【必見】太陽光パネル大量廃棄時代へ|リサイクル費用負担の義務化と事業者が今すべき対策

 
太陽光発電設備
 
2030年代後半、使用済み太陽光パネルの大量廃棄時代が到来します。政府はこの動きを受け、パネル製造事業者にリサイクル費用の負担を義務付ける方針を決定しました。再資源化のルールが大きく変わる今、太陽光発電事業者に求められる対応とは? 情熱電力が最新情報と今後のポイントをわかりやすく解説します。
 


 
目次
1.太陽光パネル大量廃棄時代がやってくる
2.政府の新たな制度|製造事業者にリサイクル費用の負担義務
3.廃棄時の課題とリサイクルの現実
4.太陽光発電事業者が押さえるべきポイント
5.まとめ|今こそ「廃棄」まで考えた事業戦略を
 


 
1. 太陽光パネル大量廃棄時代がやってくる
再生可能エネルギーの普及により、全国に設置された太陽光パネル。しかし、耐用年数を迎えたパネルが2030年代後半から一斉に廃棄される見通しです。現状では埋め立て処分が中心で、リサイクルはまだ十分に進んでいません。このままでは環境負荷の増大や、廃棄コストの高騰が懸念されます。
 


 
2. 政府の新たな制度|製造事業者にリサイクル費用の負担義務
政府は、パネル製造事業者に対して再資源化費用を第三者機関に納付させる新制度を導入します。具体的には、
・製造量などの情報を定期的に報告・保存
太陽光パネルの製造業者等は、製造量などの情報を定期的に報告・保存する義務が課されます。​これは、再資源化費用の納付状況を把握し、適切なリサイクルを促進するための措置です。​具体的には、製造業者等に対して、製造等量など費用に関する情報の定期的な報告義務や保存義務が課されることが考えられています。 ​
・再資源化費用の納付証明を提出
製造業者等は、太陽光パネルを市場に投入する際に、再資源化費用を第三者機関へ納付し、その納付証明を提出することが求められます。​これにより、未納のパネルを特定し、適切なリサイクルが行われるようにする仕組みが構築されます。​具体的には、製造業者等による再資源化費用の納付に当たっては、製造業者等に必要な額が納付されていることの証明を求め、所有者に太陽光パネルの情報の提供を求めることにより、再資源化費用が未納である太陽光パネルを早期に把握できる仕組みを構築することが重要とされています。
・費用未納パネルの把握体制を強化
再資源化費用が未納の太陽光パネルを把握するため、製造業者等の納付証明に加え、太陽光パネル所有者からの情報提供を活用し、未納パネルを特定しやすくする体制が強化されます。​これにより、未納パネルの早期発見と適切な対応が可能となります。​具体的には、製造業者等による再資源化費用の納付に当たっては、製造業者等に必要な額が納付されていることの証明を求め、所有者に太陽光パネルの情報の提供を求めることにより、再資源化費用が未納である太陽光パネルを早期に把握できる仕組みを構築することが重要とされています。
これらの制度は、太陽光パネルの適切なリサイクルを促進し、環境への負荷を軽減することを目的としています。これにより、廃棄時に「リサイクル費用が未納」のパネルの特定も可能に。再資源化に向けた仕組みが本格的に動き出します。
 


 
3. 廃棄時の課題とリサイクルの現実
パネルにはアルミニウム、銀、銅など回収価値の高い資源も含まれていますが、全体の約6割を占めるガラスはリサイクルが難しいとされています。コストや品質面のハードルが高く、再資源化事業者側の負担も大きいのが実情です。政府は、こうした課題に対応するため、高度なリサイクル設備の導入支援にも乗り出します。
 


 
4. 太陽光発電事業者が押さえるべきポイント
今回の制度改正は、製造事業者だけでなく、太陽光発電事業者にも影響を与えます。特に押さえるべきポイントは以下の通りです。
・設置しているパネルが再資源化費用納付済みかどうかを確認
・廃棄・撤去時に適切な業者へ依頼する体制を整備
・不適切な管理や放置に対するリスクを事前に把握
・今後は「設置から廃棄まで」を見据えた事業計画が不可欠になります。
 


 
5. まとめ|今こそ「廃棄」まで考えた事業戦略を
太陽光発電事業は、設置するだけでは完結しません。今後は廃棄・リサイクルまでを見据えた総合的な管理が求められます。情熱電力では、発電設備のライフサイクル全体を考慮したコンサルティングもご提案可能です。
将来にわたって安定した発電事業を継続するため、早めの情報収集と対策をおすすめします。

この記事の参考ページ
経済産業省 太陽光発電設備リサイクルワーキンググループ とりまとめ
https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/resource_circulation/solar_power_generation/20250328_report.html

 


 
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市場連動型電気料金とは?月次連動型料金は本当にお得?注意点と情熱電力の考え方

 
電気料金プラン
 
最近、電気料金の見直しを考えている方の間で注目されている「市場連動型」プラン。特に、月ごとに料金が変動する「月次連動型」は、”安くなるかも”と期待を集める一方で、”逆に高くなるリスクもある”という声も聞かれます。
市場連動型とは、卸電力市場の価格変動を電気料金に反映させる仕組みであり、需給バランスをよりリアルに反映した料金設計が特徴です。しかし、その仕組みを正しく理解しないまま契約してしまうと、思わぬ高額請求に驚くことも。特に月次連動型は「一見シンプル」に見えて、実は多くのリスクが潜んでいます。
本記事では、市場連動型電気料金とはどんな仕組みか、月次連動型にはどんなメリットと注意点があるのかを詳しく解説します。あわせて、情熱電力が考える「安定した電気料金提供のあり方」についてもご紹介します。
電気料金の見直しを検討中の方、そして安心して使える電力会社を選びたい方へ、ぜひ参考にしていただきたい内容です。
 


 
1. 市場連動型電気料金とは?
これまで私たちが利用してきた電気料金プランは、多くが「固定単価」型でした。
ご家庭向けでは、季節や時間帯に関係なく、一定の単価で電気を使うことができました。また、お仕事で使用される業務用の電気料金プランでも、夏や冬などに「季節単価」が設定されているケースはあるものの、年間を通して1kWhあたりの料金はおおむね安定しており、電気料金の管理がしやすい環境が整っていました。
しかし近年、電力の需給バランスが大きく変化し、発電コストも不安定になる中で、電気料金の新たな形が登場しています。それが「市場連動型電気料金」です。
市場連動型とは、電力の卸売市場(JEPX=日本卸電力取引所)で取引される電力価格の変動を、電気料金にリアルタイムで反映させる仕組みを指します。電力会社が市場から調達する価格が高くなれば、私たちの支払う電気料金も上がり、反対に市場価格が下がれば、料金も下がるという非常にダイレクトな料金モデルです。
従来型の電気料金では、市場価格の変動リスクを電力会社が吸収していました。しかし市場連動型では、そのリスクをred: 「需要家(電気を使用する側)」が直接引き受ける設計になっています。リスクを負う代わりに、状況によっては通常よりも安価に電気を使える可能性がある──これが市場連動型の大きな特徴です。
 
さらに市場連動型は、料金の連動方法によって次の2つに分かれます。
30分連動型:30分ごとに市場価格に合わせて料金単価が変わるタイプ
月次連動型:ひと月ごとの市場価格の平均値などに基づき、月単位で単価が変わるタイプ
今回のブログでは、現在多くの新電力会社が導入を進めている「月次連動型」に焦点を当て、その仕組みや注意すべきポイントについて詳しく見ていきます。
 
2. 月次連動型とは?
市場連動型電気料金には、「30分連動型」と「月次連動型」という2つの種類が存在します。
このうち、近年特に多くの新電力会社が採用しているのが「月次連動型」です。
月次連動型とは、電力の卸売市場(JEPX)で取引されるひと月あたりの平均価格などを基準に、その月の電力量料金単価を決める仕組みです。
市場価格が日々変動しても、月単位で単価が決まるため、ひと月の間は電気料金単価が変わらないのが特徴です。
 
これにより、
・請求額の変動が緩やかになり、家計や経費管理がしやすい
・毎日の電気使用時間帯を気にする必要がない といったメリットが生まれます。
 特に、家庭やオフィスなど、使用パターンが固定的な場合には、30分単位で変動するよりも扱いやすいと感じられるかもしれません。
しかし、月次連動型にはいくつか重要な注意点も存在します。
多くの電力会社では、「上限価格」と「下限価格」を設定しており、市場価格がこの範囲内に収まっている場合は電気料金に影響しない設計になっています。
しかし、市場価格が上限を超えたり下限を下回った場合には、その差額が電気料金に反映されます。
 
たとえば、
上限価格が14円/kWhに設定されている場合、市場価格の月平均が17円/kWhになれば、3円/kWh分が電力量料金単価に加算されます。
逆に、市場価格が5円/kWhまで下がった場合は、下限7円/kWhとの差額2円/kWh分が単価から減額される、という仕組みです。
また、会社によっては「調整係数」と呼ばれる割合設定を加えるケースもあります。
これは、たとえば0.8倍などに設定することで、価格変動の影響を小さくする工夫ですが、逆に1.2倍などに設定して影響を強めている場合もあり、各社で方針が異なります。
 
ここで押さえておきたいのは、
月次連動型は「市場価格が下がれば料金が下がる」だけではないということです。
実際には、
上昇リスクだけはしっかり需要家側に転嫁されている
下降メリットは小さかったり、全く還元されないプランもある というケースが少なくありません。
つまり、市場価格が安定していればメリットを感じやすい反面、予期せぬ市場高騰が起きた場合には、一般的な固定単価型のプランよりも大幅に高額な請求になるリスクがあるのです。
「月単位で料金が変わる」というシンプルな表現の裏には、
需要家側が市場リスクを背負う設計が隠れている──
これが月次連動型の本質です。
次の章では、こうした月次連動型の「具体的なメリットとリスク」について、さらに掘り下げていきます。
 


 
3. 月次連動型プランのメリットとリスク
3-1. 月次連動型プランのメリット
まず、月次連動型のプランには以下のようなメリットがあります。
① 市場価格が安定・低下しているときは料金を抑えられる可能性がある
市場の平均価格が一定水準で推移している期間は、一般的な固定単価型プランよりも安い料金で電気を利用できる場合があります。特に、燃料価格が安定している、再生可能エネルギーの供給量が多い、といった時期には恩恵を受けやすくなります。
② 毎月単価が更新されるため、市場価格の下落メリットも理論上は享受できる
月単位で市場価格を反映するため、もし電力需給が緩和され市場価格が下がった場合、翌月にはそれが電気料金に反映される可能性があります。
③ 30分単位での価格変動を気にしなくてよい
30分連動型と違い、1か月間の単価は固定されるため、時間帯ごとの電力使用を細かく調整する必要がなく、生活スタイルを大きく変えずに済みます。
 
3-2. 月次連動型プランのリスク
一方で、月次連動型プランには次のようなリスクが伴います。
① 市場価格の高騰による料金急上昇リスク
大きなリスクは、電力需給のひっ迫や燃料価格の高騰などにより、卸電力市場価格が急騰した場合、その影響が翌月の電気料金に直接跳ね返ってくる点です。
特に、極端な寒波や猛暑、燃料供給リスク(国際情勢の変動など)が起きた場合、予想を超える負担増になることもあります。
② リスクは負担しても、リターンは限定的な場合がある
多くの月次連動型プランでは、市場価格が上がった場合の負担は需要家が負う一方、市場価格が下がった場合には十分な還元がなされない設計になっています。
上限価格・下限価格や調整係数といった条件により、実際には「上がるときだけ上がる」不公平な仕組みになっているプランも存在します。
③ プラン内容が複雑で、リスクの見極めが難しい
上限・下限価格、調整係数、燃料費調整との併用有無など、各社の設計がバラバラなため、どの程度のリスクがあるかを契約前に正確に見極めるのは簡単ではありません。
一般のご家庭や小規模事業者が、自力でリスクを比較・判断するのは非常にハードルが高いのが実情です。
 
