【110万円で買える超小型EV】維持費は原チャリ並み!今注目されるワケ

 
超小型EV
 
電気自動車(EV)といえば「高価」「充電の手間」「大型で扱いにくい」といったイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
しかし今、そんな常識を覆す“超小型で手ごろなEV”が登場し、注目を集めています。価格は約110万円、維持費は原付バイク並み。家庭用コンセントでの充電も可能で、通勤・買い物・送迎といった日常の足にちょうどいいサイズ感です。
今回は、このような新しいモビリティの特長や、なぜ今の日本の暮らしにフィットするのかを掘り下げます。EV導入に興味がある方や、サブの移動手段を検討中の方は必見です。
 


 
1. いま注目される“超小型EV”とは?
都市部や住宅街の狭い道路でも取り回しがしやすく、駐車スペースを選ばないコンパクトな電気自動車。
全長は約2.6メートル、幅は1.3メートル程度で、2人乗りの小さな車体ながら、日常生活の多くのシーンに対応します。
航続距離は約100km~160km、最高速度は約60km/hで、短距離移動に最適です。
 


 
2. “ちょうどよさ”が光る3つの理由
1.サイズ感が日本の道路にマッチ
2.家庭用電源で充電できる手軽さ
3.ゼロエミッションで環境にもやさしい
※ゼロエミッションとは、走行時に二酸化炭素(CO₂)などの温室効果ガスを一切排出しないことを意味します。電気自動車は排気ガスを出さないため、地球温暖化対策や大気汚染の抑制にも貢献します。
このような理由から、地方・都市部問わず導入のハードルが低く、ライフスタイルに寄り添うモビリティとして支持を集めています。
 


 
3. 維持費は原付並み?気になるランニングコスト
・車検不要・重量税ゼロ
対象となる超小型EVは、道路運送車両法上「第一種原動機付自転車(ミニカー登録)」扱いとなるため、通常の自動車のような車検義務や重量税の納付がありません(※自家用乗用車は車検が2年ごと、重量税も課税対象)。
・自動車税は年間2,000円程度
原付ミニカーの自動車税(軽自動車税)は、多くの自治体で年額2,000円と定められています(市区町村課税)。これは125cc以下の原動機付自転車(二輪)よりやや高いが、自動車とは比べ物にならない低さです。
・自賠責保険も年間5,000円前後
自賠責保険料は法定の最低限補償を提供する保険で、ミニカー登録されたEVの場合、12か月契約で約5,000円前後(2025年5月現在の基準)となっています。自家用軽自動車(24か月:17,650円)と比べても負担は軽いです。
充電コストも1回あたり100円以下といわれており、ガソリン車と比較しても圧倒的に経済的です。
 


 
4. 想定される利用シーンとユーザー層
・シニア世代の日常の足として
・子育て世帯の送迎や買い物に
・自営業者のちょっとした営業移動に
・企業の社用車・配送用EVとして
小回りが利き、操作もシンプルなため、幅広い世代で活用可能です。
 


 
5. 超小型EVの課題と将来性
超小型EVはメリットが多い一方で、現時点ではいくつかの課題も抱えています。しかし、その多くは制度や社会インフラの発展によって改善の余地があります。
🚧 現状の主な課題
・高速道路の走行不可
原動機付自転車(ミニカー)として登録されるため、最高速度が制限されており、高速道路や一部のバイパスなどは走行できません。用途が基本的に「生活圏内」に限られる点がネックです。
・衝突安全性の懸念
車体が小さく軽量なため、万一の衝突時には通常の乗用車に比べて乗員保護性能に限界があります。安全面への不安が、普及のブレーキになっている面もあります。
・充電設備の整備状況
超小型EVは家庭用100Vでも充電可能なケースが多いとはいえ、マンションや集合住宅ではコンセントが設置されていない場合も多く、充電環境の整備が進むことが求められます。
・利用に関する法制度が未成熟
たとえば、自治体によってはミニカー用の駐車スペースが整備されておらず、専用ナンバーや自動車専用道路との関係など法制度上の「グレーゾーン」が残る部分もあります。
 
🌱 今後の可能性と広がる活用領域
・自治体や企業の導入が加速
すでに一部の地方自治体では、超小型EVを高齢者の移動支援や地域巡回車両として活用する実証実験が行われています。また、配達用EVとして企業が導入するケースも増えてきました。
・環境規制との親和性
CO₂排出を抑えるゼロエミッション車としての価値は今後さらに高まります。大都市圏では「脱ガソリン車」への規制強化が予想されており、マイクロモビリティとしての超小型EVはその有力な選択肢になり得ます。
・技術革新による性能向上
バッテリーの高性能化や軽量素材の導入、コネクテッド機能の搭載により、今後のモデルではより安全で便利な進化も期待できます。
 
超小型EVは“生活密着型モビリティ”として、多くの可能性を秘めています。社会のニーズに合わせて、制度・インフラ・技術が整備されていく中で、より多くの人々の選択肢になっていくことでしょう。
 


 
まとめ
手ごろな価格と低ランニングコストで実現した超小型EVは、未来の移動手段として非常に現実的な選択肢です。大きな車を持たずとも、電動モビリティで日々の暮らしをもっと身近に、そしてもっとサステナブルに変えることが可能です。
これからの移動は「大きくて速い」ではなく、「ちょうどよくてムダがない」がキーワードかもしれません。
 
情熱電力からのお知らせ
超小型EVという選択肢も!暮らしが変わる今、電気の使い方も見直しませんか?
情熱電力では、ご家庭のEV導入をサポートする最適な料金プランや、夜間充電に適したプランのご提案を行っています。
EV導入後の「電気代が不安…」という方も、ぜひ一度ご相談ください!
 
👉 お問い合わせはこちら:https://jo-epco.co.jp/contact
 


 
関連ページ
国土交通省:超小型モビリティについて
経済産業省:政策一覧 『自動車』
 

4月から9月までエアコンを27度でつけっぱなしの電気代は?夏の冷房代&節約術を解説!

 
エアコンのリモコン
 
本格的な暑さが始まるこの時期。部屋を冷やすために冷房を使う場面も増えていますが、気になるのが電気代。
特に「27度設定でつけっぱなし」にしたら、何円くらいかかるの?
情熱電力が、気持ちよく節約できるコツもまじえて分かりやすく解説します!
 


 
■ 冷房の電気代はこう計算!
1.エアコンの消費電力を確認
2. 1日の使用時間を決める
3. 電気料金単価を確認
4. 電気代 = 消費電力(kW) - 使用時間(h) - 電気料金単価(円/kWh)
 


 
■ 6ヶ月間つけっぱなしにした場合
例:6畳用エアコン(消費電力500W)
 
計算:
(0.5kW - 24h) - 34円 = 408円/1日
408円 - 30日 = 12,240円/1ヶ月
12,240円 - 6 = 73,440円/6ヶ月
 
→ 現実的には、外気温の変化や設定温度の差で少し安くなる場合もあります
 


 
■ ここを押さえれば節約に!
【設定温度は27度を基準に】
→ 1度上げると、電気代は約20%削減
 
【広く風を回そう】
→ サーキュレーターの合わせ使いで、広い部屋もひんやり
 
【直射日光を切ろう】
→ カーテンや層耐熱フィルムで、暑さを少しでもカット
 
【オン・オフはむしろになる】
→ 冷房は動き始めに電力を食うため、オン・オフの繰り返しは反って高くつきます。
 
参照:情熱電力の過去記事 実は、夏より使用量が多い!冬の電気料金。ご家庭で心配な冬の電気料金のこと。
<過去記事から引用>
1⃣ エアコンを使う状況下での温度差
エアコンは設定温度になるまでに多くの電力量を消費します。
つまり、スイッチONした時の温度とエアコンの設定温度の差が大きいほど電力量を消費するのです。
例えば、夏の28℃の状態で設定温度26℃でエアコンをつけると、その差は2℃
冬場に部屋が10℃の状態で設定温度22℃でエアコンをつけると、その差は12℃です。
 


 
■ 機種でだいぶ違う!
【2020年代の省エネ型エアコン(例)】
消費電力:410W
1日約335円 → 6ヶ月で約6万390円
 
【1990年代後半の旧型エアコン(例)】
消費電力:590W
1日約481円 → 6ヶ月で約8万6580円
 
→ この違い、機種や年式によっては年間で約3万円の差になることも!
 
