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投稿者: 中嶋
BYDの軽EV「RACCO」実質199万円は本当に安い?補助金と電気代から新電力が解説

中国のBYDが、日本専用に開発した軽自動車のEV「RACCO(ラッコ)」を2026年7月28日に発売した、という複数の記事を見つけたので、まとめて調べてみました。海外メーカーが日本独自の規格である軽自動車に、専用設計のクルマで本格参入するのは史上初めてのこと。しかも価格は214万5000円からで、国の補助金を使えば実質199万5000円と、ガソリンの軽自動車とも戦える水準に踏み込んできました。
ただ、記事を読み比べていくと「安い」の中身はそう単純ではないことが見えてきます。国の補助金はBYDに15万円しか出ず、日産やホンダの軽EVとは40万円以上の差がある。一方で航続距離や装備では上回る部分もある——。
そして、私たち電力会社の立場から言わせていただくと、EVで本当に効いてくるのは車両価格だけではありません。「毎月の電気代がどうなるか」「今の家の電気契約のままで充電できるのか」。このあたりは、カタログにはあまり書かれていない部分です。今回は価格のカラクリと、買う前に確認しておきたい電気まわりのポイントを、まとめて整理してみました。
目次
- 1. BYD「RACCO」とは何者か 軽自動車という最後の聖域へ
- 2. 実質199万円のカラクリ 補助金43万円のハンデを読み解く
- 3. 電気代で見る軽EVのランニングコスト
- 4. EVを買う前に確認したい「家の電気」3つのポイント
- 5. 軽EVの競争が、私たちの暮らしに意味すること
1. BYD「RACCO」とは何者か 軽自動車という最後の聖域へ
まずは、どんなクルマなのかを押さえておきましょう。
RACCO(ラッコ)は、世界最大級のEVメーカーである中国BYDが、日本市場専用にゼロから開発した軽自動車規格の電気自動車です。BYD Auto Japanが2026年7月28日に発表・発売しました。
注目すべきは、狙ってきたカテゴリーです。全高1.8m級の「軽スーパーハイトワゴン」——ホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」が属する、軽自動車の中でいちばん売れているジャンルにいきなり切り込んできました。両側の電動スライドドアを全グレードに標準装備し、大人4人がゆったり座れる室内を確保。BYD Auto Japanの商品企画担当者は「一番広いクルマでも一番速いクルマでもなく、一番いい軽自動車を目指した」と語っています(東洋経済オンライン報道)。
主なスペックを整理すると、こうなります。
| グレード | RACCO 200 | RACCO 300Plus | RACCO 300Premium |
|---|---|---|---|
| メーカー希望小売価格(税込) | 214万5,000円 | 239万8,000円 | 249万7,000円 |
| バッテリー容量 | 22.4kWh | 35.84kWh | 35.84kWh |
| 一充電走行距離(国土交通省審査値) | 210km | 320km | 320km |
| CEV補助金(国) | 15万円 | 15万円 | 15万円 |
| 補助金適用後の実質価格 | 199万5,000円 | 224万8,000円 | 234万7,000円 |
ボディサイズは全長3,395×全幅1,475×全高1,800mm。モーターは最高出力47kW(64PS相当)、最大トルク160N・m。バッテリーはBYD独自のリン酸鉄リチウムイオン電池「ブレードバッテリー」を採用しています。新車保証は6年または15万km、バッテリーの容量保証は8年15万kmで、有償(18,000円)で最長10年20万kmまで延長できるとされています。
軽自動車は日本の新車販売のおよそ3〜4割を占める、国内最大のマーケットです。そこに海外メーカーが専用設計で挑むというのは、これまでなかったこと。BYDはまず年間1万台の販売を目標に掲げています。
2. 実質199万円のカラクリ 補助金43万円のハンデを読み解く
車両価格は軽EV最安、でも補助金込みだと逆転する
ここからが本題です。「実質199万円」という数字は確かにインパクトがありますが、ライバルと比べたときの立ち位置は少し複雑です。
国のCEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)は、車種によって金額が違います。報道によれば、日産「サクラ」とホンダ「N-ONE e:」は58万円、三菱「eKクロスEV」は57万4,000円が交付される一方、BYDのRACCOは全グレード一律15万円にとどまります。その差、最大で43万円。
つまり、こういうことです。
・メーカー希望小売価格で比べると → RACCOが軽EVで最安
・国の補助金を差し引いた実質価格で比べると → 日産サクラが約186万円台からで、RACCOの199万5,000円を下回る
「表示価格は安いのに、支払い額では逆転する」という、なかなかややこしい状況になっているわけですね。
なぜこんな差がつくのか。背景には2026年4月の制度改定があります。CEV補助金は、車両の性能だけでなく「メーカーとしての貢献度」を評価する仕組みになっており、この会社評価の比重が高まりました。国内の充電インフラ整備やサプライチェーンの供給安定性などが評価軸に含まれるため、電池を自社生産する海外メーカーであるBYDは減額された形です。BYD側はこの点に不満を示し、経済産業省に運用の透明性を求めたと報じられています。
制度の是非をここで論じるつもりはありませんが、「EVの補助金は、クルマの性能だけで決まるわけではない」というのは、購入を検討する方には知っておいていただきたいポイントです。
自治体の補助金で景色は大きく変わる
もうひとつ大事なのが、自治体独自の補助金です。
国の補助金に上乗せする形で、都道府県や市区町村が独自の助成を行っているケースがあります。報道では、東京都の補助金(80万円)を使えばRACCOの実質価格は約120万円になる、というBYD関係者のコメントも紹介されていました。
ただし、自治体の補助制度は地域によって金額も条件も、そもそも制度の有無すらまったく違います。予算の上限に達し次第終了、というパターンも珍しくありません。長野県内にお住まいの方も含め、「うちの自治体はどうなっているのか」は、購入を決める前に必ずお住まいの市区町村・都道府県の公式サイトでご確認ください。国の補助金と自治体の補助金は併用できる場合が多いものの、併用条件が定められていることもあります。
なお、EVには税制面のメリットもあります。購入時のエコカー減税や、取得の翌年度の軽自動車税(種別割)のグリーン化特例など、ガソリン車にはない優遇が受けられます。制度は年度ごとに見直されるため、こちらも最新の情報を確認しておくと安心です。
3. 電気代で見る軽EVのランニングコスト
さて、ここからは私たち電力会社の得意分野です。
車両価格の話はメディアでさんざん報じられていますが、「では実際、毎月の電気代はどうなるの?」という部分は意外と語られていません。ここを一緒に計算してみましょう。
1kmあたり約3.5円という計算
まず、RACCOの「電費」を出してみます。電費とは、1kWhの電気で何km走れるかという、ガソリン車でいう燃費にあたる指標です。
RACCO 300Plusはバッテリー容量35.84kWhで航続距離320km(国土交通省審査値)。単純に割ると、約8.9km/kWhという計算になります。RACCO 200は22.4kWhで210kmなので、約9.4km/kWhです。
ここに電気料金の単価をかけます。家庭用電気料金の目安単価は31円/kWh(税込)とされていますので、これを使うと——
・RACCO 300Plus:31円 ÷ 8.9km ≒ 約3.5円/km
・RACCO 200:31円 ÷ 9.4km ≒ 約3.3円/km
一方、ガソリンの軽自動車はどうでしょうか。実燃費20km/Lと仮定し、レギュラーガソリンの全国平均価格を約170円/L(2026年7月下旬時点の水準)とすると、170円 ÷ 20km = 約8.5円/kmとなります。
| 軽EV(RACCO 300Plus) | ガソリン軽自動車 | |
|---|---|---|
| 1kmあたりの燃料・電気代 | 約3.5円 | 約8.5円 |
| 年間5,000km走行した場合 | 約1万7,500円 | 約4万2,500円 |
| 年間10,000km走行した場合 | 約3万5,000円 | 約8万5,000円 |
年間1万km走るご家庭なら、燃料代だけで年間およそ5万円の差。10年乗れば50万円ですから、補助金の43万円差を走行距離でひっくり返せる、という見方もできます。
ただし、いくつか注意点があります。上の計算は自宅での普通充電を前提にしたものです。外出先の急速充電器を頻繁に使う場合は、充電サービスの料金体系(従量制・時間制など)によってコストが大きく変わり、この試算より高くつくことがほとんどです。また、充電時にはロスが発生しますし、冬場は暖房やバッテリー性能の影響で電費が落ちます。あくまで目安としてご覧ください。
家庭の電気使用量はどれくらい増える?