まとめ:メリットもリスクも「バランス」を見極めることが重要
月次連動型は、「うまく市場が安定している間だけ」なら経済的メリットを享受できる可能性はあります。
しかし、その裏には「市場価格高騰時に重い負担を背負うリスク」も必ず存在しています。
しかも、過去の事例を見る限り、市場が安定している年ですら、月次連動型プランの経済メリットは限定的であり、
場合によっては通常の固定単価プランより高くつくことも珍しくありません。
したがって、月次連動型プランの選択は慎重に、
そして、リスクとリターンのバランスをよく見極めたうえで検討することが大切です。
次章では、こうしたリスクを踏まえた上で、
【月次連動型プランを選ぶ際にチェックすべきポイント】についてさらに詳しく解説していきます。
 


 
4. 月次連動型を選ぶ際のチェックポイント
月次連動型プランには、一定のメリットがある一方で、大きなリスクも潜んでいることを見てきました。
では、もし月次連動型プランを検討する場合、どのような点に注意して選べばよいのでしょうか。
ここでは、契約前に必ず確認しておきたいポイントを整理します。
 
4-1. 上限価格・下限価格の設定を確認する
まず最も重要なのは、プランに設定されている上限価格と下限価格を確認することです。
・上限価格が低すぎる場合:市場価格が少し上がっただけでも、すぐに料金が上昇するリスクがあります。
・下限価格が設定されていない場合:市場価格が大きく下がっても、料金があまり下がらないケースがあります。
特に注意したいのは、「上限価格はあるが下限価格がない」という設計です。この場合、リスクだけを負わされ、メリットを享受しにくくなるため、慎重に判断する必要があります。
 
4-2. 価格転嫁の「調整係数」をチェックする
次に注目すべきは、価格変動をどの程度電気料金に反映させるかを示す調整係数です。
・調整係数が1.0以上の場合:市場価格の変動がそのまま、または増幅されて料金に反映されます。
・調整係数が1.0未満の場合:市場価格の変動幅をある程度抑える設計になっています。
調整係数が高いプランは、一見すると市場価格に忠実な反映が期待できそうに見えますが、実際には価格高騰時の負担リスクが大きくなるため注意が必要です。
 
4-3. 電源構成を調べる
電力会社がどのような電源から電気を調達しているかも、重要な判断材料になります。
・卸電力市場への依存度が高い会社ほど、市場価格の影響を受けやすい
・自社で発電設備(再エネ・火力など)を保有している会社は、市場価格の変動リスクをある程度吸収できる
インターネット検索などで「電力会社名+電源構成」で調べると、調達の内訳が公開されていることが多いので、事前に確認することをおすすめします。
 
4-4. 契約約款・料金表の細部を確認する
月次連動型プランは、名前や表面的な料金単価だけでは内容がわかりづらい場合があります。
・市場価格の平均値の取り方(全時間帯平均か、ピーク時重視か)
・市場価格調整額の上限設定の有無
・燃料費調整との二重転嫁があるか
こうした細かい条件が、実際の請求額に大きな差を生みます。
必ず公式サイトの「料金表」や「契約約款」に目を通し、不明点があれば契約前に確認しましょう。
 
4-5. 情報開示姿勢もチェックポイントに
最後に、電力会社自身の情報開示姿勢も大きなヒントになります。
・ホームページや資料で料金設計がわかりやすく説明されているか
・不明確な部分がないか
・問い合わせ対応が丁寧か
市場連動型はリスクのあるプランだからこそ、誠実な情報開示をしている会社かどうかも重要な判断材料になります。
「説明が不十分」「条件が曖昧」な会社は避けた方が無難でしょう。
 
まとめ:プランをよく比較し、リスクを理解した上で選ぶことが大切
月次連動型プランを選ぶ際は、単純な料金単価の安さだけで決めるのではなく、
リスク要素や契約条件をしっかり比較し、自分にとって許容できるかを冷静に判断することが大切です。
次章では、こうした慎重な選択を前提としたうえで、情熱電力が考える「安定した電気料金提供のあり方」についてご紹介します。
 


 
5. 情熱電力の考え方
ここまで、月次連動型プランの仕組みと注意点について見てきました。
リスクとメリットが表裏一体となっている市場連動型料金。
こうした現状を踏まえ、情熱電力ではどのような考えで電気料金プランを設計しているのかをご紹介します。
 
5-1. お客様に極端なリスクを押し付ける料金設計はしない
情熱電力は、電気を安定してお届けすること、そしてお客様が安心してご利用いただけることを最も大切に考えています。
そのため、市場価格の激しい変動リスクを一方的にお客様に負わせるような料金設計──
たとえば、上限価格が極端に低かったり、下限価格がないようなプラン──は採用していません。
電力供給には一定のリスクが伴いますが、それは電力会社自身が適切にリスクヘッジを行い、責任を持って管理すべきものだと考えています。
 
5-2. 安定した料金体系で「使いやすさ」と「安心」を提供
情熱電力が提供するプランは、できる限り価格の安定性を重視しています。
急激な料金変動に振り回されることなく、日常生活やビジネスに集中していただける環境づくりを目指しています。
「電気料金がどうなるか心配で毎月ヒヤヒヤする」──そんなストレスを、お客様に感じてほしくありません。
安定した料金設計により、
・家庭では安心して家計管理ができる
・企業では事業計画や予算管理が立てやすい
そんな環境を提供することが、情熱電力の使命だと考えています。
 
5-3. 必要に応じた個別相談にも対応します
とはいえ、電気の使い方やリスク許容度はお客様それぞれ異なります。
もし市場連動型に興味がある方や、リスクを理解した上でチャレンジしてみたいと考える方がいれば、情熱電力では個別にご相談も承ります。
電気料金の見直しや、最適なプラン選びのお手伝いを通じて、
お客様一人ひとりにとって本当に納得できる選択ができるよう、サポートさせていただきます。
 
【まとめ】
電力の市場連動化が進む中で、私たち電力会社に求められているのは、
「リスクもチャンスも正しく伝えた上で、お客様にとって最適な選択肢を提供すること」だと考えています。
また、情熱電力は、「電気料金をお安くという大前提のもと、お客さまが電気料金について考えたり、悩んだりする時間を最小限にしたい」と考えています。
情熱電力はこれからも、安定性・透明性・お客様本位、この3つを大切にしながら、皆さまに信頼される電力会社を目指してまいります。
 


 
ここまで、市場連動型電気料金、特に月次連動型プランの仕組みや注意点について詳しく解説してきました。
市場価格に連動して料金が変動する月次連動型は、状況によってはメリットを得られる可能性もある一方で、想定外のリスクを抱えることもあります。
プランを選ぶ際には、料金単価の安さだけでなく、リスクの大きさや契約条件を正しく理解することが欠かせません。
情熱電力では、お客様一人ひとりが納得できる選択をしていただけるよう、
「電気料金の見直し」「最適なプラン選び」「市場連動型プランのリスク説明」まで、丁寧なご相談対応を行っています。
もし、
電気料金プランに不安を感じている
市場連動型に興味はあるが詳しく知りたい
自分に合った電力会社を探している
そんなお悩みがあれば、ぜひ情熱電力にご相談ください。
株式会社情熱電力 お問い合わせフォーム (https://jo-epco.co.jp/contact/)
 
情熱電力はこれからも、安定性・透明性・お客様本位を大切に、
皆さまが安心して電気を使える未来をサポートしてまいります。
お気軽にお問い合わせいただき、一緒に最適な電気料金プランを見つけていきましょう。
 
市場連動型プランの詳細はこちら
参考ページ
新電力ネット:12ヵ月市場連動型従量電灯A(関西エリア) (リンク)
新電力ネット:12ヵ月市場連動型従量電灯B(東京エリア) (リンク)
 

再エネ賦課金の仕組みと想定23.5兆円の使途、家計負担は今後どうなる?

 
太陽光発電設備
 
電気料金に含まれている「再エネ賦課金」。これは、再生可能エネルギーの普及を支えるために、私たち全員が毎月負担している費用です。2012年に制度が始まって以降、その総額は年々膨らみ、2030年度までに約23.5兆円に達するとの見込みもあります。この膨大な資金はいったいどこへ向かい、どのように使われているのでしょうか?
また、家計への影響も無視できません。2025年度には賦課金単価が3.98円/kWhに引き上げられることが決まっており、一般家庭では月額1,500円以上の負担になるという試算も。
本記事では、再エネ賦課金の仕組みから、資金の行き先、そして今後の家計負担や制度の見直し議論まで、わかりやすくお伝えします。
 


 
1.再エネ賦課金の仕組みと目的
1 再エネ特措法とFIT制度の概要
再エネ賦課金は、2012年7月に施行された「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)」の導入と同時に始まりました。この制度の法的な根拠は、「再生可能エネルギー特別措置法(再エネ特措法)」です。
FIT制度は、再生可能エネルギー(太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス)によって発電された電力を、電力会社が国の定めた一定の価格で一定期間、必ず買い取ることを義務づける制度です。再エネ導入を加速するため、発電者にとっては安定した収益が見込める仕組みとなっています。
制度開始当初の2012年度、家庭用太陽光(10kW未満)の買取価格は42円/kWh(10年間)と非常に高く設定されていました。これは発電設備の導入コストがまだ高く、市場競争では採算が合いにくかったためです。また、非住宅用(10kW以上)の設備には20年間の買取期間が与えられ、初期投資の回収を後押しする設計となっていました。
この買取費用を国が直接補填するのではなく、全国の電気利用者全員が少しずつ負担する――それが「再エネ賦課金」の考え方です。制度開始時(2012年度)の賦課金単価は0.22円/kWhで、導入初期の国民負担はごく小さなものでした。
〇 賦課金の徴収方法:電気料金に上乗せされて請求
再エネ賦課金は、私たちの電気料金の請求書に含まれて徴収されます。具体的には、毎月の電力使用量(kWh)に応じて、設定された単価を掛け合わせた金額が「再エネ発電促進賦課金」として明細に記載されます。
たとえば、2025年度の単価は3.98円/kWh。仮に400kWhを使用した場合、
→ 3.98円 × 400kWh = 1,592円が賦課金として請求されることになります。
このようにして集められたお金は、電力会社を通じて国の指定機関(再生可能エネルギー発電促進賦課金管理業務を行う組織)に納付され、そこから全国の再エネ発電事業者に買取補填金として分配されます。
制度開始から10年以上が経過し、導入された再エネ設備の増加に伴って、国民全体の負担額も年々増加。現在では賦課金の累計負担は膨大な規模となり、2030年度までに総額23.5兆円に達する見込みとも言われています。
 
