気象庁のホームページの地球温暖化予測情報によると、21世紀末には20世紀末と比較して年平均気温は、全国平均で4.5℃上昇するそうです。
最高気温は全国平均で4.3℃上昇、最低気温は4.6℃も上昇すると予測されているようです。
そうなるとどんな影響があるのでしょうか?
・氷河が溶けたり、海水の温度が上がることによって海水の体積が増え(熱膨張)、海面が上昇し陸地の一部が海に沈みます。
・降雨パターンが大きく変わり、内陸部では乾燥化が進み、熱帯地域では台風、ハリケーン、サイクロンといった熱帯性の低気圧が猛威を振るい、洪水や高潮などの被害が多くなるなど、異常気象の増加が考えられます。
日本でも大雨(日降水量100mm 及び200mm 以上)や短時間強雨(1 時間降水量30mm 及び50mm 以上)の発生回数も増えると予測されています。
・気候の変化に加えて、病害虫の増加で穀物生産が大幅に減少し、世界的に深刻な食糧難を招く恐れがあります。
・動植物は気候の変動に対応できず、現在絶滅の危機にさらされている生物は、ますます追い詰められ、さらに絶滅に近づきます。
・気温の上昇により、熱中症になる人が増えるほか、マラリアなど熱帯性の伝染病の発生範囲が広がることが危惧されます。
投稿者: webadmin
「有効電力」「無効電力」「皮相電力」 電力の種類
今回は、以前『A(アンペア)、V(ボルト)、W(ワット)って何❓』の回で少し触れた。
「電力には「有効電力」「無効電力」「皮相電力」と呼ばれる3種類がある」ということについてです。
交流回路において
有効電力は、負荷で消費される電力(単位:W:ワット)
無効電力は、負荷で消費されない電力(単位:Var:バール)
皮相電力は、電源が送り出す電力(有効電力・無効電力をベクトルで足したもの、単位:VA:ボルトアンペア)
(発電所で発電され、高圧線や配電線を経由して家庭のコンセントまで届けられている電気は交流電流。
乾電池や充電式の電池は直流電流。直流回路で電力を求めるときには電圧と電流をそのままかけるだけです。)
負荷の力率cosθとするとき、負荷にかかる電圧V、電流I、有効電力P、無効電力Q、皮相電力S の関係は
有効電力P=V×I×cosθ
無効電力Q=V×I×sinθ
皮相電力S=V×I
皮相電力S²=有効電力P²+無効電力Q²
という式であらわされます。
無効電力というのは有効電力に成れなかった電力で、送電をするにあたって潤滑油的な働きをするため必要不可欠な電力です。
コイルやコンデンサーがある限り、単に回路をぐるぐる回っている無効電力は必ず生じてしまいます。
ちょっと難しい話になってしまいましたが、
一般家庭の場合は、無効電力がどれだけ含まれていても、電気料金には関係ありません。
A(アンペア)、V(ボルト)、W(ワット)って何❓
A(アンペア)は、電気の流れる量(電流)を表します。
V(ボルト)は、電気を押し出す力(電圧)を表します。日本のご家庭には通常100Vの電圧が届いています。
W(ワット)は、実際に消費される電気エネルギー(電力)を表します。
(消費電力には「有効電力」「無効電力」「皮相電力」と呼ばれる3種類があり、
それについてはまた今度の機会にお伝えしたいと思います。)
簡単にこの関係を表す式は
電力(W)=電圧(V)×電流(A)となります。(実際の消費電力は、これに電気機器の力率※をかけます。)
(※力率とは電圧と電流の積に対する消費電力の比率をあらわす係数です。)
力率は交流電力の効率を表しているともいえます。
電熱の仕組みを持つ電気機器を除き、国内で流通している電気機器は、
ほとんどがコイル成分を持っているため、ほとんどの電気機器は力率は100%を下回るが、
一般家庭用なら大きく影響しないので、ここでの説明では省かせていただきます。)
例えば、消費電力が1000Wの卓上電気コンロを使用する場合、
1000W÷100V=10Aとなり、「1000Wの卓上電気コンロを使用するときに10Aが必要」ということになります。
ちなみに、毎月お届けしている『電気料金のお知らせ』に表示されている、
電気の使用電力量はkWh(キロワットアワー)という単位です。
式にすると、電力量(Wh)=電力(W)×使用時間(h)
例えば、100Wの電球を1時間使用すれば、消費電力量は100(W)×1(h)=100Wh、
10時間使用すれば、100(W)×10(h)=1,000Wh=1kWh(キロワットアワー)となります。
ご家庭で使用されている家電の消費電力量
(家電のどこかに貼ってあるシールなどに小さく記載されたり、説明書に記載されています。)
はそれぞれどのくらいかな?
