
日経エネルギーNEXTに「電力販売上位30社を独自調査、企業向け新規契約に停止の動き」という気になる見出しの記事があったので調べてみました。
現在、米国とイスラエルによるイラン攻撃から1カ月が経過し、中東情勢の先行きは不透明さを極めています。この影響でLNG(液化天然ガス)や原油価格が急騰し、電力業界には激震が走っています。特に企業向けの「特別高圧・高圧」分野では、一部の小売電気事業者が新規契約の受付を停止するなど、かつての「電力難民問題」を彷彿とさせる事態が起き始めています。世界的なエネルギー危機が日本の電力供給にどのような影を落としているのか、販売量上位30社の最新動向と共にお伝えします。
深刻化するエネルギー危機:主要30社のリアルな現状
日経エネルギーNextが2026年3月23〜25日にかけて実施した独自調査により、衝撃的な事実が明らかになりました。販売電力量上位30社のうち、回答のあった22社の状況をまとめると、すでに「供給の門戸」を閉じ始めた企業が出ています。
■ 新規受付状況の調査結果
| 区分 | 社数 | 主な該当企業 |
|---|---|---|
| 新規受付を停止 | 2社 | 東京ガス、ENEOS Power |
| 一部プランを停止 | 3社 | U-POWER、エバーグリーン・マーケティング、大和ハウス工業 |
| 通常通り受付 | 15社 | 大手電力(東電EP等※)、エネット、大阪ガス、ミツウロコグリーンエネルギー、SBパワー、東邦ガス、デジタルグリッド など |
※東京電力EP:申し込みは受け付けているが、回答に時間を要している状況。
※関西電力:2026年3月30日に「全電圧で新規受け付けを継続」と回答。
特に影響力が大きいのは、自社電源を持つ東京ガスやENEOS Powerといった大手新電力の受付停止です。東京ガスは「電力の仕入れ価格が販売価格を上回る可能性がある(逆ざや)」ことを理由に挙げており、インフラ企業として苦渋の決断を迫られている状況が見て取れます。
なぜ今、新規契約が止まるのか?「逆ざや」の恐怖
今回の受付停止の背景にあるのは、燃料価格の異常な高騰です。
・原油価格: ドバイ原油先物が開戦前の2倍、120〜130ドル前後を維持。
・LNG価格: アジア向け指標(JKM)も開戦前の約2倍に到達。
・卸電力市場(JEPX): スポット市場価格も上昇傾向。
小売電気事業者は、自社電源や相対契約、JEPX(日本卸電力取引所)などから電気を調達します。しかし、調達コストが固定の販売単価を上回ってしまうと、「売れば売るほど赤字になる(逆ざや)」という事態に陥ります。
これを避けるため、市場連動型プラン以外の「固定価格プラン」を停止する動きが加速しているのです。
大手電力と新電力で明暗を分ける「調達力」
今回の危機において、事業者の経営基盤や調達戦略の違いが顕著に現れています。
大手電力10社の動向
東京電力エナジーパートナー(EP)を含む大手電力は、現時点では「通常通り受付」を継続しています。ただし、東電EPは「調達可能量の精査のため回答に時間がかかっている」としており、今後の急増次第では制限がかかる可能性も示唆しています。
新電力の格差
相対契約(発電事業者との直接契約)を厚めに確保している一部の新電力にとっては、夜間の余剰電力を高騰した市場で売却することで利益が出る「追い風」となっているケースもあります。一方で、市場調達比率が高い事業者は「毎日、生きた心地がしない」と漏らすほど、経営が圧迫されています。
まとめ:私たちは2022年の教訓を活かせるか
かつてロシアのウクライナ侵攻後に発生した「電力難民問題」。契約更新ができず、供給先を失う企業が続出したあの状況を繰り返してはなりません。
今回の調査で浮き彫りになったのは、「一企業だけでエネルギーリスクを負うことの限界」です。
また、燃料価格に左右されない「再生可能エネルギー」の導入や、電力先物を活用したリスクヘッジの強化が、これまで以上に重要になるでしょう。
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【ご契約中の皆さまへ】ホルムズ海峡情勢に伴う電力価格高騰への懸念について情熱電力の取組み にてご案内のとおり
弊社は、
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私たちは、一日も早い情勢の安定と、世界に平和が戻ることを心より願っております。それまでの間、電気に関する不安はすべて私たちにお任せいただき、皆さまはどうぞ、ご自身のビジネスに全力を注いでください。
今後とも、情熱電力をよろしくお願い申し上げます。
この記事に関連するページリンク
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・電力・ガス監視委員会:市場連動型小売電気料金の説明・情報提供について