2 電気料金にどう反映されているか
再エネ賦課金は、全国すべての電気利用者が公平に負担する仕組みとして、電気料金に組み込まれています。具体的には、毎月の電力使用量(kWh)に対して、その年度に設定された単価を掛けた金額が「再エネ発電促進賦課金」として請求され、電気料金明細に明記されます。
たとえば2025年度(2025年5月〜2026年4月)の賦課金単価は3.98円/kWh。400kWhを使用する家庭では、
3.98円 × 400kWh = 1,592円 が毎月の電気料金に上乗せされることになります。
このようにして全国から集められた賦課金は、電力会社を通じて国の指定機関に納付され、再エネ発電事業者に対する買い取り補填として活用されます。
なお、再エネ賦課金の単価は毎年見直されます。その金額は、電力市場価格や再エネ導入量に加えて、回避可能費用(再エネを導入することで、火力発電などによる燃料費や運転コストを削減できると見積もられる金額)などの要因によって変動します。
たとえば2023年度には、一時的に単価が1.40円/kWhまで下がりました。これは、ウクライナ情勢などの影響で火力発電の燃料価格が高騰し、回避可能費用が一時的に大幅に上昇したことが要因です。その分、国民が負担する賦課金が相対的に抑えられた格好です。
しかしその後、エネルギー価格の安定化とともに回避可能費用も減少傾向にあり、再エネ賦課金は再び上昇基調となっています。
このように再エネ賦課金は、私たちの電気代に“見えにくく存在する”構成要素であり、今後の制度動向やエネルギー市場の変動によって、家計への影響も大きく変わってくる可能性があります。
 


 
2. 再エネ賦課金の行き先と活用先
1 誰のもとに渡っているのか?
再エネ賦課金として私たちが毎月負担しているお金は、最終的に再生可能エネルギーで発電を行っている事業者のもとへ渡ります。その内訳を見ていくと、主に以下のような主体が一定の恩恵を受けているといえるでしょう。
・太陽光発電の設置者(個人・法人)
・再エネ発電事業者(メガソーラー開発企業など)
・設備メーカーやEPC業者(設計・調達・施工を行う企業)
・地方の遊休地の地主や農地を活用した事業者
・一部の金融機関・投資ファンド(再エネ設備への投資を行う事業者)
とくに初期のFIT制度では、1kWhあたり40円以上での買い取りが行われていた時期もあり、高収益を得た発電事業者も多く存在します。この高額な買取価格を支えていたのが、全国の電気利用者から集められた再エネ賦課金です。
また、賦課金は電力会社が回収・集計した後、国の指定機関に納付され、そこから各発電事業者に補填金として分配されます。
いわば、再エネのコスト差額を「みんなで支え合う」ための全国規模の資金循環システムが確立されているのです。
再エネ賦課金には賛否があるものの、導入から10年以上が経過した現在、再生可能エネルギーは日本の電力需給を支える基幹電源のひとつに成長しています。エネルギー自給率が低く、化石燃料への依存度が高い日本において、再エネの拡大は脱炭素・エネルギー安全保障の両面で不可欠です。
その意味で、再エネ賦課金は「再エネの普及初期を支えるために必要な制度」であり、一定の役割を果たしてきたといえるでしょう。
 
2 使途の透明性とその課題
再エネ賦課金の最終的な使い道は、FIT制度に基づく再エネ電力の「買取補填」に限られています。そのため、用途としては明確であり、制度上も別目的への流用はできない仕組みになっています。
しかし一方で、以下のような課題も指摘されています:
・資金の行き先がわかりにくい(個々の発電事業者への支払状況は非公開)
・初期の高額買取契約が現在も有効で、過剰な利益となっているケースがある
・事業性のみを目的とした乱開発や、景観破壊・環境破壊につながった事例も存在
つまり、再エネ賦課金は再エネ導入を支えてきた功績がある一方で、その使われ方がすべての国民の納得を得ているとは言いがたいのが実情です。
特に、太陽光発電設備などを導入していない家庭や事業者にとっては、「自分は再エネの恩恵を直接受けていないのに負担だけしている」と感じやすい構造でもあります。
しかし、再エネの導入拡大は電源の多様化や燃料輸入リスクの軽減、将来的な電力安定供給にも寄与する“社会全体のインフラ投資”としての側面もあります。
その意味では、再エネ賦課金は直接的なメリットが見えにくい人にとっても、間接的に安全で持続可能な電力環境の恩恵をもたらす可能性がある制度であるとも言えるでしょう。
今後は、こうした視点も含めて、制度の“見える化”や説明責任を果たすことが重要になっていきます。
 


 
3. 家計と企業への影響
1 賦課金による負担は誰にとっても“他人事ではない”
再エネ賦課金は、すべての電力使用者が等しく負担する仕組みである以上、家庭・企業・自治体・公共施設など、電気を使うあらゆる場所に影響を及ぼしています。使用量に比例して請求されるため、電力消費が多いほど、当然その負担も重くなります。
たとえば、2025年度の単価は3.98円/kWh。一般家庭で月400kWh使えば約1,592円、中規模オフィスビルで5,000kWh使えば約19,900円の負担です。これはあくまで「再エネ賦課金分」だけの金額であり、実際の電気料金に含まれる他の費用とあわせれば、その影響はさらに大きくなります。
特に、夏場や冬場など冷暖房の使用量が増える時期には、家庭でも企業でも月々の電気代が跳ね上がる原因のひとつとなっており、電力コストの管理を難しくしています。
再エネ賦課金は「少しずつみんなで負担する」という設計ですが、家計や経営がひっ迫している層にとっては、その“少し”が意外と重くのしかかることもあります。
 
2 減免措置と「公平さ」をめぐる議論
賦課金の制度上、電力を多く使う産業向けには一部の減免措置も設けられています。これは主に、製造業など電力多消費型の事業者が国際競争力を維持するための措置です。
注:再エネ賦課金減免制度の主な要件(2025年度適用分)
・年間電気使用量が100万kWhを超えること
・申請事業の電気使用量が、申請事業所全体の電気使用量の過半を占めていること
・電気使用原単位(電気使用量 ÷ 売上高)が基準値(2025年度は5.2)を超えること
・原単位の改善に向けた取り組みを行っていること
詳細は資源エネルギー庁の公式資料をご参照ください
参照ページ:減免認定手続(リンク)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/kaitori/fit_nintei_genmei.html
このような減免制度は合理的ともいえますが、ほとんどの中小企業や家庭には適用されません。そのため、「本当に困っている層がより多く負担しているのでは?」という逆進性の指摘や、「大口需要家だけが優遇されている」といった公平性への疑問の声もあります。
さらに、電力料金に占める賦課金の割合が大きくなってきた今、単なる電気代の一部としてではなく、“準税金的な存在”としての議論も広がりつつあります。実際、電気代の明細を見ても「なぜこの金額になるのかがわかりにくい」と感じる人も少なくありません。
 


 
4. 今後の動向と見通し
1 FIT制度の終了と賦課金のピーク予測
再エネ賦課金の大部分は、FIT制度に基づく「高価格での電力買取」によって生じる差額の補填に充てられています。このFIT制度は、発電設備ごとに10〜20年の買取期間が定められており、導入初期(2012年ごろ)の案件から順に、2030年代にかけて買取期間が満了していく見通しです。
たとえば、2012年度に認定された非住宅用太陽光発電(10kW以上)は、2032年ごろに買取が終了します。環境省が2013年に示した試算では、再エネ賦課金のピークは2030年ごろに達し、その後は減少に転じるとされてきました。
しかし、実際には再エネ導入量の拡大や電力市場の変動により、想定以上に賦課金単価が上昇しており、電力中央研究所の試算では、2030年時点でも3.5~4.1円/kWh程度にとどまる可能性があると指摘されています。
今後は、FIT制度に代わる支援策として、FIP制度(Feed-in Premium)の導入が本格化していきます。FIP制度は、発電した電力を市場で販売し、その価格にプレミアム(補助金)を上乗せする形で収益を得る制度です。
この制度により、再エネ事業者の市場競争力を高めつつ、再エネ賦課金のような直接的な国民負担を抑制する効果が期待されています。
ただし、FIP制度におけるプレミアムの原資が公的資金や電力料金から拠出される仕組みになる場合、間接的な形での国民負担が続く可能性もあることに留意が必要です。今後の制度設計や運用のあり方によって、再エネの普及を支える費用負担の形態は変化しつつも、完全に“ゼロ”になるわけではないと考えられます。
したがって、再エネ賦課金そのものは将来的に縮小していく可能性がある一方で、新たな制度への移行後も、私たちが支え手となる構図は基本的に維持されることを前提に、動向を見守っていくことが重要です。
 
2 電力市場価格・国際情勢との連動と今後の制度見直し
再エネ賦課金の単価は、単純に買取費用だけで決まるわけではなく、「回避可能費用」とのバランスで毎年度算出されます。この回避可能費用とは、再エネを導入したことで削減できると見積もられる火力発電などのコストのことであり、燃料価格や電力市場の価格動向に大きく影響されます。
たとえば、2023年度にはウクライナ情勢の影響によりLNGなどの燃料価格が高騰し、電力市場価格も急上昇。それに伴って回避可能費用が増加した結果、再エネ賦課金の単価は一時的に1.40円/kWhまで下がりました。これは一見「負担が減った」ように見えますが、国際情勢の不安定さが電気料金にも直結するという側面を改めて浮き彫りにしました。
一方で、こうした再エネ賦課金の負担増に対する国民の不満も年々強まっています。特に、低所得世帯ほど影響が大きいという“逆進性”の問題や、太陽光発電コストの低下(10年前比で50〜70%減)が進んでいる中で、引き続き高い買取価格を補填し続けることの妥当性にも疑問が投げかけられています。
このような背景から、制度の見直しを求める声が広がりつつあります。参考になるのがドイツの事例で、同国では2022年に再エネ賦課金制度(EEGサーチャージ)を廃止し、国の一般財源(税金)で再エネ支援を行う仕組みへと移行しました。
日本でも、「公平な負担」「費用の見える化」「脱炭素のための投資としての納得感」をどう制度に反映するかが、今後の重要な論点となっていくでしょう。
再エネの導入は今後も不可避な国策である一方で、その財源のあり方や負担構造は、国民的な議論を経て時代に合わせた形に更新されていくべき局面を迎えています。
 


 
5. 私たちにできることと選択肢
1 電気料金を「なんとなく」払わないために
再エネ賦課金は、毎月の電気料金に含まれて自動的に請求されるため、あらためて意識する機会が少ないかもしれません。けれども、2025年度には1kWhあたり3.98円と、無視できない金額にまで達しています。
まず大切なのは、電気料金の内訳に関心を持つことです。自分がどれくらい再エネ賦課金を支払っているかを知ることで、制度への理解が深まり、家庭のエネルギーコスト全体を見直すきっかけにもなります。電力会社のWeb明細や請求書で「再エネ発電促進賦課金」の欄をチェックしてみましょう。
また、電力自由化によって私たちには電力会社を選ぶ自由もあります。プランによっては再エネ比率が高いものや、料金の見える化が進んでいるものもあり、自分の価値観に合った選択が可能です。
 
2 エネルギーを「支える側」に回るという発想も
電気を“買う”だけでなく、“つくる”選択肢も広がっています。たとえば、太陽光発電の導入や、PPA(電力購入契約)モデルを活用した初期費用ゼロでの自家消費など、設備を持たなくても再エネに関わる手段が増えています。
また、電気の使い方を工夫することも、間接的に再エネを支えることにつながります。ピーク時間帯を避けた使用や、節電アクションの継続は、電力需給全体を安定させ、再エネの価値を高める行動になります。
さらに、今後の制度改正や再エネ政策に対して、関心を持ち、声をあげることも一つの選択肢です。制度は、誰かのものではなく、「使っている私たち」のものです。
 


 
最後に
再エネ賦課金は、たしかに家計や企業にとって負担となる面があります。しかしそれは、次世代のために持続可能な社会を築くための“投資”とも言えます。
この制度を理解し、自分なりの選択を持つことが、エネルギーとより良い関係を築く第一歩になるのではないでしょうか。
〇参考ページ
なっとく!再生可能エネルギー(資源エネルギー庁)
 


 
情熱電力では、電気料金の内訳や制度の仕組みをわかりやすくお伝えするとともに、地域に根ざした持続可能なエネルギーの選択肢をご提案しています。
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それでは、また!
 