資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ
 


 
■ おわりに:暑い夏、でも電気代は無理せず抑える
「27度の設定」に「風を流す」、「直射を防ぐ」、「オン・オフをしない」といった小さな心がけで、
電気代は大きく変わります!
情熱電力は、家計や事業にやさしい電気を目指して、これからも強力支援します。
暑い夏も、情熱と一緒に、無理なく節約して過ごしましょう!
 
それではまた!
 
情熱電力の節電関連の過去記事
電気代の節約! 暖房便座のフタの開けっ放しは電気代のムダ?? トイレのフタは閉めましょう。
【節電】待機電力(待機時消費電力)家電の電気コードはコンセントから抜くべきか?
 

【速報】電気・ガス料金を最大1,260円補助!7~9月使用分が対象に 高圧契約の事業者も!

 
チェック
 
電気・ガス料金支援の続報です。
2025年7月から3か月間実施される電気・ガス料金補助について、政府が補助額の詳細を発表しました。
 
<電気・ガス料金支援(補助金)関連のページはこちら>
出典 NHK:電気・ガス料金 7月から3か月分補助 月1000円以上の負担減(リンク)
出典 資源エネルギー庁:エネルギー価格の支援について(リンク)
 
経済産業省の発表によると、標準的な家庭では8月に1,260円、7月・9月は1,040円の負担軽減が見込まれ、3か月合計では約3,000円の補助効果となる見通しです。
 
この支援は、厳しい暑さによる冷房使用の増加を見込んだ「酷暑対策」であると同時に、物価高やアメリカの関税措置といった外的要因への“緊急対応パッケージ”の一環として位置づけられています。
 
今回は補助単価も明示されており、電気料金は最大2.4円/kWh、都市ガスは10円/㎥の支援が行われます。
情熱電力では、この発表を受けて速報として情報を整理し、皆さまの電気代見直しにお役立ていただけるようお届けします。
 


 
■ 7〜9月の電気・ガス料金補助が正式決定!家庭にも企業にも支援
政府は2025年5月27日、7月から9月の3か月間に実施する電気・ガス料金支援の詳細を発表しました。
今回の補助は、家庭や小規模事業者が契約する「低圧契約」に加え、「高圧契約」をしている事業者も支援対象となっています。
 
補助額は月ごとに異なり、特に冷房需要が高まる8月は支援単価が上乗せされています。
 
✅ 標準家庭の月別補助額(低圧契約のモデルケース)

補助額(電気+ガス)
7月 約1,040円
8月 約1,260円
9月 約1,040円

 → 3か月合計で約3,340円の補助となります。
 
■ 補助単価の内訳(電気・ガスごと) ※追記 下記単価は税込単価です。
補助は月によって異なり、特に8月は支援が手厚くなっています。

電気[低圧契約]
(家庭・小規模事業者)
電気[高圧契約]
(中規模以上の事業者)
ガス(都市ガス)
7月 2.0円/kWh 1.0円/kWh 8円/㎥
8月 2.4円/kWh 1.2円/kWh 10円/㎥
9月 2.0円/kWh 1.0円/kWh 8円/㎥

たとえば、1か月の電気使用量350kWh・ガス使用量30㎥の家庭(低圧契約)であれば
・8月の電気代補助:約840円(350kWh × 2.4円)
・8月のガス代補助:約300円(30㎥ × 10円)
 → 合計で約1,140円〜1,260円の負担軽減が見込まれます。
 
また、中規模以上の事業者(高圧契約)の場合も、月ごとに1.0~1.2円/kWhの補助が受けられる仕組みとなっています。
冷房設備や電動機器などの使用が多い業種にとっても、コスト削減につながる支援策です。
 
📌この補助は、2025年7月〜9月使用分(請求は8月〜10月)に適用されます。
請求書上でご自身の電気料金の確認をおすすめします。
 


 
■ 支援の背景は「酷暑対策」+「関税影響への備え」
今回の補助は、単なる電気代対策ではなく
・酷暑による生活負担増への対応
・アメリカの関税政策の影響に備えた緊急対応パッケージ
として実施されるもので、予備費3,880億円のうち2,880億円が電気・ガス支援に充てられます(LPガス支援含む)。
林官房長官も「国民生活の苦労に配慮しつつ、財政規律とのバランスを図る」と説明しています。
 


 
まとめと情熱電力からのお知らせ
■ まとめ
・電気・ガス料金補助が7月〜9月の3か月間実施されます
・標準家庭で月最大1,260円、合計約3,000円の負担軽減が見込まれます
・補助単価は最大で電気2.4円/kWh・ガス10円/㎥
・政策背景には「酷暑対策」+「関税政策への備え」があります
 
■ 情熱電力からのお知らせ
情熱電力は、こうした政府の支援策に関する情報をお届けし、
「電気料金をもっとわかりやすく、もっと安心に」をモットーに、皆さまの暮らしに寄り添い続けます。
 
➡ 【電気代の無料相談・お問い合わせはこちら
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電力に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 

🎸電気を使う楽器の仕組みとは?エレキギターなぜ大きな音が出るのでしょうか?

 
エレキギター
 
気になる記事があったので調べてみました。
音が小さいギターが、電源をつなぐと突然大音量になる「エレキギター」。この現象、家電好きなら「なぜ?」と気になるところではないでしょうか。実はそこには「電気」と「磁力」の緻密な仕組みが隠されていました。
本記事では、エレキギターをはじめとする“電気を使う楽器”の基本原理を、アコースティック楽器との違いやスピーカーの仕組みとあわせてわかりやすく解説します。
音楽機材やオーディオ家電に興味のある方にとって、音がどのようにして電気信号に変換され、再び「音」として出力されるかを知ることは、音の世界をより深く楽しむ第一歩。知れば知るほど面白い、「音」と「電気」の関係に迫ります。
 


 
目次
1.エレキギターはなぜ大きな音が出せるのか
2.音と電気信号の関係
3.電気楽器と電子楽器の違い
4.スピーカーで音が出る仕組みとは
5.音楽と電気技術の進化の歴史
6.家電としての応用例と注意点
 


 
1. エレキギターはなぜ大きな音が出せるのか?
アコースティックギターは、ボディに空洞があり、そこに響いた弦の振動が空気を震わせて音になります。しかし、その音はあくまで自然な空気振動の強さによるもので、大きなホールや屋外では音がかき消されてしまうこともしばしばです。
それに対して、エレキギターは“電気の力”で音を大きくしています。
弦をはじくと、その振動がピックアップ(磁石とコイルの装置)によって電気信号に変換されます。しかしこの信号は、音として聞くにはまだ非常に小さな電圧・電流しかありません。
ここで活躍するのが「アンプ(アンプリファイア)」です。
 