もう一つの視点。EVを買うと、当然ですが家庭の電気使用量は増えます。
年間1万km走るとして、電費8.9km/kWhなら、必要な電力量は年間およそ1,100kWh。月あたりにすると約92kWhです。31円/kWhで計算すると、月々の電気代は約2,800円増える計算になります。
「電気代が月3,000円近く上がる」と聞くとドキッとしますが、その代わりガソリンスタンドでの支払いが月7,000円ほど消えるわけですから、家計全体では明確にプラスです。とはいえ、電気料金の請求書の数字だけが目に入って「EVにしたら電気代が上がった」と感じてしまう方は少なくありません。ガソリン代と電気代を合算して見る癖をつけると、判断を誤らずに済みます。
4. EVを買う前に確認したい「家の電気」3つのポイント
ここが今回いちばんお伝えしたいところです。EVは「クルマを買う」だけでは完結しません。
その1 契約容量は足りているか
そもそもの話ですが、EVは家庭用の普通のコンセント(100V)にそのまま挿して充電するものではありません。自宅で充電するには、200Vの専用回路を分電盤から引いて、EV用のコンセントか充電スタンドを設置する工事が必要になります。「クルマを買えばすぐ自宅で充電できる」わけではない、というのは最初に押さえておきたいポイントです。
戸建て住宅の多くは「単相3線式」といって、もともと100Vと200Vの両方が使える引込方式になっています。エアコンやIHクッキングヒーターで200Vを使っているご家庭も多いはずです。ですので200V化そのものは大きなハードルではないのですが、EV充電は「専用の回路を新たに1本増やす」工事になるため、分電盤に空きがあるか、容量に余裕があるかがポイントになります。
そのうえで、充電の速さの話です。RACCOの普通充電の受け入れ能力は最大6kW(RACCO 200は3kW)とされています。ただ、住宅向けのEV充電設備でいま広く使われているのは200V・15A(約3kW)のタイプ。6kWでフルに充電しようとすると、それに対応した充電器と、より余裕のある回路が必要になります。
そして6kWの充電は、200Vで30A相当の電力を使い続けるということ。エアコン数台を同時に動かし続けるようなインパクトです。夜、家族がお風呂に入り、エアコンとIHと乾燥機が動いている時間帯に充電が重なると、契約容量によってはブレーカーが落ちる可能性があります。EVの導入にあわせて契約アンペア(または契約容量)の見直しが必要になるケースは、決して珍しくありません。
逆に言えば、3kWの設備でも一晩(8時間)あれば20kWh以上は充電できる計算なので、通勤や買い物が中心の使い方なら十分間に合うことがほとんどです。「速く充電できる設備を入れるべきか」「今の契約のままで足りるか」は、ご家庭の走り方次第。クルマの契約前に、一度ご相談いただくのが安心です。
その2 料金プランは夜間の充電に向いているか
EVの充電は、そのほとんどが夜間の自宅で行われます。ということは、夜間の電力量単価が安いプランと組み合わせると、ランニングコストはさらに下がります。
先ほどの試算では31円/kWhという目安単価を使いましたが、仮に夜間単価が20円/kWh台前半のプランで充電できれば、1kmあたりのコストは3円を切ってきます。年間1万kmなら燃料代は年3万円を下回る計算です。
逆に、日中の在宅時間が長いご家庭や、太陽光発電を設置しているご家庭では、また最適解が変わります。「EVを買ったら、とりあえず夜間割引プラン」ではなく、ご家庭の生活パターンに合わせて選ぶことが大切です。ここは、電気の使い方を丸ごと見直すいい機会でもあります。
その3 V2Hという「クルマが蓄電池になる」選択肢
RACCOは全グレードでV2L(クルマから電化製品に給電する機能)とV2H(クルマから自宅に給電する機能)に対応しているとされています(V2Lアダプターは別売オプション、V2Hには対応機器が別途必要)。
これは、災害時の備えとして見逃せないポイントです。35.84kWhというバッテリー容量は、一般的な家庭用蓄電池(5〜10kWh程度)の数倍。停電時に、家一軒の電気をしばらく賄える計算になります。台風や大雪、地震による停電は、地方で暮らす私たちにとって決して他人事ではありません。
「走る蓄電池」としてのEVは、電気を売る立場から見ても、これからの家庭のエネルギーのあり方を変えていく存在だと感じています。ただし、V2H機器の導入には別途費用がかかり、機器によっては数十万円規模の投資になります。補助金の対象になる場合もありますので、あわせて検討するのがおすすめです。
5. 軽EVの競争が、私たちの暮らしに意味すること
RACCOの登場で、軽EVの価格競争は一気に激しくなりました。日産サクラ、ホンダN-ONE e:、三菱eKクロスEV、そしてRACCO。実質価格200万円という「攻防ライン」をめぐって、各社が本気で戦い始めています。
これは、EVを検討する方にとってはいい話です。選択肢が増え、価格が下がり、航続距離が伸びる。RACCOの航続距離320kmという数字は、これまでの軽EVの常識(180〜295km程度)を塗り替えるものでした。
そしてもうひとつ。EVが増えるということは、家庭が電気を「使うだけの場所」から「ためて、時には家に戻す場所」に変わっていくということでもあります。夜間の安い電気をクルマにためて、昼間や停電時に使う。太陽光でつくった電気をクルマにためる。そんな使い方が、特別なことではなくなっていきます。
私たち情熱電力のような新電力にとっても、これは大きなテーマです。単に「電気をお届けする会社」から、「お客様の家のエネルギーの使い方を一緒に考える会社」へ。BYDの参入というニュースは、クルマ業界の話であると同時に、私たち電力の側にも変化を迫るニュースなのだと受け止めています。
軽自動車という、日本の暮らしにいちばん近いところで起きている変化です。ぜひ、ご自宅の電気の使い方とセットで、考えてみてください。
まとめ
BYDが日本専用に開発した軽EV「RACCO」は、メーカー希望小売価格214万5,000円から、CEV補助金15万円を適用して実質199万5,000円からという価格で登場しました。車両価格では軽EV最安水準ですが、国の補助金が日産・ホンダの58万円に対して15万円にとどまるため、支払い総額では日産サクラのほうが安くなる、というねじれた構図になっています。
一方で、航続距離320km、両側電動スライドドア、6年15万kmの新車保証など、商品力での勝負を仕掛けてきているのも事実です。
そして、EVを検討するうえで見落とされがちなのが「電気」の話。自宅充電なら1kmあたり約3.5円と、ガソリン軽自動車の約8.5円に対して大きな差がつきます。年間1万km走るご家庭なら、燃料代の差は年間5万円ほど。ただしその分、家庭の電気使用量は月90kWh前後増えるため、契約容量や料金プランの見直しが必要になることもあります。
クルマ選びと同じくらい、電気の契約を見直す価値がある——というのが、今回いちばんお伝えしたかったことです。
情熱電力からのお知らせ
「EVを買おうか迷っているけれど、うちの電気契約のままで充電できるの?」「夜間に充電するなら、どんな料金プランが合っているんだろう?」
そんなご相談、情熱電力ではいつでもお受けしています。ご家庭の電気の使い方をお聞きしたうえで、契約容量や料金プランの考え方を、専門用語をなるべく使わずにご説明します。EVをまだ買っていない段階でのご相談ももちろん歓迎です。「調べてはみたけれど、結局うちの場合どうなの?」という段階でこそ、お役に立てることがあると思っています。
無理に何かをおすすめすることはありません。気になることがあれば、お気軽にお声がけください。
・TEL:0263-88-1183 ・お問い合わせフォーム:https://jo-epco.co.jp/contact
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「界隈」はなぜ広がる?口コミマーケティングに学ぶ、電気代や省エネの話題が伝わる仕組み

複数の気になる記事を見つけたので、まとめて調べてみました。日経ビジネスに掲載されていた「『界隈』はいかに市民権を得ていったのか 誰もが使える自己紹介ワードに」と、「『界隈』からヒット商品が生まれるメカニズム 市場沸騰の4ステップ」という2本の記事です(日経プレミアシリーズ『界隈経済圏』〈牧口松二著〉からの抜粋とのことです)。「〇〇界隈」という言い方、SNSでよく見かけますよね。実はこの言葉が広がっていく過程には、商品やサービスがヒットしていく過程ととてもよく似た構造があるようです。今回はこの2本の記事をもとに、「界隈」がどのように生まれ、広がり、市場にまで影響を与えていくのかを整理しつつ、私たちのような地域密着型のビジネスにとってどんなヒントになるのかも、あわせて考えてみたいと思います。
目次
- 1. 「界隈」ってそもそも何?地図の言葉から自己紹介ラベルへ
- 2. 内輪語だった「界隈」がビジネスの言葉になるまで
- 3. 「界隈」からヒット商品が生まれる4つのステップ
- 4. 電力・エネルギー業界にも当てはまる「界隈経済圏」の考え方
- 5. 地域密着の企業が「界隈」から学べるマーケティングのヒント
1. 「界隈」ってそもそも何?地図の言葉から自己紹介ラベルへ
「アニメ界隈」「美容界隈」など、「〇〇界隈」という言い方を目にする機会が増えたと感じている方も多いのではないでしょうか。辞書で「界隈」を引くと、「ある場所の付近、一帯。また、そのあたりの人たちの集まり」(『デジタル大辞泉』)とあります。もともとは「銀座界隈」「秋葉原界隈」のように、地図の上で丸をつけられる場所を指す言葉でした。
面白いのは、「銀座界隈」と聞くと場所そのものだけでなく、「百貨店と老舗と高級クラブが混ざったあの雰囲気」までイメージできてしまうことです。つまり界隈という言葉には、もともと次の2つの意味がセットで詰まっていました。
・場所としての「この辺」 ・そこに居着いている人たちの「空気」
1980〜90年代には「サブカル界隈」「演劇界隈」のように、趣味や価値観を共有する人たちのゆるい集まりを指す言葉としても使われ始めます。そして転機となったのがインターネット、特にSNSの普及でした。匿名掲示板やブログを経て、X(旧Twitter)やInstagramが広まると、界隈は「自己紹介ラベル」へと進化します。プロフィール欄に「美容界隈/自炊界隈」と書いておけば、まだ見ぬ相手ともなんとなく話が合いそうだと伝わる。ハッシュタグをひとつ加えるだけで、同じ趣味の人たちがひと晩だけ集まる場ができる。そんな軽やかさが、今の「界隈」の使われ方の土台になっています。
