026年1月以降、「接続検討」のハードルが上がる
これまでは、接続検討の申し込み段階では、土地に関する要件はそこまで厳しくありませんでした。その結果、「防災公園」や「他人の住居」など、現実的に設置不可能な場所での申請が行われるケースもあったようです。
これを受け、2026年1月以降に接続検討および契約申し込みを行う全ての系統用蓄電池(および新設発電設備)について、以下のルールが適用される見込みです。
・要件化の内容: 申し込み時に事業用地に関する調査結果や登記簿等の提出が必要
・狙い: 実現不可能な土地での安易な申し込みを排除する
「とりあえず場所を押さえておく」といった軽い感覚での申請は、今後は門前払いとなる可能性が高いため注意が必要です。
 
3. 「接続契約」申し込み時点で土地の使用権原が必須に
さらに大きな変更点が、「接続契約」の申し込み段階です。 これまでは契約申し込み時点で土地を取得している必要はありませんでしたが、今後は以下の要件が課される方針です。
・変更点: 接続契約申し込み時に、事業用地における「使用権原」を証する書類の提出を必須化
・ペナルティ: 権原の取得が確認できない場合、申し込みは取り下げ扱いとなる
これはFIT/FIP制度の再エネ電源と同様の扱いです。「土地の契約は後回しで、先に系統枠だけ確保したい」という進め方は通用しなくなります。地権者との交渉をより早い段階でまとめ上げる交渉力が、事業成功の鍵を握ることになります。
 
4. 「権利転売」目的のビジネスモデルへの監視強化
また、自社で運営するつもりがないのに土地と系統接続の権利を確保し、それをセットで他社へ売却するビジネスモデルについても議論されています。 売却自体は違法ではありませんが、長期間連系されずに「仮押さえ」状態が続くことは問題です。エネ庁は今後、系統容量確保時の保証金や、容量開放ルールの強化などを通じて、こうしたビジネスモデルへの対策も検討していく予定です。
 
5. 東北エリアなどでの新たな情報公開と立地選定
規制強化の一方で、真剣に事業を行う企業への支援策として「情報公開」も進んでいます。 例えば、東北電力ネットワークでは、接続検討の申し込みに対し、「154kV以上の系統増強工事が必要か否か」という回答状況を公開しています。
・増強工事なし: 早期連系の可能性が高い
・増強工事あり: 工期が5〜10年以上かかる可能性がある
こうしたマップやデータを活用することで、事業用地の選定をより効率的に行えるようになります。今後は他エリアでも同様の情報公開が期待されます。
 
まとめ
今回のワーキンググループでの議論により、系統用蓄電池ビジネスは「早い者勝ち」のフェーズから、
「確実な事業計画を持つ者勝ち」のフェーズへと移行しつつあります。
・2026年1月以降、接続検討時に土地情報の提出が必要になる。
・接続契約時には、土地の使用権原(所有や賃貸借)の証明が必須になる。
・「空押さえ」目的の参入は非常に難しくなる。
規制強化は一見ネガティブに見えますが、真剣に事業に取り組むプレイヤーにとっては、無用な競争相手が減り、系統容量が確保しやすくなるというメリットもあります。これからの蓄電池事業は、土地交渉と系統協議を並行してスピーディーに進める「実務能力」が問われることになるでしょう。
 


 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 
この記事に関連するページ
・経済産業省 資源エネルギー庁:第5回次世代電力系統ワーキンググループ
発電等設備における系統アクセス手続きの規律強化について
・電力広域的運営推進機関 (OCCTO):かいせつ電力ネットワーク
 

【速報】2026年1月〜3月の電気・ガス代補助が決定!家庭や企業の負担軽減額と詳細を徹底解説

 
電気料金補助金 期間・単価等
 
経済産業省 資源エネルギー庁 特設サイト:https://denkigas-gekihenkanwa.go.jp/
 
2025年度補正予算が16日の参院本会議で与党と国民民主党、公明党などの賛成多数で可決、成立しました。これにより、物価高対策の目玉となる「電電気・ガス料金負担軽減支援事業」の再開が正式に決定しました。
一般会計の総額は18兆3034億円に上り、そのうち電気・ガス料金の補助には約5296億円が充てられます。この冬、厳しい寒さが予想される中で、暖房費の増加を心配されていたご家庭や企業の皆様にとっては待望のニュースと言えるでしょう。
今回の補助金は、2026年1月から3月までの使用分が対象となります。本記事では、具体的に「1kWhあたりいくら値引きされるのか」「手続きは必要なのか」など、情熱電力のお客様が気になるポイントを、最新の決定事項に基づいて分かりやすく解説します。
 