電気代高騰対策に新たな選択肢 中小企業必見!PPAモデルで始める太陽光発電

 
PPA
 
「電気代が高すぎる…」「再エネ導入に興味はあるけれど、初期費用の負担が重い」——そんな悩みを抱える中小企業の経営者が、いま注目しているのが「オンサイトPPA(Power Purchase Agreement)」モデルによる太陽光発電の導入です。
オンサイトPPAとは、自社の屋根や敷地に太陽光発電設備を設置するものの、その設備は自社ではなく第三者(PPA事業者)が所有・管理する仕組みです。企業側は、設置された太陽光パネルで発電された電気を使用し、その分の電気料金を支払うだけ。初期投資や保守費用の負担はなく、導入リスクを抑えつつ電気代の削減が実現できます。
まさに「電気は買う時代から、つくる時代へ」。
本記事では、このオンサイトPPAの仕組みや導入メリット、効果が出やすい条件、さらには導入の具体的なステップまでをわかりやすく解説します。電力コストの見直しと脱炭素経営を両立させたい企業の方は、ぜひ最後までご覧ください。
 


 
1.PPAモデルとは?太陽光発電を導入する新しい選択肢
1|第三者が設置・運用する「所有しない発電」の仕組み
PPA(Power Purchase Agreement)とは、日本語で「電力購入契約」と呼ばれ、再生可能エネルギーの発電事業者と、企業や自治体といった電力の需要家が、電力供給に関して長期的に契約を結ぶ仕組みです。電力自由化や脱炭素化の流れの中で、このモデルは急速に普及しつつあります。
この契約モデルの最大の特徴は、発電設備を自社で所有せずに、外部の「PPA事業者」が設置・所有・運用を担うという点です。つまり、企業や自治体などの需要家は、設備の購入・工事・保守といった手間や費用を負担せず、その設備で発電された再生可能エネルギーだけを利用することができるのです。
PPAモデルは導入形態によっていくつかの種類に分類されます。ここでは、代表的な2つをご紹介します。
 
オンサイトPPA(自社敷地内設置型)
「オンサイトPPA」とは、企業の所有する建物の屋根や工場敷地内などに、PPA事業者が太陽光発電設備を設置するモデルです。設置された設備はPPA事業者の所有物であり、維持管理や保守もすべて事業者が行います。企業側は、その発電設備から直接供給される電力を使用し、使った分だけ料金を支払う仕組みです。
オンサイトPPAの主なメリットは以下の通りです。
・初期費用ゼロ:設備投資が不要のため、キャッシュフローにやさしい
・メンテナンスコストも不要:保守点検や修理の責任はPPA事業者側にある
・電気代の削減:電力会社からの購入よりも安価な電力単価で供給されることが多い
・非常時の電源確保:災害などで停電した場合にも、太陽光発電による電源が活用可能
特に、工場や倉庫などの屋根面積が広く、昼間の電力使用量が多い企業にとって、オンサイトPPAは非常に高い効果を発揮します。
 
オフサイトPPA(遠隔地設置型)
「オフサイトPPA」は、企業の拠点から離れた場所(例:郊外のメガソーラー発電所など)に設置された再生可能エネルギー発電所と契約し、発電された電気を小売電気事業者や送配電網を介して調達するモデルです。
この仕組みにより、自社敷地内に発電設備を設置できない企業でも、再エネを導入することが可能になります。また、メガソーラーのような大規模設備と契約することで、一度に多くの再エネ電力を確保できるという利点もあります。
オフサイトPPAの特徴は以下の通りです。
・立地条件に関係なく再エネ導入が可能
・RE100やCDPなど、国際的な気候変動対策への貢献が評価されやすい
 └ RE100(アールイー・ワンハンドレッド):企業が使用電力の100%を再エネで賄うことを目指す国際的なイニシアチブ。AppleやGoogleなども参加。
 └ CDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト):企業や自治体に対し、気候変動対策や環境影響に関する情報開示を求める国際非営利組織。投資家や取引先からの評価指標としても活用される。
・発電所と電力のトラッキング(発電地の証明)により、環境価値を可視化できる
都市部に本社やオフィスを構える企業、不動産スペースに余裕のない事業者にとっては、場所に縛られず再エネ導入が可能なオフサイトPPAは、極めて現実的かつ有効な選択肢となります。
 
このように、PPAモデルは「発電設備を持たない電力利用」という革新的な発想で、電力コスト削減と脱炭素経営を同時に実現する手段として注目されています。
次のセクションでは、なぜ今、中小企業でも再エネ導入が現実的になったのか、その背景を解説していきます。
 
2|なぜ初期費用ゼロで太陽光が使えるのか?PPAの構造を解説
PPAモデルは、PPA事業者が太陽光発電設備の初期費用・設置工事・保守管理をすべて負担し、契約した需要家に対して一定期間、発電した電力を販売するビジネスモデルです。
企業は発電設備を購入することなく、自社の屋根や敷地に設置された太陽光パネルで発電された電力を、使った分だけPPA事業者に支払うという形式をとります。
このモデルが成立するのは、PPA事業者が10年〜20年程度の長期契約を前提に、月々の電力収入から設備投資を回収する仕組みだからです。
さらに、この契約にはもう一つの大きな魅力があります。
それは、契約時に電力単価が固定されるケースが多く、契約期間中の電力コストが「予測可能」になることです。
電気代の先行きが不透明な今、燃料費の変動や再エネ賦課金の上昇に左右されない「電力コストの固定化」は、特に中小企業にとって経営の安定材料になります。
 
◆ PPAを導入する際に気をつけたいリスクとは?
PPAモデルには数多くのメリットがありますが、導入前に知っておくべきリスクもあります。以下に代表的なものを紹介します。
・契約期間中の途中解約が難しい
 PPAは10〜20年の長期契約が一般的です。途中で事業所を移転したり、建物を取り壊す予定がある場合、契約の変更や違約金が発生する可能性があります。
・発電量は天候に左右される
 太陽光発電は自然条件に依存するため、天候が悪い日や季節によって発電量が変動します。
 契約前に想定発電量や自家消費率のシミュレーションをしっかり確認することが重要です。
・建物の構造・耐久性によっては設置できない場合も
 古い屋根や耐荷重が不足している場合、追加の補強工事が必要になったり、PPA自体が導入不可になるケースもあります。
・制度変更による影響
 再エネ関連の制度(FIT制度、非化石証書制度など)が将来的に変更される可能性もあるため、PPA事業者がそれにどう対応しているか確認しておくと安心です。
このように、PPAモデルは「初期費用ゼロ・コストの固定化・環境貢献」といった多くの魅力がある一方で、契約期間の長さや設置条件、制度の変化への対応力などを事前にチェックすることが重要です。
信頼できるPPA事業者と十分なシミュレーション・協議を行い、貴社にとって最適なスキームを選びましょう。
 


 
2.電気は「買う」から「つくる」へ:企業のエネルギー戦略の転換
1|再エネ導入が中小企業でも現実的になった理由
これまで、固定買取制度を使う再生可能エネルギーの導入は「投資的側面が強く、本業とは関係のないもの」だと考えられがちでした。特に中小企業にとっては、限られた経営資源の中で優先順位をつける際、どうしても「コストをかけて環境に配慮する余裕はない」と敬遠される傾向がありました。
しかし、近年その認識は大きく変わりつつあります。
背景には、以下のような社会的・経済的な変化があります。
・電気料金の高騰:市場価格の上昇や燃料費調整額の増加により、電気代が企業経営を圧迫するようになった
・補助金や制度の整備:国や自治体による再エネ導入支援策が充実し、導入ハードルが大きく下がった
・PPAモデルの普及:初期費用ゼロで再エネを導入できる手段として、中小企業にも選ばれやすくなった
これらの変化により、今や再エネ導入は「環境のための投資」ではなく、本業の利益改善にも直結する“経営戦略の一部”として位置づけられるようになってきています。
中小企業であっても、再エネを導入することでコスト削減・レピュテーション向上・リスク回避など、複合的なメリットを得られる時代が到来しているのです。
 
2|PPAによって広がる“自家消費型エネルギー”という考え方
電力は「買う」もの——そんな常識が、いま企業の間で大きく変わろうとしています。
これまで多くの企業は、地域の電力会社から必要な分の電気をその都度買う「全面購入型」の電力利用に依存していました。しかし、電気料金の上昇や供給不安、環境配慮の要請が高まる中で、「電気を自社でつくり、その場で使う」という“自家消費型”エネルギーの考え方が急速に広がっています。
この流れを後押ししているのが、PPAモデル、特にオンサイトPPAです。
自社の屋根や敷地に設置された太陽光発電設備で発電された電力を、直接その事業所で使用することで、次のようなメリットが得られます。
・電気料金の削減:電力会社から購入するより安価な電力を使える
・送電ロスや系統利用料金がかからない:自家消費のため、電力網を使わない分のコストを抑えられる
・災害時の電力供給確保:停電時にも設備があれば電力を確保できる(蓄電池との組み合わせでさらに強化)
これらは単なる“節約”ではなく、企業としてのエネルギー自立の一歩とも言えます。また、自家消費型の導入は、再エネ導入量の報告やCO₂排出量の削減にも直結するため、SDGsやESGの観点からも高く評価されます。取引先からの調達基準や、金融機関からの評価においても、自家消費型再エネの導入はポジティブに捉えられるケースが増えてきています。つまり、PPAは単なる「電気代を減らす手段」ではなく、“これからの企業に求められる電力のあり方”を実現する仕組みでもあるのです。
 
次章では、こうしたPPAモデルが企業にもたらす具体的なメリットと、気をつけたい注意点について詳しく解説していきます。
 


 
3.PPAを導入するメリットと注意点を整理しよう
1|電気料金削減・環境貢献・企業価値向上の3つの効果
PPAモデルを導入することにより、企業は単に電気代を安くできるだけでなく、事業そのものの価値を高めるさまざまなメリットを享受できます。ここでは主な3つの効果を紹介します。
① 電気料金の削減とコスト安定化
PPAモデルで導入される太陽光発電は、一般的に電力会社から購入する電気よりも安い単価で供給されることが多く、日中の使用電力を太陽光でまかなうことで電気料金の総額を下げることができます。
また、契約期間中の単価が固定されるケースも多く、長期的に電力コストを安定させることができる点も、大きな魅力の一つです。
② 環境貢献(脱炭素・SDGs・ESG対応)
再生可能エネルギーの使用は、CO₂排出量の削減や環境への配慮につながる直接的なアクションです。
SDGs(持続可能な開発目標)やESG投資の観点からも評価されやすく、脱炭素に取り組む姿勢を見せることで、取引先や金融機関、地域社会との関係構築にもプラスに働きます。
③ 企業価値の向上・ブランド強化
近年では、「環境に配慮した経営を行っているかどうか」が、企業の信頼性や持続性を測る一つの基準になっています。
再エネを導入していることは、社外へのPR効果も高く、採用活動やマーケティング、ブランディングにも良い影響を与えます。
 