アンプの役割とは?
アンプは、入力された微弱な電気信号を大きくする(増幅する)機器です。たとえば、0.01ボルト程度の信号を100倍、1000倍といった形で増幅し、スピーカーで再生可能なレベルにまで強めます。
 
アンプの内部では以下のような流れで増幅が行われています。
 
①入力段(プリアンプ):信号の性質を整え、次の増幅回路に適した形にします。
②増幅段(パワーアンプ):入力信号を目的の大きさにまで増幅。ここで電源の力で“音のエネルギー”を作り出します。
③出力段:スピーカーに信号を送り、空気を揺らして音を出せる状態に。
 
このように、アンプは“音そのものを大きくしている”のではなく、“音の情報を持った電気信号を増幅している”のです。最終的に音として耳に届くのは、この増幅された電気信号をスピーカーが空気の振動に変換した結果です。
 
<解説>
✅ ピックアップとは?
位置:ギター本体(ボディ)に搭載
役割:弦の振動(=音の元)を、電磁誘導の原理で電気信号に変換する。
種類:シングルコイル/ハムバッカーなど
🎸 ピックアップは“振動 → 電気信号”に変換するセンサーのような部品。
 
✅ プリアンプとは?
位置:ギター本体の中、またはアンプの内部、またはエフェクターなど
役割:ピックアップで生成された微弱な電気信号を初期的に増幅・整形する装置。
主な働き:音量をある程度大きくする(ただしパワーアンプほどではない)
     音質を調整する(EQ:イコライザー)
⚡ プリアンプは“信号の下処理”を担う調理人のような存在。
 
実例でイメージすると!
🎸 ギターのボディにあるのが「ピックアップ」
🎚️ ギター内部やエフェクター、アンプなどにあるのが「プリアンプ」
🔊 スピーカー手前で強力に音を大きくするのが「パワーアンプ」
 


 
2. 音と電気信号の関係
「音」と「電気信号」はまったく別物ですが、現代の家電製品や楽器では、両者は密接に結びついています。まずは、音の正体から見ていきましょう。
 
空気の振動=音
私たちが普段「音」として聞いているものは、実は空気の振動です。例えばギターの弦をはじくと、弦が周囲の空気を揺らします。その空気の波(音波)が耳に届き、鼓膜を震わせることで、脳が「音」として認識します。
 
空気がなければ音は伝わらない。
宇宙空間が無音なのはそのためです。
 
電気信号とは何か?
一方、「電気信号」とは、電流の強さ(アンペア)や電圧の高さ(ボルト)の変化で情報を表現したものです。
音の強さや高さと同じように、電気信号も時間軸に沿って波の形で変化していきます。この波の形(波形)が、音の情報を忠実に再現しています。
 
音と電気信号の関係
ピックアップやマイクは、この空気や弦の振動を電気信号に変換しています。
・音の「高低」=電気信号の「周波数(波の細かさ)」
・音の「大きさ」=電気信号の「振幅(波の高さ)」
このように、電気信号は“音の特徴をそのまま写し取ったデータ”だと言えます。
 
生活に広がる音と電気の変換
この仕組みは、楽器だけでなくマイク、スマートフォン、イヤホン、テレビ、インターホン、補聴器など、私たちの生活にあふれるさまざまな音響家電に使われています。
 
たとえば
・マイク:音 → 電気信号
・スピーカー:電気信号 → 音
・電話機:双方向の変換を同時に行う
 
電気信号は、音を記録・増幅・加工・再生するための「共通言語」のようなもの。これを理解することで、音響機器や楽器の仕組みが一気に見えてきます。
 


 
3. 電気楽器と電子楽器の違い
「電気を使って音を出す楽器」と一口に言っても、その仕組みはすべて同じではありません。大きく分けると、電気楽器(Electric Instrument)と電子楽器(Electronic Instrument)の2種類があります。それぞれの違いを見ていきましょう。
 
電気楽器:実際に音が鳴ってから、電気信号に変換
代表的な例はエレキギターやエレクトリックバイオリンです。
・弦をはじく、弓でこする、といった物理的な動作で音(振動)を出す
・その振動をピックアップなどのセンサーが電気信号に変換する
・電気信号はアンプで増幅され、スピーカーから音が出る
つまり、“元の音”が実際に存在しており、それを電気信号にして活用するのが電気楽器です。
✔「音 → 電気信号 → 音の再生」という流れが基本
 
電子楽器:最初から電気信号で音を生成
一方で、電子ピアノやシンセサイザー、電子ドラムなどの電子楽器は、「鍵盤を押す」「パッドを叩く」といった動作で内部のセンサーが反応し、あらかじめプログラムされた音(または波形)を再生する仕組みです。
・実際には弦も振動も存在しない
・センサーで「どの音をどんな強さで出すか」を読み取り
・電子回路が直接電気信号を生成し、音として出力する
つまり、“最初から音のデータをつくる”のが電子楽器なのです。

項目 電気楽器 電子楽器
エレキギター、電気バイオリン 電子ピアノ、シンセサイザー、電子ドラム
音の発生源 弦や本体が物理的に振動する センサーが押された情報などで生成
信号の生成方法 実音の振動を拾って電気信号化 回路で信号を合成する
音色の自由度 弦・構造に依存(ただし加工可) 非常に多彩(波形やエフェクト自在)

違いを理解すると、楽器の選び方が変わる
・リアルな演奏感がほしいなら電気楽器
・多彩な音色や録音機能を使いたいなら電子楽器
というように、それぞれの特性を理解することで、自分に合った楽器選びや使い方がしやすくなります。
 


 
4. スピーカーで音が出る仕組みとは
電気楽器や電子楽器で生成された電気信号は、そのままでは私たちの耳に聞こえる「音」にはなりません。そこで登場するのが、スピーカーです。
 
スピーカーは、電気信号を「空気の振動」に戻すことで、音として再生する装置です。
 
スピーカー内部の構造
スピーカーの基本的な構造には、次のような部品があります:
・ボイスコイル:細い銅線を巻いたコイル
・磁石(マグネット):強力な磁界をつくる
・振動板(ダイアフラム):空気を震わせる円形の板
この3つが組み合わさることで、電気信号 → 空気の振動 → 音 という変換が可能になります。
 
電気信号が音になる流れ
①電気信号がボイスコイルに流れる
 → 信号に応じて電流の向きと強さが変化します。
②電流と磁石の力でコイルが前後に動く
 → 電磁力の原理(フレミングの左手の法則)で振動が発生。
③コイルと一体化した振動板が空気を震わせる
 → この空気の振動が「音」として私たちに届きます。
🎧 この仕組みは、テレビ・ラジオ・スマートフォン・Bluetoothスピーカーなど、ほぼすべての音響機器で共通しています。
 
電気の“波”が空気の“波”になる
ここまでを振り返ると、
・楽器 → ピックアップ/センサーで音の情報を電気信号に変換
・アンプで電気信号を十分な大きさに増幅
・スピーカーで電気信号を空気の振動に再変換
という流れになります。
つまり、スピーカーは「音を出す装置」というよりも、電気信号を“音”という物理現象に変換する最終段階の装置なのです。
 
補足:骨伝導イヤホンも仕組みは近い?
最近話題の骨伝導イヤホンは、空気ではなく頭蓋骨の骨を振動させて音を伝えます。ここでも、電気信号→振動→音という流れは同じ。音の伝え方は異なっても、電気を音にする仕組みは共通しています。
 


 
5. 音楽と電気技術の進化の歴史
音楽は、時代ごとに技術とともに進化してきました。特に「電気の力」が加わった20世紀以降、音楽のあり方そのものが大きく変わったと言っても過言ではありません。
 