 
電気・ガス料金支援の概要
政府の「デフレ完全脱却のための総合経済対策」の一環として、エネルギー価格高騰による家計や企業の負担を軽減するための補助金支給が決定しました。
 
今回の支援の大きなポイントは以下の通りです。
・対象期間:2026年1月使用分 〜 2026年3月使用分
・手続き:申請不要(自動的に値引きが適用されます)
 
【重要】期間別・値引き単価の詳細
今回の補助金は、もっとも暖房需要が高まる1月・2月使用分と春に向かう3月使用分で補助額(値引き単価)が異なります。
ご契約の種別(低圧・高圧)によって単価が定められていますので、以下をご確認ください。
 

① 2026年1月・2月使用分(手厚い支援期間)

区分 値引き単価 対象
⚡ 電気(低圧) 4.5 円/kWh 一般家庭、商店など
⚡ 電気(高圧) 2.3 円/kWh 企業、工場など
🔥 都市ガス 18.0 円/㎥ 家庭および企業等
(年間契約量1,000万㎥未満)

※ 一般家庭で月に400kWh使用した場合 400kWh × 4.5円 = 1,800円の値引き となります。
 
 
 

② 2026年3月使用分

区分 値引き単価 対象
⚡ 電気(低圧) 1.5 円/kWh 一般家庭、商店など
⚡ 電気(高圧) 0.8 円/kWh 企業、工場など
🔥 都市ガス 6.0 円/㎥ 家庭および企業等
(年間契約量1,000万㎥未満)

※1月使用分とは、原則として「1月の検針日から2月の検針日の前日までの使用分」を指します。詳細はお手元の電気料金のお知らせで期間をご確認ください。
 
家計への影響は?
報道(日本経済新聞)によると、今回の措置により、一般的な家庭で電気・ガスあわせて 合計7,000円程度の負担軽減 になると試算されています。
特に電気代がかさむ冬場において、申請不要で自動的に料金から差し引かれるこの仕組みは、家計にとって大きな助けとなります。
 
まとめ
今回の補正予算成立に伴う電気・ガス料金補助のポイントは以下の3点です。
1.2026年1月〜3月使用分の電気代・ガス代が値引き対象
2.一般家庭・事務所等(低圧)の場合、1・2月は4.5円/kWh、3月は1.5円/kWhの補助
3.工場・商業施設等 (高圧)の場合、1・2月は2.3円/kWh、3月は0.8円/kWhの補助
4.お客様による申請手続きは一切不要
この冬も安心して電気をご利用いただけるよう、政府の支援策がスピーディーに適用されます。
 


 
【情熱電力をご利用のお客様へ】
 
いつも情熱電力をご利用いただき、誠にありがとうございます。
今回決定いたしました政府の「電気・ガス料金負担軽減支援事業」につきまして、情熱電力をご契約中のすべてのお客様(低圧・高圧問わず)に対して、本事業による値引きを自動的に適用させていただきます。
◇お客様ご自身による申請手続き等は一切不要です。
2026年1月使用分(2月以降のご請求分)より、国が定めた値引き単価を反映してご請求させていただきます。
具体的な値引き額につきましては、毎月の「電気料金明細書」やWebマイページにてご確認いただけます。
情熱電力は、今後もお客様に分かりやすい料金体系と、安定した電力供給に努めてまいります。
寒い冬も、どうぞ快適にお過ごしください。
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 


 
経済産業省 資源エネルギー庁 特設サイト:https://denkigas-gekihenkanwa.go.jp/
※本制度の公式詳細はこちらでご確認いただけます。
 

【AI×電力取引】予測だけでは勝てない?収益最大化の鍵は「戦略」にあった!

