
米国とイランの停戦が8日に発効しました。ホルムズ海峡のその後や、日本のエネルギー価格への影響について調べてみました。
2026年2月下旬から続いた緊迫した軍事衝突は、14日間の期限付き停戦という形で一時の落ち着きを見せています。しかし、世界のエネルギー輸送の心臓部であるホルムズ海峡の機能は依然としてマヒしており、日本国内の卸電力取引価格(JEPX)にも顕著な影響が出始めています。特に東京・中部エリアに続き、今週からは関西エリアでも価格が急騰しています。本記事では、地政学リスクの現状と、私たちが直面しているエネルギーコストの課題を整理します。
1. ホルムズ海峡の現状:停戦後も続く「事実上の封鎖」
4月8日に発効した停戦合意にもかかわらず、ホルムズ海峡の海上交通は正常化からほど遠い状況にあります。
〇 激減した通航数
通常1日あたり約140隻が往来する同海峡ですが、直近24時間で通過したのはわずか7隻(石油製品タンカー1隻、ばら積み船6隻)にとどまっています。これは平時の1割未満という異常事態です。
〇 イランによる厳格な統制
イラン当局は、海峡内に敷設された機雷を回避するためとして、ララク島周辺の特定の航路を通るよう船舶に指示しています。また、一部報道では200万ドル(約3億1,900万円)もの高額な通航料を要求しているとされており、船主や保険会社がリスクを嫌って通航をためらう要因となっています。
国際的な海運の流れは、単なる戦闘の中止だけでは回復しません。乗組員の安全確保や機雷の撤去確認など、物流の正常化には相当な時間を要すると予測されます。
2. 原油市場の動向と供給網の脆弱性
原油価格は100ドルの大台を下回る水準で推移していますが、供給不安は解消されていません。
・原油価格の推移: 北海ブレント原油は一時99ドル台、WTIは97ドル台と、供給懸念を背景に底堅く推移しています。
・サウジアラビアへの影響: 攻撃を受けたサウジアラビアのエネルギーインフラにより、日量約60万バレルの生産能力が喪失しています。さらに、ホルムズ海峡を迂回する東西パイプラインの機能も低下しており、エネルギー供給網全体の脆弱性が浮き彫りになっています。
3. 日本の電力価格への直接的影響(JEPX動向)

こうした国際情勢は、日本の電力市場にダイレクトに反映されています。添付の約定価格チャート(円/kWh)を見ると、エリアごとの価格高騰が鮮明です。
| エリア | 高騰のタイミング | 現状の推移 |
|---|---|---|
| 東京・中部 | 3月末から先行して上昇 | 25円/kWhを超える水準で高止まり |
| 関西 | 4月7日(今週)から急騰 | 10円台前半から一気に20円台後半へ接近 |
これまで比較的落ち着いていた関西エリアでも、今週に入り燃料調達リスクや他エリアへの融通の影響からか、価格が跳ね上がっています。停戦合意後も「燃料が届かない・高い」という実情が変わらない限り、この高騰傾向は継続、あるいはさらに加速する恐れがあります。
まとめ:エネルギーコスト増への備えを
「停戦」という言葉に安堵しがちですが、実態としてのエネルギー供給体制は依然として危機的状況にあります。ホルムズ海峡の正常化が見通せない中、火力発電への依存度が高い日本の電力価格は、今後さらに厳しい局面を迎える可能性があります。
企業や家庭においては、単なる節電だけでなく、電力契約の見直しや自衛策の検討など、エネルギーコストの上昇を前提としたリスク管理が求められる時期に来ています。
情熱電力からのお知らせ
いつも情熱電力をご利用いただき、誠にありがとうございます。
現在、ホルムズ海峡の情勢悪化に伴い、卸電力取引市場(JEPX)の価格が全国的に高騰しております。記事にあります通り、特に今週からは関西エリアを含め、全域で不安定な状況が続いています。
弊社では、お客様のエネルギーコスト負担を最小限に抑えるべく、市場連動型プランをご利用の皆様へ向けた最適な電力運用のコンサルティングや、省エネ設備の導入支援を行っております。今後の価格推移や対策についてご不安な点がございましたら、お気軽に担当窓口までお問い合わせください。
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この記事に関連するページリンク
・ロイター:ホルムズ海峡の船舶通過、停戦後も停滞 2026年4月9日
・ブルームバーグ:ホルムズ海峡、なぜ通航再開見通せないのか 2026年4月10日
・JEPX(一般社団法人 日本卸電力取引所):TOPページ → 右上の電力取引 → 市場情報で取引データが確認できます。