2. 内輪語だった「界隈」がビジネスの言葉になるまで
ここでビジネスパーソンとして気になるのは、「界隈」が単なるネットスラングで終わらず、ニュースや商品説明の文脈でも通じる言葉として定着してきた経緯です。日経ビジネスの記事では、その歩みが年表として整理されていました。要点を抜き出すと、以下のような流れになります。
| 時期 | 主な出来事 | 区分 |
|---|---|---|
| 2000年代前半 | ネット掲示板などで「〇〇界隈」が内輪語として使われ始める | ネットスラング |
| 2000年代後半 | 2ちゃんねるやmixiで「オタク界隈」などの用法が広がる | ネットスラング |
| 2010年代前半 | Twitterの拡散やハッシュタグ文化と結びつき、日常的に使われる | SNS文化 |
| 2021年 | 『三省堂国語辞典 第8版』が俗語的な意味(周辺の人々・活動分野)を記載 | 辞書収録 |
| 2023年 | 「成分界隈」がドラッグストア販促などで一般化 | 広告文脈 |
| 2024年 | 「界隈」がユーキャン新語・流行語大賞トップテンに選出 | 流行語・メディア |
(出典:日経ビジネス「『界隈』はいかに市民権を得ていったのか」〈日経プレミアシリーズ『界隈経済圏』牧口松二著より〉)
この年表を見ると、「界隈」は突然バズった流行語ではなく、20年近い時間をかけて少しずつ社会に浸透してきた言葉だとわかります。背景にあるのは、人の説明のされ方そのものの変化です。以前は所属や属性で人を語ることが多かったのに対し、SNS時代になると「どんなテーマに反応し、どんな言い回しを使うか」で人となりが見えるようになりました。「界隈」は、その変化にちょうど噛み合う言葉だったというわけです。
3. 「界隈」からヒット商品が生まれる4つのステップ
もうひとつの記事では、界隈の内側で起きていることを観察すると、立派な経済の流れが見えてくると指摘されています。整理すると、界隈の誕生から市場への広がりには、次の4つのステップがあるとされています。
①きっかけの瞬間
界隈の始まりは、大げさなものではありません。誰かが「これ、平成女児って感じしない?」とつぶやいたり、「アプリの地図を塗って歩いている」という話に「それ、ほぼ伊能忠敬じゃん」とツッコミが入ったり。そんなアドリブ的な一言が、小さな共通体験に「名前」を与える瞬間です。ここで生まれた名前のすべてが定着するわけではありませんが、しっくりくるものだけが、少しずつ使い回されていきます。
②内輪の熱狂
名前がつくと、次に起きるのが「内輪ノリ」の熟成です。ここでは、企業が主導する一般的なファンマーケティングとは向きが逆になります。主役はあくまで界隈の人たちの価値観や生活スタイルであり、商品やサービスはそのノリを支える「道具」の立ち位置です。「このノリを一番気持ちよく支えてくれるアイテムって、これじゃない?」という会話の積み重ねの中から、商品が自然に選ばれていきます。
③熱の拡散
内輪ノリがあまりに楽しそうだと、外側の人が気になり始めます。ここで登場するのが、解説noteやまとめ記事、ショート動画といったコンテンツです。専門用語だらけの内輪ノリを、わかりやすいタグに翻訳してくれる存在があることで、「自分は界隈の人間ではないけれど、なんとなく雰囲気はわかる」という見物客が増えていきます。
④市場シフト
最後は「市場シフト」です。売り場や広告、商品設計の前提が少しずつズレていき、以前なら企画会議で通らなかったような発想が、当たり前の顔をして商品棚や広告に並ぶようになります。ここまで来ると、企業側も生活者側も「界隈の影響でこうなった」とはあまり自覚していないというのも興味深い点です。
4. 電力・エネルギー業界にも当てはまる「界隈経済圏」の考え方
この4ステップ、実は電気代や節電といった身近なテーマにも当てはめて考えられそうです。
たとえば「電気代が高くて困っている」「電力会社を切り替えたら、思ったより明細がわかりやすくなった」といったつぶやきが、誰かの投稿をきっかけに小さく共感を集める(①きっかけの瞬間)。それに「うちも見直そうかな」「これ、うちの界隈でも話題」というリプライが重なり、節電グッズや料金プランの情報がやりとりされる(②内輪の熱狂)。そのやりとりが「今どき電気代の見直しは当たり前」という空気として、家族や職場の会話にじわじわ広がっていく(③熱の拡散)。そして気づけば「電気代を定期的にチェックする」「複数の電力会社を比較検討する」ことが、特別なことではなく生活の前提になっていく(④市場シフト)――というイメージです。
経済産業省が電力の小売全面自由化を進めて以降、電力会社を選べるということ自体は広く知られるようになってきましたが、実際にどう選べばよいか、何を比較すればよいかという実感の伴った情報は、依然として口コミや身近な人の体験談が頼りにされている面が大きいとされています。数字や制度の説明だけでなく、「実際に切り替えてみた人の生の声」が広がることの重要性は、まさに界隈経済圏の構造と重なる部分ではないでしょうか。
5. 地域密着の企業が「界隈」から学べるマーケティングのヒント
ここまでの内容を、私たちのような地域密着型の企業のマーケティングに引き寄せて考えると、いくつかのヒントが見えてきます。
・一方的な宣伝よりも、お客様同士の自然な会話や体験談を大切にすること ・自社の商品やサービスを、お客様の生活の中で「話題にしやすい道具」として位置づけること ・SNSや口コミで生まれる小さな盛り上がりを、丁寧にすくい上げること ・会費も会則もない界隈のように、出入り自由で気軽に相談できる距離感をつくること
長野県松本市のような地域に根ざして事業を行う企業ほど、こうした「顔の見える口コミ」の力を活かしやすいという側面もあります。大きな広告を打つよりも、実際に利用したお客様の「わかりやすかった」「相談しやすかった」という声が、次のお客様を連れてくる。これは界隈経済圏の考え方そのものだと言えそうです。
まとめ
「界隈」という言葉は、もともと「銀座界隈」のような地理的な表現でしたが、SNSの普及とともに自己紹介ラベルへと姿を変え、辞書や流行語大賞にも取り上げられるほど社会に浸透しました。その広がり方には、①きっかけの瞬間、②内輪の熱狂、③熱の拡散、④市場シフトという4つのステップがあり、これは商品やサービスがヒットしていく過程ともよく似ています。電気代や節電といった身近なテーマも、口コミや実体験の共有を通じて同じように広がっていく可能性があります。一方的な宣伝ではなく、お客様の自然な会話や体験談を大切にすることが、地域密着型のビジネスにとって大きなヒントになりそうです。
情熱電力からのお知らせ
今回ご紹介した「界隈」の広がり方のように、電気代の見直しも、実際に切り替えたご家庭やご近所での何気ない会話がきっかけになることが少なくありません。「うちの電気代、実は下がるかもしれない」——そんな気になる話を耳にした方は、ぜひ一度、情熱電力にご相談ください。わかりやすさを大切に、お客様との距離が近いご説明を心がけております。
TEL:0263-88-1183/お問い合わせ:https://jo-epco.co.jp/contact
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メモリー不足はいつまで続く?AI・半導体投資と電力需給が電気代に与える影響を解説

日経BPの「一歩先への道しるべ」に『メモリー不足はいつまで続くのか?アナリストが読み解くPCとスマホ供給の一歩先』という記事があったので調べてみました。パソコンやスマートフォンの出荷台数が急減速しているというニュース、気になっている方も多いのではないでしょうか。実はその裏側には、AIサーバー向けにメモリーが集中し、DRAMやNANDフラッシュの価格が数倍にまで高騰しているという事情があります。さらに記事を読み進めると、この供給不足の根っこには「電力」という、私たち情熱電力にとっても他人事ではないテーマが横たわっていました。半導体の話は難しそうに感じるかもしれませんが、電気代や今後のエネルギー動向を考えるうえでも見逃せない内容です。今回は、業界の専門家の解説をもとに、要点をかみくだいてご紹介します。
目次
- 1. 半導体市場に何が起きている?「政府消費」による構造変化
- 2. AI投資が牽引する半導体・電力需要の拡大
- 3. メモリー不足はなぜ起きた?DRAM・NAND価格高騰の実態
- 4. パソコン・スマホの供給正常化はいつ頃になるのか
- 5. 本当のボトルネックは「電力」——データセンターの電力消費急増
- 6. 電気代・電力需給への影響とこれからの備え
1. 半導体市場に何が起きている?「政府消費」による構造変化
半導体市場は長らく、パソコンやスマートフォン、薄型テレビといった「個人が使う商品」の需要によって動いてきました。ところが2023年ごろを境に、大きな変化が起きたとされています。それまで年率5%程度だった半導体市場の成長率が、7%前後へと上向いたのです。
この背景にあるのが「政府による消費」の拡大です。DX(デジタル・トランスフォーメーション)、GX(グリーン・トランスフォーメーション)、AI(人工知能)といった分野は、いずれも政府の方針決定をきっかけに企業投資が動き出す「政府消費」に分類されます。2030年までの世界全体の政府消費は総額2100兆円規模に達し、そのうち半導体市場へのプラス効果は230兆円ほどにのぼるとみられています。
なかでも2026年は大きな伸びが見込まれており、単年で45兆円ものプラス効果があるとされています。2025年の押し上げ効果が120兆円だったことと比べても、相当なペースアップです。ちなみにGXが半導体消費を押し上げるのは意外に思われるかもしれませんが、これは主に太陽光や風力発電、蓄電池といった再生可能エネルギー関連の電力機器に使われる半導体が増えているためです。
ここで注目したいのが、金額ベースと個数ベースのギャップです。コロナ禍以降、半導体の消費「金額」は大きく伸びていますが、「個数」ベースではそれほど伸びていません。GPUの価格上昇やメモリー価格の高騰が主な要因で、数量そのものが急拡大しているわけではないのです。専門家は、この実態を見極めずに設備投資を急拡大させると、市場そのものを壊しかねないと警鐘を鳴らしています。
2. AI投資が牽引する半導体・電力需要の拡大