それに対して先月は電気使用量はどうだったかなあ?と見てみるのもおもしろいかもしれませんね。
雷の時、パソコンなどは大丈夫❓
雷の時、「カチッ」という音がして一瞬電気が消えてびっくりすることがありますよね。
落雷時、電線などの高所にあるものに瞬間的に発生する有害な過電圧や過電流のことを『雷サージ』と言います。
雷サージが起こると異常な過大電流が、電線や電話線を伝って家の中に入り込みます。
すると電線や電話線、テレビアンテナ線などの外部と繋がっているケーブルを通してパソコンや家電機器、通信機器に過剰な電流が流れ込んでしまいます。
その結果パソコンや家電機器などが故障してしまったり、機器内部が損傷してしまう恐れがあります。
電子機器の故障をさける対策をとりましょう。
特に、半導体を多く使った電子機器は電流の変化に弱いため、一般の家電製品は無事でもパソコンやモデム、ターミナルアダプターなどの電子機器は故障してしまうことがあります。
雷サージからのパソコンや家電機器を守るために雷サージ保護付きのタップというものがあります。
また雷サージ保護機能に加え、落雷による停電が起こった場合に、しばらくの間、パソコンや家電機器に電気を供給することができる無停電電源装置(UPS)と言うものもあるようです。
我が家の停電からの復旧体験談
先日、家のすぐ近くの電柱に雷が落ち、我が家にも落雷による被害がありました。
ものすごい音と光が同時にきて、家中の電気も消えてすごく怖かったです(>_<)
停電から復旧した後に聞いた話ですが、ご近所さん達も、テレビ、冷蔵庫、温水便座などが壊れたり、電話が繋がらなくなったそうです。
我が家は、電気メーター(スマートメーター)と冷蔵庫が壊れてしまいました。
その日は、広い地域に何か所も落雷があったそうなのですが、
地域の大手電力会社(中部電力さん)が、どこがどのように破損しているのかと確認して見回ってくれて、その後に高所作業車が電柱の上の壊れた部品を取り換えてくれたり、スマートメーターを新しいものに取り換えてくれて無事に復旧しました。
というわけで、どこの電力会社に契約していても、家までの送電設備に関しては地元の大手電力会社がきちんと対応してくださいますのでご安心ください。
ちなみに、冷蔵庫に関しては、後日、冷蔵庫のメーカーさんが修理に来てくれて、ヒューズが切れてしまった基盤を取り換えてくれて無事に直りました。
避雷針があれば大丈夫? 地球温暖化は落雷に関係アリ?
地球温暖化が「落雷(雷が落ちること)の回数を増やす」と考えられているそうです。
雷は強い上昇気流によって生じる雷雲の中で発生します。
海洋の水面温度が上昇することによって、上昇気流が発生しやすく、その期間も長くなるからだと考えられます。
世界の平均気温が1度上昇するごとに、落雷が約12%増加するそうです。
現代のIT社会においては、電子データの逸失や製造ライン停止など、非常に大きな被害を引き起こしてしまうことがあるようです。
一般的な避雷針は、雷を「誘引して安全に落とす」ことによって、人や建物への直撃を防ぐ仕組みですが、
落雷現象をある一定範囲において「発生させない(近寄せない)」避雷針というものもあるそうです。
しかし、それでも範囲外の配電線や電話線に発生した誘導雷サージは、配線を通じて建物の屋内に侵入してしまうので防ぎきるのは難しいのが現状のようです。
託送料金とは❓
電気がお家やお店まで届くためには、電線や電柱、送電線や鉄塔、変圧設備など様々な設備が必要です。
そうした電気を運ぶための設備費用をまかなうために電気使用者皆で負担するのが「託送料金」です。
託送料金は各地域(管理する大手電力会社10社)ごとに金額が異なりますが、
掛かる「原価」を審査した上で国が認可して決定しています。
託送料金は送配電網を利用する対価なので、
新電力の契約者も大手電力会社の契約者も同じように負担している費用です。
請求書には記載が無いことがほとんどですが、託送料金が含まれた電気料金が設定されているのです。
お客様が直接、一般送電事業者に支払うわけではなく、ご契約の電力会社を通じて「間接的」に支払っているです。
従って、停電など送電システムで何かがあった際は、どこの電力会社にご契約でも
区別なくきちんと対応してもらえますのでご安心ください(*^▽^*)
新電力を選ぶと、停電からの復旧が遅くなる❓❓
「新電力を選ぶと、停電からの復旧が遅くなるんじゃないか?」