 
電力取引の国際コンペ
 
日経エネルギーNEXTに「再エネ発電量と入札量を予測、電力取引の収益最大化とAI活用」という、非常に気になる記事があったので調べてみました。この記事は、2024年に開催された電力取引の国際コンペ(HEFTcom)を通じて、AIがいかに収益最大化に貢献できるかを紹介する内容です。
記事の中身は、Transformer(トランスフォーマー)や勾配ブースティングツリーといった専門的なAIモデルの話も含まれ少し難しいのですが、実はこれ、弊社「情熱電力」も以前より注目し、興味を持っている分野なんです。
再エネ発電の予測精度を上げることはもちろん重要ですが、それだけでは電力取引の収益は最大化できません。 そこで今回は、電力取引の収益最大化に興味をお持ちの皆様に、この記事の内容をできるだけ簡単な言葉にかみ砕いてご説明し、これからの電力取引で「勝つ」ためのヒントを共有したいと思います。
 


 
目次
1.予測が当たるだけではダメ?電力取引コンペが示した新常識
2.収益を上げた2つのAI戦略
 2-1. 【防御型】独自の高精度予測でインバランスを最小化
 2-2. 【攻撃型】「稼ぎ時」を見極める戦略的入札
3.適材適所のAI活用がカギ(Transformer vs 勾配ブースティングツリー)
4.「予測と取引を一体化」したAIソリューション
 


 
1. 予測が当たるだけではダメ?電力取引コンペが示した新常識
今回注目した記事は、デンマークの電力大手Orsted(オーステッド)などが後援した、再エネ発電設備の発電量を予測し、仮想プラットフォームで入札して収益を競う国際コンペについてレポートしたものです。
世界中から66チームが参加したこのコンペで、非常に興味深い結果が明らかになりました。それは、「発電量の予測精度が最も高いチーム」が「最も収益を上げたチーム」ではなかった、という事実です。
記事によると、コンペの運営委員会をリードした英グラスゴー大学のJethro Browell教授は、「取引に優れたチームが、予測に優れたチームを凌駕(りょうが)したケースがあった」と指摘しています。
 
ビジネスの実務で重要なことは収益を上げることであって、予測精度を高めることではありません。予測から取引までを一連の流れと捉えて、AIモデルを実装する必要があります。 (記事中のJethro Browell教授のコメントより引用)
 
これは、私たちが重要視しているポイントと一致します。予測はあくまで手段であり、目的は「お客様の収益を最大化すること」。そのためには、予測精度(防御力)と取引戦略(攻撃力)の両方が必要だと指摘しています。
 
2. 収益を上げた2つのAI戦略
では、実際に収益を上げたチームはどのような戦略をとっていたのでしょうか?
記事では、対照的な2チームのアプローチが紹介されています。
 
2-1. 【防御型】独自の高精度予測でインバランスを最小化
準優勝した米国のAIスタートアップ「REint.AI」は、独自の気象予測モデルに強みがありました。

彼らは、ChatGPTなどの生成AIのコア技術である「Transformer(トランスフォーマー)」を気象予測に適用。
他のチームが皆、同じような予測モデルを使って予測を外している状況でも、REint.AIだけが正確な発電量予測に成功し、収益を上げたのです。これは、予測精度を極限まで高め、インバランス(予測と実績のズレ)による損失を最小限に抑える、いわば「防御型」の戦略と言えます。
 
2-2. 【攻撃型】「稼ぎ時」を見極める戦略的入札
一方、4位に入賞した「上海交通大学」チーム(および優勝したスウェーデンの「SvK」)が採用したのは、より積極的な「攻撃型」の戦略です。彼らは、発電量予測だけでなく「価格スプレッド」(スポット市場価格とインバランス料金単価の差)にも着目しました。
 
・価格スプレッドが大きい時(=儲けが出やすい時)
 → あえてインバランスが出ることを許容し、予測発電量より多めに入札して収益を狙う。
・価格スプレッドが小さい時(=損失が出やすい時)
 → 損失リスクを避けるため、予測発電量より控えめに入札する。
 
このように、市場の状況をAIで分析し、「稼ぎ時」と判断したらリスクを取って最大限の利益を追求する。これが「戦略的入札」です。こうした市場の「歪み」や「チャンス」をAIでいかに見つけ出し、お客様の収益に繋げるかという「戦略的入札」が重要だということです。
 
3. 適材適所のAI活用がカギ(Transformer vs 勾配ブースティングツリー)
今回のコンペでは、AIの使い分けも興味深いポイントでした。
 
・気象予測(複雑・大規模データ):
 「Transformer」が強みを発揮(REint.AIが使用)
・発電量予測(構造化データ):
 「勾配ブースティングツリー」という、従来からある優秀な機械学習モデルが主流(上海交通大学などが使用)
 