🎸 1930年代:エレキギターの誕生
エレキギターは1934年に登場しました。アコースティックギターでは音量に限界があったため、大きな会場でも聞こえるように「ピックアップ」で音を電気信号に変え、アンプで増幅して音を出すという仕組みが開発されたのです。
この発明により、ロックやジャズなどの音楽が爆発的に広まりました。
 
🎹 1950年代〜:シンセサイザーの登場
エレキギターは1934年に登場しました。アコースティックギターでは音量に限界があったため、大きな会場でも聞こえるように「ピックアップ」で音を電気信号に変え、アンプで増幅して音を出すという仕組みが開発されたのです。
この発明により、ロックやジャズなどの音楽が爆発的に広まりました。
 
🎹 1950年代〜:シンセサイザーの登場
1950年代には、音をイチから電気で合成する「シンセサイザー」が登場します。これはもはや“楽器の振動”を必要とせず、波形を自由に設計することで多彩な音色を作れる画期的な楽器でした。
 
1970〜80年代のテクノ・ポップブームでは、YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)などが日本でも大流行。
以降、シンセサイザーは音楽制作に欠かせない存在となっていきます。
 
📱 2000年代以降:家電との融合とモバイル化
現代では、電気楽器や電子楽器の技術はスマートフォンやタブレットにも応用され、以下のような機能が一般化しました。
・アプリでのシンセ演奏・作曲
・ワイヤレススピーカーでの高音質再生
・骨伝導・ノイズキャンセリングなどの音響技術
・音声認識や通話にも応用されるマイク技術
つまり、「音を電気信号に変換する技術」は、楽器から家電製品全般に広がったのです。
 
🔁 テクノロジーが音楽の「楽しみ方」を広げた
・遠く離れた場所でも音を共有できる
・小さな動作で大音量が出せる
・音を録音・加工・再生・配信できる
こうした進化が、プロミュージシャンだけでなく、私たち一般人にも新しい音楽体験をもたらしてくれています。
 
🎧 電気がなければ、今の音楽の多様さや自由さは存在しなかったかもしれません。
音響機器は今や、家電製品の一ジャンルとしても重要な存在です。アンプ、Bluetoothスピーカー、ノイズキャンセリングヘッドホンなど、私たちは日々、音と電気の関係に囲まれて生活しています。
 


 
6. まとめ|電気と音の関係を知ると、音楽も家電ももっと楽しくなる
エレキギターや電子ピアノ、Bluetoothスピーカー、スマートフォン。
私たちが日常的に触れている「音」の多くは、空気の振動と電気信号の変換によって成り立っています。
かつては生演奏しかなかった音楽も、電気を取り入れることで
・離れた場所まで音を届けられる
・音の大きさや音色を自由に変えられる
・録音や編集、再生、配信が誰でも可能に と、表現方法も楽しみ方も一気に広がりました。
 
この記事でご紹介したように、電気を使う楽器や音響家電には、物理・電気・音響が融合したロジックが詰まっています。音の世界を技術の視点から見つめると、楽器選びや家電選びもより楽しく、深くなるかもしれません。
 
情熱電力からのお知らせ|電気の「使い方」から、暮らしをもっと豊かに
音楽も、映像も、コミュニケーションも。
現代の暮らしは「電気のチカラ」によって豊かになっています。
私たち情熱電力は、単に電気を届けるだけでなく、「その電気がどう使われているか」「より快適に・安全に使うにはどうすればいいか」まで、皆さまと一緒に考えていきたいと考えています。
 
電力会社を選ぶ時代。
楽器や家電を楽しむ方こそ、“電気そのもの”の品質やプランを見直してみませんか?
 
▶ ご家庭向け電気プランはこちら
👉 https://jo-epco.co.jp/price/
 
本記事内容に関連リンク
audio-technica:マイクロホンを識る
YAMAHA:ピックアップって、どんな物?
日本経済新聞:エレキギター、なぜ大きな音が出る? 電気信号に変換
 

2050年、最大8,300万kWの電力が不足?将来の供給力と火力リプレース問題

 
エネルギーイメージ
 
2050年に最大8,300万kWもの電力供給力が不足する可能性がある――。
電力広域的運営推進機関(OCCTO)が提示した衝撃的な試算は、私たちの未来の暮らしや産業に大きな影響を及ぼしかねません。
これは、火力や原子力のリプレース(更新)が滞った場合に発生するシナリオです。
需要が上振れし、経年による老朽電源が順次廃止される中で、新たな供給源が十分に確保されなければ、日本のエネルギーシステムは深刻な供給不足に陥る恐れがあります。
いくつかのシナリオのうち極端なケースでは、需要が1兆2,500億kWhと最大に達し、火力・原子力のリプレースが行われなかった場合、夏季夜間に8,300万kWの供給力不足が生じるとされています。
一方で、控えめな需要シナリオ(9,500億kWh)で原子力のリプレースを考慮しても、火力の更新がなければ3,760万kWの不足が見込まれています。
さらに、予備率13.9%(34年度の供給信頼度基準)の確保すら難しいケースも多く、設備を更新しても採算が合わないという問題も浮上しています。
本記事では、有識者会合や各種資料をもとに、将来の需給バランスに関する最新の試算内容、火力発電のリプレースの難しさ、そして政策的課題を整理していきます。
 
【目次】
1.供給力不足のインパクトとは?
2.最大8,300万kWの不足はどのような前提か?
3.火力リプレースをめぐる技術的・事業的課題
4.CCS・水素火力・アンモニア混焼への期待と現実
5.今後に求められる政策と投資誘導のあり方
 


 
1. 供給力不足のインパクトとは?
OCCTOは2050年の電力供給力について、最も厳しいシナリオでは最大8,300万kWが不足すると試算しました(※夏季夜間の需給断面)
 
※夏季夜間の需給断面:OCCTOが行った需給分析における4つの評価タイミング(夏季昼間・夏季夜間・冬季昼間・冬季夜間)のうち、太陽光発電が使えず冷房需要が続くため、特に供給力が厳しくなるとされる時間帯を指します。これは、原子力・火力のリプレースが全く行われない極端な前提における結果ですが、たとえ原子力のリプレースを織り込んだケースがでも3,760万kWの不足が見込まれるなど、需給バランスの脆弱さが浮き彫りとなりました。
 


 
2. 最大8,300万kWの不足はどのような前提か?
不足が最も大きくなるのは、2050年の電力需要が1兆2,500億kWhに達し、老朽火力・原子力の更新が全く行われなかったケースです。
この場合、供給信頼度の基準である予備率13.9%を満たすことができず、極端な需給ひっ迫が想定されています。
一方、需要が9,500億kWhにとどまる控えめなケースでも、火力の更新が進まなければ3,760万kWの供給力が不足するとの試算です。
 


 
3. 火力リプレースをめぐる技術的・事業的課題
将来の火力リプレースには、CCS(二酸化炭素回収・貯留)※や水素・アンモニア燃料への対応が求められますが、
実際の導入にはコストや技術インフラの面で大きな課題があります。
参加事業者からは「水素混焼+CCSの同時導入は非現実的」「バイオマス混焼で効率基準を満たせるなら非効率火力の扱いは再検討を」といった意見が出ており、技術的実現可能性や採算性への懸念が根強い状況です。
 
※CCS(二酸化炭素回収・貯留):発電所などから排出されるCO2を分離・回収し、地下深部などに貯留して大気中への放出を防ぐ技術。火力発電の脱炭素化の切り札とされているが、発電効率の低下やコスト、貯留インフラ整備などの課題がある。
 