政府消費のなかでも、とりわけ勢いがあるのがAI関連投資です。米国のテック大手であるグーグル、アマゾン、メタ、マイクロソフトの4社によるAI投資は圧倒的な規模で、2026年は日本円換算で75兆円程度、2027年には100兆円規模に達すると見込まれています。これは日本の国家予算に迫る金額です。投資の多くはデータセンターのAIサーバー向けとされています。
一方、バイドゥやファーウェイ、テンセントといった中国のベンダーは、この規模には及ばないとされています。技術面では中国が米国に追いついているとの見方がある一方、収益力や株式市場の状況から、米国ほどの投資余力はないというのが実情のようです。
GAFAMの巨額投資はなぜ続けられるのか
これだけの投資規模を見ると「バブルではないか」と感じる方もいるかもしれません。しかし専門家は、米国のテック大手はキャッシュフローの範囲内で投資を賄えている点を指摘しています。たとえば、世界で10億人が月30米ドルを支払えば年間58兆円、法人向けでも世界の企業の半分にあたる1億社が月600米ドルを支払えば年間108兆円になる、という試算です。資料作成支援やクリエイティブ制作などにAIを日常的に活用する企業が増えるなかで、月10万円程度の支出は十分に見合うとの見方です。
ただし、2027年以降は投資額がキャッシュフローを上回る可能性があるとも指摘されています。そこで注目されているのが、2025年7月に米国で成立した通称「ジーニアス法」です。これは、米国債の購入額に応じて、民間銀行が「ステーブルコイン」という暗号資産を発行できるようにする仕組みで、中央銀行を介さず迅速に資金を供給できる点が特徴です。この仕組みを通じて、GAFAMなどの設備投資を資金面から支える枠組みができつつあるとされています。
3. メモリー不足はなぜ起きた?DRAM・NAND価格高騰の実態
AIサーバー向けにメモリーの供給が集中した結果、パソコンやスマートフォン向けのメモリーが不足し、価格も急騰しています。以下は、業界専門家が示したDRAMとNANDフラッシュメモリーの価格推移です。
| 指標 | 2025年Q3 | 2026年Q2 | 変化の目安 |
|---|---|---|---|
| DRAM ASP(1GB当たり) | 0.47ドル | 約1.00ドル | 約2倍 |
| NANDフラッシュ ASP | 0.07ドル | 0.29ドル | 約4倍 |
※ASP=平均販売価格。出所:OMDIAシニアコンサルティングアドバイザーへのインタビューをもとに作成
これほどの値上がりに加えて、そもそも必要な数量そのものを確保できていないメーカーも多いとされています。明確な統計値ではないものの、「本来必要な量に対して3〜4割ほど不足している」との声が業界から多く聞かれるそうです。過去のシリコンサイクルの調整局面では、需給のズレはおおむね5〜10%程度だったといわれており、それと比べても今回の不足は次元が違う規模といえそうです。
こうした需給の逼迫は、メモリーメーカー以外にも波及しています。たとえばAI半導体向けICパッケージ基板を手がけるイビデンは、今後3年間で5000億円の設備投資を発表しました。背景には、顧客企業からの「先行的な支払い」があったとされ、投資に慎重になりがちな部品・材料メーカーを動かす動きが、サプライチェーン全体に広がりつつあることがうかがえます。
とくに影響を受けやすいのが、いわゆる「格安パソコン」「格安スマホ」です。マージンの大きいハイエンド製品であればメモリー高騰をある程度吸収できますが、価格の安さを売りにする製品は原価に占めるメモリーの割合が大きく、価格転嫁も難しいため、供給確保に苦労しているメーカーが多いようです。
4. パソコン・スマホの供給正常化はいつ頃になるのか
気になる供給正常化の時期ですが、専門家も「明確な回答は難しい」としながらも、一定の見通しを示しています。
・ウインボンドやナンヤ、バンガード、中国のYMTCやCXMTといった中堅メモリーメーカーが投資を進めており、レガシー(旧世代)のDRAM・NANDの生産能力は徐々に増えつつあるとされています。
・AIサーバー向けの需給がどうなるかは別として、パソコンやスマートフォン向けについては2027年の頭から前半にかけて、需給の落ち着きが見えてくるとの見方が示されています。
・サムスンやSKハイニクスなど大手メモリーメーカーにとって、パソコン・スマホ向けの出荷金額はAIサーバー向けとほぼ同水準とされ、こちらの需要を無視できない事情もあるようです。
つまり、AI関連の需要が落ち着かなくても、メーカー各社が幅広い顧客層の要求に応えようとする力学が働くため、パソコン・スマホ向けの供給はそれなりに確保されていく、という見立てです。
5. 本当のボトルネックは「電力」——データセンターの電力消費急増
ここまで見てきた政府消費の拡大やAI投資には、実は大きな制約要因があるとされています。それが「電力」です。
サーバーの消費電力は、1年でおよそ2倍のペースで増加しているといわれています。米国ではすでにデータセンターの電力消費が総消費量の5%程度を占めており、2030年には10%に達するとの見方もあります。年率にすると17〜18%ずつ伸び続ける計算です。専門家の試算では、2030年に必要となる電力量は420ギガワットにのぼるとされ、これは原子力発電所およそ420基分に相当する規模だといいます。
この急増する電力需要に対応するため、米国では次のような対策が進められているとされています。
・発電所の新設
・電力供給網(グリッド)の刷新による効率化
・電源の800ボルト直流化
・データセンターの冷却方式を空冷から水冷へ切り替え
これだけの対策を講じてもなお、伸び続ける電力需要に追いつけるかは「微妙なところ」と専門家は述べており、今後も注視すべきポイントとされています。
6. 電気代・電力需給への影響とこれからの備え
半導体・メモリー不足の話から一転、最終的に見えてくるのは「電力」というキーワードです。AIデータセンターの急拡大は、半導体だけでなく電力そのものの需給にも大きな影響を及ぼしつつあります。日本国内でも、データセンターの新設や誘致が各地で進んでおり、電力需要の増加や電力コストの動向は、企業にとっても家庭にとっても他人事ではないテーマになりつつあります。
私たち情熱電力は長野県松本市を拠点に、地域のお客様に寄り添いながら電力小売を営んできました。こうした世界的な半導体・電力需給の変化は、いずれ電気料金の動向にも波及してくる可能性があります。だからこそ、日頃から電力市場の大きな流れをつかんでおくことは、家計や事業のコスト管理を考えるうえでも意味のあることだと考えています。
まとめ
パソコンやスマートフォンの出荷減速の背景には、AIサーバー向けにメモリーの供給が集中したことによる深刻な品不足と価格高騰がありました。DRAMは2025年Q3から2026年Q2にかけて約2倍、NANDフラッシュは約4倍にまで値上がりし、本来必要な量に対して3〜4割ほど不足しているとの声もあります。中堅メーカーの増産により、パソコン・スマホ向けの供給は2027年前半には落ち着く見通しですが、その先にあるより大きな課題が「電力」です。データセンターの電力消費は年17〜18%のペースで拡大しており、2030年には原発420基分に相当する電力が必要になるとの試算もあります。半導体の動向は、私たちの電気代やエネルギーの未来にも密接に関わっているといえそうです。
情熱電力からのお知らせ
今回ご紹介したように、AIやデータセンターの拡大は、今後の電力需給や電気料金にも影響を及ぼす可能性がある大きなテーマです。「うちの電気代、この先どうなるんだろう」「電力会社を見直したいけれど、何から考えればいいか分からない」という方は、お気軽にご相談ください。地域に根ざした情熱電力が、分かりやすく丁寧にご説明いたします。
TEL:0263-88-1183/お問い合わせ:https://jo-epco.co.jp/contact
この記事に関連するページリンク
・日経BP:一歩先への道しるべ ビズボヤージュ「メモリー不足はいつまで続くのか?」
・経済産業省:半導体・デジタル産業戦略の今後の方向性
・資源エネルギー庁:エネこれ「増加が見込まれるデータセンターの電力需要をどうする?」
電気代への影響は?ホルムズ海峡封鎖で「石炭火力」がじわり復権している理由

電気新聞に『ガス減産・高騰で…石炭、じわり活用/IEA予測、26年の発電量最大に』という記事があったので調べてみました。
「電気代、また上がるの?」——ニュースでホルムズ海峡や中東情勢という言葉を目にするたび、そう感じている方も多いのではないでしょうか。実はこの中東情勢が、私たちの電気料金にも静かに影響を及ぼし始めています。国際エネルギー機関(IEA)は、これまで「減っていく」と見ていた石炭火力発電について、2026年は一転して過去最高になるという予測に修正しました。天然ガス(LNG)の供給が細り、価格が上がる中で、石炭が”つなぎ役”として再び存在感を増しているのです。今回は、なぜこうした転換が起きているのか、そして私たちの暮らしにどう関わってくるのかを、情熱電力がわかりやすく整理してご紹介します。
目次
- 1. ホルムズ海峡の「実質封鎖」で何が起きているのか
- 2. LNG(天然ガス)の供給ひっ迫と価格高騰のメカニズム
- 3. IEAが予測を大転換 2026年の石炭火力発電量が過去最高へ
- 4. 日本にも広がる影響 石炭・LNG輸入と電気代のゆくえ
- 5. 石炭火力「じわり活用」から見える、これからのエネルギー選び
1. ホルムズ海峡の「実質封鎖」で何が起きているのか
まず、今回の話の発端となっている「ホルムズ海峡」について整理しておきましょう。ホルムズ海峡は中東のペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ幅の狭い海峡で、世界の原油供給量の約5分の1、LNG(液化天然ガス)貿易量の約4分の1がここを通過しているとされています。まさに世界のエネルギーの大動脈です。
2026年に入り中東情勢が悪化し、この海峡は実質的に封鎖された状態になっています。米エネルギー情報局(EIA)は、イラクやサウジアラビア、クウェート、UAEなど複数国であわせて日量1,050万バレル規模の原油生産が停止したと推計しました。エネルギー関連施設への攻撃も発生し、原油価格は前年同月比60%上昇(2026年5月時点、1バレル=約100ドル)、航空機用のジェット燃料にいたっては前年比121%急騰したと報じられています。
日本は原油の9割以上を中東に依存しているとされ、他人事ではいられない状況です。こうした地政学リスクの高まりが、今回の「石炭じわり活用」の背景にあります。