と不安に思う方がいらっしゃるようです。
ですが、どの会社と契約しても、復旧が遅れるということはありませんのでご安心ください(*^▽^*)
災害時の停電の原因は、送配電網での事故(電線の切断など)である場合が多いそうです。
この送配電網の部分は自由化後も地域独占の「一般送配電事業者」が管理します。
(○○電力パワーグリッド、○○電力送配電などエリアによって名前が違います。)
この「一般送配電事業者」は中立でなければならず、
特定の会社(小売会社)のお客さんだけを優先して復旧させる、といったことのないように、経産省が禁止しています。
したがって、旧地域独占の電力会社だけが停電しにくいとか、停電した時の復旧が早いということはありません。
送配電網の利用料金として、電気利用者皆が毎月支払っている電気料金の中に「託送料金」というものが含まれていて、
その対価として電気の安定供給が約束されているのです。
次回は『託送料金』について、もう少し詳しくご説明させていただきたいと思います。
停電の原因 パートⅡ
前回は、送電線など屋外の配線に原因がある停電について調べてみましたが、
今回は屋内配線が原因の停電について調べてみたいと思います。
家の一部だけ、または家全体の電気が切れたけれど、
近所は電気がきているという場合は、ブレーカーが落ちていることが考えられます。
ブレーカーには一般的にはアンペアブレーカーと漏電ブレーカーと安全ブレーカー3つの種類があり、
それぞれ役割が異なり、ブレーカーが落ちる原因も異なります。
アンペアブレーカーは契約アンペア値(契約電力量)を超えた電気が流れた際に、
電気の流れを遮断する役割で、これが落ちると家全体が停電します。
例えば、レンジとドライヤーと掃除機を使いながら電気炊飯器で炊飯して、
同時にいろいろな家電を使った時にブレーカーが落ちるのはこのアンペアブレーカーです。
漏電ブレーカーは漏電事故を防ぐための装置で、メインのスイッチ以外にテスト・復旧のボタンが付いている物が多い。
漏電を検出した場合、ブレーカーが落ちるしくみになっていて、これが落ちると家全体が停電します。
漏電の原因は、電線が傷ついたり、老朽化して被覆がはがれることによる漏電やショートがそのほとんどのようです。
防水性がない電気器具が水を被るなどしても漏電は起こります。
通常、電気配線や電気器具類には、電気が漏れないように「絶縁」という処理がされていますが、
雨漏りによって雨水が天井裏や壁面内を伝い、電気配線やコードの絶縁体の隙間に入り込むと漏電が起こる場合があります。
漏電は、電力の損失だけでなく、感電や火災といった深刻な事故の原因となることもあります。
安全ブレーカーは配線用遮断器(分電盤から各部屋へ電気を送るための回路ごとのブレーカー)で、
同じ形のスイッチが複数あり、家の中のコンセントまでの電気の回路それぞれと接続しています。
回路ごとに容量が決まっていて、その容量を超えた電気が流れた場合に、
その回路に対応するブレーカーのみが落ちるしくみになっています。
このブレーカーは回路ごとに落ちるので、家の一部が停電するのです。
先日のノートルダム大聖堂の火災も、電気ショートが原因ではないかとみられているようです。
停電の原因にはどんなものがあるのかな❓
今回は、送電線などの配線に原因がある停電ははどんな状況で起きているのかを調べてみました。
発生しやすい時期別にあげてみます。
【春から夏にかけて】鳥獣等
・カラスが電柱に巣を作ると、木の枝や針金などが電線に接触して停電となることがある。
・電柱に作られた鳥の巣の中の卵を狙ったヘビが電線に接触し停電という事例も。
【夏から秋にかけて】台風・豪雨・竜巻・落雷
・台風や豪雨などで、樹木の倒壊や山崩れ等により電線が切れたり、電柱が倒壊することにより停電。
・台風や竜巻などの強風で、トタンや看板、養生シート、テレビのアンテナ等が強風で飛散し、電線等の電力設備が破損して停電。
・落雷による設備破損で停電。
【冬から春にかけて】積雪
・雪の重みで樹木が倒壊し、電線に接触することで停電。
【その他】
・交通事故やクレーン車の横転などの事故で電柱が損傷し停電。
・計画停電。
と、いろいろな状況がありました。
折れた電柱や切れて垂れ下がった電線は感電事故を発生させる可能性があり、非常に危険ですので、
その際は絶対に近づかないようにしましょう。