 
4. CCS・水素火力・アンモニア混焼への期待と現実
脱炭素化を前提にしたモデルケースでは、2050年時点で火力電源はCCS付きや水素・アンモニアの専焼型へと移行する前提が組まれています。
しかし現実には、CCS導入による発電効率の低下や追加コスト(水素輸入価格37円/Nm3-H2など)が壁となり、投資判断が進まない例も多くあります。
また、既存設備の廃止に伴い、2040〜2050年にかけて最大6,900万kW超が失われる試算もあり、これを埋めるリプレースが追いつかなければ、需給ギャップはさらに拡大します。
 


 
5. 今後に求められる政策と投資誘導のあり方
需給バランスの安定には、単なる設備量の確保だけでなく、稼働率・採算性を担保する仕組みや長期投資への見通しが不可欠です。
容量市場や長期脱炭素オークションといった制度整備に加え、CCS貯留インフラや水素輸送網への支援が求められます。
火力リプレースが事業として成立するようなインセンティブ設計と、供給力維持の観点からの明確な政策的方向性が、いま問われています。
 


 
まとめ
日本の電力供給における“見えない崖”が、じわじわと迫っています。
経年火力や原子力の廃止が進む中で、十分なリプレースや脱炭素投資が行われなければ、2050年の需給ギャップは深刻な事態を招く可能性があります。
本記事で取り上げたように、有識者会合でも懸念の声が相次いでおり、事業性・技術性・政策支援の三位一体での対応が求められます。
エネルギーの安定供給をどう維持するか、社会全体での議論と行動が必要です。
 


 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力では、2050年を見据えた持続可能なエネルギー供給体制の構築に向けて、再生可能エネルギー導入支援やBCP対策電源のご提案を行っています。
エネルギー転換期に求められる最適な選択をご検討中の企業・自治体の皆さまは、ぜひご相談ください。
 
👉 お問い合わせはこちらから
 
情熱電力のこのお知らせページでは、
情熱電力が注目した電力に関連した様々な事柄をピックアップして掲載させていただいております。
弊社では、随時、このページを更新して参りますので
ご興味を持たれた方はまたこのサイトにお越しいただければ幸いです。
 
それではまた!!
 

【続報】電気・ガス料金に月1,000円の補助!7〜9月使用分が対象|情熱電力

 
チェック
 
2025年5月22日、政府は7〜9月の電気・ガス料金に対する新たな補助措置を正式に発表しました。
一般家庭で月あたり1,000円程度の負担軽減を見込む支援策で、エアコン利用が増える夏の家計負担を和らげることを目的としています。
この補助は、米国の通商政策(関税)や物価高の影響に備える経済対策の一環として位置づけられており、政府は予備費約7,000億円を活用して実施します。
情熱電力でもこの動きを受けて、お客様にわかりやすく最新情報をお届けします。
 


 
■ どんな補助?対象と期間をチェック
政府が発表した補助の概要は以下の通りです。

項目 内容
対象 電気・ガス料金
補助金額(目安) 月あたり約1,000円の軽減
(電気+ガス合計)
対象期間 2025年7月〜9月使用分
(請求は8〜10月頃)
補助の背景 物価高対策
+米国の通商政策(関税)への備え
財源 予備費から約7,000億円を充当予定

電力消費が増える夏場に合わせた補助であり、今年1〜3月に行われた冬季補助の再開版とも言えます。
 


 
■ 家庭への影響は?具体例でイメージ(中部エリア・350kWhの場合)
※具体的な補助金単価が発表されていないためざっくり計算しています。
標準的な家庭で、電気使用量が350kWh/月の場合(中部エリア)――
 
・電気料金(中部エリア):約11,000円前後/月
 ※2025年夏季想定、燃料費調整額や再エネ賦課金を含む概算
今回の補助により、
月あたり約800円の電気料金軽減が見込まれます。
 
さらに、都市ガス(30㎥/月)を利用している場合――
・ガス料金(東邦ガスなど):約6,000円前後/月
補助額は月あたり約200円前後
 
✅ 合計すると、こんな感じで電気+ガスで月1,000円程度の補助が受けられる見込みです。
 
この支援が7〜9月の3か月間にわたって実施されるため、
合計3,000円前後の負担軽減が期待されます。
電力使用が増える夏場において、
「安心して冷房が使える」ことに繋がる実感しやすい支援策です。
 


 
■ なぜこの時期に補助?背景を解説
今回の補助は、単なる物価高対策にとどまらず、
米国(トランプ前政権)による関税政策の再強化など、国際情勢による経済不安への備えという位置づけもあります。
 
日本経済新聞の報道によれば、
 
  「政府は、米トランプ政権の関税政策や物価高の影響への対応策と位置づける」 とのこと。
 
つまり、エネルギー価格の急変など不測の事態にも柔軟に対応できるよう、事前に備えた安心の仕組みでもあるのです。
 


 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力は、今回の政府発表を受け、
「電気料金を少しでもお安く、わかりやすく」をモットーに、
引き続き皆さまの暮らしを全力でサポートしてまいります。
 
今後、電気・ガス料金の補助についてさらに詳細な内容が発表され次第、
本ブログやお知らせを通じて、わかりやすくご案内いたします。
エネルギー価格が不安定な時代だからこそ、
安心できる電気選びを、情熱電力と。
 


 
まとめ
・政府は2025年7〜9月使用分の電気・ガス料金に月1,000円程度の補助を決定
・財源は予備費約7,000億円、物価高や米国の関税政策への備えも目的
・家庭では合計最大3,000円程度の負担軽減が期待されます
・情熱電力では引き続き、情報発信とサポートを継続してまいります
 
経済産業省 資源エネルギー庁 電気・ガス支援ページをご確認ください。
https://denkigas-gekihenkanwa.go.jp/(リンク)
 
関連記事:
【2025年4月最新】電気・ガス・ガソリン料金支援策を政府が発表 続報です。|情熱電力
石破首相、電気・ガス補助とガソリン値下げを表明!家計支援の新たな動き
電気・ガス代補助金が1月使用分から再開しています。電気料金負担軽減策支援事業について
電気補助金再開(酷暑乗り切り緊急支援)について(2024年夏)
 

エアコン室外機の異音は“あるある原因”だった!エアコンこれからシーズン必見!今すぐ確認を

 
エアコン室外機
 
気になる記事があったので、調べてみました。
それは「エアコンの室外機の音がうるさい…」という日常の悩みに関する話題です。
夏や冬に大活躍するエアコン。しかし、ふとしたときに「ブーン」「カタカタ」といった異音が気になることはありませんか?この記事では、室外機から異音がする原因と、放置したときのリスク、そして対処法をわかりやすく紹介します。
さらに、エアコン室外機の効率を下げてしまう「思わぬ原因」が、電気代にも影響している可能性があることも判明。家庭でできる簡単チェックポイントもご紹介しますので、節電・省エネを意識している方は必見です。
エアコンを安心・快適に使いながら、電気代のムダを防ぐための豆知識を、情熱電力がお届けします。
 


 
室外機の異音…「うるさい」と感じたら要注意
エアコンをつけるとき、室外機から「ブーン」と耳障りな音がする。
これ、実はよくある相談内容です。多くの場合、コンプレッサーの稼働音であり、ある程度の音は仕様上避けられませんが、普段と違う異音が聞こえる場合は、何らかの不具合のサインかもしれません。
 