2. LNG(天然ガス)の供給ひっ迫と価格高騰のメカニズム
原油だけでなく、LNG(液化天然ガス)もホルムズ海峡経由の輸送に頼っている部分が大きいエネルギー源です。海峡の実質封鎖によってLNGの供給が絞られ、世界的に価格が上昇する事態となっています。
発電の世界では、天然ガス火力は「起動・停止がしやすく、需要の変化に柔軟に対応できる」電源として重宝されてきました。ところがその調達コストが跳ね上がると、電力会社としては「もっと安定して調達できる燃料はないか」と考えざるを得ません。そこで再び注目されているのが、石炭です。
石炭は現在も世界の発電量の約2割を占める、依然として主力級の電源とされています。価格の安定性や供給の分散という点で、ガスが不安定な局面では”代替の切り札”として使われやすい燃料だといえるでしょう。
3. IEAが予測を大転換 2026年の石炭火力発電量が過去最高へ
こうした状況を受けて、国際エネルギー機関(IEA)は現地時間2026年7月23日に公表した電力市場見通しの年央改定版で、大きな方針転換を行いました。
これまでIEAは、2026年から2030年にかけて石炭火力の発電電力量は平均で年0.9%程度減少し続けると予測していました。ところが中東情勢の悪化を受けてこの予測を一転させ、2026年の石炭火力による発電電力量は過去最高を更新するという、強気な見通しに修正したのです。
「脱炭素の流れの中で石炭は減っていくもの」というイメージを持っていた方にとっては、意外に感じるニュースかもしれません。ただこれは、長期的な脱炭素の方向性が変わったというより、「目の前のエネルギー危機にどう対応するか」という短期的な現実対応の色合いが強いと捉えるのが実情に近いでしょう。
4. 日本にも広がる影響 石炭・LNG輸入と電気代のゆくえ
この動きは、日本にとっても無縁ではありません。財務省の貿易統計によると、日本でも中東の軍事衝突後にあたる2026年5〜6月にかけて、一般炭(発電用の石炭)の輸入量を増やす動きが見られたとされています。LNGの調達コストが上がる中、燃料調達を多様化させる動きの一環と考えられます。
家庭や企業にとって気になるのは、やはり「電気代への影響」です。燃料費の変動は、電気料金に含まれる「燃料費調整額」という形で私たちの請求にも反映される仕組みになっています。LNG価格の高騰がすぐに電気代の値上げに直結するわけではありませんが、燃料市場全体が不安定になっていることは、中長期的に見て電気料金の変動要因として意識しておく必要があります。
地域の電力会社として感じる変化
私たち情熱電力は、長野県松本市を拠点に、地域のお客様に寄り添いながら電力小売事業を営んでいます。世界情勢の変化が遠い海の向こうの話ではなく、確実に電気料金という形でお客様の暮らしに届いていることを、日々の業務の中でも実感しています。だからこそ、こうしたニュースの背景を「難しい専門用語」のままにせず、できるだけわかりやすくお伝えしたいと考えています。
5. 石炭火力「じわり活用」から見える、これからのエネルギー選び
今回のニュースが教えてくれるのは、特定の燃料や電源だけに依存すると、地政学リスクの影響を受けやすくなるということです。石炭・LNG・再生可能エネルギー・原子力など、電源をバランスよく組み合わせる「エネルギーミックス」の重要性が、あらためて浮き彫りになったともいえるでしょう。
私たち一人ひとりにできることは限られていますが、契約している電力プランの仕組みを知っておくこと、そして省エネや節電を意識した暮らしを心がけることは、こうした不安定な時代においても変わらず有効な備えになります。
まとめ
今回は、電気新聞の「石炭じわり活用」という記事をきっかけに、ホルムズ海峡の実質封鎖から始まったLNG供給ひっ迫と、IEAによる石炭火力発電量の予測上方修正についてご紹介しました。中東情勢の悪化により原油・LNGの供給が細り価格が上昇する中、これまで「減少していく」とされていた石炭火力は、2026年に一転して過去最高の発電量になると見通されています。日本でも石炭の輸入を増やす動きが見られ、燃料調達の多様化が進んでいるとされています。世界のエネルギー情勢は今なお流動的です。だからこそ、電気代の仕組みやエネルギーの背景を知っておくことが、私たちの暮らしを守る第一歩になります。
情熱電力からのお知らせ
今回のようなエネルギー情勢の変化は、電気料金の背景にある「燃料費調整額」などにも関わってきます。「自分の電気料金プランがどういう仕組みになっているのか知りたい」「今のご契約が今の情勢に合っているか見直したい」という方は、お気軽に情熱電力までご相談ください。地域に根ざした電力会社として、専門用語をかみ砕きながら、一つひとつ丁寧にご説明いたします。
TEL:0263-88-1183 お問い合わせ:https://jo-epco.co.jp/contact
この記事に関連するページリンク
・資源エネルギー庁:中東情勢を踏まえた石油及び関連製品等に関する対応
・IEA(国際エネルギー機関):電力2026
・財務省:貿易統計 過去の報道発表資料 (月別データ4ページ目の「3 鉱物性燃料」参照)
やっぱり!!長野の夏休みはなぜ短い?近隣8県との差と夏の電気代対策を解説

複数の気になる記事を見つけたので、まとめて調べてみました。今回取り上げるのは、長野県をはじめとする近隣9県の公立小中学校における「夏休みの長さ」についての話題です。夏休みが始まったこの時期、「うちの県は夏休みが短い」「もっと休みたい」といった声を耳にした方も多いのではないでしょうか。実は今年、長野県の夏休みは近隣8県と比べて最大15日間も短いことがわかりました。冷涼な地域とされてきた信州が、なぜこれほど夏休みが短いのか。そこには授業日数や地域の慣習、猛暑への対応など、意外な事情が隠れていました。夏休みの長さは、実はご家庭の電気代にも関係してくるテーマです。今回は、その理由や背景、そして夏休み中の電気代・節電のポイントまで、情熱電力がわかりやすく解説していきます。
目次
- 1. 長野県の夏休みは全国屈指の短さ 近隣8県と比べてみると
- 2. なぜ信州の夏休みは短いのか?浮かび上がった3つの理由
- 3. 猛暑が進んでも夏休みが伸びない理由
- 4. 夏休みの長さと「電気代」の意外な関係
- 5. 夏休み中の家庭・オフィスでできる節電のポイント
1. 長野県の夏休みは全国屈指の短さ 近隣8県と比べてみると
信濃毎日新聞の報道によると、今年の夏休みは長野県内の公立小中学校で最短30日間だったそうです。県教育委員会などが、多くの学校で夏休みが始まるピーク日と終わるピーク日を近隣8県の教委に尋ねてまとめたところ、次のような結果になったとされています。
| 県 | 夏休み開始(ピーク日) | 夏休みの日数 |
|---|---|---|
| 長野 | 7月25日 | 30日間 |
| 新潟 | 7月25日 | 32日間 |
| 静岡 | 7月24日 | 32日間 |
| 富山 | 7月25日 | 33日間 |
| 岐阜 | 7月18日 | 41日間 |
| 山梨 | 7月18日 | 41日間 |
| 群馬 | 7月18日 | 45日間 |
| 埼玉 | 7月18日 | 45日間 |
| 愛知 | 7月18日 | 45日間 |
もっとも長かったのは群馬・埼玉・愛知の45日間で、7月18〜20日の3連休明けから夏休みに入り、2学期の始業はいずれも9月1日だったといいます。岐阜・山梨は41日間、新潟・静岡は32日間、富山は33日間と続き、最短は長野の30日間。始業はお盆明けから1週間後の8月24日という学校が多かったそうです。皆さんの地域と比べて、いかがでしたか。
2. なぜ信州の夏休みは短いのか?浮かび上がった3つの理由
冷涼なイメージのある信州で、なぜ夏休みがこれほど短いのでしょうか。県教育委員会の説明によると、理由は一つではなく、複数の事情が重なっているようです。
授業日数が多い伝統
一つは、そもそもの授業日数の多さです。運動会や音楽会などの行事を通じた子どもの成長を重視し、十分な準備期間を確保するため、他県より授業日数を多く確保する傾向があるとされています。県教委の2018年度の調査では、他県の多くの年間登校日数が204日以下だったのに対し、県内平均は小学校207.1日、中学校206.1日だったそうです。
農繁休みや寒中休みの名残
もう一つは、夏休み以外にも休みがあったという歴史的な事情です。田植えや稲刈りを手伝う「農繁休み」、厳しい寒さに配慮した「寒中休み」が、かつては夏休みとは別に設けられていました。信州大教育学部の調査によると、木曽郡王滝村の学校では1955年度に農繁休業(6月・10月)の記録が残り、この年の夏休みは7月31日〜8月17日だったとされています。こうした休みは農業の機械化や温暖化に伴って縮小し、現在、寒中休みが残るのは南佐久郡の川上村と南牧村だけになったそうです。
春休みが比較的長いという事情
さらに、春休みが他県より長めに設定されているという事情もあります。年度末に教員が広い県内を異動することなどが考慮されているとされ、長野市の学校では春休みの開始が小学校3月16日、中学校3月17日と、他県の平均的な3月26日前後より早いそうです。
3. 猛暑が進んでも夏休みが伸びない理由
実は1980年代ごろ、信州の夏休みは20日間程度だったとされています。その後、学習指導要領の改定で年間授業時間数が減ったことに伴って徐々に長期化し、近年は猛暑の影響もあって見直しが進められてきました。県教委は2018年に検討委員会を設置し、「段階的に一定程度延長する方向で検討する」との方針を示したそうです。実際、2018年度は小学校平均27.6日、中学校27.2日だった夏休みが、今年度は小学校29.8日、中学校29.2日と、それぞれ2日ほど増えたといいます。とはいえ、文部科学省の調査による2025年度の全国平均(小学校36.5日、中学校35.9日)と比べると、まだ開きがあるようです。
一方で、気温の上昇は深刻です。長野地方気象台の観測では、7月の最高気温は1980年の平均26.7度から、2025年には平均34.5度まで上昇したとされています。今月23日には飯田市南信濃で県内観測史上最高タイとなる39.5度を記録したそうです。こうした中、県内小中学校の普通教室のエアコン設置率は、2014年度当初の3.7%から2024年度途中には97.9%まで劇的に進んだとされています。