2|契約年数や土地条件など、導入前に知っておくべきこと
一方で、PPAモデルにはあらかじめ理解しておくべき注意点も存在します。メリットばかりに目を向けるのではなく、契約や制度の仕組みを正しく把握しておくことが重要です。
◆ 長期契約であること(10~20年が一般的)
PPAは通常、10年~20年といった長期契約となります。期間中の解約には違約金が発生することもあり、工場や事業所の移転・閉鎖を予定している場合は慎重な検討が必要です。
◆ 設置に関する条件や制約
オンサイトPPAの場合、屋根の広さ・方角・日照条件・耐荷重など、さまざまな物理的条件を満たす必要があります。
また、建物の築年数や構造によっては、補強工事が必要になることも。
導入前には必ず現地調査を行い、設置可能性と経済性の両面から判断しましょう。
◆ 発電量の変動リスク
太陽光発電は天候に左右されるため、発電量は季節や天気によって変動します。
事前に提供される発電シミュレーションを確認し、自家消費率(発電した電力のうち実際に使用できる割合)がどの程度見込めるかを把握することが重要です。
◆ 制度や市場環境の変化
再エネをめぐる制度(FIT制度、非化石証書、税制優遇など)は、国のエネルギー政策によって変更される可能性があります。
PPA事業者がそのような変化にどう対応しているか、契約前にしっかり確認しておくと安心です。
PPAは「導入すれば終わり」ではなく、「契約期間中ずっと使い続ける関係」になるもの。
だからこそ、事業者選定・設置環境・契約内容をよく理解し、将来にわたって無理のない運用ができるかを見極めることが、成功への鍵となります。
 
次章では、「どんな会社がPPA導入で効果を出しやすいのか?」という適性条件にスポットを当てていきましょう。
 


 
4.PPA導入で効果が出やすい会社の特徴
PPAモデルはさまざまな企業にとって有効な選択肢となり得ますが、実際に効果が出やすい業種や条件にはいくつかの傾向があります。
この章では、導入成功につながりやすい企業の共通点を2つの視点からご紹介します。
1|屋根や土地にスペースがある製造業・倉庫業、そして商業施設も有利
PPA、とくにオンサイトPPAの導入には、太陽光発電設備を設置するためのスペースが必要です。そのため、以下のような建物や業種は、特に導入効果を得やすいといえます。
製造業・倉庫業など、大型施設を所有する企業
大きな屋根を持つ工場や倉庫では、太陽光パネルを効率よく設置できるため、大きな発電量が見込めます。
特に地方に拠点を持つ中小企業は、未利用スペースを再エネ導入に活用する動きが広がっています
商店・事務所・商業施設でも十分導入可能
意外と見落とされがちですが、小売店・スーパーマーケット・ドラッグストア・オフィスビル・医療施設・商業施設なども、太陽光導入に適した建物です。これらの施設も日中に営業していることが多いため、発電と消費のタイミングが一致しやすく、自家消費率が高くなるというメリットがあります。
さらに、こうした施設では次のような副次的な効果も期待できます。
・来店客へのアピール(「再エネ導入店舗」として環境配慮をPR)
・テナントのイメージ向上(サステナブルな運営体制として評価)
・従業員満足度の向上(環境意識の高い職場づくり)
屋根の大きさや形状によっては、設置可能面積に限りがある場合もありますが、事務所や店舗でも「電力を使う時間帯」と「発電のタイミング」が合っていれば、十分に効果を発揮できるのがオンサイトPPAの強みです。
 
このように、「太陽光=工場だけ」と思われがちなPPAですが、実際には都市部の中小ビル・商業施設・サービス業の建物などでも、コスト削減と環境価値の両立を目指した導入が進んでいます。
 
2|昼間の電力使用が多い業種ほどメリットが大きい
太陽光発電は、日中に発電する仕組みであるため、電力を主に昼間に使用する企業ほど「自家消費率」が高まり、電力コスト削減効果が大きくなります。
 
昼間稼働の業種は相性抜群
例えば、以下のような業種はPPAとの相性が良好です。
・食品製造業(冷蔵・加工機器が常時稼働)
・印刷業(大型機械を日中に動かす)
・小売業・流通倉庫(空調・照明・搬送設備の常時運転)
・オフィスビルや学校(昼間の照明・PC・空調使用が多い)
これらの業種では、発電した電気をリアルタイムで消費できるため、電気を「売る」より「使う」方が価値を発揮するPPAモデルにとって理想的な条件といえます。
夜間中心の業種は別モデルの検討も
一方で、夜間に電力使用のピークがある業種(例:ナイトクラブ、24時間稼働の工場など)の場合、オンサイト型では十分な効果が得られないケースもあります。そのような場合は、蓄電池との併用が有効です。
 


 
5.導入の流れと成功事例から学ぶポイント
1|PPA導入までのステップと必要な期間・準備とは
PPAモデルは「初期費用ゼロ」で導入できるとはいえ、契約や設置には一定の手順と期間が必要です。ここでは、一般的なオンサイトPPA導入の流れを紹介します。
 
一般的な導入フロー
事前相談・ヒアリング
 導入の目的や現在の電力使用状況、建物の構造や立地条件などをPPA事業者と共有します。
     ↓
現地調査(屋根・土地の確認)
 発電設備の設置可否を確認するため、日照条件や屋根の耐荷重、配線ルートなどをチェックします。
     ↓
発電シミュレーション・料金提示
 予想される発電量や想定削減効果、契約期間中の電力単価などをシミュレーションとして提示されます。
     ↓
契約締結(電力供給・設備利用など)
 内容を確認のうえ、長期契約を締結します(通常は10~20年が多い)。
     ↓
設備設計・設置工事
 工事は1〜3か月程度。業務への影響を最小限にするよう、夜間や休日対応も可能なケースが多いです。
     ↓
発電開始・運用スタート
 運用開始後は、PPA事業者が定期点検やトラブル対応などを実施。企業側は、毎月の使用量に応じて料金を支払います。
 
◆ 導入までの目安期間
全体の所要期間は、スムーズに進めば約3〜6か月が一般的です。
補助金の申請などを併用する場合は、もう少し余裕をもったスケジュール管理が必要です。
 
2|実際の中小企業での導入事例とその効果
環境省のページにPPAの事例が数多く載せられていたのでご参照ください。
出典:環境省 第三者所有モデルによる太陽光発電設備導入の手引き 事例集(リンク)
(https://www.env.go.jp/content/000118586.pdf?utm_source=chatgpt.com)
 
これ以外にもPPAの事例は数多くあり、これらの事例から、PPAモデルを活用した太陽光発電設備の導入が、企業や自治体における電力コスト削減、CO₂排出量削減、環境貢献など、多岐にわたるメリットをもたらしていることがわかります。
 
また、今後PPAの導入は増えていくものと思われますのでわかりやすく事例を示します。
※以下は、PPA導入によって想定される効果をわかりやすく示すための想定事例(仮)です。実在企業の事例ではありません。
 
◆ 想定事例①:製造業(長野県/従業員50名)
自社工場の屋根にオンサイトPPAを導入。
年間電気代を約60万円削減し、10年間で600万円以上のコストメリットを見込む。
「脱炭素経営に取り組む企業」として取引先からの評価が向上し、新規受注にもつながった。
 
◆ 想定事例②:地域密着型スーパーマーケット(埼玉県)
店舗屋根にオンサイトPPAを導入し、日中の冷蔵機器・照明に使用。
導入初年度から電気料金を10%削減。
店舗内に「再エネ利用中」の表示を掲示し、来店客からも好意的な声が多く、地域貢献の姿勢がPRとしても機能した。
 
◆ 想定事例③:建設会社のオフィスビル(愛知県)
新築時に設計段階からPPAモデルを組み込み、屋上に太陽光発電設備を設置。
将来的にはEV充電設備との連携も予定。
ESGに積極的な企業として、金融機関からの信用評価にもプラスに働いている。
 
このように、PPAは単なる「コスト削減ツール」ではなく、企業の成長戦略やブランド価値の強化にも寄与する選択肢です。
特に中小企業にとっては、“初期投資ゼロで未来につながる一歩”として、大きな意味を持つ取り組みといえるでしょう。
 


 
<情熱電力からのお知らせ>
■ PPA導入をご検討の方へ|情熱電力がサポートします!
情熱電力では、中小企業様向けのオンサイトPPA・オフサイトPPA導入支援の実績があります。
 
「うちの屋根でも設置できる?」「どれくらい電気代が下がるの?」「補助金は使えるの?」
そんな疑問にも、初めての方にもわかりやすく、現地調査からシミュレーション、最適なプランのご提案までワンストップでお応えします。
 
さらに、太陽光発電設備の設置工事からその後のメンテナンス、PPA契約期間中の運用管理まで、すべて情熱電力が責任をもってサポート。安心して導入いただける体制を整えています。
 
電気代の見直しや再エネ導入をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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このお知らせページでは、情熱電力が気になる“電気の今”をわかりやすくお届けしています。
「ちょっと気になる」「うちにも関係あるかも」—そんなテーマが見つかったときは、またぜひ覗きに来てくださいね。
それでは、また次回の記事で!
 

日本の電源構成と第7次エネルギー基本計画から学ぶ!再エネ時代の賢い選択と未来戦略

 
エネルギーイメージ
 
日本のエネルギー政策は大きな転換期を迎えています。特に第7次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーの拡大や脱炭素社会の実現に向けた具体的な方針が示されました。本記事では、日本の発電電力の電源構成を踏まえながら、エネルギー基本計画の内容と今後の展望をわかりやすく解説します。再エネ事業を検討している中小企業の経営者必見の情報をお届けします。
 


 
1.日本の電源構成の現状を把握しよう
1 火力・原子力・再エネの割合とは
日本の発電電力量は、火力発電が依然として大きな割合を占めています。2023年度の実績では、以下のような構成となっています。
・火力発電(化石燃料):約68.6%
・天然ガス(LNG):約32.8%
・石炭:約28.4%
・石油等:約7.2%
・再生可能エネルギー:約22.9%
・太陽光発電:約9.2%
・水力発電:約7.6%
・バイオマス発電:約3.7%
・風力発電:約0.9%
・地熱発電:約0.3%
・原子力発電:約8.5%
火力の中でもLNGは環境負荷が比較的低く、GTCC(ガスタービン・コンバインドサイクル)※などの高効率技術の普及も進んでいます。再生可能エネルギーの割合は着実に増加しており、原子力の比率も徐々に回復傾向にあります。
※GTCCとは、ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた複合発電方式で、一度の燃料燃焼で2段階の発電を行うため、従来型火力よりも高効率かつ環境負荷の少ない発電が可能です。
 
2 CO2排出量とエネルギー自給率の課題
火力発電に依存する現状では、発電に伴うCO2排出量が多く、地球温暖化の要因のひとつであると言われています。特に石炭火力はCO2排出係数が高く、温室効果ガス削減の観点からも早急な対策が必要です。加えて、日本のエネルギー自給率は2022年度で約13%と極めて低く、主要エネルギー資源の多くを輸入に頼っている状況です。これはOECD加盟国の中でも最下位に近い水準であり、国際的にも脆弱なエネルギー構造といえます。エネルギー安全保障の観点からも、再生可能エネルギーの導入拡大と国産エネルギー源の多様化が急務となっています。
 