上海交通大学のPu氏は、「発電量予測に関するデータは比較的小規模で構造化されているため現時点ではTransformerを使う必要がない」と述べています。流行りの技術に飛びつくだけでなく、Transformerのような最新AI技術と、勾配ブースティングツリーのような実績ある機械学習モデルを適材適所で使い分けることこそが、お客様の収益を最大化する鍵となりそうです。
 
4. 「予測と取引を一体化」したAIソリューション
今回のコンペが示した最大の学びは、Browell教授の言葉にあった通り、「予測と取引をセットで実装しなければならない」ということです。
AIが単に「予測(認識)」するだけだった時代は終わり、AIが「最適な行動(取引・入札)」までを提案・実行する時代に入り、市場価格、インバランスリスク、気象データ、そしてお客様のリスク許容度までを考慮し、収益を最大化するための「最適な入札戦略」までを自動で提案・実行する、統合AIソリューションの開発を加速させています。
技術的難易度は非常に高いですが、AIの力で日本のエネルギー問題を解決し、お客様に貢献するという「社会的インパクト」の大きさに、私たちはやりがいを感じています。
 
まとめ
今回は、AIを活用した電力取引の国際コンペの話題を通じて、収益最大化のヒントをご紹介しました。
・これからの電力取引は、「予測精度」だけでなく「取引戦略」が収益を左右する。
・AIには「防御型(高精度予測)」と「攻撃型(戦略的入札)」のアプローチがあり、どちらも重要。
・Transformerや勾配ブースティングツリーなど、AI技術の「適材適所」な活用がカギ。
・「予測」と「取引」はセットで考え、一気通貫で最適化するAIソリューションが求められる。
情熱電力は、これからもAI技術の最前線を追い続け、電力取引の最適化、そして日本のエネルギー問題の解決にお役に立てるよう研鑽を積み、成長し、これらに「情熱」を持って取り組んでまいります。
 


 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力のこのお知らせページでは、
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それではまた!!
 
元記事のご紹介
・日経エネルギーNEXT:再エネ発電量と入札量を予測、電力取引の収益最大化とAI活用
 
今回のブログ記事で参照したトピック(Transformerやコンペ概要)に関する、一般公開されている論文や資料をご紹介します。ご興味のある方はご覧ください。
・Transformerの原論文(“Attention Is All You Need”):
https://arxiv.org/abs/1706.03762 (本記事で紹介されたTransformer技術の基礎となった論文です)
・コンペの概要論文(“The Hybrid Renewable Energy Forecasting and Trading Competition 2024”): https://arxiv.org/abs/2507.01579 (コンペのルールや結果について詳細にまとめられた論文です)
 

冬の暖房代 エアコン対電気ストーブ、1日8時間で月5,000円の差?冬の電気代徹底比較!

 
チェック2
 
冬になるとどうしても気になる暖房代。12月11日、26年1〜3月の電気・ガス料金を支援する費用を含む2025年度補正予算案が衆議院を通過しましたが、それでも気になる暖房費について調べてみました。
「部屋全体が暖まるエアコン」と「スイッチオンですぐ温かい電気ストーブ」。どちらも冬の必需品ですが、使い方を一歩間違えると、月末の請求書を見て青ざめることになりかねません。今回は、この2つを「1日8時間」使用したシミュレーションを行い、どちらが経済的か、そしてどう使い分けるのが正解かを解説します。
 


 
エアコンと電気ストーブ、電気代対決の行方は?
リモートワークや家事、冬休みなどで在宅時間が長くなると、暖房器具の稼働時間も必然的に伸びてしまいます。
今回は、全国家庭電気製品公正取引協議会が定める目安単価「31円/kWh」を基準に、一般的な暖房器具を「1日8時間つけっぱなし」にした場合の電気代を独自に試算しました。
 
1. エアコン(暖房)の電気代
まずはエアコンです。6~8畳用のエアコンで、外気温が低い日や設定温度を少し高めにした場合を想定し、安定時の平均消費電力を0.5kW(500W)として計算します。
 
【計算条件】
・消費電力:0.5kW
・電気料金単価:31円/kWh
 
【電気代の試算】
・1時間あたり:0.5kW × 31円 = 15.5円
・1日(8時間):124円
・1ヶ月(30日):3,720円
エアコンは「インバーター制御」により、設定温度に達すると非常に少ない電力(100W~200W程度)で温度を維持します。断熱性の高い住宅であれば、実際はこれよりも安くなるケースが多いのが特徴です。
 