県教委の教育長は「これだけ暑いと休み期間を確保した方がいいかもしれない」としつつも、授業日数確保や子どもの居場所確保の難しさから「長期化にはブレーキがかかってきた」とコメントしているそうです。共働き家庭が増える中、夏休みの長さは子どもの学びと生活の両面から難しい舵取りを迫られているテーマだといえそうです。
4. 夏休みの長さと「電気代」の意外な関係
ここまで見てきた夏休み事情、実はご家庭の電気代とも無関係ではありません。夏休みが長くなるほど、日中に子どもが自宅で過ごす時間が増え、エアコンの稼働時間や家電の使用量も増える傾向にあるとされています。逆に夏休みが短い地域であっても、猛暑日が増えている今、「涼しいから電気代がかからない」という前提はもはや当てはまりにくくなっているといえそうです。
また、学校のエアコン設置率が大きく上がったように、家庭でもエアコンに頼らざるを得ない日が年々増えているのが実情ではないでしょうか。夏休みの日数にかかわらず、猛暑が続く時期の電気使用量は増加しがちです。こうした背景から、電気代の見直しや節電の工夫は、夏休みの長さに関係なく、多くのご家庭・職場に共通するテーマだと考えられます。
5. 夏休み中の家庭・オフィスでできる節電のポイント
猛暑が続く中でも、ちょっとした工夫で電気代の負担を抑えることができます。夏休み中、日中の在宅時間が増えるご家庭はもちろん、オフィスや店舗でも参考にしていただける内容です。
・エアコンの設定温度は28度を目安にし、扇風機やサーキュレーターと併用して空気を循環させる
・エアコンのフィルターはこまめに掃除し、冷却効率を保つ
・日中はカーテンやすだれ、遮熱シートで直射日光を遮り、室温の上昇を抑える
・つけっぱなしと小まめなオンオフでは、外出時間の長さによって効率が変わるため、使い方を見直す
・ご家庭やオフィスの電力使用パターンに合わせて、契約中の電力プランやアンペア数が今の暮らし方に合っているか確認する
特に最後のポイントは見落とされがちですが、在宅時間や電力の使い方が変わったタイミングは、プランを見直す良い機会です。
まとめ
今回は、長野県の公立小中学校の夏休みが近隣8県と比べて最大15日短いという話題から、その背景にある授業日数の多さや農繁休み・寒中休みの歴史、春休みが長いという事情まで見てきました。猛暑が進む一方で、授業日数確保や子どもの居場所の問題から夏休みの長期化にはブレーキがかかっているというのも興味深いポイントでした。そして、夏休みが長くても短くても、猛暑の中で電気代がかさみやすいのは多くのご家庭・職場に共通する悩みです。エアコンの使い方や電力プランの見直しなど、できるところから少しずつ工夫していきたいですね。
情熱電力からのお知らせ
長野県松本市を拠点とする情熱電力では、地域に根ざした新電力サービスとして、お客様一人ひとりの暮らし方に合った電気料金プランのご相談を承っています。「夏休み中の電気代が気になる」「今の契約が自分たちの生活に合っているか知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。
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この記事に関連するページリンク
・文部科学省:夏季等の長期休業期間における学校の業務の適正化等について
・信濃毎日新聞デジタル:周辺県より最大15日も短い長野県の夏休み
・信濃毎日新聞デジタル:長野県の夏休み、やっぱり短かった
・長野県教育委員会:夏休み期間のあり方について(最終まとめ)
電気代がまた上がる?燃料費調整の上限超過と猛暑の電力需給、家庭でできる対策を解説

電気新聞(日本電気協会新聞部)に、家庭の電気料金にまつわる気になる記事がいくつか並んでいたので、まとめて調べてみました。九州電力の燃料費調整額が1年3カ月ぶりに上限を超えたというニュース、記録的な猛暑で電力の需給がひっ迫しているという話、そして遠く離れたイギリスでは家庭用電気料金にかかる税金をゼロにするという発表。一見バラバラに見えますが、実はすべて「電気代がなぜ上がるのか」という一つのテーマにつながっています。今年の夏から秋にかけて電気代がどう動きそうか、そして私たちがいま知っておきたいポイントを、できるだけわかりやすく整理してみました。日々の電気代が気になっている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
- 1. 燃料費調整制度をおさらい:電気代はなぜ上下するのか
- 2. 九州電力・関西電力で上限超過に、その背景とは
- 3. 猛暑による電力需給のひっ迫と電気代への影響
- 4. 海外の動き:イギリスは家庭用電気料金のVATをゼロに
- 5. この秋・冬に向けて家庭でできる電気代対策
- 6. まとめ
1. 燃料費調整制度をおさらい:電気代はなぜ上下するのか
電気代の明細をよく見ると、「燃料費調整額」という項目があるのに気づいた方も多いのではないでしょうか。これは、電力会社が発電に使う原油・LNG(液化天然ガス)・石炭といった燃料の価格変動を、毎月の電気料金に反映させるための仕組みです。
燃料価格が上がれば調整額はプラスに、下がればマイナスになり、私たちが支払う電気代に直接反映されます。規制料金(電力会社が国の認可を受けて設定している料金メニュー)には、この調整額に一定の上限が設けられているのも特徴です。上限を超えた分は、本来であれば電力会社が自社で負担する仕組みになっています。
つまり、燃料費調整額が上限を超えるということは、それだけ燃料価格の上昇が大きく、電力会社の経営にも重い負担がのしかかっているサインだといえます。
2. 九州電力・関西電力で上限超過に、その背景とは
上限超過とはどういう状態?
報道によると、9月分(8月使用分)の燃料費調整で、九州電力の平均燃料費調整額が1世帯あたり700円程度になる見込みで、上限を超えるのは約1年3カ月ぶりとされています。関西電力についても、上限超過に近い状態が続いていると報じられています。
上限を超過するということ自体はすぐに家庭の負担が青天井で増えることを意味するわけではありませんが、「電力会社が本来かかった燃料費を回収しきれていない」状態が続いているという点で、業界内では注目されているポイントです。
原油・LNG価格と地政学リスクの影響
背景にあるのは、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降続く資源価格の不安定さと、中東情勢の緊迫化です。原油やLNGの輸入価格が高止まりする状況が繰り返されており、電力会社の燃料調達コストに継続的な影響を与えています。
こうした地政学リスクは、日本国内だけでなく世界のエネルギー市場全体を左右する要因になっており、今後も電気代の動きを見るうえで注視しておきたいポイントです。
3. 猛暑による電力需給のひっ迫と電気代への影響
今年の夏は、いわゆる「ダブル高気圧」の影響で記録的な猛暑となっており、各地でエアコンなどの電力需要が急増しています。これを受けて、複数のエリアで電力の供給予備率が低下し、需給がひっ迫する見通しが発表されました。
一部エリアでは予備率が8%を下回る見込みとなり、需要が供給を上回りかねない状況を避けるため、一般送配電事業者が追加の供給力確保に動いたり、エリアをまたいだ電力の融通が行われたりしています。こうした需給のひっ迫は、卸電力市場(スポット市場)の価格を押し上げる要因にもなります。
家庭で使う電気そのものの単価がすぐに大きく変わるわけではありませんが、卸市場の価格上昇は、市場連動型のプランを契約している方や、将来的な料金改定にじわじわと影響してくる要素です。暑い時期は無理のない範囲での節電を意識しておくと安心です。
4. 海外の動き:イギリスは家庭用電気料金のVATをゼロに
日本とは対照的な動きとして興味深いのが、イギリスの事例です。イギリスの新首相は、今冬の家計負担を和らげるため、家庭の電気料金にかかる付加価値税(VAT)を、現行の5%からゼロにすると発表したと報じられています。実施は10月1日からとされ、標準的な世帯で年間45ポンド(日本円で1万円)程度の負担軽減が見込まれるとのことです。
この財源は、身分証明制度の導入を中止し、そのために見込まれていた費用を充てることでまかなうとされています。イギリスでも中東情勢の緊迫を受けた天然ガス価格の上昇が、家庭向け電気・ガス料金の上限引き上げにつながっており、その負担を和らげる狙いがあるようです。
税制や電力市場の仕組みは国によって異なるため単純比較はできませんが、「エネルギー価格の上昇局面で、国としてどう家計を支えるか」という視点は、日本で電気代を考えるうえでも参考になりそうです。
5. この秋・冬に向けて家庭でできる電気代対策
燃料費調整額の上限超過、猛暑による需給ひっ迫、資源価格の不安定さ……こうした要因が重なると、今年の秋から冬にかけても電気代は上がりやすい状況が続く可能性があります。今のうちからできる対策を整理してみましょう。
・エアコンの設定温度を無理のない範囲で見直す(冷房は28℃程度が目安とされています)
・使っていない部屋の照明や家電の電源をこまめに切る
・電力会社の料金プランを見直し、自分の生活スタイルに合ったプランを選ぶ
・毎月の電気料金明細をチェックし、燃料費調整額の推移を把握しておく
・契約している電力会社のお知らせやウェブサイトで、料金改定情報を定期的に確認する
大きな我慢を強いる節電ではなく、「ちょっとした工夫の積み重ね」で電気代の変動に備えておくことが大切です。
6. まとめ
九州電力をはじめとする電力会社の燃料費調整額が上限を超過し、猛暑による電力需給のひっ迫も重なる中、今年の秋から冬にかけて電気代は上がりやすい状況が続きそうです。背景には、原油・LNG価格の高騰や中東情勢をはじめとする地政学リスクがあり、イギリスのように国として家庭の電気代負担を軽減する動きも出てきています。
電気代の仕組みや今の情勢を正しく理解しておくことは、家計を守るための第一歩です。日々のちょっとした節電の工夫に加えて、自分に合った料金プランを見直すことも、電気代と上手に付き合っていくための一つの選択肢になります。
まとめ(記事全体の要点)
今回まとめたのは、九州電力・関西電力の燃料費調整額が上限を超過したニュース、猛暑による電力需給のひっ迫、そしてイギリスの家庭用電気料金VATゼロ化という3つの話題です。共通するのは、原油・LNGなどの燃料価格の変動と、それに伴う電力会社・各国政府の対応という構図でした。日本国内でも、地政学リスクや気候の影響で電気代が上がりやすい状況は今後も続く可能性があります。仕組みを正しく理解し、無理のない節電の工夫や料金プランの見直しを進めておくことが、これからの電気代と上手に付き合うための第一歩になりそうです。