 
2.第7次エネルギー基本計画の概要
1 基本方針と「再エネ最優先原則」
2025年2月18日に閣議決定された第7次エネルギー基本計画は、国内外のエネルギー環境が大きく変化する中で、日本が持続可能なエネルギー社会を築くための中長期的な政策指針として策定されました。特に「2050年カーボンニュートラルの実現」を明確に掲げたうえで、「再エネ最優先の原則」を中心に据え、再生可能エネルギーを日本の電力供給の柱に据える方針が打ち出されました。
ここでいう「主力電源」とは、単に補助的な位置づけではなく、エネルギー供給の中心を担う存在として、常に安定的・継続的に電力を供給できる能力を有する電源を意味します。これまでは火力や原子力がその役割を担ってきましたが、今後は再エネがこれに取って代わることが求められています。
第7次計画では、2030年度の電源構成として再エネの比率を36〜38%まで引き上げることを目標に設定し、具体的には太陽光や風力の大規模導入、送電網整備、地域分散型エネルギーの推進などを政策手段として明示しています。これにより、環境負荷の低減とエネルギー安全保障の両立を図るとともに、経済成長とも調和するエネルギー転換を目指しています。
 
2 原子力・水素・アンモニアの役割は
再エネのほか、原子力も一定の割合で活用しつつ、水素・アンモニアなどのゼロエミッション燃料の導入も計画されています。これはエネルギーの安定供給とCO2排出削減の両立を狙ったもので、多様なエネルギー源を活用する「ベストミックス」が求められています。
 


 
3.再生可能エネルギー拡大に向けた施策
1 FIT/FIP制度の見直しと今後の方向性
固定価格買取制度(FIT)に代わり、FIP(フィードイン・プレミアム)制度が本格的に導入され始めています。市場価格に応じた収益構造となるため、発電者には市場への対応力と自立的な経営が求められます。これはビジネスとして再エネを捉える重要な転換点です。さらに、2025年10月からはFIP制度において「早期回収スキーム」の導入も予定されています。これは、一定の条件を満たす再エネ発電事業者に対して、導入初期の収益確保を目的としたプレミアムの上乗せを可能にする制度であり、特に事業初期における資金回収リスクの軽減が期待されています。中小企業や新規参入事業者にとっては、参入障壁を下げる施策として注目されており、再エネ導入の後押しとなるでしょう。
 
2 地域主導型エネルギーと分散型システム
国は「地域脱炭素ロードマップ」において、地域主体の再エネ導入を推進しています。このロードマップは、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、地方自治体が主導して取り組むべき脱炭素化の具体的な道筋を示した政策文書であり、2021年6月に国が策定しました。特に、先行して脱炭素化を目指す「脱炭素先行地域」の選定や、地域資源を活かした再エネ導入、交通・建築・産業分野の電化といった包括的な施策が盛り込まれています。分散型エネルギーシステム(マイクログリッド等)の整備や、地元企業・自治体による自立的なエネルギー管理も注目されており、中小企業にとっては地域との連携による新たなビジネスチャンスの創出が期待されています。
 


 
4.中小企業が知っておきたい導入メリット
1 自家消費型太陽光の経済効果
企業が導入しやすい再エネの代表格が、自家消費型の太陽光発電です。これは、発電した電力を売電せずに自社施設内で直接利用する方式で、電力会社からの購入電力量を減らすことができ、電気代の大幅な削減につながります。発電した電力が即時に消費されるため、送電ロスが少なく、効率的なエネルギー利用が可能です。また、太陽光発電設備の価格低下や、補助金制度の活用により、初期投資のハードルも下がりつつあります。長期的には導入コストの回収も十分に見込め、特に電気料金の高騰が続く今、導入メリットは年々増しています。さらに、環境配慮や脱炭素経営の観点からも企業価値を高める要素として注目されています。
 
2 蓄電池やPPAモデルによる収益化
蓄電池を活用すればピークカットによる電力コスト削減だけでなく、停電時のBCP(事業継続計画)対策にもなります。また、初期投資ゼロで導入できるPPA(電力購入契約)モデルを活用すれば、手軽に再エネビジネスをスタートできます。PPAモデルでは、第三者(PPA事業者)が発電設備を設置・所有・運用し、発電された電力を契約先企業に一定価格で販売します。これにより、企業は初期費用をかけずに再エネ電力を利用でき、長期契約により安定した電力価格で電力を確保することが可能になります。また、設備の運用や保守もPPA事業者が担うため、導入後の手間やリスクも最小限に抑えられます。特に、再エネ導入に慎重な中小企業にとっては、導入ハードルの低い実効的な選択肢となっています。
 


 
5.今後の展望と経営判断のポイント
1 2030年、2050年に向けた電源構成の変化予測
2030年には再エネ比率が約4割まで引き上げられる見込みです。これを達成するために、政府は複数の具体策を講じています。例えば、大規模な太陽光発電や洋上風力発電の導入拡大、FIP制度の本格運用とその早期回収スキームの導入、再エネの系統接続強化や蓄電池導入の補助などが挙げられます。また、地方自治体と連携した「脱炭素先行地域」の取り組みや、分散型エネルギーの導入促進、地熱・バイオマスなど地域資源を活かした電源開発の推進も進められています。さらに、企業や家庭への省エネ設備導入の支援など需要側の対策も強化されつつあります。これらの総合的な施策によって、持続可能なエネルギー社会への転換が加速される見通しです。さらに2050年のカーボンニュートラルに向け、火力の大幅削減と再エネ+水素・アンモニアの拡大が進みます。企業のエネルギー戦略も、長期的視点での見直しが必要です。
 
2 再エネ事業への参入を検討する際の視点
単なるコスト削減ではなく、環境配慮・地域貢献・企業価値の向上という側面も含めて、再エネ導入を検討することが重要です。補助金制度や専門家の活用も視野に入れ、中小企業でも無理なく取り組める選択肢を探りましょう。
 


 
まとめ
第7次エネルギー基本計画を読み解くことで、今後の日本のエネルギー政策の方向性が明確になり、企業の経営判断にも直結するヒントが得られます。再生可能エネルギーは単なる環境対策にとどまらず、コスト削減、事業継続性の向上、地域経済への貢献、そして企業のブランド価値向上にもつながる戦略的資源です。
特に中小企業にとっては、初期投資を抑えた導入モデルや補助金制度、地域との連携による事業スキームなど、取り組みやすい選択肢が年々整備されてきています。再エネ導入は、将来の電力価格高騰リスクの回避にもなり、長期的な経営の安定性を高める施策として位置づけられます。
再エネはもはや「選択肢」ではなく「戦略」です。環境・経済・社会の三方良しを実現する持続可能な経営のために、今こそ自社のエネルギー戦略を見直し、未来に向けた一歩を踏み出す絶好のタイミングです。
 
参考ページ
出典:経済産業省 第7次エネルギー基本計画が閣議決定されました(リンク)
出典:経済産業省令和5年度(2023年度)エネルギー需給実績を取りまとめました(速報)
 


 
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ソーラーシェアリングはなぜ広がらない?制度・コスト・現場のリアルから読み解く理由

 
ソーラーシェアリング
 
近年注目されている「ソーラーシェアリング」。農地の上に太陽光パネルを設置し、発電と農業を両立させる仕組みですが、実際にはなかなか普及が進んでいません。なぜこの有望な仕組みが広がらないのか?制度、コスト、技術、そして農家の本音など、現場のリアルを掘り下げながら、ソーラーシェアリングの可能性と課題を明らかにします。
 


 
1.そもそもソーラーシェアリングとは
① ソーラーシェアリングの仕組みと目的
ソーラーシェアリングとは、農地の上空に支柱を立て、その上に太陽光パネルを設置し、農業と発電を同時に行う仕組みです。「営農型太陽光発電」とも呼ばれ、耕作地の有効活用と再生可能エネルギーの推進を両立できるとして注目を集めています。
日本は耕作放棄地の増加や農業従事者の高齢化といった課題を抱えており、こうした背景から、農地に新たな価値をもたらすソーラーシェアリングに期待が寄せられています。
 
② どんな場所・作物に適しているのか
すべての農地に適しているわけではありません。例えば、日照を多く必要としない作物(ほうれん草、ミョウガ、シイタケなど)とは相性がよく、一方で光を多く必要とする作物(トマト、スイカなど)では収穫量が下がる恐れもあります。
また、平坦で広い農地、風が強すぎない場所、地域の農業委員会との連携がしやすい地域などが導入には適しています。
 


 
2.実際に普及しているのか?現状の把握
① 全国の導入件数とその推移
環境省や農水省のデータによると、ソーラーシェアリングの導入件数は年々増加しているものの、全体から見ればまだごく一部にとどまっています。
2023年時点では全国で約3,000件ほどとされていますが、同じ時期の太陽光発電全体の設備数と比較すると、1%未満の割合に過ぎません。
 
② 地域差とその背景
導入が進んでいるのは、千葉県・長野県・静岡県など、もともと環境意識の高い地域や、地域主導の再エネ推進事業が活発な自治体です。
一方、農業が保守的な地域や高齢化が進む地方では、制度の理解や導入のハードルが高く、普及が進みにくい現状があります。
 


 
3.ソーラーシェアリングが普及しない理由
① 農地転用のハードルと制度の複雑さ
ソーラーシェアリングを導入するには、農地の上に太陽光パネルを設置するため、「農地法に基づく一時転用許可」が必要です。この申請には、農業委員会の承認や詳細な書類提出が求められ、多くの手間と時間がかかります。
以前はこの一時転用の許可期間が3年ごとの更新制となっており、更新のたびに行政の審査を受ける必要があるため、事業の継続性に不安を抱く声も多くありました。
しかし、2023年の制度改正により、一定の条件を満たす場合には最長10年まで延長が可能になりました。これにより、より中長期的な視点での事業計画が立てやすくなっています。
では、その「一定の条件」とは何かというと、以下のようなポイントが挙げられます:
・継続的に農業が行われていること(作物の栽培や収穫が確認されている)
・営農と発電の両立が可能な設計・管理体制があること(遮光率の適正管理など)
・定期的な報告やモニタリングを通じて、営農状況を行政に説明できる体制が整っていること
農地を荒らさず、原状回復が可能な構造になっていること
このような条件をクリアすることで、営農型太陽光発電は最大10年の一時転用許可を得ることが可能となり、事業の安定性や金融機関からの評価も向上する期待があります。
とはいえ、制度の内容や運用方法は地域ごとに若干異なっており、担当する農業委員会によって判断基準が異なるケースもあります。そのため、地元行政や専門家と早い段階から連携し、制度の正確な理解と準備が不可欠です。
 
② 初期コストと採算性の不安
ソーラーシェアリングは通常の地上設置型太陽光に比べて、構造が高くなるため建設コストが2〜3割増になります。加えて、農作物の収量が下がるリスクも考慮する必要があるため、投資回収の見通しが立ちにくいという課題があります。
採算ラインを明確にできる事業者が少ないことも、導入が進まない理由のひとつです。
 


 
4.技術的・運用的な課題
① 作物への影響と農業側の懸念
パネルが日光を遮るため、作物の生育に悪影響が出るのではという不安が根強くあります。また、農作業時に支柱や配線が邪魔になることもあり、農家から「作業がしづらい」という声もあります。
農業と発電の両立には、作物の選定、支柱の配置、パネル角度などのきめ細かい調整が必要です。
 