見落としがちな「落ち葉」や「異物」
今回の記事で注目されたのは、室外機の上に落ち葉が積もっていたというケース。
この「ちょっとしたゴミ」がファンの回転に干渉し、異音の原因となっていたのです。
特に秋から冬にかけては、枯れ葉や小枝などが風に運ばれて室外機の上に乗ることが多く、ファンカバーの隙間から入り込むことで、カタカタと異音を出したり、効率を悪化させることもあります。
 
異音だけじゃない?放置すれば電気代に直結
室外機が正常に動かないと、エアコン本体の運転効率が低下します。
たとえば、ファンがゴミなどで部分的に塞がれていると、排熱効率が落ち、冷房・暖房に余計な電力を使うことになります。
経済産業省のデータによると、エアコンの年間平均消費電力量(2.8kW機種)は約892kWh(※)。
ファンが詰まり効率が20%落ちると仮定すれば、年間約180kWh=電気代にして約5,400円(30円/kWh換算)のムダに。
 
<例>
年間平均消費電力量:892kWh
効率が20%低下 → 余計に20%分の電力量を追加消費
電気料金単価:30円/kWh
 
〇 追加消費電力量(kWh)
 → 892kWh × 20% = 178.4kWh(≒180kWh)
〇 無駄な電気代(円)
 → 178.4kWh × 30円/kWh = 5,352円(≒5,400円)
 
※出典:資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ2024年度版」より
 


 
自分でできるチェックポイント
室外機の上に物を置いていないか確認する
・落ち葉、ほこり、蜘蛛の巣などを月1回は点検
・ファンの中に異物が見えたら電源OFF後、慎重に除去
・室外機周辺に風の通り道を確保(30cm以上のスペース推奨)
これらはプロの点検を依頼する前の、家庭でできる第一歩のメンテナンスです。
 


 
まとめ
エアコンの室外機の音が気になるとき、思わぬ「落ち葉やゴミ」が原因になっていることがあります。
異音はもちろん、放置すれば電力消費量が増え、無駄な出費につながることも。
定期的に室外機の状態をチェックすることで、エアコンの寿命も延び、電気代の節約にもつながります。
この夏、または冬を快適に過ごすためにも、まずはベランダや庭にある「室外機」を今すぐチェックしてみてはいかがでしょうか?
 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力では、日々の暮らしの中で気づきにくい“電気のムダ”を防ぐヒントを、このお知らせページで随時発信しています。
 
エアコンの使用時期こそ、室外機のメンテナンスは節電の第一歩。
ご家庭のエネルギーの使い方を見直したい方、電気料金をもっと見やすく、わかりやすくしたい方は、ぜひ情熱電力にご相談ください。
無料で電気代診断もご案内しております。
 
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「JERA統合から10年、“2026年の壁”が問う電力の未来」日本経済新聞の記事から

 
チェック
 
先日、日本経済新聞に「JERA統合10年(上)迫る『2026年』の壁」(日経新聞電子版5/14)という記事が掲載されていました。
記事によると、東京電力と中部電力の火力部門を統合して誕生したJERA(ジェラ)が、2024年で発足10年を迎えたとのことです。設立以来、燃料調達の効率化や火力発電のコスト削減といった統合効果を上げてきた一方で、2025年度に親会社との売電契約が終了することで、収益構造に大きな転換点が訪れると伝えられています。
再生可能エネルギーへの投資や、海外企業との提携などで新たな成長モデルを模索する中、JERAは“親会社依存”からの脱却を迫られています。今後の電力業界の行方を占う上でも、この「2026年の壁」は見逃せないテーマとなりそうです。
 


 
目次
1.JERA統合の背景と10年の歩み
2.「2026年の壁」とは何か?
3.JERAが挑む脱・火力依存の道
4.自立に向けた販路戦略とパートナーシップ
5.電力業界の未来とJERAの役割
 


 
1. JERA統合の背景と10年の歩み
JERA(ジェラ)の誕生は、2011年の東京電力・福島第一原発事故を発端とした電力業界再編の象徴的な動きでした。巨額の賠償・除染費用を抱える東京電力と、火力発電の燃料コスト高に苦しんでいた中部電力の利害が一致し、2014年に両社の燃料・火力部門を段階的に統合することでJERAが設立されました。
この統合により、国内の火力発電能力の約半分を担う巨大プレイヤーが誕生。燃料調達のスケールメリットを活かしてコスト削減を図り、発電所の保守・運用効率化、電力・燃料のトレーディング事業拡大など、多方面でシナジーを発揮しました。
特に、2019年に現在の事業体制が完成してからは、企業価値の向上が本格化。2026年3月期の連結純利益は2,300億円と予想され、当初目標だった2,000億円を上回る見通しとなっています(記事より)。JERAの奥田久栄社長も「想定を上回るパフォーマンス」と胸を張るなど、統合からの10年はおおむね順調だったといえるでしょう。
一方で、国際的な脱炭素の潮流を背景に、火力発電中心の事業構造への懸念も徐々に高まりつつあります。その中で、次の大きな転換点として注目されるのが、「2026年の壁」です。
 


 
2. 「2026年の壁」とは何か?
JERAが設立以来、安定した収益構造を築けた最大の要因の一つが、親会社である東京電力と中部電力との長期売電契約でした。両社の小売部門がJERAの火力電力を優先的に購入するという枠組みは、JERAにとって「確実に売れる販路」を意味しており、経営計画の見通しも立てやすい状況が続いてきました。
しかし、こうしたグループ内優遇取引は「内外無差別原則」に反するのではないかという声が業界内外から上がってきました。特に、電力の全面自由化が進む中で、他の大手電力会社や新電力(PPS)からは「公正な競争を妨げる」として批判が寄せられていたのです。
こうした流れを受け、2020年には電力・ガス取引監視等委員会が是正を要請。結果として、東京電力・中部電力との売電契約は2025年度で終了することが決まりました。これによりJERAは、2026年度から自社で新たな販売先を開拓し、市場原理に則った価格で競争しなければならなくなります。
この契約終了によってJERAが直面するのが、「2026年の壁」と呼ばれる構造的な経営課題です。顧客の確保、価格競争力の維持、市場変動への対応といった、これまで経験してこなかったリスクを自ら引き受けることになります。特に電力卸売価格が乱高下しやすい中で、安定収益モデルの継続は困難になってきたといえるでしょう。
この壁を乗り越えるために、JERAは次章で紹介するような「火力依存からの脱却」や「販路の多様化」に取り組み始めています。
 


 
3. JERAが挑む脱・火力依存の道
JERAのビジネスモデルは長年、火力発電を中核に据えてきました。特に燃料の一括調達によるコスト競争力と、発電能力の高さが収益の柱でした。しかし近年、世界的な脱炭素の潮流を背景に、この「火力依存モデル」は国際社会から強い批判を浴びるようになります。
こうした環境変化を受けて、JERAは火力発電の役割を根本的に見直し、「主力電源」から「調整電源」への転換を進めています。これは、天候によって発電量が変動する太陽光や風力といった再生可能エネルギーを補完する役割に火力を位置づけるという考え方です。
さらにJERAは、洋上風力や水素、アンモニアといった次世代エネルギーへの投資を本格化。2035年度までに総額約5兆円を投じ、そのうち1兆〜2兆円を水素・アンモニアに充てる方針を示しています(記事による)。ただし、水素専焼発電のコストは2040年時点でもガス火力の約2倍とされ、採算性には依然として大きなハードルがあることも事実です。
このため、JERAは単独での投資にはこだわらず、国内外の企業とパートナーシップを組みながら資金リスクの分散を図っています。実際、環境投資の領域では米コンサル大手マッキンゼーと連携し、企業の脱炭素ロードマップの策定から再エネ供給まで一貫して支援する事業モデルを展開中です。
こうした構造転換は、収益性だけでなく、将来的な社会的信頼や電力業界内での地位にも関わる極めて重要な戦略といえるでしょう。JERAは火力依存から脱却しつつ、なおも「日本最大級の発電会社」としての責任と役割を模索しているのです。
 