情熱電力からのお知らせ
電気代の仕組みは複雑に見えますが、「なぜ上がるのか」「自分の家庭にはどんなプランが合っているのか」を知っておくだけで、日々の付き合い方はぐっと楽になります。
長野県松本市を拠点にする情熱電力では、地域のお客様一人ひとりの暮らしに合わせて、電気料金プランをわかりやすくご案内しています。「今の料金プランが自分に合っているのか知りたい」「電気代の仕組みについてもっと聞いてみたい」という方は、お気軽にご相談ください。
TEL:0263-88-1183 お問い合わせ:https://jo-epco.co.jp/contact
この記事に関連するページリンク
・資源エネルギー庁:燃料費調整制度について
・資源エネルギー庁:電気・ガス料金支援サイト
・気象庁:季節予報
小水力発電とは?「雪は蓄電池」に学ぶ信州発・再生可能エネルギーと電気代への影響を解説

信濃毎日新聞に『「雪は蓄電池」「短くなった“フィーバー”」 トレラン仲間の言葉から考えた長野県のエネルギーと未来』という記事があったので調べてみました。「雪は蓄電池」という言葉、初めて聞くと不思議に感じますよね。実はこれ、小水力発電という再生可能エネルギーの仕組みを知ると、とても納得できる表現なんです。記事では、小水力発電所を運営する経営者の実体験をもとに、雪解け水がどのように電力に変わるのか、そして近年の少雪化がどんな影響を及ぼしているのかが紹介されていました。特に「暖冬」や「少雪」といった言葉をニュースで耳にする機会は増えているものの、それが電力の安定供給にまで直結しているという点は、意外と知られていないのではないでしょうか。電気代やエネルギーの安定供給に関心のあるビジネスパーソンの方にとっても、見逃せない内容だと感じましたので、今回はこの話題を電力業界の視点から掘り下げてみたいと思います。
目次
- 1. 小水力発電とは?仕組みと注目される理由
- 2. 須坂市・米子川第一発電所に見る小水力発電の実際
- 3. 「雪は蓄電池」雪解け水が生む発電の「フィーバー」とは
- 4. 少雪化がもたらす発電量の減少と負のスパイラル
- 5. 小水力発電から考える、これからのエネルギーとビジネスの視点
1. 小水力発電とは?仕組みと注目される理由
「小水力発電」という言葉を聞いたことはあっても、詳しい仕組みまでご存じの方は意外と少ないかもしれません。まずは基本からおさらいしていきましょう。
出力1000キロワット以下という基準
小水力発電とは、一般的に出力1000キロワット以下の発電所を指すとされています。単純計算では、1000キロワット規模の発電所であれば1000世帯以上の電力を賄えることになります。黒部ダムのような大規模な発電施設とは異なり、小川程度の水路にも設置できるのが特徴です。文字通り「小規模」な発電設備でありながら、地域の電力需要を支える存在になり得るポテンシャルを持っています。
全国有数の「適地」とされる信州の地形
山々に囲まれ、多くの河川が流れる信州は、全国的に見ても小水力発電の「適地」が多い地域だとされています。急峻な地形による大きな落差と、豊富な水量。この2つの条件がそろうことで、効率的な水力発電が可能になるのです。エネルギー業界に携わる立場から見ても、地域資源を生かした発電の好例として注目に値するテーマだと感じます。
2. 須坂市・米子川第一発電所に見る小水力発電の実際
実際の現場では、小水力発電はどのように行われているのでしょうか。ある発電所の事例をもとに見ていきます。
日本の滝百選のひとつ「米子大瀑布(よなこばくふ)」を源流とする米子川に、米子川第一発電所はあります。最大で一般世帯300戸分の発電能力を持つこの発電所は、2018年に稼働を開始しました。小さな小屋ほどの大きさの建屋の中では、落差41メートルの導水管を通ってきた水が「ゴー」という音を立てながら水車を回し、24時間365日休むことなく発電を続けています。
発電所の概要
発電所の主なスペックを表にまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 水源 | 米子川(源流:米子大瀑布) |
| 稼働開始 | 2018年 |
| 最大発電能力 | 一般世帯300戸分相当 |
| 落差 | 41メートル |
| 最大流量 | 毎秒0.8トン |
| 稼働時間 | 24時間365日 |
| 建設費用 | 約3億6千万円(売電収入で2030年までの回収を目指す) |
液晶パネルには複数ある発電機の稼働状況が表示されており、そのうちの1機は毎秒0.38トンの水で85キロワットを発電しているそうです。これだけで100世帯以上の電力を賄える計算になります。水は高い位置から勢いよく流れ落ち、静かに川へと戻っていきます。水が持っていた「高さ」の位置エネルギーが、電力という形に変わる瞬間です。自然の力が、私たちの日々の暮らしを支えるエネルギーへと姿を変える様子を、あらためて実感させられます。
3. 「雪は蓄電池」雪解け水が生む発電の「フィーバー」とは
今回取材のきっかけとなったのが、「雪は蓄電池」という印象的な表現です。小水力発電所を運営する経営者は、発電の勢いをパチンコの大当たりになぞらえて「フィーバー」と表現しています。
米子川には、水源である山に降った雪解け水が流れ込みます。例年であれば3月末から5月中旬にかけて雪解け水が発電に必要な水量を上回る「フィーバー」状態が続くそうです。ところが、ある年は4月下旬という早い時期にこの状態が終わってしまったといいます。「雪が少ないと『フィーバー』の期間が短いんです」という言葉には、現場ならではの実感がこもっていました。
安定的な小水力発電には、雨よりも雪の存在がより重要になるとされています。降雪が少なく雨に頼る地域では、小水力発電であってもダムが必要になるケースがあります。一方、雪の多い地方では、山々に蓄えられた雪そのものが、いわば天然のダムとしての役割を果たしているのです。雪という自然のストック機能があってこそ、安定した「地産地消」のエネルギー供給が成り立っているという構造は、電力に関わる仕事をしていても新鮮な視点でした。
4. 少雪化がもたらす発電量の減少と負のスパイラル
気になるのが、少雪化が発電量に与える影響です。「フィーバー」状態の期間短縮などを背景に、ここ数年で発電量が2割以上減少しており、今後さらに減少する可能性もあるとされています。約3億6千万円をかけた建設費用は売電収入によって2030年までの回収を目指しているとのことですが、計画通りに進むかどうかは予断を許さない状況のようです。
さらに懸念されているのが、次のような負のスパイラルです。 ・水力発電量の減少 ・化石燃料による発電量の増加 ・二酸化炭素(CO2)排出量の増加 ・地球温暖化の加速 ・降雪量のさらなる減少
雪が減ることで発電量が落ち、それを補うために化石燃料由来の発電が増え、CO2排出量が増加し、温暖化が進み、結果としてさらに雪が減っていく。この悪循環は、小水力発電に限らず、再生可能エネルギー全体、そして電力業界全体が向き合うべき構造的な課題だと言えるでしょう。
5. 小水力発電から考える、これからのエネルギーとビジネスの視点
発電事業者は、人里に近い場所だけでなく、まとまった降雪量が期待できる山岳地帯でも小水力発電を設置できないか、調査を進めているといいます。落差の大きさというメリットがある一方で、送電網の整備、水利権者との調整、自然環境の中にある設備の保守点検など、事業化に向けたハードルは決して低くありません。それでも持続可能な事業展開を目指し、専門の法人を立ち上げる動きも出てきています。
「豊富な水と急峻な地形がそろい、小水力発電に適した環境は、日本国内、さらに世界的に見ても非常に恵まれている」。これは取材の中で語られた言葉ですが、地域資源を活かしたエネルギー事業の可能性を象徴する一言だと感じます。
中東情勢をめぐり、エネルギー問題への関心はビジネスの現場でも高まっています。数千キロ離れた地域から運ばれる原油に由来する発電と違い、小水力発電のような自然エネルギーは「地産地消」が可能です。電気代やエネルギーコストの変動リスクに向き合うビジネスパーソンにとって、こうした地域密着型のエネルギーがどう育っていくのかは、今後も注目しておきたいテーマではないでしょうか。
まとめ
「雪は蓄電池」という言葉から出発し、小水力発電の仕組みや現場のリアルな声を追いかけてきました。出力1000キロワット以下という小規模な発電設備でありながら、地域の電力需要を支える力を持つ小水力発電。その安定運用には、雨以上に雪の存在が重要な役割を果たしています。しかし近年の少雪化は発電量の減少という形で影響を及ぼし始めており、「水力発電量の減少→化石燃料の増加→CO2排出増→温暖化加速→降雪減少」という負のスパイラルへの懸念も指摘されています。建設費の回収計画にも影響しかねないこの変化は、再生可能エネルギー事業全体が抱える構造的なリスクとも言えるでしょう。中東情勢などでエネルギー問題への関心が高まる今だからこそ、天候や自然条件に左右されながらも「地産地消」を実現する自然エネルギーが持つ価値を、ビジネスの視点からもあらためて見直すタイミングなのかもしれません。
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【速報】岐阜県で40.3℃・全国最速の「酷暑日」に 中部エリアの猛暑と電気代対策を解説

【速報】本日、2026年7月21日、岐阜県郡上市の八幡で40.0℃、続いて多治見市で40.3℃を観測し、今年全国で初めて気温が40℃を超えました。今年4月に気象庁が新たに定めた「酷暑日」という呼び名が使われるのは、これが初めてのケースです。しかも今回40℃に到達したのはどちらも岐阜県、そして豊田や名古屋でも軒並み39℃台後半まで気温が上がり、まさに中部地方が全国の暑さの震源地となった一日でした。全国42都府県には今年最多となる熱中症警戒アラートが発表されており、命に関わる暑さへの警戒が続いています。この記事では今回の「酷暑日」ニュースを整理しつつ、中部エリアにお住まい・お勤めの方に向けて、電気代を抑えながら安全に夏を乗り切るためのポイントもあわせてご紹介します。
目次
- 1. 中部エリアを直撃!岐阜県で全国初の「酷暑日」を観測
- 2. 「酷暑日」とは?猛暑日との違いをおさらい
- 3. 中部エリア各地で40℃前後の猛烈な暑さに
- 4. 熱中症警戒アラート、今年最多の42都府県に発表
- 5. この記録的な暑さ、いつまで続く?