② 発電効率とパネル管理の難しさ
ソーラーシェアリングでは、パネルの角度や高さ、設置間隔によって発電効率が左右されます。また、農地であるがゆえに、雑草対策、鳥害、ほこりや泥による汚れなど、維持管理の手間が増える傾向にあります。
メンテナンスを農家が担うのか、電力会社や事業者が担うのかといった責任の分担も曖昧なケースがあり、長期的な運用体制が課題となっています。
 


 
5.ソーラーシェアリング普及の意義と未来
① エネルギーと食料の両立という可能性
エネルギー自給率の低い日本にとって、農地を活用した再生可能エネルギーの確保は極めて重要です。
同時に、耕作放棄地の活用や農業収益の補完という意味でも、ソーラーシェアリングは農家にとってメリットがあります。“エネルギーと食料の共存”を可能にする仕組みとして、将来的には大きな価値を持つと考えられます。
 
② 普及に向けた解決策と展望
課題は多いものの、ソーラーシェアリングを支援する取り組みは全国的に広がりつつあり、自治体・教育機関・民間の三位一体のサポート体制が整いつつあることで、少しずつですが「やってみよう」と考える農家や事業者が増えています。
今後さらに普及を進めるためには、以下のような取り組みが重要です。
・制度の簡素化と明確化(農地転用ルールの統一、許可・更新手続きの省力化)
・成功事例の「見える化」(収支モデル、適作物、設計ノウハウの共有)
・地域ぐるみの連携体制の構築(農家、行政、施工業者、金融機関が連携)
こうした取り組みによって、ソーラーシェアリングは単なる発電手段ではなく、地域に根ざした“農業とエネルギーの共生モデル”として定着していく可能性があります。将来的には、食料とエネルギーの両面から持続可能な地域社会を支える「未来型インフラ」として、ますます注目されていくでしょう。
 
長野県のソーラーシェアリングの事例
長野県で営農型メガソーラー、ホウレンソウと花を栽培(掲載元:日経BP )
営農型太陽光発電・万次郎かぼちゃ完売(株式会社リックス 熊谷弘さんのブログ)
 
参考ページ
出典:農林水産省 再生可能エネルギー発電設備を設置するための農地転用許可
出典:農林水産省 営農型太陽光発電取組支援ガイドブック
 


 
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スマホ充電は何%が最適?スマホの電池を劣化させず快適に使い続けるための充電ルールと生活習慣のポイント

 
スマホの充電
 
スマホのバッテリーの減り方が速く、普段使いがどうしようもない状況になってきたので、先日、スマホを購入しました。
ショップに行っていま使っている機種の後継機が欲しいとお願いしたところ「取り寄せになります。」と言われたので、1週間ほど待ち、届いたと連絡があったのでショップに伺い購入したのですが、“ 高い!! ”スマホ本体の値段が驚くほど高くなっていました💦ビックリしましたよっ
 
そんなことがあったので、今回購入した機種はできるだけ長く使いたいと思い、スマホのバッテリーを長持ちさせる方法について調べてみました。
 
皆さま「スマホの充電って、何%になったらすべき?」と疑問に思ったことはありませんか?実は、スマホのバッテリー寿命を延ばすには「適切な充電のタイミング」と「日々の使い方」が重要らしいのです。そこでこの記事では、スマホを長く快適に使うための充電のベストタイミングや、やってはいけないNG習慣、バッテリーを守るテクニックまで詳しく解説します。今日から実践できる内容ばかりなので、ぜひ参考にしてください!
 


 
1.スマホのバッテリーの基本知識
1 リチウムイオン電池とは?
スマホに使われている多くのバッテリーは「リチウムイオン電池」です。この電池はエネルギー密度が高く、繰り返しの充放電に強いという特徴があります。しかし、使用方法によっては性能が低下しやすく、劣化が進むとバッテリーの持ちが悪くなります。
 
2 バッテリー劣化のメカニズム
スマホに使われているリチウムイオン電池は、「正極」「負極」「電解液」の3つの要素で構成され、リチウムイオンがこの間を移動することで充電や放電が行われます。しかし、使い続けるうちにこのイオンの動きがスムーズにいかなくなり、バッテリー容量が徐々に減っていくのです。
劣化の主な原因には以下のような要素があります:
■ フル充電や深放電によるストレス
リチウムイオン電池は0%や100%に近い状態で負担が大きくなります。これを繰り返すと電極が化学的に劣化し、蓄電能力が低下します。これを「サイクル劣化」と呼びます。
■ 充電回数と充電サイクル
バッテリーには「充電サイクル(充電→放電→再充電)」の回数に限界があり、一般的には約500回が目安とされます。ただし、これは0%→100%を1回とした場合で、こまめな充電をすれば寿命は長くなります。
■ 発熱による化学変化の加速
充電中や高負荷の操作(ゲーム・動画編集など)により発生する熱も、バッテリーを傷める原因になります。特に35℃を超えると内部の化学反応が激しくなり、バッテリー内部の分解やガスの発生につながります。
■ 経年劣化
どれだけ丁寧に使っていても、時間の経過とともに劣化は避けられません。これは電池内部の素材がわずかずつ劣化していく「カレンダー劣化」と呼ばれ、使用頻度に関わらず進行します。
バッテリーは「使い方」「環境」「時間」によって劣化スピードが変わります。逆に言えば、正しい使い方をすれば、劣化をゆるやかにし、長く使い続けることも可能です。
 


 
2.スマホ充電は何%がベスト?
1 理想は20%〜80%の範囲
多くの専門家が推奨するのは、スマホのバッテリー残量を20%〜80%の間で維持すること。これは、リチウムイオン電池にとってストレスの少ない“快適な充電ゾーン”とされており、この範囲で使い続けることで劣化を抑えることができます。
■ なぜ20%未満が良くないのか?
バッテリー残量が20%を切ると、「深放電」と呼ばれる状態に近づきます。この状態では、バッテリー内の電圧が低下し、電極にダメージを与えやすくなります。これが繰り返されると、バッテリーの容量が物理的に減ってしまうのです。
■ なぜ80%以上も避けた方がいいのか?
一方で、80%を超える充電は「満充電」に近づくため、リチウムイオンに高い電圧がかかります。この高電圧状態はバッテリー内部の化学反応を活発にしすぎてしまい、電極を痛める原因となります。また、満充電のまま長時間放置されると「サイドリアクション」と呼ばれる不要な反応が起きやすく、劣化が進行します。
この「20%〜80%」という充電レンジは、まさにバッテリーにとって負担が少ない“中庸”の状態。充電のしすぎや使いすぎを防ぎ、結果的に長くバッテリーを活用することができるというわけです。
 
2 フル充電や0%までの放電がNGな理由
100%までのフル充電や、0%まで使い切る「深放電」は、バッテリーに大きな負荷をかけます。特に満充電状態で長時間放置すると、内部ストレスが高まり劣化が進みやすくなります。頻繁にやっている方は、ぜひ見直してみてください。
 


 
3.バッテリーを長持ちさせる習慣
1 充電しながらの使用は避けよう
充電中に動画を見たりゲームをしたりすると、発熱が起こりやすくなります。これによりバッテリーへの負担が増し、劣化が早まる原因になります。充電中はスマホの使用を控えるか、軽い操作に留めるのが理想です。
 
2 高温・低温環境に注意しよう
スマホは高温(35℃以上)や低温(0℃以下)の環境での使用に弱く、バッテリー性能が一時的に低下するだけでなく、長期的なダメージを受けます。夏場の車内放置や、冬の屋外での長時間使用には注意しましょう。
 


 
4.やりがちなNG行動とその対策
1 寝ている間のフル充電は危険?
寝ている間に100%まで充電しっぱなしにしていませんか?現代のスマホは自動で電流を制御しますが、満充電状態が続くとやはり劣化の原因になります。可能であれば、80%あたりで止まるスマートプラグや、充電タイマーの活用をおすすめします。
 
2 急速充電とその落とし穴
急速充電は便利ですが、バッテリーが高温になるため、頻繁に使うと劣化を招く可能性があります。どうしても必要な時だけ使い、通常は通常充電モードを選ぶのが安全です。設定で「最適化充電」をONにしておくと安心です。
 


 
5.まとめ:結局、どうすればいいの?
1 スマホを長く快適に使うコツ5選
① 充電は20%〜80%を意識
② フル充電・深放電は避ける
③ 充電中の使用は控えめに
④ 高温・低温環境では使用を控える
⑤ 急速充電は必要時のみ活用
 
2 最新スマホのバッテリー事情と今後の展望
最近のスマホはバッテリー最適化機能が進化し、自動で劣化を防ぐ仕組みも搭載されています。今後は「固体電池」など、さらに高性能なバッテリーの登場も期待されていますが、ユーザー自身の使い方次第で現行機種でも十分に長持ちさせることができます。
 


 
参考ページ
TBS NEWS DIG :スマホのバッテリーを長持ちさせるコツは?【ひるおび】
Androidヘルプ:Android デバイスの電池を長持ちさせる
 


 
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太陽光パネルは高額だと思うのですが、それに見合うメリットはあるのでしょうか?

 
屋根置き太陽光発電
 
「太陽光パネルって高いんでしょ?本当に元が取れるの?」——そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この記事では、太陽光パネルの初期費用や補助金制度、そして実際のメリット・デメリットについてわかりやすく解説します。設置を検討している方はもちろん、興味はあるけど一歩踏み出せない方にも参考になる内容です。
 


 
1. 太陽光パネルの初期費用はどのくらい?
1 設置にかかる平均的な費用とは
一般的な住宅に太陽光パネルを設置する場合、システム容量やメーカーによって異なりますが、経済産業省の資料から算出した平均的な費用は以下の通りです。
 
太陽光システム費用
出典:資源エネルギー庁 太陽光発電について2023年12月(https://www.meti.go.jp/shingikai/santeii/pdf/091_01_00.pdf)の37頁
 
<資料の単価で算出した設置費用>
〇システム容量:​4kWの場合 設置費用:​約100万円~150万円
 
※ ただし、弊社、情熱電力でご案内している設置費用は
・システム容量:​4kWの場合 設置費用:​約60万円~80万円ですので上記の費用はかなり高いなぁという実感です。
 
2 メンテナンスや運用にかかるコスト
太陽光パネルは比較的メンテナンスフリーですが、以下のようなコストが発生する可能性があります。
定期点検費用:​数万円程度/回(推奨頻度:4~5年に1回)​
パワーコンディショナーの交換:​約15年~20年で交換が必要となり、費用は約20万円~30万円
 


 
2. 補助金や優遇制度は活用できる?
1 国の補助金制度と申請の流れ
2025年現在、国からの太陽光発電システム単体への直接的な補助金はありません。​しかし、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の新築・購入やリフォームを対象とした補助金制度があります。
 
2 自治体独自の支援制度をチェック
長野県や松本市では、独自の補助金制度が設けられています。​
長野県の補助金制度:
既存住宅エネルギー自立化補助金:​自己の居住する県内の既存住宅において、信州の屋根ソーラー認定事業者との契約により、太陽光発電システムや蓄電システムを新規設置する場合、以下の補助が受けられます。
太陽光発電システムと蓄電システムを同時に導入:20万円​
蓄電システムのみを導入(太陽光パネル設置済みの場合):15万円​
太陽光発電システムとV2H充放電システムを同時に導入:15万円​
V2H充放電システムのみを導入(太陽光パネル設置済みの場合):10万円​
※ 2025年3月26日確認
松本市の補助金制度:
住まいのゼロカーボン推進補助金:​2025年4月1日より、省エネリフォームの補助金がリニューアルされ、以下のように補助額が倍増しています。
・太陽光発電設備:5万円/kW(上限20万円)​
・定置型蓄電池:20万円/申請​
・電気自動車等充給電設備(V2H):20万円/申請​
※ 2025年3月26日確認
 