 
4. 自立に向けた販路戦略とパートナーシップ
2026年度から親会社である東京電力・中部電力との売電契約が終了することで、JERAは「自ら顧客を開拓し、販売しなければならない」段階へと移行します。これは、電力の自由化市場で生き残るための第一歩であり、同時に最大の試練でもあります。
この壁を乗り越えるため、JERAは国内外で積極的な提携戦略を進めています。たとえば、2024年4月にはフランスの大手電力会社EDFグループと提携。燃料調達から国内の電力取引事業まで幅広い連携を行うことで、販路と調達コストの両面を強化しました。
また、電力の市場取引(特に日本で2022年から開始された電力先物市場)を活用し、大口顧客への販売機会を増やす工夫も始まっています。これは、販売しきれなかった電力を市場で収益化する新たなビジネスモデルともいえます。
小売分野では、前章でも触れたようにマッキンゼー・アンド・カンパニーと共同で企業の脱炭素支援を行いながら、再エネ・水素電力を供給。すでにヤマトホールディングスや東宝など複数の企業に導入が進んでおり、JERAは2027年までにプライム上場企業100社への導入を目指しています。
このように、これまでの「親会社に電力を卸すだけ」のモデルから、「多様な顧客と直接契約を結ぶ」自立型モデルへと大きく舵を切ったJERA。その取り組みは、単なる販路拡大にとどまらず、今後の電力ビジネスの在り方そのものに挑戦する動きともいえるでしょう。
 


 
5. 電力業界の未来とJERAの役割
JERAが直面する「2026年の壁」は、単に一企業のビジネスモデルの転換ではありません。日本の電力業界全体にとっても、「自由化後の競争環境において、発電・販売をどう持続可能な形で展開していくか」という根源的な問いを突きつける出来事です。
これまでのJERAは、統合によって得たスケールメリットを武器に、火力を主力とした安定収益モデルを築いてきました。しかし、今後は脱炭素の潮流と自由化による市場競争の中で、柔軟かつ革新的なビジネスモデルへの変革が求められます。
水素・アンモニアといった次世代エネルギーの導入、企業ごとの脱炭素ロードマップに対応したカスタマイズ型電力販売、電力トレーディングの高度化――こうした要素は今後の電力会社にとって避けては通れないテーマです。
JERAは今、その最前線に立っています。再エネへの巨額投資に踏み切る一方で、市況の変動や採算性といった現実的な制約とも向き合わなければならず、政府の支援やパートナー企業との連携も欠かせません。さらに、IPO(株式公開)や外部出資といった資本政策も選択肢として浮上しており、経営の自由度とスピードが問われています。
つまり、JERAがどう動くかは、そのまま「これからの電力会社の姿」を映し出す鏡なのです。安く・クリーンで・安定的な電力供給をどう実現するか――この難題に、JERAがどう応えていくのかは、日本全体のエネルギー戦略にとっても大きな意味を持つでしょう。
 


 
まとめ
ERAは、東京電力と中部電力の火力事業を統合してから10年。燃料の共同調達や発電設備の効率化によって国内最大級の電力会社へと成長してきました。
しかし、2026年度には両社との長期売電契約が終了し、自ら市場で顧客を見つけて販売するという“競争の世界”に本格的に踏み出すことになります。
この「2026年の壁」は、単なる契約の転換ではなく、電力の価格形成のあり方や競争の公平性を問い直す大きな分岐点です。
これまでJERAの電力を安定的かつ低廉に仕入れてきた親会社の小売部門にとっては、価格上昇のリスクが現実化する可能性もあります。反対に言えば、これまで不透明だった仕入れ構造に風穴が開き、電力市場全体の健全化につながるという期待もあります。
JERAは再生可能エネルギーや水素などの脱炭素電源にシフトしながら、新たなパートナーとともに成長の道を模索しています。その姿勢は、これからの電力会社のあるべき姿を映し出しているとも言えるでしょう。
そしてこれからの時代は、「どこから電気を買うか」だけでなく、
「その電気がどんな発電方法で、どんなルートを通じて届けられるのか」までが選ばれる時代です。
私たち一人ひとりが電気の背景に目を向けることで、より持続可能で納得できるエネルギーの使い方が広がっていくと、情熱電力は考えています。
 


 
🔔 情熱電力からのお知らせ
情熱電力では、全国の電力市場や業界構造の変化を注視しながら、地域に根ざした持続可能なエネルギーサービスの提供を目指しています。
今回ご紹介したJERAの「2026年の壁」は、電力会社間の取引構造や価格形成の透明性を見直す大きな転機となるでしょう。これまで一部の大手企業だけが享受してきた安定的な電力調達の仕組みが変わる中で、私たち情熱電力は、公平で開かれた電力市場のなかで、地域の皆さまにとって納得できる価格・品質・安心を提供し続けていきます。
また、再生可能エネルギーを軸とした電源の選択や、企業・自治体との連携によるエネルギー地産地消の取り組みも積極的に進めています。
「電気のこと、もっとわかりやすく、もっと自由に。」
そんな電力会社でありたいと、私たちはこれからも挑戦を続けてまいります。
 
情熱電力が電力の最適プランを無料でご提案します。
地域企業や公共施設向けの電力コンサル・料金見直し相談など
 

豪雪地帯で太陽光?雪国でも発電できる!長野県が後押しする太陽光パネル補助事業とは?

 
長野県北部 雪
 
信濃毎日新聞に気になる記事があったので調べてみました。
豪雪地帯での太陽光発電を後押し、長野県が事業者に補助 雪が積もりにくい設置法の検証ふまえて
信濃毎日新聞デジタル 5月17日
 
長野県飯山市で、傾斜60度以上の雪深い場所に設置された太陽光パネルが、冬でも十分な発電量を確保できることが実証されました。積雪地では「太陽光は向かない」と考えていた方にとって、これは大きな朗報です。こうした結果を受け、長野県では太陽光発電のさらなる普及を目指して、県内全域で補助事業を開始しました。
特に北信地方などの豪雪地域でも、適切な設計や設置方法を採ることで、安定的な発電が可能になることが明らかになってきました。本記事では、その実証結果とともに、長野県の補助内容や今後の展開について解説していきます。
 


 
目次
1.雪国でも発電はできるのか?実証結果から見る可能性
2.長野県の補助事業とは?対象や支援内容を解説
3.豪雪地で太陽光を設置するための工夫とポイント
4.普及促進に向けた県の戦略と再エネビジョン
5.太陽光導入を考える方へのアドバイス
 


 
1. 雪国でも発電はできるのか?実証結果から見る可能性
長野県飯山市の住宅で、屋根に設置された太陽光パネルの傾斜を60度以上にすることで、冬場でも雪が自然と落ち、年間を通じて安定的な発電が可能であることが確認されました。
この実証は、一般社団法人 太陽光生活研究所が2024年度に行ったもので、豪雪地でも適切な角度と設計を採れば、十分な電力を得られることが裏付けられました。
 