 
2. 電気ストーブ(セラミックファンヒーター等)の電気代
次に、足元暖房として人気の電気ストーブです。特に温風が出る「セラミックファンヒーター」は消費電力が大きく、多くの機種で「強運転」は1.2kW(1200W)に設定されています。これをメイン暖房として使い続けたと仮定します。
 
【計算条件】
・消費電力:1.2kW(強運転)
・電気料金単価:31円/kWh
 
【電気代の試算】
・1時間あたり:1.2kW × 31円 = 37.2円
・1日(8時間):約298円
・1ヶ月(30日):約8,928円
 
【結論】月額約5,200円の差!
それぞれの1ヶ月の電気代を比較すると、衝撃的な結果が出ました。
 
エアコン:約3,720円
電気ストーブ:約8,928円
差額:約5,208円
なんと、電気ストーブをメインで使い続けると、エアコンよりも月5,000円以上も高くつく計算になります。「本体が小さいから電気代も安いだろう」というイメージは、実は大きな誤解なのです。
 
電気代を抑えるための「賢い使い分け術」
電気ストーブは「悪者」ではありません。エアコンと比較して「部屋全体を暖める効率」が悪いだけで、「速暖性」には優れています。以下のポイントを押さえて使い分けましょう。
 
エアコンに任せるべきシーン
・長時間滞在する部屋: リビングや寝室など。
・部屋全体を暖めたい時: 空気そのものを暖めるので効率的です。
・節約のコツ: サーキュレーターを併用して空気を撹拌すると、設定温度を下げても暖かく感じられます。
 
電気ストーブを活用すべきシーン
・短時間の使用: 朝の着替え、帰宅直後の数分間、トイレ、脱衣所。
・スポット暖房: キッチンでの作業中や勉強中の足元など、体の一部だけを温めたい時。
・節約のコツ: エアコンで部屋が暖まるまでの「つなぎ」として使い、部屋が暖まったらすぐに消すのが鉄則です。
 
まとめ
今回の試算(1日8時間使用)では、エアコンと電気ストーブ(強運転)の電気代に月額約5,200円もの差が出ることがわかりました。
・メイン暖房は「エアコン」一択
・電気ストーブは「短時間・スポット」の補助暖房
この原則を守るだけで、冬の電気代は大きく変わります。政府の補助も活用しつつ、日々の使い分けで賢くコストカットしていきましょう。
 


 
情熱電力からのお知らせ
「暖房器具を使い分けているのに、なぜか電気代が高い……」 そんな疑問をお持ちではありませんか?
もしかすると、ご契約中の「電気料金プラン」と、現在のライフスタイルが合っていない可能性があります。特に、在宅時間の変化や家族構成の変化があった場合は、プランを見直す絶好のタイミングです。
情熱電力では、お客様の過去の使用実績を基に、無駄のない最適なプランをご提案させていただきます。 「うちはもっと安くなる?」と気になった方は、ぜひお気軽に情熱電力までお問い合わせください。冬の電気代削減を、私たちが全力でサポートします!
 
株式会社情熱電力へのお問い合わせは コチラから
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電気に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 
この記事に関連するページ
・経済産業省 資源エネルギー庁「省エネポータルサイト
┗ 家庭でできる冬の省エネ対策が具体的に紹介されています。
・公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会(https://www.eftc.or.jp/
 

毎日1万歩は不要?週1回の「4000歩」から始める、科学的に正しい健康ウォーキング術

 
ウォーキング
 
「医師が教える『科学的に証明された健康にいい歩数』」という見出しの気になる記事を見つけたので調べてみました。
健康のために「1日1万歩」という言葉をよく耳にしますが、忙しいビジネスパーソンや、運動習慣のない方にとって、毎日1万歩はなかなかハードルが高いですよね。「今日は歩けなかった……」と罪悪感を感じてしまうこともあるかもしれません。
しかし、ハーバード大学医学部講師の濱谷陸太氏の研究によると、実は「1万歩も歩かなくていい」「週に数回でも十分効果がある」という、私たちにとって非常に嬉しい科学的事実が判明したそうです。
今回は、最小の努力で最大の健康効果を得るための「ウォーキングの最適解」について、最新の研究データを交えながらご紹介します。
 