 
3. 太陽光パネルの主なメリットとは
1 電気代の削減と売電収入
太陽光パネルを設置する最大のメリットは、電気代の削減です。​自家発電した電力を自宅で使用することで、電力会社から購入する電力量を減らすことができます。​さらに、余剰電力は電力会社に売電することが可能で、これにより追加の収入を得ることもできます。
 
2 災害時の非常用電源としての安心感
太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせることで、停電時でも電力を供給できる非常用電源として活用できます。これにより、災害時の生活の質を維持し、冷蔵庫で食材を保存したり、スマートフォンを充電して情報を得たり、最低限の照明を確保することが可能になります。
特に近年では、地震や台風、大雪など自然災害が頻発しており、停電のリスクに備えることの重要性が増しています。一般的に蓄電池の容量は5〜10kWh程度で、冷蔵庫・照明・スマホ・テレビといった生活必需品を1日〜2日ほど稼働させることができます。
また、V2H(Vehicle to Home)対応の電気自動車を保有していれば、車のバッテリーを家庭に供給することでさらに多くの電力を確保できるため、災害対策として非常に有効です。
 


 
4. デメリットや注意点も知っておこう
1 天候や設置環境による発電量の差
太陽光発電は、天候や立地条件に大きく左右されます。曇りや雨の日が続けば、発電量は当然落ち込みます。さらに、屋根の向きや角度、周囲に高い建物や木があるかどうかによっても、発電効率は大きく変化します。
たとえば、南向きの屋根で日当たりの良い場所に設置できれば高効率な発電が期待できますが、そうでない場合は十分な発電ができない可能性があります。事前に現地調査を行い、自宅の条件に合った設置計画を立てることが重要です。
 
2 初期投資が回収できないケースも
太陽光パネルは10〜15年ほどで元が取れると言われていますが、これは「設置条件が良好で、売電価格が安定している場合」の話で、周囲の環境や立地条件の確認が必要です。現在は下げ止まっていますが、以前に比べると売電価格は年々下がっており、今後の制度変更次第では想定よりも回収に時間がかかる可能性はあります。
また、引っ越しや建て替えの予定がある場合、設置してすぐに元を取ることは難しく、コスト回収前に撤去することになるリスクもあります。ライフプランに応じた導入判断が必要です。
 


 
5. どんな人に太陽光パネルは向いている?
1 長期的に住む予定のある家庭
太陽光パネルは「長く住み続ける家」でこそ真価を発揮します。初期費用の回収には10〜15年ほどかかるため、転居や売却の可能性が低く、20年、30年と住む予定がある家庭には非常に向いています。
また、年々上昇する電気料金を抑えるための「電力の自給自足」にもつながるため、将来の電気代に不安がある方には特におすすめです。
 
2 光熱費を抑えたい子育て・共働き世帯
共働き家庭や子育て世代のように、電力使用量が多い家庭では、太陽光発電による恩恵を受けやすい傾向にあります。特に昼間に家にいる時間が長い家庭や、エアコン・電気調理器などを多く使用する家庭では、発電した電力をそのまま自家消費することで大きな節約につながります。
さらに、蓄電池を導入することで、夜間や停電時にも電力を活用できる安心感も得られます。家庭のライフスタイルに応じて、太陽光+蓄電池という選択肢を検討するのも一案です。
 


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2025年度の再エネ賦課金単価についてのお知らせ 2025年5月検針分より 3.98円/kWh に

 
電気料金明細
 
経済産業省・資源エネルギー庁が再生可能エネルギーのFIT(固定価格買取制度)・FIP(フィード・イン・プレミアム)制度に基づき、電気料金に上乗せする2025年度の再エネ賦課金が前年度に比べ、0.4兆円増え、過去最高の3.1兆円に上ると発表しました。これに伴い、企業や消費者などが負担する再エネ賦課金の単価も上がり前年比0.49円/kWh増の3.98円/kWhになります。
 
2025年度の再エネ賦課金単価: 3.98円/kWh(2025年5月検針分から2026年4月検針分)
 

2025再エネ賦課金
出典:経済産業省 ニュースリリース 2.2025年度の賦課金単価

経済産業省のニュースリリースはコチラ↓↓
再生可能エネルギーのFIT制度・FIP制度における2025年度以降の買取価格等と2025年度の賦課金単価を設定します。
エネマネXさんの関連記事はコチラ↓↓
2025年度再エネ賦課金は3.98円!値上がりの要因と推移をおさらい
 
再エネ賦課金単価の算出については、
まず、再エネの買取費用見込みの4兆8,540円から
卸電力市場での再エネ電気の販売見込みの1兆7,906億円を差し引きすると
再エネ賦課金の総額は3兆634億円になり、
この再エネ賦課金総額に電力広域的運営推進機関の事務手数料10億円を加算した金額を
販売電力量見込みの7,708億円kWhで割ると賦課金単価は3.98円/kWhということになります。
なお、卸電力市場価格の見込み(過去実績の平均値)は12.2円/kWhで、
2024年度の13.2円/kWhから1円安くなり販売収入減となっています。
 
目安として一ヶ月の電力使用量が400kWhの需要家モデル※の負担額を見ると、
(※ 総務省家計調査に基づく一般的な世帯の1ヶ月の電力使用量)
月額が前年度比196円増の 1,592円
年額が前年度比2,352円増の 19,104円となります。
 
FITが始まった2012年度は事業用太陽光発電からの買取金額は40円/kWhと現在の買取価格に比べはるかに高く
資源エネルギー庁はこれら高単価の20年間の買取期間が終わる32年度以降買取費用は減少に転じると見ていますが
同時に今後さらに再エネ普及をする前提でエネルギー基本計画を立てていますので
実際の再エネ賦課金単価が今後いくらになるかについては注目すべき点だと思います。
 
今回は、電気を使用されているすべての方に関わる『2025年度再エネ賦課金単価』についてお知らせしました。
再エネ賦課金をはじめ燃料費調整額など電気料金について理解するのは難しい部分が多く
電力会社からの請求に対して”請求されたからなんとなく支払っている”という方が多いのではないかと思います。
 


 
弊社、情熱電力ではそういった需要家様の疑問や質問に対して、できるだけわかりやすくお伝えしていこうと考えており
弊社のお客さまはもとより、他社とご契約の方からのご質問にもスピーディーにお答えいたしますので
疑問や質問があれば、お気軽にご連絡を頂戴できましたら幸いです。
 
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ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 

蓄電池の系統連系が早まる新制度 早期連系に向け追加対策 2025年4月に開始!

 
チェック
 
再生可能エネルギーの普及とともに注目を集める「系統用蓄電池」。2025年4月からは、系統接続をスムーズにするための新たな「早期連系追加対策」が始まります。本記事では、資源エネルギー庁が発表した最新制度のポイントをわかりやすく解説。導入を検討している事業者や投資家にとって、知っておきたい制度の概要やメリット・注意点を5つの視点でまとめました。
 


 
1.なぜ今、系統用蓄電池が注目されているのか?
① 急増する接続希望とその背景
2024年末時点での系統用蓄電池の連系済容量は約17万kW。一方、接続検討中は9,500万kWにも上り、接続契約済みは約800万kWと爆発的な関心を集めています。特に東北エリアでは、需要の3倍以上に相当する容量が接続検討中であり、再エネ主力電源化の流れの中で、蓄電池は欠かせない存在になっています。
 
② 系統用蓄電池の役割と期待される効果
系統用蓄電池は、発電と充電の両方を担うことで、需給バランスの調整や出力変動の平準化に貢献します。特に脱炭素社会の実現には、再エネの出力変動を吸収する柔軟性の高い電源としての蓄電池が求められています。
 


 
2.2025年スタート!早期連系追加対策の概要
① 系統増強なしでも接続可能に
従来は系統増強工事が必要だった蓄電池接続ですが、2025年4月からは一定の条件を満たせば、工事なしでも早期連系が可能に。その条件とは、特定時間帯の充電制限に同意すること。これにより、系統の過負荷を回避しつつ接続を実現できるようになります。
 
② 適用対象と除外される設備の違い
対象となるのは基幹系統およびローカル系統(配電用変圧器を除く)に接続される、再エネ併設を含む系統用蓄電池です。一方、低圧蓄電池については、管理の煩雑さを考慮して当面の対象外とされます。
 


 
3.充電制限の仕組みと安全性対策
① 時間帯制限でトラブルを防ぐ新ルール
早期連系の条件として設定される充電制限は、主に系統が混雑する時間帯(例:点灯帯)に充電を行わないことが求められます。また、制限時間は全国一律で上限12時間を目安とし、これにより、早期連系追加対策を適用した蓄電池は、容量市場等への参入は制度的に妨げられることはなく、逆に、充電制限を理由に各種市場・制度のリクワイアメントが達成できなかった場合でも免責の対象とはならない。とされています。
なお、充電制限時間の上限「12時間」を超えることが見込まれる系統には、早期連系追加対策は適用されず、早期連系追加対策の適用後に、系統状況の変化によって充電制限時間が上限を超過する場合は、系統増強を行うことで対処することになります。
 
② オフライン制御とフールプルーフ設計の重要性
オンラインでのリアルタイム制御が間に合わないため、当面は蓄電池事業者が自ら制御を行います。このため、誤作動を未然に防ぐ「フールプルーフ」設計が義務付けられており、安全確保と確実な運用が求められます。
※「フールプルーフ」設計:誤った操作や設定による事故を防止するために、製品やシステムを設計する手法のこと。
 


 
4.先着優先と上限設定の考え方
① 蓄電池同士の優先順位と公平性
一つの系統に複数の蓄電池が接続される場合、先に接続された事業者(先着)の条件を変更しない方針が取られます。後から接続する事業者(後着)は、既存条件を前提に新たな制限が課せられます。
電力システム改革において、多くの場面で「先着優先」という考え方が廃止されてきましたが、この蓄電池早期連系はあくまで暫定対策であり、蓄電池は再エネ電源以上に立地の自由度が高いため、混雑系統への接続を回避することを促すためと考えられます。ただし、蓄電池以外の理由により系統状況に大きな変化が生じた場合は既設蓄電池の充電制限の条件も見直すこと可能であるということです。
 
② 系統ごとに異なる接続上限の目安
一送(一般送配電事業者)は、各系統の運用状況に応じて過負荷容量を定め、それを上限として早期連系を許可します。これにより、特定エリアへの集中を避け、安定した運用が可能になります。
 


 
5.導入を検討する事業者へのポイント
① 提供される系統情報と判断材料
蓄電池事業者が投資判断を行いやすいように、一送は接続検討時に「1時間ごとの潮流データ」や「運用容量」などの系統情報を提供します。これをもとに、事業者は制限時間の見積もりを行い、申込みに進みます。
 
② 今後の制度動向とマーケットへの影響
早期連系対策はあくまで暫定的な措置であり、将来的にはノンファーム接続のような制度整備も見込まれています。系統用蓄電池の市場参入を促進しつつ、電力インフラの柔軟性を高める重要な一歩となるでしょう。
 


 
蓄電池の早期系統連系新制度に関する記事
ITmedia:系統用蓄電池の早期連系に向け追加対策 2025年4月に開始へ(リンク)
資源エネルギー庁:2025年3月17日開催 第2回 次世代電力系統ワーキンググループ(リンク)
 


 
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