 
2. 長野県の補助事業とは?対象や支援内容を解説
長野県では2050年度までに県内の温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目指す「県ゼロカーボン戦略」を掲げています。その中間目標として、県内の住宅屋根に太陽光発電を導入する件数を2030年度までに22万件に拡大する計画を立てており、2023年末時点では約10万件余の設置実績があります。
こうした背景から、県は再生可能エネルギー導入促進に向けた補助事業を実施しており、特に注目されているのが「雪国太陽光設置モデル創出事業」です。
これは、冬季の積雪の多い地域でも太陽光発電を安定的に稼働させるための設計・工法を実証し、そのノウハウを県内全域に普及させることを目的としています。
 
この事業では、次のような支援が提供されます:
・雪国仕様の太陽光発電システムの設置に対して最大10万円の補助
・設置工法や発電効率、維持管理方法などのノウハウ蓄積と公開
・地域特性に合ったモデル事例の創出と公表
詳しくは長野県公式サイトの「雪国太陽光設置モデル創出事業のページ」をご確認ください。
 


 
3. 豪雪地で太陽光を設置するための工夫とポイント
豪雪地帯では、発電パネルの角度と設置場所が重要です。今回の実証でも用いられた「60度以上の傾斜」は、雪が自然に滑り落ちる設計として有効であるとされます。加えて、パネルの高さを確保したり、融雪ヒーターの併用も検討材料となります。
また、落雪による周囲への影響も考慮する必要があります。
 


 
4. 普及促進に向けた県の戦略と再エネビジョン
長野県は、2050年度までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボン戦略」を掲げ、その柱のひとつとして住宅用太陽光発電の普及拡大を位置づけています。
県が示した目標では、2030年度までに県内の住宅屋根への太陽光発電の設置件数を22万件に拡大する計画です。これは、2023年末時点での約10万件から倍以上に増やす大きな目標です。
これに先立つ2021年度末時点では、長野県内の住宅用太陽光発電の導入件数は約9万件とされており、ここ数年で着実に伸びてきています(出典:環境省資料)。
また、県では豪雪地でも安定稼働する設置方法を実証・普及させるため、「雪国太陽光設置モデル創出事業」も展開。特に北信地方など積雪地域への対応に力を入れ、県内全域での導入を促しています。
目標達成に向けて、今後も補助制度の拡充や施工ガイドラインの整備、モデル地区の創設など、段階的な施策が展開されていく予定です。雪国であっても、再エネの主力として太陽光が“当たり前”になる社会を目指し、行政と民間が一体となった取り組みが進んでいます。
 


 
5. 太陽光導入を考える方へのアドバイス
「雪が多いからうちは無理」とあきらめていた方も、今回の実証結果や県の支援制度を知れば、新たな選択肢が見えてくるかもしれません。まずは専門家や施工業者に相談し、ご自宅に最適な設計や設備を検討することが大切です。
補助制度は申請期限が設けられているため、早めの情報収集と手続きがおすすめです。
 


 
まとめ
太陽光発電は「晴れた地域向け」というイメージが強いかもしれませんが、実際は雪国でも十分な発電が可能であることが実証されています。長野県が行う補助事業は、そうした地域特性をふまえた後押しとして非常に心強いものです。
地域で再生可能エネルギーを広げる一歩として、今こそ太陽光の導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
 
情熱電力からのお知らせ
情熱電力では、長野県の補助事業を活用した太陽光発電の導入をご検討の方へ、無料のご相談サービスを行っており
長野県の北信・東信・中信・南信と太陽光発電設備を設置した実績がありますので
「自宅が雪国だけど大丈夫?」「補助金の申請方法は?」といった疑問にも丁寧にお答えいたします。
地元密着の電力会社として、再エネを“わかりやすく、やさしく、つづけられる形”でご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。
 
株式会社情熱電力へのお問い合わせはコチラ
 
株式会社情熱電力 長野県松本市大手2-1-4
TEL:0263-88-1183
 


 
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アルカリ電池 vs 充電池 充電池は本当にお得?100回使うと電池代はここまで違う!

 
電池
 
電池って、気づくとすぐ切れるし買い替えも面倒。でも、だからといって「充電池にしたほうがいいの?」と聞かれると、なんとなく高そうで手が出ない。そんなふうに思っていませんか?
今回は、中部電力の「先端技術応用研究所」が実際に行った実験データと、話題になった記事をもとに、「アルカリ電池」と「充電池(ニッケル水素)」を100回使った場合のコストや性能を徹底比較。さらに、何回使えば充電池の方が得になるのかも検証します。
節電や節約を意識したい方、非常用備蓄を見直したい方にも役立つ内容です。電池1本の選び方が、思いがけず家計と地球にやさしい一歩になるかもしれません。
 
出典:先端技術応用研究所 充電池の性能と経済性に関する実験(報告)
 


 
目次
1.実証実験で分かった!充電池は何回で元が取れる?
2.アルカリ電池 vs 充電池|100回使ったコスト差は?
3.性能比較:照度・使用時間・温度耐性
4.意外と知らない充電方法のコツと節約術
5.シーン別のおすすめ電池の選び方
 


 
1. 実証実験で分かった!充電池は何回で元が取れる?
先端技術応用研究所の「充電池の性能と経済性に関する実験(2023年1月31日)」では、乾電池と充電池を同じ条件で使用し、トータルコストの差を検証しています。
実験では、LED懐中電灯に電池をセットし、照度や電圧の変化、使用可能時間などを測定。その結果、充電池は36回使用でアルカリ乾電池の累積コストを下回ることが明らかになりました。
 


 
2. アルカリ電池 vs 充電池|100回使ったコスト差は?

比較項目 アルカリ乾電池 充電池(+充電器)
本体価格 約78円/本 ×100=7,980円 電池269円/本×1+充電器1,139円
使用可能時間 479分(約8時間) 289分(約4.8時間)
充電コスト 約0.18円/回 ×100回=18円
合計費用 4,087円 1,426円
節約額 2,661円お得

つまり、100回使えば約2,600円以上の節約効果が生まれるという結果に。

 


 
3. 性能比較:照度・使用時間・温度耐性
・使用可能時間:最長はアルカリ乾電池(約479分)、次いで充電池(約289分)、マンガン乾電池(約168分)。
・照度維持力:充電池は約270分間、一定の照度を維持し、その後一気に低下する特性。
・温度耐性:7℃ではやや性能低下(放電時間が約3分短縮)/21〜35℃では大きな差なし。
よって、常温環境であれば充電池の性能は十分といえるでしょう。
 


 
4. 意外と知らない充電方法のコツと節約術
1本ずつ4回充電するより、4本まとめて充電した方が電力消費は約5%少なく、充電時間も7時間短縮されます。
つまり、「電池はまとめて充電」が経済的で時間効率も◎。また、1回の充電にかかる電気代はたったの0.18円と超省エネです。
 


 
5. シーン別のおすすめ電池の選び方

シーン おすすめ電池 理由
高頻度使用(リモコン、マウスなど) 充電池 回数が増えるほどコスパ◎
長期保管(防災グッズ、体温計) アルカリ電池 自然放電が少なく即使用可
子どものおもちゃ 充電池 消耗激しく交換が多いため経済的
登山・アウトドア アルカリ電池 一時的使用に適し軽量で保管も楽

 


 
まとめ
先端技術応用研究所の実証によれば、充電池は36回以上使えば確実にお得。100回使えば2,600円以上の節約につながります。さらに電池ゴミも削減でき、環境負荷も軽減されます。
ただし、使用機器によっては充電池が対応していないケースもあるため、使用前には取扱説明書を確認しましょう。
使い分けができれば、経済的にも防災面でも非常に有効です。
 


 
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