 
理想の歩数は「1万歩」ではなかった!
長年、健康の黄金律のように言われてきた「1日1万歩」。しかし、最新の研究ではこの常識が覆されつつあります。
複数の研究結果をまとめた報告によると、1日7,500歩程度までは歩数が多いほど死亡や心臓病のリスクが下がりますが、それ以上歩いても効果は頭打ちになることが示唆されています。つまり、無理に1万歩を目指さなくても、7,500歩程度で十分な恩恵が得られる可能性があるのです。
 
週1〜2回、4000歩でも驚きの効果
さらに勇気づけられるのが、濱谷医師らが高齢女性1万3,547名を対象に行った大規模な研究データ(※Women’s Health Study)です。
この研究では、「1日4,000歩」という目標を週に何日達成できたかと、健康リスクの関連を調査しました。その結果、驚くべき数値が出ています。
 
・1日も4,000歩を達成しない人と比較して……
・週にたった1〜2日でも4,000歩を達成した人は、
・死亡リスクが 26% 低下
・心臓病リスクが 27% 低下
なんと、毎日無理やり頑張らなくても、「週に1回か2回、4,000歩(約30〜40分程度の活動)」をクリアするだけで、全く歩かない場合に比べて病気のリスクが大幅に下がることがわかったのです。
 
「歩き方」よりも「トータルの歩数」
また、この研究ではもう一つの面白い事実が判明しました。 「週に数回まとめてたくさん歩く」のと「毎日コツコツ歩く」のでは、どちらが良いのでしょうか?
結論としては、平均歩数が同じであれば、健康効果に大きな差はないとのこと。 つまり、「平日は忙しくて歩けないけれど、週末にまとめて歩く」というスタイルでも、平均歩数が確保できていれば健康効果は十分に期待できるということです。
 
1回のウォーキング時間は長いほうがいい?
一方で、別の研究(UK Biobank)では、「1回のウォーキングの持続時間」にも注目が集まっています。
ちょこちょこと細切れに歩くよりも、一度の外出でしっかり時間をとって歩く(例えば10〜15分以上続けて歩くなど)ほうが、死亡率が低いというデータもあります。
これらを総合すると、以下のスタイルが「科学的に効率の良いウォーキング」と言えそうです。
 
【科学的・効率的ウォーキングのポイント】
・毎日のノルマに縛られない: 「毎日やらなきゃ」と気負わなくてOK。
・まずは週1〜2回: 4,000歩(近所の散歩や買い物程度)からスタート。
・まとまった時間を確保: 可能なら1回10分以上、続けて歩く時間を意識する。
 
まとめ
今回の記事で紹介したポイントを振り返ります。
・「1日1万歩」は必須ではない(7,500歩程度で効果は十分)
・週1〜2回、4,000歩を達成するだけでも、死亡・心臓病リスクは20%以上下がる。
・歩くパターン(毎日or週末だけ)よりも、週単位での平均歩数が重要。
・細切れよりも、ある程度まとまった時間(10分以上など)歩くのがおすすめ。
「毎日歩けないから意味がない」と諦めてしまうのが一番もったいないことです。 「週末にちょっと遠くのスーパーまで歩いてみる」「天気のいい日だけ4,000歩目指してみる」。そんなゆるい目標設定こそが、長く続く健康の秘訣かもしれません。
 


 
情熱電力からのお知らせ
「最小の努力で、最大の効果を」——それはエネルギーも同じです。
今回のウォーキングの話のように、健康維持も「無理なく効率的に」行うことが長続きの秘訣でした。実はこれ、私たち情熱電力が提案するエネルギーとの付き合い方にも通じるものがあります。
無理な節電で生活の質を落とすのではなく、プランを見直すという「最小の手間」で、電気代削減という「最大の効果」を出しませんか?
 
「最近、電気代が気になる」
「うちはどれくらい安くなるの?」
 
そんな疑問をお持ちの方は、ぜひ一度、情熱電力にご相談ください。あなたのライフスタイルに合わせた、最適な「エネルギーの歩き方」をご提案します。
 
株式会社情熱電力へのお問合せは コチラから
 
この記事に関連するページ
・厚生労働省「e-ヘルスネット」: ウォーキングの効果や正しいフォームなど健康づくりのための情報が網羅されています。
・スポーツ庁「Sport in Life」: 生活の中に自然にスポーツを取り入れるためのプロジェクトや事例が紹介されています。