- 6. 「酷暑日」を安全に、賢く乗り切るために
1. 中部エリアを直撃!岐阜県で全国初の「酷暑日」を観測
2026年7月21日、太平洋高気圧が西日本から東日本まで広く覆い、各地で真夏の強い日差しが照りつけました。中でも海風の影響が届きにくい岐阜県内では複数の地点で気温が39℃を超え、郡上市のアメダス八幡では13時50分すぎに最高気温40.0℃を観測。今年全国で初めて40℃に到達しました。
その後14時すぎには、多治見市のアメダス多治見でも40.3℃を観測し、今年の全国最高気温を更新しています。国内で気温が40℃に達したのは2025年8月31日の名古屋市以来のことで、気象庁が2026年4月に定めた新しい呼び名「酷暑日」が使われるのは、今回が初めてです。多治見での40℃以上の観測は4年ぶり9回目、八幡にいたっては1978年の統計開始以来初めての快挙(?)となりました。
今年最初の「酷暑日」の舞台が岐阜県、そして後述の通り愛知県も含めた中部エリア一帯だったという事実は、私たちにとっても他人事ではありません。
2. 「酷暑日」とは?猛暑日との違いをおさらい
「酷暑日」という言葉を初めて聞いた方も多いのではないでしょうか。気象庁は2026年4月17日、最高気温が40℃以上となる日の名称を正式に「酷暑日(こくしょび)」に決定したと発表しました。
名称の決定にあたっては2026年2月27日から3月29日にかけてホームページでアンケートが実施され、総回答数は478,296票にのぼりました。結果は以下の通りです。
| 順位 | 候補名 | 得票数 |
|---|---|---|
| 1位 | 酷暑日 | 202,954票 |
| 2位 | 超猛暑日 | 65,896票 |
| 3位 | 極暑日 | 25,638票 |
(出典:気象庁「最高気温が40℃以上の日の名称に関するアンケート結果」より作成)
「酷暑日」は2位の「超猛暑日」に3倍以上の差をつけて選ばれました。もともと日本気象協会が2022年から独自に使用していた名称であり、社会的になじみがあったことも選定の決め手になったようです。
これまで最高ランクの予報用語だった「猛暑日」に、新たに「酷暑日」が加わり、最高気温の基準は次のように整理されます。
| 名称 | 最高気温の基準 |
|---|---|
| 夏日 | 25℃以上 |
| 真夏日 | 30℃以上 |
| 猛暑日 | 35℃以上 |
| 酷暑日 | 40℃以上(NEW) |
「猛暑日」までは聞き慣れていても、その上に「酷暑日」というステージができたと聞くと、今年の夏の厳しさが伝わってくるのではないでしょうか。
3. 中部エリア各地で40℃前後の猛烈な暑さに
今回とくに注目したいのは、7月21日14時10分までの全国最高気温ランキングです。
| 順位 | 地点 | 都県 | 最高気温 | 観測時刻 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 多治見 | 岐阜県 | 40.3℃ | 14:09 |
| 2 | 八幡 | 岐阜県 | 40.0℃ | 13:56 |
| 3 | 豊田 | 愛知県 | 39.9℃ | 14:08 |
| 4 | 名古屋 | 愛知県 | 39.7℃ | 14:09 |
| 4 | 美濃 | 岐阜県 | 39.7℃ | 13:40 |
(出典:ウェザーニュース「今日の最高気温」2026年7月21日14時10分時点のデータより作成)
上位5地点のうち4地点を岐阜県・愛知県が占めており、中部エリアがまさに全国で最も暑いエリアになっていたことがわかります。今回、東海地方以外でも近畿や関東などで体温を大きく上回るような危険な暑さになっており、日本全体が厳しい暑さに見舞われた一日です。
4. 熱中症警戒アラート、今年最多の42都府県に発表
気温の上昇にあわせて、7月21日には熱中症警戒アラートが今年最多となる42都府県に発表されました。熱中症警戒アラートは、暑さ指数(WBGT)が高くなると予想される際に環境省と気象庁が発表する情報で、外出をできるだけ避け、こまめな水分・塩分補給や適切な冷房の使用を呼びかけるものです。
日中の気温が高い時間帯の外出はできるだけ控え、室内でも冷房による室温調整を欠かさないようにしましょう。
5. この記録的な暑さ、いつまで続く?
今回の厳しい暑さは、数日にわたって続くと見られています。名古屋や埼玉県の熊谷では、7月23日(木)まで連日40℃前後となるおそれがあると伝えられています。
背景にあるのは、太平洋高気圧とチベット高気圧が上空で重なる「ダブル高気圧」です。ウェザーニュースの見解によると、7月下旬から8月上旬にかけてこの状態が発生しやすく、海風が入りにくい内陸部を中心に40℃前後の危険な暑さが続出するおそれがあるとされています。
振り返ると、2025年は国内で40℃以上を記録した地点がのべ33地点にのぼり、年間の観測数として過去最多となりました。同年8月5日には群馬県伊勢崎市で国内史上最高となる41.8℃を記録しています。消防庁のまとめでは、2025年の熱中症による救急搬送者数は2008年の調査開始以来最多の100,510人に達したとされています。長野県内でも猛暑日となる地点が増えており、中部エリア全体で「例年通り」という感覚は通用しにくくなっていると言えそうです。
6. 「酷暑日」を安全に、賢く乗り切るために
「酷暑日」という新しい言葉が生まれたのは、それだけ40℃超えの危険が身近になったことの表れでもあります。ご家庭でも、職場や店舗でも、これまで以上の備えを意識したいタイミングです。
今日からできる熱中症対策
・こまめな水分・塩分補給を心がけましょう
・屋外での作業や外出は、なるべく朝夕の涼しい時間帯に
・エアコンを我慢せず適切に使用し、室内でも熱中症に注意しましょう
・体調の異変を感じたら、無理をせずすぐに涼しい場所へ移動しましょう
・店舗や事務所で働く方は、休憩スペースの温度管理にもぜひ目を配ってみてください
電気代を抑えながら冷房を使うコツ
・冷房の設定温度は28℃程度を目安にしつつ、サーキュレーターや扇風機を併用して空気を循環させる ・エアコンのフィルターを月1〜2回程度掃除し、冷却効率を保つ ・日中の日差しが強い窓には、遮熱カーテンやすだれを活用する ・電気の使用量が集中する日中の時間帯を把握し、無理のない範囲で使い方を見直す
「我慢して電気代を抑える」のではなく、「上手に使いながら賢く抑える」意識が、この先の厳しい夏を乗り切るカギになりそうです。
まとめ
2026年7月21日、岐阜県の八幡と多治見でそれぞれ40.0℃、40.3℃を観測し、今年全国で初めて、そして気象庁が新設した「酷暑日」としても初めての40℃超えとなりました。上位地点の多くを岐阜県・愛知県が占めたことからも、中部エリアがこの夏の暑さの中心にあることがうかがえます。熱中症警戒アラートは今年最多の42都府県に発表され、厳しい暑さは数日続く見通しです。過去の経験則が通用しにくい「酷暑日」の時代だからこそ、こまめな水分補給や適切な冷房の使用など、基本的な対策をあらためて徹底していきましょう。
情熱電力からのお知らせ
厳しい暑さが続くこの夏、エアコンの使用頻度が高まることで電気代への影響が気になる方も多いのではないでしょうか。情熱電力では、皆さまが安心して夏を乗り切れるよう「夏の省エネ応援キャンペーン」を実施しています。
・太陽光発電・蓄電池の無料シミュレーション:自家発電で「酷暑日」のピーク電力を賢くカバーしませんか?
・最新の省エネ家電導入相談:古いエアコンを買い替えるだけで、電気代が大幅に削減できる場合があります。
地域のエネルギーを支える情熱電力として、皆さまが健康で涼しい夏を過ごせるよう全力でサポートいたします。電気代のことが気になる方は、お気軽にご相談ください。
TEL:0263-88-1183 お問い合わせ:https://jo-epco.co.jp/contact
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・環境省:熱中症予防情報サイト 熱中症警戒アラート
・総務省 消防庁:熱中症情報 救急搬送状況
情熱電力の過去記事
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